東京23区の植物スポット
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東京23区に、まるで別世界のような、熱帯系の植物スポットがあるのをご存知でしょうか?
本記事では、約700種類2000本の植物が育つ「板橋区立熱帯環境植物館」を訪れたときのことをご紹介します
「熱帯の環境を楽しみながら学べる博物館型植物館」というテーマを掲げており、めずらしい植物はもちろん、カラフルな魚やユニークな爬虫類にも出逢えます。
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都営三田線「高島平駅」からの徒歩ルート
「板橋区立熱帯環境植物館」には、都営三田線「高島平駅」から、歩いて向かいました。
寄り道をしたため、駅からの最短ルートではありませんが、「板橋区立熱帯環境植物館」からほど近い遊歩道を通り抜けるルートです。
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季節感を演出(クリスマスツリー)
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冬を代表する花「ポインセチア」とあわせた演出で、周囲からは頻繁にシャッター音が聞こえてきました。
地下のエリア~ミニ水族館
館内の順路は、地下のエリアからスタートします。
ネジレフサマメの板根(ばんこん)
建物内の階段を下りていくと、「ネジレフサマメの板根(ばんこん)」が展示されています。
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- ネジレフサマメ
- タイやマレーシアなどで自生し、樹高20mほどまで育つ植物
- 板根(ばんこん)
- 地表近くの根から幹にかけた部分が発達し、壁のような形状をしている
- 土壌が浅く、深くまで根が張れない場所でも、自重を支えるために発達させた器官
インドシナウォータードラゴンの「グリちゃん」
板根の付近には、インドシナウォータードラゴンの「グリちゃん」が飼育されていました。
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板橋区立熱帯環境植物館の人気者
透明な水槽に入った「グリちゃん」は、活発に動きまわっており、勢い余っていきなり水槽の中から飛び掛かってきました…!
水槽に激突して水中に落下していましたが、なにかを、エサと勘違いさせてしまったようです。
雑食で、身体の色を変化させられる
そのすがたは完全に肉食ですが、「インドシナウォータードラゴン」は、昆虫や果物などを食べる雑食です。
「グリちゃん」はあざやかな緑色に身体を色づけていましたが、天敵から身を守るために、身体の色をある程度変化させられるのも特徴的です。
ミニ水族館
地下のエリアには、さまざまな魚が展示されている「ミニ水族館」が設けられています。
「ミニ水族館」では、カラフルな熱帯魚や、毒をもっていそうなクラゲなどが、忙しなく泳ぐ光景が印象的です。
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「板橋区立熱帯環境植物館」では、近隣の「板橋清掃工場」の余熱を利用しているため、25℃程度の水温を好む熱帯魚でも、元気よく育てられるのでしょう。
スポッテッド・ナイフフィッシュ(?)
ユニークな見た目をした魚も、優雅に泳ぎ回っていました!
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おそらく「スポッテッド・ナイフフィッシュ」という魚だと思われます。
身体に描かれている魚の目のような模様で、外敵をカモフラージュしているのでしょう。
エイ
「ミニ水族館」で、多くの注目を集めていた存在が、慌ただしく泳ぎ回っていたエイです。
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水族館で展示されているエイは、他の魚のすぐ近くを泳いでいることがあります。
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他の魚に、エイの毒針が刺さってしまうことはないのかな…!?
と疑問に感じることがありますが、エイは自分から危害を加えることは、ほとんどない魚です。
魚同士の相性もあるため、水族館で見られるエイの多くは、温和な性格の魚と同じ水槽で飼育されています。
さまざまな植物が立ち並ぶエリア
いよいよ、植物館が待つスポットへ足を向けました。
植物が育つエリアは、以下の4つのゾーンに分かれています。
- 潮間帯ゾーン
- 熱帯低地林ゾーン
- 集落景観ゾーン
- 雲霧林ゾーン
潮間帯ゾーン
まずは「潮間帯ゾーン」からです。
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ちなみに、「潮間帯(ちょうかんたい)」とは、陸と海の狭間のエリアを指します。
満潮で海面が高くなると水中になり、干潮で海面が低くなると陸地になるため、植物が暮らす環境としては過酷です。
以前、旅行中にガイドさんから「他の植物と陸地で生存する競争に負け、追いやられた植物が、潮間帯で暮らしている。」と聞いたことがあります。
しかし現在では、「過酷な環境でも生き抜ける強い植物が、自ら潮間帯に進出した。」という説が有力だそうです。
ホペア・オドラタ
「ホペア・オドラタ」は、自生地では樹高が40mほどまで大きくなる植物で、「板橋区立熱帯環境植物館」でも大きくそびえ立っていました
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樹高が高い割に、幹がそこまで太くないので、強い風が吹かない地域で育つ植物なのかもしれません。
ゴバンノアシ
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ゴバンノアシは、碁盤の脚に似ていることが名前の由来
「ゴバンノアシ」は、囲碁を打つ碁盤(ごばん)の脚(あし)の部分に似ていることが、名前の由来になっています。
インドやマレー半島が原産地で、日本でも、石垣島などの暖かい地域で自生しています。
ゴバンノアシの果実には毒があり、水に浮く
植物はたねを運んでもらうために、鳥や動物に果実を食べてもらう必要があります。
「ゴバンノアシ」のように、鳥などの力を借りるつもりがないのであれば、わざわざ果実を付ける必要はないのではないか。と思い、調べてみたところ、以下のことが分かりました。
「ゴバンノアシ」の果実には、魚から食べられないように毒が入っており、スポンジ状で浮力があるようです。
魚からの食害を防ぎ、たねを遠くまで運ぶための重要な役割を、果実が担っているのです。
熱帯低地林ゾーン
つづいて向かったのは、「熱帯低地林ゾーン」です。
「低地林」は、標高の低い土地で育つ植物のことを指します。
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滝に打たれたままの状態でも、青々とした葉を展開する植物のすがたも見られました
水に濡れたままの環境では、腐ってしまう植物が多いですが、湿潤な環境にも適応した植物がいるのですね。
ウナズキヒメフヨウ
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「ウナズキヒメフヨウ」はハイビスカスの仲間で、「優しい感受性」という花言葉をもっています
ビヨウタコノキ
つづいて目に留まったのは、「ビヨウタコノキ」が実らせた大きな実です
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本物の実を触れる
実際に実を手にしてみると、3~4kgほどの重さがあり、中身が詰まっている様子がうかがえました
和名の由来
「ビヨウタコノキ」の和名の由来は、以下のとおりです。
- 美しい葉(見た目)をしている
- 美葉(美容)=ビヨウ
- 幹の下から生やす気根が、タコの足のように見える
- =タコノキ
ユニークな意味合いが、由来しています。
イクソラ・コッキネア
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たくさんの小さな花を周囲に広げ、立体的な形状を演出しています
ビルマムツアシガメの「ムッちゃん」
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「ムッちゃん」は、館内で行われるイベントに登場することがあり、マスコットキャラクターとして愛されている存在です。
このあと、従業員の方々が台車で移動させ、クリスマスイベントに登場していました!
コモチクジャクヤシ
「コモチクジャクヤシ」は、さまざまな色に染めた実を垂れ下げ、大きな存在感を放っています。
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実は、時間の経過とともに色合いを変えていくのでしょう。
和名の由来
「コモチクジャクヤシ」は、以下の特徴から名付けられた和名です。
- 株元から多くの子株を吹く
- 子持ち=コモチ
- クジャクの羽のような葉を展開させる
- =クジャクヤシ
この特徴的な実が、和名の由来になっていないのは、少しばかり疑問が残ります…。
夏に開花し、数か月後に実を付ける
「コモチクジャクヤシ」は6~8月ごろに開花し、その数か月後に、海中に漂う魚のたまごのような実を付けます。
緑のトンネル
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このトンネルでは春になると、「ヒスイカズラ」がユニークな花を垂れ下げ、より一層見ごたえのあるスポットになるそうです
集落景観ゾーン
つづいて、「集落景観ゾーン」です!
モクセンナ
まずは、黄色い花を咲かせた「モクセンナ」です。
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「モクセンナ」は、観賞価値の高い植物ですが、薬用に用いられることもあります。
樹脂や葉を煎じて飲むことで、痛風や糖尿病にも効き、止血に効果を発揮するそうです。
カリアンドラ・ハエマトケファラ
「カリアンドラ」という名前は、ギリシャ語で「美しい雄しべ」という意味なのだとか。
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「カリアンドラ・ハエマトケファラ」は、日本では「オオベニゴウカン」と呼ばれることもあります。
「板橋区立熱帯環境植物館」では赤い花を咲かせていましたが、白い花の品種も存在します。
爬虫類エリア
訪れたタイミングで活発に動いていたのが、天狗のような鼻をした「ライノラットスネーク」です。
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ゲージに入っているため安心して見られましたが、あらためて写真を見返すと、迫力ある顔つきをしています…!
「ライノラットスネーク」は、子どものうちは茶色いすがたをしているため、「板橋区立熱帯環境植物館」で育つ個体は、あまり大きくありませんでしたが、すでに大人なのでしょう。
雲霧林ゾーン
植物のゾーンで、さいごにご紹介するのは「雲霧林ゾーン」です。
セロジオ ムルチフローラ ‘スワダ’
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1株が咲かせる花の数は、1,000輪ほどあるのでは!?
と思わせるくらい多くの花を咲かせる「セロジオ ムルチフローラ ‘スワダ’」は、一見の価値ありです
さまざまな花を咲かせる植物
雲霧林ゾーンでは、この日、もっとも多くの花々を楽しめました。
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高い湿度と低い気温を確保
雲霧林ゾーンにはミストシャワーが設置されており、高い湿度を確保するための工夫がされていました。
また、すずしいエリアで自生する植物を育てるために、一年中室温が低く保たれています。
特に暑い季節には、雲霧林ゾーンでもひと休みできるくらい、快適な室温になっています。
パイナップル
「パイナップル」というネームプレートを掲げた植物も、館内の一角で元気よく育っていました
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さまざまな植物が立ち並んでいますが、パイナップル科の植物は、1,400種以上が存在するグループです。
「板橋区立熱帯環境植物館」でも、さまざまなパイナップル科の植物が、観賞価値の高い葉を展開していました
チランジア(エアプランツ)
「チランジア」は、大小さまざまな株が展示され、個性的なオーラを放っています
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木製の板とあわせて展示され、日当たりがよい環境で育てられています。
その他のエリア
植物ゾーンのあとには、「常設展示コーナー」と「植物販売コーナー」が設けられていました。
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常設展示コーナー
「常設展示コーナー」では、昆虫ジオラマの展示がされています。
他にも、熱帯雨林の破壊や修復、その生態系などを詳しく紹介しており、いろいろと考えさせられる面もありました。
植物販売コーナー
訪れた日は「植物を観賞して楽しむモード」だったので、植物を購入する予定はなかったのですが…。
「ポインセチア」が、園芸店の半額ほどの価格で販売されていたため、購入してしまいました…
まとめ
多くの植物にはネームプレートが設置されていない
「板橋区立熱帯植物館」の特徴のひとつに、ネームプレートが設置されていない植物が多い点が挙げられます。
植物のありのままのすがたや、自生地の雰囲気をリアルに感じ取れる意味では、長所とも言える点です。
公式HPに植物図鑑が掲載されている
できれば、植物の名前や特徴を確認しながら、館内を見て回りたい
という方には、「板橋区立熱帯環境植物館」の公式HPに載っている「植物図鑑」で、館内の主要な植物が確認できます。
館内ガイドツアー&水族館のごはんのじかん
「板橋区立熱帯環境植物館」では、さまざまなイベントやサービスが実施されています。
- 館内ガイドツアー
- 魚や植物の説明を、プロの方から直接聞くことができる
- 水族館のごはんのじかん
- 魚がご飯を食べている様子を、観賞できる
- その他のイベント
- それぞれの季節ごとに、独自のイベントが開催されている
以上です!
本記事では「板橋区立熱帯環境植物館」をご紹介しました!
関東圏内の植物園については、以下の記事でまとめています
「板橋区立熱帯環境植物館」以外にも、オススメな植物園はあるので、ご興味があればあわせてお読みください
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板橋区立熱帯環境植物館の基本情報
入館料
大人:360円
65歳以上:180円
小・中学生:130円(土日などは小・中学生無料)
住所&アクセス
【住所】
東京都板橋区⾼島平8-29-2
【アクセス】
都営三田線「高島平駅」東口より徒歩約7分
隣接している高島平温室プールに有料駐車場有り
開園時間&定休日
【開園時間】
AM10時00分~PM18時00分
(入館はPM17時30分まで)
【定休日】
月曜日(月曜日が祝日、休日の場合は翌日)
年末年始
電話番号&公式HPなど
【電話番号】
03-5920-1131
【公式HP】
板橋区立熱帯環境植物館の公式HP
【メールアドレス】
nettaikan@seibu-la.co.jp
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