サボテンと多肉植物の違いや共通点:サボテンは多肉植物の一種に含まれる?

サボテンは多肉植物?

‟サボテン”と‟多肉植物”は、なにが同じでなにが違うのか。
どちらの植物も雨が少なく乾燥した地域に自生している植物ですが、実は‟サボテンは多肉植物の仲間”になります。

つまり、多肉植物という大きなグループの中にサボテン科の植物が所属しているということ。
植物学的に、明確な違いといわれると説明に困るのも事実です。

ただしそれは植物学的な話で、日本の園芸においてはサボテンと多肉植物は区別されることもありますので、本記事ではサボテンと多肉植物の特徴や共通点、違いについてご紹介しています!

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目次

サボテンの特徴

「サボテン」は、日本でもっともメジャーといえるぐらい知名度のある植物です。

昔ながらな植物といったイメージも抱かれがちですが、最近でも柱サボテンなどは人気があり、昔から今に至るまで高い人気のある植物のひとつといえるでしょう。

特徴1:水分を蓄える茎

「サボテン」は、体内に水分を貯めることができる肉厚な「茎」を持っています。
トゲを出している胴体の部分は葉ではなく茎の部分です。
この茎を大きく進化させることで、体内に多くの水分を蓄えておくことができるようになり、雨が少なく乾燥の進む環境でも生きていくことができるようになりました。

また、植物は気孔(きこう)とよばれる小さな穴を‟昼に開ける”ことで、外気と体内の間で二酸化炭素と酸素を交換していますが、「サボテン」はこの気孔を昼の間は閉じて‟夜の間に開けて”います。

昼に気孔を開けていると気孔から水分が逃げてしまうため、他の植物とは気孔を開けるタイミングを変えることで、水分蒸散を防ぎ乾燥に強い植物へと進化をとげた植物でもあります。

特徴2:トゲ

「サボテン」の中にはトゲの無い品種もいますが、多くのサボテンにはトゲがあります。

このトゲに誤って触れてしまうと、とてもイタイ。。。
植え替えのときには、分厚めの手袋が必須となります・・・!

そもそも、なぜ「サボテン」にはトゲがあるのか。
「外敵から身を守るため」というのはイメージしやすいですが、実はサボテンのトゲには身を守る「防衛」以外にも役割があります。

サボテンのトゲの「防衛」以外の役割
  • 遮光機能
    • 強すぎる光を浴び続けると光に耐え切れないため、光を遮る役割も担っています。
  • 暑さ・寒さ対策
    • 特に成長点付近はトゲが密集しています。これは暑さや寒さによる成長点へのダメージをおさえるためとされています。
  • 水分の回収
    • 乾燥地帯で生きていくために、霧や朝露が発生した際に、空気中の水分を回収する機能も備えています。
  • 繁殖範囲の拡大
    • サボテンの中には抜けにくいトゲをもっている品種がいます。サボテンに触れた動物にそのトゲがひっかかり、トゲと一緒に茎の一部が外れます。
      ひっかかった動物に遠くまで運んでもらい、運んでもらった先で時間の経過とともに落下し、落下した場所で繁殖するという驚きの進化をしたサボテンもいます。

「サボテン」の品種にもよりますが、さまざまな目的のためにトゲをつけています。

ちなみに、「サボテン」のトゲは‟茎”ではなく、”葉”を変化させたものだと考えられています。

特徴3:夜に開花する

通常植物は昼の間に開花しますが、多くの「サボテン」は、昼では無く夜の間に開花します。

高い気温まで上昇する日中に花を咲かせてしまうと、過度に水分蒸発が進むという理由もありますが、コウモリなどの夜行性の動物に受粉のお手伝いをしてもらう目的があります。
植物と動物が手を取り合い共に生きていく「共生」が、乾燥地帯にも存在しているのです。

サボテンは普段の姿とギャップすら感じさせる色鮮やかな花を咲かせ、「枯れない愛」「燃える心」「温かい心」という花言葉をもっています。

多肉植物の特徴

「多肉植物」は、他の植物よりも多くの水分を体内に蓄えておけるように、肉厚に進化した植物の総称です。

「多肉植物」には、サボテンを含めて15,000種類以上もの品種があるといわれ、「多肉植物」の中には絶滅してしまう品種もありますが、交配によって品種数は増え続けているといえるでしょう。

そんな「多肉植物」の特徴を、何点かあげていきます。

特徴1:葉・茎・根で水分貯蔵

「多肉植物」は、サボテンと同様に、雨が少なく乾燥した環境で生きている植物です。
抜くために葉や茎、根などの体の一部を太らせて、太らせた体内に水分を貯めておくことができるように進化しました。

そもそも体内に貯めている水分量が多いので、水やりは少ないぐらいの方が、逆に調子を崩しづらい植物です。

「多肉植物」が気孔を開けるタイミングは、品種によりさまざまですが、「サボテン」のように夜に気孔を開ける品種もあります。

特徴2:個性豊かな見た目と個性

「多肉植物」は品種数が多く、それぞれの品種が生育する環境に順応するために、いろいろな進化を遂げてきました。

旺盛に枝を伸ばしていく品種や、体の一部をとても大きく肥大化させた品種、体の大部分を土の中に隠している品種など個性豊かな見た目をしています。

また、色とりどりの葉を展開させたり季節によって落葉したり、葉1枚から増える繁殖力を身に付けた品種など、見た目だけでなくそれぞれがオリジナリティあふれる個性をもっています。

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サボテンと多肉植物の違い

「サボテン」と「多肉植物」は似た性質をもっていますが、いくつかの違いもあります。

刺座(しざ)の有無

「サボテン」のもっとも特徴的ともいえるのはトゲですが、「多肉植物」の中にもトゲのある品種がいるので「サボテン」と「多肉植物」の違いとはいえません。
ただし、トゲの根本に綿毛のような‟刺座(しざ)”があるのは、ふたつの植物の明確な違いといえます。
サボテン科に属する植物であれば必ずこの棘座があり、刺座が無いように見える品種であっても、外見からは確認ができないだけで、「サボテン」の体内には存在しています。

「多肉植物」には、刺座がありません。

刺座はアレオーレ(areole)とも呼ばれ、棘座の有無で「サボテン」かそれ以外の植物かに分類されています。

自生地

「サボテン」は、メキシコを含めた南北アメリカの乾燥した砂漠地帯に自生している植物ですが、「多肉植物」は南北アメリカだけではなく、アフリカ大陸を中心に世界中に自生している植物です。

もともと日本に自生していたか

今では多くの家庭などで育てられている「サボテン」も、もともとは日本では自生していませんでした。

「サボテン」は海外から持ち込まれた植物で、ポルトガルから16世紀後半に入ってきたという説が有力ですが、どこの国からいつごろ日本に持ち込まれたのかは諸説あります。

一方の多肉植物には海外から日本に来た品種もありますが、昔から日本で自生していた品種もあるので、もとから日本にいたかどうかも「サボテン」と「多肉植物」の違いといえます。

成長期

「サボテン」は暑い夏に成長する‟夏型の植物”であることから、暑い季節に多くのお日様の光を浴び、たくさんの水を吸収し、旺盛な成長力を発揮します。
普段は成長の遅い植物ですが、夏の間にグーンと一気に成長することもあり、普段の成長の遅さに慣れていると、暑い季節の成長速度には驚かされることもあります。
逆に、寒い季節は水をほとんど必要とせずに、ほとんど成長しません。

一方の「多肉植物」は‟夏型の植物”以外にも、春や秋の暖かい季節を好む‟春秋型の植物”や、寒い季節を好む‟冬型の植物”があり、旺盛に成長する成長期は品種によりさまざまです。

成長期が夏に限定されているのか、品種による違いがあるのかといった点も「サボテン」と「多肉植物」の違いとなります。

サボテンと多肉植物の共通点

「サボテン」と「多肉植物」は、どちらも水分を体内に貯めることのできる植物ですが、それ以外にも共通点はあります。

強い光と乾燥した環境を好む

前述のように主に「サボテン」と「多肉植物」は、雨が少なく乾燥した地域に自生しています。
乾燥している地域には日当たりを遮るような大きな樹も少なく、植物に直接日が当たりやすい環境といえます。

「多肉植物」の中には“ハオルチア”のような日当たりの良すぎる環境を好まない植物もいますが、そういった品種は「多肉植物」の中でごく少数で、ほとんどの品種は強い日を好みます。

また、それぞれの植物が暮らしている土壌は肥料分が少なく、限られた栄養分の中で暮らしているといった特徴もあります。

品種によって食べることができる

「サボテン」の中でも“ウチワサボテン”などの品種は、料理に出されることが知られていますが、「多肉植物」の中にも「グラパラリーフ」といった食べることのできる品種があります。

特に、サボテンはメキシコでは日常的に食べられている野菜のひとつです。

育てやすい

「サボテン」も「多肉植物」も水やりを少なめにして、よく日光浴をさせることができれば、たとえ枯らそうと思ってもなかなか枯れづらい植物です。
乾きやすい用土を使用することで、枯らしてしまうリスクはさらに下げることができるので、初心者向けの植物といえます。

成長速度はいずれも遅い品種が多く、成長しているのか分かりづらい植物ではありますが、インテリアのひとつとして楽しむことができ、なにより他の植物にはないユニークな見た目には心奪われるものがあります!

以上です!

冒頭にも触れましたが、「サボテン」は「多肉植物」の仲間なので、違いよりも共通点の方が多いです!

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