ほとんど全斑の生育記録
植物全体が白や黄色に色付いた「全斑(ぜんふ)」をご存じですか?
全斑の植物は、通常は市場に出回らないため、園芸初心者の方には馴染みがないかもしれません。
では、ほんの少しだけでも葉緑体をもつ「ほとんど全斑の植物」は、枯れてしまうのでしょうか?
斑の割合がどれくらいであれば、単独でも生きられるのでしょうか?
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全斑の植物は葉緑体をもたないため、独立して生きていけない
全斑の植物はタネから育つ「実生(みしょう)」ではなく、アガベなどの子株を吹くタイプの植物の子株として、稀にあらわれることがあります。
葉緑体がないため光合成ができず、親株から外すと枯死してしまうため、「お化け」や「ちょうちん」とも呼ばれる植物です。
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過去に全斑の植物が育つかチャレンジしたことはありますが、案の定、枯れてしまいました…。
園芸店の売り場で全斑の植物を見たことはありませんが、フリマアプリなどでは販売されていることもあります。
比較的めずらしい植物ではあるものの、葉緑体をもつ株のような生育はできません。
検証記録(少しでも緑色の部分があり、葉緑体をもっていれば生育するのか)
検証開始初日(2025年5月9日)
今回は、アガベ「吉祥冠錦(Agave potatorum ‘Kissho Kan’ variegata)」の子株で検証を行います。
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根詰まりがかなり進行していました…。
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吉祥冠錦は成長が早く、子株をよく付けるため、アガベ初心者にもおすすめの品種です。
「吉祥冠錦」の子株を3つ取り外しました。
いずれの株も、すでに元気な根を生やしていたので、そのまま鉢に植え付けます。
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鉢と培養土については、以下の記事を参考にしてください
- 写真の左側に映る株:ほとんど全斑(わずかに緑色に染まった部分がある)
- 写真の中央に映る株:葉を染める斑の割合は6~7割ほど
- 写真の右側に映る株:葉を染める斑の割合は1~2割ほど
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同じ親株から外したため、3株同士は、クローンの植物という位置づけになります。
それぞれの根の量も、ちょうど同じくらいでした。
大きなトラブルが起きなければ、葉緑体のある右側の株と中央の株は、おそらく問題なく育つでしょう。
「ほとんど全斑の左の株が、元気に成長できるか」という点に着目していきます。
検証開始から115日経過(2025年8月31日)
全斑のアガベが育つのか、検証を開始してから115日が経過しました。
今のところ、予想と異なる変化が見られます。
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- 写真の左側に映る株:葉数は減ったものの、中央の葉がわずかに成長している
- 写真の中央に映る株:葉を外側に広げ、調子がよい
- 写真の右側に映る株:葉が内側に丸まり、水分不足に陥っている様子
緑色の面積が広く順調に育つと思っていた株に不調な様子が見られ、ほとんど全斑の株が、しっかりと根付いたように見えます。
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同じタイミングで取り外した子株を、同じ環境で育てていても、大きな変化が見られるものです。
アガベは強い植物なので、多少調子が上がらなくても、枯れるリスクは低いと思います。
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まずは多くの葉緑体をもつ株に、旺盛な成長を見せてもらいたいところです。
引きつづき、今後の子株の変化について、記録を付けていきます
(更新中)
自宅で育てているアガベの成長記録は、以下の記事でまとめています
よろしければ、あわせてお読みください


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