アガベ専門の園芸店
近年、観葉植物の人気が高まっていますが、「アガベ」という植物にも焦点が当てられています!
「アガベ」はリュウゼツラン属の植物のことで、人気な品種にはなんといっても荒々しいトゲ(鋸歯)を持った「チタノタ(オテロイ)」がいます!
ほかにも「笹の雪」や「オバティフォリア」、「パリー」など、アガベをメインで収集している愛好家が増えてきていますね。
今でこそ高い人気を誇っている「アガベ」ですが、ひと昔前まで、ガーデニングショップに足を運んでも取り扱い自体がないことも多く、もし取り扱いがあっても割と片隅に追いやられているような立ち位置にいる植物でした。
「アガベ」人気に火が付いたのは、最近のことで、今や数万種類いると言われる多肉植物でもトップクラスに人気のある植物になりました!
そんな「アガベ」を専門的に扱っているお店といってもいいほどのお店が、埼玉県には存在します!
本記事では、埼玉県草加市にある「カトーエンゲー(kato engei)」に行ってきたときのことを、ご紹介します!
「カトーエンゲー」で取り扱っている植物の95%以上はアガベで、“アガベの聖地”ともいわれている園芸店です!
アガベ愛好家にとっては、たまらない空間が広がっています!
ビニールハウスは2棟あり※、ハウス内では鉢に植えられているコンパクトサイズのアガベや地面に直接植えられている「地植え」のアガベがいます。
さらに、ハウス内だけではなく、ハウスの外周にも地植えされているアガベを中心に、多くの品種のアガベと巡り会うことができる「夢のアガベワールド」といも言える空間が広がっていました!
※現在はビニールハウスの数は、さらに増設されているようです。
カトーエンゲー(kato engei)の売り場
「カトーエンゲー」は、住所非公開の園芸店となっています。
また、過去に訪れたことのある方でも、いつでも行っていいワケではなく、事前にインスタグラムのDMにて来店予約をする必要があるので注意が必要ですね
インスタグラムのDMで事前予約をする際に、住所を教えてもらうシステムを導入していますが、現在はGoogleMapなどで「カトーエンゲー」と入力すると、店舗の所在地がでてきてしまうようになっています。
GoogleMapで到着できてしまったとしても、“ルールを守って園芸を楽しむことが必要になります。
ハウスの外周
「カトーエンゲー」に到着してから、まずはハウスの外周を見て回ることにしました!
ハウス内に入る前から、早くも“アガベの聖地”といった雰囲気が漂っていますね。
日本の降水量が多いということもありますが、「アガベ」が本来育っているメキシコなどの地域は、日本よりも雨が少ない特徴を持っています。
自生地よりも雨の多い日本で雨に直接当たる“雨ざらし”の環境で育てると、必要以上に水に当たることになり、多湿によって調子を崩してしまうアガベも・・・。
アガベのことを熟知している店主のカトーさんの豊富な知識と経験値によって、ハウスの外で雨ざらしで育てるかハウス内に置くかを選別されていることもあって、屋外で雨ざらしの環境下にいるアガベもキレイな状態でした!
ハウス内
外周を見て回ったあとに、ハウスの中に入っていきました!
鉢植えエリア
ハウス内でも、ここは鉢植えに植わっているアガベたちのエリアです!
主にアガベが並んでましたが、少しだけアロエの品種も見受けられます。
植物に一定の知識を持っていたとしても、アガベなのかアロエなのかを見分けづらい品種もあります。
最近見かける機会が増えてきた、アロエのハイブリッドなどもいました!
ほかの品種とかけ合わせることで遺伝子が強くなり、育てやすい品種が生まれるのは納得できますが、一般的にハイブリッドの品種は価格帯が落ちるケースにあります。
アロエの世界は、逆にハイブリッドの品種の方が見た目がイカツいものになり、価値が上がることもあるので、ほかの植物と比べると不思議な世界が広がっているといえるでしょう。
地植え・半地植えエリア
鉢植えにアガベが植えられていたハウスとは別のハウスでは、ほとんどが「地植え」かまたは、鉢ごと土に植えている「半地植え」で育つアガベが!
「半地植え」は、地植えされている植物よりは成育は遅いですが、鉢底からでてきた根が地面のなかで育っていくので、普通に鉢植えするよりも早くそして大きく育ちやすく、水の管理のしやすさが増す園芸ワザです。
屋外からハウス内にアガベを移動するときや、お客さんの元に旅立つときに、地植えされている状態よりは植物を抜くときにアガベに与えるダメージが少なく済む。といったメリットもあります。
ハウス内には、多くの「アガベ」が植えられているものの、きちんと維持管理が行き届いているので、歩きやすい空間になっています!
わたしの自宅には、地植えできるスペースはないので鉢で育てるしか選択肢がありませんが、「地植え」、「半地植え」、「鉢植え」と3つの選択肢がとれて、羨ましい限りの空間ですね!
どこのスペースで、何の品種を、どうやって育てるのか。といった選択があるので、贅沢な悩みが待っていそうです。
チタノタ/オテロイ(Titanota/Oteroi)
冒頭にも触れましたが、最近の人気の急上昇とともに、数万円、数十万円という販売価格まであがっている「チタノタ(オテロイ)」も地植えにされていました!
「チタノタ」はそこまで寒さに強くない品種とされていますが、神奈川県内にあるわたしの自宅では、屋外の軒下で特にダメージを負うことなく、寒い冬を乗り越えている品種です。
小さめな鉢に植えて成長を抑制し、コンパクトに仕立てる楽しみ方が流行りの楽しみ方なので、地植えにしてもカタチを崩さずにコンパクトにまとめられるのは、カトーさんの“アガベスキル”あってのことですね!
すぐ近くに置いてある、大きめな石とのコラボもステキです
「カトーエンゲー」で売られている植物には、基本的に値札やネームプレートがついていません。
気になった植物を見つけたら店主のカトーさんに名前や販売価格を聞いて、その場で教えてもらうスタイルをとっています。
「何度も価格を聞くのは、ちょっとハードルが高いな・・・。」と抵抗感を持たれるかもしれませんが、カトーさんはとても腰が低くくて気さくな方なので、その点はノープロブレムだと思います!
むしろ、こちらが聞きたいことを先回りして教えてくれるので、“アガベラバー”から親しまれている存在です。
笹の雪(Victoriae reginae)
緑色の葉に、「ペンキ」とよばれる白いラインが入る特徴をもつ「笹の雪」も、地面の上で整列をするように植えられていました!
自然の中では標高の高いところに棲んでいるので、寒さには強いものの、高い湿度には弱いので雨ざらしの環境で育てることには向いていません。
葉の周りに鋸歯をつけるアガベが多い中で、この「笹の雪」には葉先にしか鋸歯がないので、ほかのアガベよりも取り扱いが容易だったりもします。
ただし、植え替えを苦手としている特徴を持っているので、鋸歯とは違った意味で植え替えには要注意ですね
ハウス内のスペースの広さでは、鉢に植えられているエリアよりも地植えエリアの方が広いですが、特に「地植え」や「半地植え」のアガベは伸び伸びとしていて、力強さが伝わってきます!
下記で、「笹の雪」の斑入り品種の成長記録などを書いています。
大型の斑入りアガベ:オルカ?
植物園などでは、大型で斑が入っていない「アオノリュウゼツラン」という品種はよく見かけますが、斑が入っている大型のアガベはあまり見かけることがありません。
ここ、「カトーエンゲー」では植物園などであまり見かけることのない、大型で黄色い覆輪斑が入っているアガベもハウス内で育成中でした!
覆輪斑(ふくりんふ)とは、葉の外側に斑が入る品種のことと言いますが、この品種はおそらくオバティフォリアの「オルカ」という品種だと思わます!
とてもキレイで、少しの間、見とれてしまいました!
小さなサイズ感の植物でも、斑が入っていると魅力が増すように思いますが、大きなサイズ感になると斑入りの魅力はさらに大きなモノになることが、この品種から伝わってきました!
スナグルトゥース(’Snaggle Tooth’)
こちらは、先ほどのチタノタに黄色い覆輪斑が入っている「スナグルトゥース」という品種です。
こちらの品種も、地植えにされることはそこまで多くはないので、羨ましい環境ですね!
「スナグルトゥース」は自宅でも育てていますが、お迎えするまでは成長が遅いように思っていましたが、実際に育ててみると意外と成長が早く、勝手にまとまってくれるので、育てやすい品種だと感じています。
下記の記事で成長記録などをご紹介していますので、もしご興味があればお読みください!
エボリスピナ(utahensis var. eborispina)?
全体的に育てやすい植物とされるアガベの中にも、育成難易度が高いとされている植物もいます。
見た目は好みではあるものの育てていく自信がなく、視界に入ったとしても見なかったことにしているので、「エボリスピナ」と「ネバデンシス」の違いがいまだによくわかっていないのですが、おそらく「エボリスピナ」という品種だと思います。
とてもカッコいい品種で人気も高い品種ですが、いろいろ調べているうちに欲しくなってしまいそうなので、この品種のことはあまり調べないようにしています
ちなみに、「エボリスピナ」の育成は、店主のカトーさんも苦手だとおっしゃっていました。
プロの方でも苦戦するほどの難易度なので、チャレンジする場合でも、ほかのアガベに慣れてからの方が良いかと思います!
「カトーエンゲー」では一部非売品の株もあるようですが、地植えや半地植えされているアガベも、基本的にはご相談により購入でき、その場で地面から抜いてくれるようです!
アガベの丘
そして、「カトーエンゲー」でもっとも有名なのが、通称“アガベの丘”とよばれている場所です!
とても迫力があり、“アガベの聖地の証”として、とてもキレイな状態で管理されています!
大型品種、小型品種問わずさまざまなアガベが植えられているこの丘は、たとえアガベを買わなかったとしても、アガベラバーであれば見に行く価値があると思います!
イベントブース
この日は事前予約制の植物イベントが開催されていて、感染症対策の影響で人数制限は設けられていましたが、それでも賑わいを見せていました!
出店されている方々のなかで特に気になったのは、“植物系YouTuber”でもある「plants by the core」のイベントブースで売られていた、ハイブリットのアロエです!
ほかの植物ではなかなか見ることのできない、独特の“毒々しさ”に魅力を感じます。
ビカクシダ、アガベ、パキポディウムなど、そのときどきで人気が集中する植物は変化していくもので、近い将来、アロエのブームがくるとも聞きますが、実際のところはどうなのでしょう!?
個人的には、いつ「アロエブーム」が来てもおかしくはない気配を感じ取っています。
植物にあまり興味のない方からすれば、アロエと言われてもピンとこない見た目をしたハイブリッドのアロエで、昔ながらの路地に植えられているアロエとは、まったく違った見た目をしています!
以上です!
ここで、カトーエンゲーの売り場の紹介を終えます!
カトーエンゲー(kato engei)での購入品
そして、今回の「カトーエンゲー」での購入品です!
今回は、アガベ「吉祥天錦(Parryi f.variegata)」の子株を購入しました!
アガベのパリー系の品種で、成長は遅めということなので、気長に育てていきたいです!
ちなみに、「吉祥天錦」がもう少し大きく成長した姿がこちらです!
赤紫色をした、先端のトゲ「トップスパイン」がカッコいいですね!
アガベのチタノタを購入するときに定番となっている質問が「親株はありますか?」または「親株の写真などがあれば見せていただきたいのですが。」といった質問です。
理由は、アガベは親株と同じ遺伝子を持っているので、親株と同じ姿に育成することができるから。
吉祥天錦を購入するときにも「親株はありますか?」とカトーさんに質問させていただいたところ、「親株は無いですが、吉祥天錦は個体差が少ないですよ!」という回答でした。
チタノタにはかなり個体差があり、同じチタノタの中でも異なる姿に成長するものですが、アガベが全般的に親株を気にする必要はなく、言われてみればたしかにパリー系の品種は、どこで見てもほとんど同じ見た目をしているように思います!
勉強になりました。
ちなみに、今回購入した「吉祥天錦」のその後の成長記録については、こちらの記事で書いているので、よろしければお読みください!
“アガベラバー”の方や、少しでもアガベという植物に興味がある方は、一度「カトーエンゲー」まで足を運んでみてはいかがでしょうか!?
詳しい場所は言えませんが、最寄駅から徒歩で30分ぐらいかかるので、車の方がアクセスが良いと思います。
以上、埼玉県草加市にある“アガベの聖地”のご紹介でした!
カトーエンゲー(kato engei)の基本情報
住所・アクセス
非公開
インスタグラムのDMでの問い合わせが必要です。
コメント