『リトープス』と『コノフィツム』の共通点と違い!冬型多肉植物の特徴

石に擬態し、脱皮する

「石」のような見た目から、「生きる宝石」と呼ばれるリトープスとコノフィツム。
南アフリカの乾燥した砂漠地帯に自生し、身を守るために周囲の石や砂利に擬態するという、驚くべき進化を遂げました。
いずれの植物も、年に一度「脱皮」するように成長する、変わった生態をもっています。
そんなリトープスやコノフィツムに対して、以前、以下のような疑問を抱いていました。

筆者

リトープスとコノフィツムって、なにが違うの?
気むずかしそう…。

この記事では、リトープスとコノフィツムの共通点や違い、元気に育てるためのポイントを解説します

目次

「リトープス(Lithops)」の特徴

「リトープス(Lithops)」は、南アフリカやナミビアの砂漠地帯に自生する、ハマミズナ科の多肉植物です。

リトープスのおもな特徴
  • 身を守るために、周囲の石や砂利に擬態したすがた
  • 年に一度「脱皮」するように成長する生態
自宅で育てているリトープスの様子。

見た目の特徴

2枚1組の葉を展開する

リトープスは、2枚で1組の分厚い葉を展開する多肉植物です。

雨が少ない地域でも生き抜けるように、葉に多くの水分を蓄えておけるように進化しました。
葉の大部分が地中に埋まっており、葉の上面だけが地表にあらわれています。

周辺の石や砂利に擬態する

リトープスは、動物に食べられないように周囲の石や砂利に擬態しており、以下のような別名があります。

  • 砂漠の宝石
    • カラフルな(紫やオレンジなど)色合いに体を染めるため
  • イシコログサ(石塊草) イシコロギク(石塊菊)
    • 周囲の石などに擬態するため

リトープスは成熟した株でも、直径は10センチ未満とコンパクトな植物です。

筆者

大きく成長すると石に擬態できず、目立ってしまうため、成長を抑制しているのでしょう。

天窓(てんまど)

リトープスの葉の上面には光を透かす「天窓」と呼ばれる部分があり、地中深くにある葉の内部まで光を取り込み、光合成を行います。


成長過程の特徴

筆者

リトープスは見た目だけでなく、成長過程もユニークです。

脱皮しながら成長する

リトープスは年に一度、「脱皮」するように成長する植物。
古い葉が萎れ、中央からあたらしい葉が出てきますが、この過程がまるで爬虫類の脱皮に似ているため、「脱皮」と表現されます。

すずしい季節が好きな“冬型”の植物

リトープスは、すずしい季節に成長する‟冬型”の多肉植物です。
基本的に暖かい季節に活発な成長を見せず、休眠期の夏は、断水気味で管理する必要があります。

筆者

すずしい季節に楽しめる植物はあまり多くないので、多肉植物愛好家にとって貴重な存在です。

「コノフィツム(Conophytum)」の特徴

「コノフィツム(Conophytum)」はリトープスと多くの共通点がありますが、リトープス属ではなくコノフィツム属に分類されています。

自宅で育てているコノフィツムの様子。

見た目の特徴

品種により葉の形状はさまざま

コノフィツムは、品種ごとに葉の形状にバリエーションがあります。
リトープスのように、2枚で1組の葉を展開する品種が多いですが、球状やハート型の品種も見られます。

緑一色に染まる品種が多い

コノフィツムの「ブルゲリ」という品種は、体をカラフルに染めますが、その多くは緑一色。

筆者

リトープスの方が、カラフルな品種が多い印象を受けます。

天窓がない品種が多い

リトープスとは異なり、天窓があるコノフィツムの品種はあまり多くありません。

成長過程の特徴

群生しやすい

コノフィツムの多くの品種は、ひとつの株から複数の「頭」と呼ばれる葉の塊を増やし、群生して育ちやすいです。
リトープスも分頭しますが、コノフィツムの方が群生しやすいです。

筆者

脱皮をしながら成長する過程や、生育型(冬型)については、リトープスと同じ特徴があります。

「リトープス」と「コノフィツム」の違い

同じ地域に自生し、生育型も同じ「リトープス」と「コノフィツム」。
その違いを表にまとめると、以下のようになります。

スクロールできます
リトープスコノフィツム
科・属ハマミズナ科
リトープス属
ハマミズナ科
コノフィツム属
カラーカラフル
(紫、オレンジなど)
緑一色の品種が多い
平ら球状やハート型など
天窓あるない品種が多い
群生のしやすさ徐々に群生する群生する速度が早い
リトープスとコノフィツムの比較表
筆者

このように、リトープスとコノフィツムは似た者同士ですが、異なる点も少なくありません。

「リトープス」と「コノフィツム」を元気に育てるためのポイント

日当たり

リトープスもコノフィツムも日光浴が好きなため、日当たりのよい場所で管理するのが基本です。
ただし、真夏の直射日光は葉焼けの原因になるため、注意が必要です。

水やり

体内に多くの水分を蓄えているため、乾燥気味に育てるのが基本。
脱皮するタイミング(春先)や夏の休眠期は、断水気味で管理すると、調子を崩すリスクを下げられます。

水はけのよい培養土を使ったり、風通しをよくしたりすることで、リトープスやコノフィツムが苦手な多湿の環境を防ぎやすくなります。

肥料

いずれの植物も、栄養分(肥料分)が乏しい土壌で暮らしているため、肥料は控えめに管理するのが基本的な育て方です。
秋から春のすずしい成長期に、少量の肥料を与えましょう。

温度

リトープスとコノフィツムは冬型の植物のため比較的寒さに強く、0℃ほどまで耐えられますが、霜や雪には当てないようにしましょう。

筆者

冬は雨に当たると調子を崩しやすくなるため、雨ざらしの環境もおすすめできません。

高温多湿の環境を苦手としているため、風通しがよい場所で管理するのが重要です。

ちなみに以下の記事では、自宅で育てている多肉植物の成長記録や育成環境をご紹介しています
よろしければお読みください

リトープスとコノフィツムの不調のサイン

リトープスとコノフィツムの調子が悪いと、以下のような不調のサインがあらわれることがあります。

  • 葉がシワシワになる
  • 脱皮しない

シワシワになったときの原因は?

水やりが足りていない

成長期にシワシワになった場合は、水やりが足りていない可能性があります。

筆者

直近で水やりをしていなかった場合は、たっぷりと水を与えて様子を見てください。

根腐れなどのトラブルで、必要な水分が吸えていない

水やりが多すぎると、リトープスやコノフィツムの根が呼吸できず、根腐れを起こすことがあります…

不調な根は水分を吸い上げられず、シワシワになることがあります。

筆者

すずしい季節は土が乾かないので、根腐れによるトラブルは少なくありません。

成長(脱皮)に伴い、古い葉から水分が抜けている

リトープスやコノフィツムは、脱皮のような成長過程を見せます。
あたらしい葉に栄養分や水分を移動させる過程で、古い葉がシワシワになりますが、これは正常な状態です。

脱皮しているとき水を与えると、あたらしい葉が腐ってしまうことがあります
雨ざらしの環境に置いている場合は、雨に当たらない場所に移動した方が無難です。

脱皮しないのはなぜ?

春先にリトープスやコノフィツムが脱皮しない場合、育成環境が合っていない可能性があります。

水やりが多すぎる

水やりが多すぎると、調子を崩しやすくなるため、脱皮の作業に支障をきたす場合があります。
古い葉に水分が残ってしまうことで、脱皮するのが遅くなることもあるため、「一年を通して控えめな水やり」を心がけましょう。

日照不足

リトープスもコノフィツムも、日光浴が好きな植物。
日当たりが悪い場所で育てていると、光合成で十分なエネルギーがつくられず、スムーズに脱皮することができません。

筆者

秋から春までは直射日光に当てることで、元気に育ちやすくなります。

栄養過多

肥料を与えすぎると、葉や茎が間延びする「徒長(とちょう)」を起こしたり、肥料焼けを起こしたりすることがあります。

筆者

不健康に育ったリトープスやコノフィツムが脱皮をしないことは、めずらしくありません。

まとめ

この記事では、「生きる宝石」リトープスとコノフィツムの魅力と育て方をご紹介しました。

石に擬態したユニークなすがたや、年に一度の「脱皮」という変わった成長過程は、他の植物では見られない魅力です

乾燥を好むため、水のやりすぎに注意すれば、初心者の方でも比較的簡単に育てられます。
ぜひ、あなたも不思議な多肉植物「リトープス」や「コノフィツム」を育ててみてはいかがでしょうか!?

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