タネから育てる多肉植物
植物をタネから育てる「実生(みしょう)」は、多肉植物を最大限に楽しむ方法のひとつ!
「実生」という言葉は日常生活ではあまり使うことはなく、なじみのない言葉だと思いますが、多肉植物の世界ではよく使われる言葉です。
タネを蒔くためには、タネを入手する必要があるモノですが、タネはどこから購入するのがベストなのでしょうか!?
本記事では、多肉植物のタネの購入先や、購入ルートについてのレビューをしています!
植物をタネから育てる実生(みしょう)の特徴
ひとも子どものころは頻繁に風邪をひいたり体調を崩すことが多いように、植物も小さいうちは体力が少ないため、少しでも水やりを忘れたり、いきなり強い光を当ててしまうと、調子を崩し、最悪の場合枯れてしまうことになるでしょう。
特にタネから育てる場合にはトラブルがつきものなので、ある程度の大きさの株を購入して育てることに比べれば、「実生」の難易度は高いモノに・・・!
ただ、自分でタネから育てた植物にはより一層愛着がわきやすいので、植物の「育成」が好きなひとにはオススメな楽しみ方です!
またガーデニングショップなどで植物を購入するより、タネから育てた方が安く済むことも「実生」の特徴のひとつといえるでしょう。
わたしは、多肉植物にハマってから数年経ちますが、毎年何かしらのタネを購入しては蒔いています!
あるときは、入手したほとんどのタネが発芽して発芽後の成長を楽しみ、またあるときにはいくつか発芽したものの、その後すぐに枯れてしまい、そしてときには、いくら待てど暮らせど蒔いたタネが1粒も発芽しない。と、ほぼ一年中、実生の魅力に一喜一憂した日々を過ごしています!
家庭菜園用の野菜や果物のタネはガーデニングショップだけではなく、100円ショップでも入手することができますが、多肉植物のタネはマニアックな部類に入るので、購入方法は基本的にインターネットに限定されるモノ。
また野菜や果物のタネは数十粒~数百粒が1つの袋に入っていますが、多肉植物のタネは、3~5粒といった単位で販売されていて、1粒あたりの単価は、高くなる傾向にあります。
タネの購入先・購入ルート
わたしはこれまで5つのルートで多肉植物のタネを購入してきましたが、オススメできる購入ルートもあり、また逆もしかりというところ・・・。
これまで、実際に多肉植物のタネを購入したルートは、下記の5つです。
- Koehres(ケーレス)
- seed stock(シード ストック)
- 多肉植物ワールド
- Yahoo!オークション
- メルカリ
「Koehres(ケーレス)」は海外のサイトですが、それ以外は国内のネットショップやフリマアプリを通じて購入しています!
タネの購入ルート別の長所・短所
ここからは、実際の購入ルート別に、長所と短所を挙げていきます!
Koehres(ケーレス)
Koehresの長所
- 日本から購入できるルートの中では、扱っているタネの品揃えがもっとも多い
Koehresの短所
- サイトが英語で表記されているため、英語が得意ではない方がはじめて利用する場合には、ハードルが高い
- タネ以外にも輸入に伴う経費が発生するため、1回で購入する量が少ないと割高になる
- 購入してから手元に届くまでの期間が、2週間~4週間程度かかる
Koehresの総合レビュー
「Koehres(ケーレス)」はドイツにある会社で、多肉植物だけではなく、観葉植物などのタネも扱っている会社です。
多肉植物にドハマりしている方はもちろん、生産農家さんなどからも利用されることのある購入先です。
「Koehres」の最大の長所といえる特徴は“品揃えが多い”ところで、ほかの購入先と比べてみても入手したい植物のタネが購入できる確率が高いでしょう!
タネ以外にも輸入に伴う費用がかかりますが、まとまった数を一気に購入することができれば、トータル金額はそこまで高くはなりません。
植物の仲間がいれば、一緒に購入する選択肢も有りです!
一方の短所としては、注文をしてから自宅に届くまでの期間が長いところ・・・。
海外から日本にタネを輸入するためには、タネと一緒に病気や害虫などが日本に入ってこないようにするために、輸出入時にタネを確認する「検疫(けんえき)」という作業が入ります。
検疫にはある程度の時間がかかるので、タネを購入したことを忘れたころに、自宅にタネが到着することもあります。
気になった植物を見つけ、タネから育てたいと思い立って注文しても、タネが到着するころには注文時よりも植物への気持ちが盛り上がっていないこともあるでしょう。
わたしは利用したことがありませんが、タネを扱っている国外の会社には「Mesa Garden(メサガーデン)」というアメリカの会社もあります。
seed stock(シード ストック)
seed stockの長所
- 日本国内のネットショップでは、扱っているタネの品揃えはもっとも多い
- 実際に発芽するタネなのか自社でも確認をしていて、発芽率が低かった場合などには、その情報を「seed stock(シード ストック)」のサイト内で通知の上、値引きをするなどの誠実な対応がみられる
- 期間限定のセールなど、キャンペーンが開催されていることもある
- おまけのタネが入っている(多肉植物“A”を購入したら、多肉植物“B”が同封されているなど)
seed stockの短所
- 「Koehres」と比較すると、取り扱っているタネの品種数は少ない
seed stockの総合レビュー
「seed stock」は、日本国内で多肉植物のタネを扱うネットショップの中では、最大手です。
購入したタネは発芽する確率が高いのが特徴で、これまで「seed stock」から購入したタネが、1粒も発芽しなかったことはありません。
Ⅹ(旧Twitter)で新着情報を発信しているため、「seed stock」からタネの新着情報が発信されたら、自分のスマートフォンに通知する設定も可能です。
多肉植物にドハマりしているのであれば、通知設定は便利な機能なので、通知設定をしておいて損はないでしょう。
「seed stock」でタネを注文すると、これまで必ずおまけのタネが入っていたので、自分から進んで購入することのない植物を育てるきっかけになることもあります!
ただ、うれしいサービスな反面、必然的に育てている多肉植物の数が増えることになるので、育成スペースの確保が深刻化することになるかもしれません。
多肉植物ワールド
多肉植物ワールドの長所
- ほかの購入ルートでは購入できない、レアな品種のタネを購入できることもある
多肉植物ワールドの短所
- 発芽率が悪かったり、まったく発芽しなかったこともある
多肉植物ワールドの総合レビュー
「多肉植物ワールド」からタネを購入する場合には、Yahoo!ショッピングで購入することになります。
「本日、発送をしました」といったご連絡もメールで送られてくるので、対応が親切な購入先といえるでしょう!
以前、わたしの操作ミスによりタネが届かないアクシデントがありましたが、メールにてご連絡をさせていただいたところ、無償で発送し直してくれました!
親切な対応をしていただきながらですが、「多肉植物ワールド」の最大の短所は、発芽率。
一定の確率で発芽することもありますが、低いときには、購入したタネがほとんど発芽しないことも・・・。
発芽率がもっと安定しているのであれば、より一層おすすめできる購入ルートになりえます!
Yahoo!オークション
Yahoo!オークションの長所
- オークション形式での購入となるため、ほかにライバルがいなければ、驚くような低価格で入札できることもある
- 趣味家の方が自家採取されたタネを販売していることもあるので、運が良ければ、採れたばかりの新鮮なタネを入手することも可能
(一般的に、新鮮なタネの方が発芽率が高い傾向にある)
Yahoo!オークションの短所
- オークションに出されているタネの品種数は、少し物足りなさを覚える
- 中には悪徳業者もいるので、違う品種の植物が発芽したり、まったく発芽しないこともある
- オークション時にライバルがいた場合、落札直前で価格が上がっていきやすく、価格を競っているうちに当初の予定よりも高めな金額で落札してしまうこともある
Yahoo!オークションの総合レビュー
「Yahoo!オークション」は、多肉植物にハマっていないひとからも、よく知られている購入先でしょう!
「Yahoo!オークション」には善良な販売者さんもいるので、販売者さんの見極めができるのであれば、良いタネが入手できる購入ルートです。
特にタネの場合は「商品を購入する→商品が届く→タネを蒔く→発芽する→しばらく育てる」という過程を踏まないと、その植物がなんの品種なのか判断がむずかしいことや、そのタネがいつ採取されたのかを確認するのが、なかなか現実的は困難なモノ・・・。
わたしも何度か、購入したはずの植物とは違う品種の植物が発芽したり、「実際に、自宅で高い発芽率ということを確認しています。」と書かれているタネを購入したのにまったく発芽しなかったりと、正直なところイヤな思いをしたことがあります。
善良な販売者さんがいるのに、一部の悪徳業者の影響で、サービス全体の質が上がらないのは残念です。
メルカリ
メルカリの長所
- 「Yahoo!オークション」よりも、めずらしい品種のタネとの遭遇率が高い。
- 「Yahoo!オークション」同様に、自家採取された新鮮なタネが販売されていることもある。
メルカリの短所
- 「Yahoo!オークション」同様に、悪徳業者もいる。
メルカリの総合レビュー
概ね「Yahoo!オークション」と同様ですが、異なる点はオークション形式ではないところです。
購入者側が販売価格を決める仕組みも導入されているものの、基本的に販売価格はあらかじめ決まっていることが多いので、オークションの参加者と競っているうちに、当初の想定よりも購入金額が上がってしまうことはありません。
タネに関しては、「Yahoo!オークション」よりも出品者さんが多く、2つを比較すると、「メルカリ」の方がいろいろなタネを入手することができるでしょう。
「Yahoo!オークション」も「メルカリ」も、うまくいけばお得に良質なタネを入手できますが、当たりハズレがあるところが特徴です。
購入先の比較
5つの購入先の比較を表にまとめると、このような形になります。
購入先 | 長所 | 短所 |
---|---|---|
Koehres(ケーレス) | 品揃え | 到着までの期間 |
seed stock | 発芽率 | 品揃えが少ない (日本では一番多い) | Koehresに比較すると
多肉植物ワールド | タイミングにより レアな種子を入手 | 発芽率 |
Yahoo!オークション | 新鮮な種子入手 | タイミングにより悪徳業者 |
メルカリ | 新鮮な種子入手 | タイミングにより悪徳業者 |
それぞれ、良いところもあれば悪いところもあり、良質で新鮮なタネを入手できるかどうかは、ある程度の運もあると感じています・・・!
おすすめランキング第1位
これまで、いろいろなタネを5つの購入ルートから購入してきて思うことは、多肉植物のタネの購入先を選ぶときに重視するべきポイントは、「タネの品揃え」と「タネの発芽率」という点!
その観点からいうと、タネの購入先について、わたしがもっともおすすめしたいのは「seed stock」です!
誠実な対応や発芽率など、総合力で一歩優位な位置に存在しているので、安心してオススメできる購入先です!
さいごに
暖かい季節を好む“夏型”の多肉植物「パキポディウム」や「アガベ」などのタネを蒔くのは春の季節がベストで、涼しい季節を好む“冬型”の多肉植物である「オトンナ」や「リトープス」などは秋に蒔くのがベストです!
ただし多肉植物の発芽や、発芽後が成育するにあたって適温を保つことができ、植物育成用ライトを使用できるなど、設備が充実しているのであれば、時に季節にこだわる必要はありません。
多肉植物のタネの蒔き方については、下記の記事で詳しく書いているので、よろしければチェックしてみてください。
わたしは多肉植物への設備投資に抵抗があり、多肉植物にハマってからしばらくの間は太陽光のみで育てていて、植物育成用ライトや空調設備などにお金をつかうことは、ほとんどありませんでした。
ただ、現在はある程度多肉植物を室内でも育てることのできる設備を、一式そろえています!
そしてその結果、季節を問わずに多肉植物を楽しめているので、設備を揃えてよかったと思っています!
ちなみに、自宅で使用している“植物育成用のグッズ”の一部は、下記のモノを使用しています。
【植物育成用LEDライト】
下記の製品はスポット型なので、育てている植物の数が少ない場合にオススメです。
【植物育成用LEDライト】
下記の製品はパネル型のため、植物の数が多くても、対応できるモノとなっています。
【植物用ヒーターマット】
発芽に必要な気温が足りなくても、植物用のヒーターマットがあれば、高い温度を確保しやすくなります。
植物をタネから育てる「実生」は少し手間はかかりますが、ある程度の大きさの株を購入して育てることでは感じれない魅力がつまっているので、室内育成グッズを揃えて実生にチャレンジしてもいいかもしれません!
今回は多肉植物のタネの購入ルートについて、良い面だけではなく悪い面も率直に書きました。
是非、多肉植物が好きな方の参考になれば幸いです!
植物の室内育成を行うための初期費用や、ランニングコストについては下記の記事で書いているので、ご興味があればお読みください。
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