フェイクグリーンを暮らしに取り入れるメリット&デメリット~環境への影響は?~

Fake green in your life

ひと昔前まではパッと見でも、本物の植物なのかそれとも「フェイクグリーン」なのか、近くで見れば簡単に見分けることができましたが、どんどん進化を遂げている「フェイクグリーン」!

最近では、見た目では本物の植物とフェイクグリーンは、ほとんど見分けがつかなくなってきました。
また見た目だけではなく、実際に葉を触ってみても本物の植物と質感が似ていて、より一層区別がつきづらくなっているフェイクグリーンもあります。

本記事では、そんな「フェイクグリーン」がもたらす環境への影響や、本物の植物と比較したメリットやデメリットについて書いています。

目次

フェイクグリーンとは!?

「フェイクグリーン」とは、植物とそっくりな見た目につくられた人工的な植物で、漢字では「人工観葉植物」と言います。

「フェイク(fake)」の意味は、日本では「偽(にせ)の」という意味で知られていますが、「装う」や「本物と思わせるようにする」などの意味も持ち合わせているので、どちらかといえば後者の意味で使われています。

フェイクグリーンには葉を見て楽しむ観葉植物以外にも、サボテンや多肉植物の見た目をしているものもあり、また、鉢植えに植わっているものだけではなく、つる性のタイプや壁面を覆うようなタイプまで出ているので、様々な場所で活躍ができるでしょう。

樹脂を原材料のひとつとして使用しているものは、本物の植物に質感まで似ていて、よりリアルな品質が追及されています。

また、光が当たることで消臭効果や抗菌効果などを発揮する、「光触媒(ひかりしょくばい)」加工がされているフェイクグリーンは、見た目だけではなく機能的にも充実したものとして注目されています。

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環境への影響

フェイクグリーンが普及していくことによる環境への影響は、良い面もあれば悪い面もある。というのが結論です。

環境にやさしい面

本物の植物を育てていくためには、天然資源のひとつである園芸用土や有機肥料などを使用しますが、フェイクグリーンは育成する必要がないため、自然の中から採取した天然資源を、その都度使用していくことはありません。

また、水資源についても同様のことが当てはまり、水やりが必要な本物の植物を違い、水やりが必要ないフェイクグリーンは水資源への影響を与えません。

このように、天然資源の消費という面では、環境にやさしい面を持ち合わせているでしょう。

環境に悪い面

プラスチックごみの増加

フェイクグリーンの原材料には、ポリエステルやポリエチレンなどのプラスチック素材が用いられていますが、プラスチック素材には、処分する際に分解がむずかしいといった環境面への悪影響があることで知られています。

プラスチックごみが増えている勢いは、2050年には海中のプラスチックごみが海の中の生き物の総量を超える可能性がある。という報道があがっているほどです。

素材などによって耐用年数に違いはありますが、フェイクグリーンは永久的に使用できるものではないため、いずれはごみとして出される日が来ることを考えると、プラスチックごみの増加という影響があるでしょう。

生態系への影響

本物の植物が少なくなり酸素をつくり出せないフェイクグリーンが普及していけば、酸素量の減少といった影響が出る可能性が出てきます。

また、本物の植物であれば葉や根などは虫たちのエサに、そしてお花を咲かせれば蜜が鳥たちの食事になることもあります。
枯れたあとにも葉や幹、根などは虫や微生物のエサになりますが、基本的にフェイクグリーンは生物のエサになることはありません。

本物の植物でもフェイクグリーンでも、ひとに癒しを与えてくれる存在ということに間違いはありません。
ただし、複合的な要素が含まれているので、フェイクグリーンが普及することにより、必ず環境へプラスに働くワケでもマイナスに働くワケでもなく、一長一短あるのは事実です。

フェイクグリーンのデメリット

ここからは、フェイクグリーンを本物の植物を比べていきます。
まずは、デメリット(短所)からです。

屋外に置くことを前提としていない

フェイクグリーンの原材料にはプラスチック素材が用いられていますが、プラスチックは「高い熱」、「強い光」、「紫外線」に弱い特徴をもっています。
プラスチック製品や変形したり、変色したりする理由は、この熱や光などの影響によるもの。

どうしても屋外の環境では、プラスチックが弱点としている熱や光の影響を受けやすく、劣化していきやすいので、フェイクグリーンは屋内に設置する仕様となっているものが普及しています。

屋外での使用が可能なフェイクグリーンもありますが、直射日光にあたり紫外線にさらされる環境でキレイな状態を維持するためには、2~3年ごとに交換することが望まれます。

見た目に変化がない

フェイクグリーンは、年数とともに劣化していくことはありますが、新しい葉を芽吹かせたり枝を伸ばしたり、花を咲かせることはありません。

本物の植物を育てていると、春夏秋冬で顔の違う植物からは季節感を感じますが、フェイクグリーンの場合は季節による違いもなく、設置したときの見た目から変化がないため、植物を育てることが好きな方にとってはデメリットとなる特徴といえるでしょう。

フェイクグリーンの中に針金が入っていて、曲げたりねじったりすることで樹形を変えることができるものもあるため、都度カタチを変えて楽しむこともできます。
ただし、それでも変化に富むものではないので、本物の植物と比べるとフェイクグリーンの見た目の変化の無さは特徴として挙げられます。

生活リズムの規則性の影響

愛情をもって本物の植物を室内で育てていると、育てている植物に少しでも光が当たりやすくするために、朝起きたら二度寝せずに、まずはカーテンを開けて室内に光を取り入れるルーティンが習慣づき、その結果として早寝早起きをすることが習慣化しやすくなります。

一方のフェイクグリーンは光合成をしないので、朝カーテンを開けて光を取り入れることはフェイクグリーンにとっては関係がありません。

そのため、本物の植物ではなくフェイクグリーンを取り入れたところで、生活リズムの規則性に良い影響がでることはないでしょう。

空気の入れ替え・風通し

本物の植物を育てるには、「水」や「光」以外にも「空気の流れ」が必要となります。
植物はずっと空気がこもっている環境を苦手とするので、室内の空気を入れ替えたり、室内に空気の流れができるようにする必要があります。
そのため、植物を育てていることで、結果として育てているひとも新鮮な空気を吸えることになり、良い影響を与えることにつながります。

フェイクグリーンを風通しの良い環境に置くと、葉の上などにホコリが溜まりづらいことや、カビが発生しづらいという面で良い影響がでますが、本物の植物のように維持していくために風通しの良さが必須というものでもありません。
そのため、育てているひとにとって、必ずしも良い影響が出る面ではないでしょう。

フェイクグリーンのメリット

ここまで本物の植物と比べたときの、フェイクグリーンのデメリット(短所)について書いてきましたが、フェイクグリーンにはメリット(長所)もたくさんあります!

取り入れるハードルが低い

本物の植物をお迎えする時期は、植物がよく成長する「春」または「秋」の季節がベターです。
逆に夏や冬に植物をお迎えすると、お迎え後にいろいろと植物に気をつかわないと、一気に枯れてしまうことにも。

一方のフェイクグリーンは、そもそも枯れることがないので、季節を選ばずにお迎えすることができます。

また、エアコンの風は植物にとって「乾燥」という大敵になりますが、フェイクグリーンはエアコンの風による影響はなく、また太陽の光が当たらなくてもいいので、室内であれば置き場所に幅が生まれるでしょう。

さらに、本物の植物は環境の変化に弱い特徴があるので、購入場所と自宅の置き場所の環境の違いにも気をつかう必要がありますが、フェイクグリーンは環境の変化にも気をつかう必要がありません。

本物の植物を生活に取り入れるのはすこしハードルが高めですが、フェイクグリーンは気軽に取り入れることができます。

目の疲れ・ストレス軽減

ひとは本物の植物を見ていると癒された気持ちになりますが、実際に目の疲れやストレスが軽減されるなど、うれしい効果があります。
この効果は、植物が「緑色をしている」ことが理由で生まれる効果なので、植物が緑色の葉をつけておらず、茶色い幹だけが残る状態のいわゆる“枯れ木”を見ていても、この効果は期待できません。

本物の植物とフェイクグリーンは、“生き物”と“人工物”といった違いはありますが、葉の部分は同じ「緑色」をしています。

フェイクグリーンは本物の植物の見た目に似せてつくられているので、色が同じなのは当然ですが、緑色のフェイクグリーンを見ることで、目の疲れが軽減させることが期待できます。

また、お部屋内に植物の見た目をしたものがあると、インテリア性も向上するので、お部屋内の環境が癒しの空間に。
ストレス社会を一緒に戦ってくれる存在になるでしょう。

お世話をする必要がない

フェイクグリーンは生きていないので、お世話をしなくていいメリットがあります。

本物の植物を育てていく中では下記のような外的要因を受けるので、健康的に育てていくのは意外と大変なことですが、フェイクグリーンはそのような大変さがありません。

植物を取りまく外的要因
  • 太陽光
  • 気温

ただし、フェイクグリーンはホコリをかぶることや、湿度が高い場所に置いておくとカビが発生することもあります。
フェイクグリーンにカビが発生している状態はもちろん、ホコリがかかったままの状態では、風水的にもよくないので、定期的な清掃は必要となるでしょう。
定期的にハタキなどを使用してホコリを落とし、水に濡らしたぞうきんで拭き取ることで、キレイなグリーンを維持することができます。

害虫が発生しない

本物の植物を育てていると悩まされることがあるのが、コバエやカイガラムシ、ハダニなどの害虫による被害です。

観葉植物を植えている用土に含まれている有機物は、観葉植物の成長に必要な栄養分となる一方で、害虫のエサにもなってしまうもの。
また、用土の中は地上と比べると気温が一定に保たれやすい点や、湿った状態の中ではさらに害虫による被害が発生しやすい環境となってしまいます。

有機物を与えたり水やりをしたりする必要がないフェイクグリーンからは、害虫が発生しないので「衛生的」や「清潔感」という意味では、本物の植物よりもフェイクグリーンに軍配が上がるでしょう。

植物の害虫(特にコバエ)対策については、別の記事で書いていますので、よろしければお読みください。

軽い

本物の植物は想像以上に重く、大きな植物ともなると、ひとりで鉢を動かすこともむずかしいもの。
植物以外にも、鉢の中にある土が重さが原因となっているのです。

フェイクグリーンは、プラスチックを使用しているため軽量という特徴があります。
また、用土を使っていない点からも本物の植物と比べると軽く、お部屋の模様替えも容易に行える特徴があるでしょう。

持ち運び以外にも、転倒したときのケガのリスクなどの観点からも、フェイクグリーンのうれしいメリットです。

どこで手に入れられる!?

家具屋の「ニトリ」や「IKEA」でも結構な種類のフェイクグリーンが見られ、本物の植物を扱っているガーデニングショップやホームセンターなどでも、取り扱われています。
また安価なものを求めるのであれば、「DAISO」や「Seria」、「Can★Do」などの100円ショップでも手に入れることができるでしょう。

100円ショップのフェイクグリーンの見た目もリアルなものになってきていますが、やっぱり見た目でフェイクグリーンだと分かってしまうことが特徴です。
フェイクグリーンをお探しの方は、いろいろと見てみることをオススメしますが、フェイクグリーン専門店「プリマ」でオンラインで購入できる方法もあります。
正直すこし値は張りますが、何年もお部屋を飾ってくれる存在になるので、選択肢のひとつとしては有りかもしれません。

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「プリマ」以外にもフェイクグリーンを販売しているところはたくさんあるので、是非自分が気に入ったフェイクグリーンが見つけられるとイイですね!

まとめ

フェイクグリーンには、メリットもあればデメリットもあります。

本物の植物を育てたいひともいれば、お世話不要なフェイクグリーンを取り入れたいひともいるでしょう。
置き場所によっても、本物の植物を選べばいいのか、フェイクグリーンの方がマッチするのか。といった違いが出てくるでしょう。

どちらを導入するにしても、慎重に比較検討をして最善の選択が取れればいいと思います。

また、生きた植物を生活に取り入れる場合でも、「購入」以外に「レンタル」という選択肢があります。
「購入」する場合と「レンタル」する場合については、別の記事で紹介しています。

「緑」を生活に取り入れることを検討している方は、いろいろな導入パターンを比較してもいいかもしれませんね!

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