多肉植物&観葉植物「アガベ」の魅力に迫る!メキシコの文化との深いつながり

テキーラの原料Agave

今では信じられないですが、ガーデニングショップには当たり前のように並んでいる「アガベ」は、ひと昔前までスポットを浴びることの少ない植物でした。
今では明るいスポットを浴びる機会が増え、「アガベ」を鉢植えに植えて窓際で育てているご家庭や、テーマパーク、大型商業施設など、いろいろな場面で触れ合う機会が増えてきたように思います!

「アガベ」は、メキシコを中心にアメリカの南西部や中南米の砂漠地帯に自生する多肉植物で、300種以上が存在しているといわれています!
自生地の環境では100年に1回開花するとされていることから「センチュリープラント」とも呼ばれ、一度開花するとそのまま枯れてしまうはかなさも、ひとつの特徴といえるでしょう

日本では観葉植物として人気のある「アガベ」ですが、自生地のメキシコでは、文化的にも深い関わりをもった植物です。
日本と同じように観賞用の植物という位置付けにもいますが、古くから食用や繊維、お酒などのさまざまな用途に利用されています!

本記事では、「アガベ」の魅力について迫っていきます!

目次

メキシコにおける「アガベ料理(飲料)」

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「アガベ」は、さまざまなカタチでメキシコの食卓に並ぶことのある植物です!

まずは、メキシコのひとびとの味覚を楽しませてくれる魅力を、ご紹介していきます!

食用のアガベ

メキシコ料理に出てくる植物で有名な存在には、「サボテン」があるでしょう!
サボテンの料理を食べることのできるお店は、日本にいくつも存在するので、サボテンが食用とされていることは知っている方も多いはず!
鋭いトゲを付けた姿はクセの強い見た目をしていますが、味にクセはなく、栄養分も多いので、スーパーフードとしても知られています!

そんな、メキシコ料理に登場するサボテンですが、メキシコ料理に登場する植物はサボテンだけではなく「アガベ」の存在を忘れてはいけません!

「アガベ」の葉や茎、お花を咲かせるための茎である「花茎(かけい)」、お花は食べることができるので、メキシコの先住民は、ほとんどすべての部分を食料としていました!
食用にされる部分が多いだけではなく、料理のレパートリーも豊富で、サラダやスープ、煮込み料理など、さまざまな料理に登場することがあります!
お花を咲かせるタイミングでは、アガベの体内に蓄えられる糖分が増えるので、伝統的なメキシコ料理では、砂糖の代わりに「アガベシロップ」や「マゲイシロップ」と呼ばれる甘味料として使われることもあります!

生で食べてもよし、焼いて食べるもよし、煮て食べるもよし、さらには甘味料としても用いられる「食用アガベ」はメキシコの伝統料理で万能な存在感を発揮している植物といえるでしょう!

プルケ(Pulque)

「アガベ」は、食べ物だけではなく飲み物として登場することも、多い存在です!
特に、その多くはアルコール飲料の原材料として用いられるので、植物に興味がなくてもお酒に興味があるひとは、「アガベ」の存在を知っているかもしれません。

日本ではあまり馴染みがありませんが、アガベを原材料としている代表的な酒に、「プルケ(Pulque)」があります!
「プルケ」はアガベの樹液を発酵させることでつくられ、メキシコ高原では「イスタク・オクトリ(白い酒)」という別名で呼ばれることもあります!
少なくとも1000年以上前からつくられてきた、メキシコの伝統的なお酒で、今でもひとびとから愛されているアルコール飲料のひとつ!

「日本酒」のアルコール度数が15度前後であり、海外の伝統的なアルコール飲料も、アルコール度数は高いものが多いもの。
ですが、「プルケ」のアルコール度数は3~5度と、世界各国の伝統的なお酒と比べると度数がそこまで高くないことも、特徴といえるでしょう!

栄養価は高く、ビタミンやミネラル、アミノ酸などが豊富に含まれているので、身体に良いアルコール飲料としても知られています。

メキシコでは「プルケ」専門店があり、現地のひとびとや観光客からとても人気なお酒ですが、賞味期限が5日程度と非常に短く、本場であるメキシコ原産の「プルケ」を楽しむためには、メキシコを訪れる必要があるでしょう!

日本の伝統的な料理である「和菓子」も日持ちしないものが多いので、伝統料理をおいしく食べるため、そして飲むためには実際に原産地に足を運ぶ必要があることが、もっとも確実な方法となります!

テキーラ(Tequila)

また「アガベ」からは、いちど熱して気体にしてから冷やして液体に戻す、“蒸留酒”もつくられているものです!

いろいろある蒸留酒の中でも、もっとも有名な存在には「テキーラ」があるでしょう!
「テキーラ」は日本でも知名度のあるお酒なので、「テキーラ」の原材料であるということから、「アガベ」の存在を知るひともいます!
「テキーラ」は300種以上あるアガベの品種の中でも、「アガベ・アスール・テキラーナ(英名:ブルーアガベ)」という品種のみからつくられ、アルコール度数は35度から55度と高めです!
ビールのアルコール度数が5度前後であることからも、「テキーラ」がとても強いお酒であることが分かると思います!

「ブルーアガベ」は、英名で呼ばれている通り、青みが強い細長い葉を展開させる品種です!
葉はシャープなカタチをしていて、10年経たないあいだに70~80cmまで成長する、中型から大型のアガベです!

「テキーラ」はメキシコの中でも限られた5つの州でつくられ、特定の方法でつくられたお酒だけが「テキーラ」として名乗ることが認められています!

テキーラの飲み方

テキーラはそのまま飲む方法もありますが、メジャーな楽しみ方には「ショット」と呼ばれるスタイルがあるでしょう!

「ショット」はライムと塩をなめてから一気にテキーラを飲むスタイルですが、ライムや塩を摂取するタイミングは、ひとそれぞれの好みに応じてさまざまです!
「ショット」には、ライムの代わりにレモンが用いられることもあります!

また、ジュースや炭酸水、リキュールを「テキーラ」に加えて飲まれることもあります。

いずれにしても、お酒に強いひとから好かれるお酒であることに、間違いはありません!
お酒への耐性があまりない中で、いきなり「テキーラ」に手を出すことは避けた方が良いでしょう!

メスカル(Mezcal)

テキーラのインパクトが強いですが、アガベはほかのお酒の原材料としても、活躍を見せています!

プルケやテキーラ以外に「メスカル」というお酒も、アガベが用いられているお酒のひとつ!
「メスカル」というお酒のアルコール度数は、テキーラと同様に35度から55度です!
日本ではテキーラの方がメジャーですが、メキシコにおいてはメスカルの方が歴史は長く、500年以上も前から伝統的な製造方法で造られ、「テキーラの母」とも呼ばれています。

テキーラが特定のアガベからのみ造られるのに対して、メスカルは原材料として指定されているアガベはありません。
そのため、いろいろなアガベの品種からつくることができ、さまざまなアガベを組み合わせた「ブレンド・アガベ」を楽しむことができます!

メキシコの伝統的なお酒の中でも、アガベの風味を幅広く楽しむことができるお酒は、「メスカル」といえるでしょう!

アガベの工芸品や世界遺産

「アガベ」がメキシコのひとびとを楽しませてくれるのは、味覚だけに留まりません!
さまざまなアイテムの原材料になったり、文化的にも密接的に関わりを持っています!

日用品・伝統的な工芸品

アガベの葉からは豊富に繊維を採取することができ、採取された植物繊維から縄や布、紙などに加工されてきました!

数ある工芸品の中でも、丈夫で軽いアガベを繊維を原材料とした「マゲイバッグ(Maguey bag)」は、伝統的なメキシコの文化とのつながりを代表的な工芸品のひとつです!
バッグのカタチにもバリエーションがありますが、特にトートバッグやショルダーバッグとして、使用されることの多いアイテムです!

製造過程で伝統的な模様なども装飾されていくので、伝統的な工芸品、そしておしゃれなアイテムのひとして活躍できるのが「マゲイバッグ」といえるでしょう!

メキシコのひとびとが日常的に使用するアイテムや、伝統的な工芸品として登場するアイテムの原材料に、「アガベ」の存在は欠かせない存在となっています!

世界遺産

メキシコにおいては、「テキーラの古い産業施設群とリュウゼツランの景観」が、世界遺産のひとつとして認定されています!
(日本では、アガベのことをリュウゼツランと呼ぶことがあります。)

日本で植物がつくり出す光景が世界遺産となっている場所には、桜をお花見できる名所が存在し、春が訪れるタイミングでは多くの観光客を惹きつけ、国を代表する景色となっているもの!
日本における“桜”と、メキシコにおける“アガベ”が同等の位置づけにいる植物と捉えれば、アガベがメキシコを代表する植物のひとつであることが分かります!

お祭りなどの風習

死者を懐かしい気持ちで思い出し、感謝する「死者の日」をはじめとしたメキシコの伝統的な風習には、アガベを原料としたお酒や食べものが出されることがあります!

日本では伝統的な風習には、「ちらし寿司」や「和菓子」などが代表的ですが、なかなか、行事に出される料理は限りがあるものです。
アガベが、メキシコのひとびとから選ばれつづけ、伝統的な行事とも深い関わりがあることが伝わってきます!

アガベの観葉植物としての魅力

「アガベ」なくしてメキシコの文化を語れないほど、メキシコの文化に欠かせない「アガベ」ですが、観賞用の多肉植物としてもとても魅力的な植物です!

「アガベ」は乾燥に強いので少ない水やりでも育ち、暑さや寒さにも耐性があるので、寒暖差のある日本の環境でも、品種や地域を選べば年中屋外でも育てることができる“育てやすい植物”です!
春夏秋冬のある日本の環境だと、年中屋外で育てられる観賞用の植物は意外とそこまで多くないので、貴重な存在といえるでしょう!

また「アガベ」にはさまざまな品種があり、品種ごとに葉のカタチや色、斑の入り方にもバリエーションがあります!
コンパクトな品種だと、小さめな鉢の中でも健康的に育ち、大型品種だと、大きな姿から迫力感を演出してくれることもあります!
ご家庭で楽しむことはもちろん、植物園などでも大きな存在感を発揮している植物のひとつです!

日本で楽しまれているアガベの中で代表的な品種は、「チタノタ(titanota)」や「笹の雪(victoriae reginae)」、「パリー(parryi)」などがあり、いずれの品種も、ゆっくりとした成長速度でロゼット状に葉を展開させていきます!

「アガベ」は良くも悪くも成育環境によって、変化に富む見た目に成長する植物で、たとえば日照不足や水分過多の環境ではヒョロヒョロと間延びした姿になってしまい、観賞価値が下がってしまうことにも・・・。
逆に、アガベの成育に好ましい状況を提供してあげることができれば、ずっしりと重心が低くカッコイイ見た目へと成長してくれることでしょう!

「アガベ」をカッコ良く育てるには、培養土も重要な要素となります。

新しい葉を次々に展開させる点や子株を出しやすい植物でもあるので、たとえカタチが崩れてしまったとしても、崩れてしまったカタチをリセットやすい特徴も持ち合わせています!
そのため、これまで植物を育てたことの無いひとにとっても、植物育成のコツをつかみやすい植物であるともいえるもの!

「アガベ」を健康的に育てていくためには、肥料に注意していくことも、重要なポイントといえるでしょう!

まとめ

アガベは古くからメキシコの文化に深く関わりがあり、今なお、ひとびとを魅了する植物です!

日本では観賞用の植物として知名度が向上してきていますが、観賞用の植物としてだけではなくお酒や伝統工芸品など、さまざまな場面でひとびとの生活を支えている存在といえるでしょう!

「アガベ」の魅力を知っていれば、日本でもテキーラを今以上においしく飲める日がくるかもしれません!

さいごに、自宅で育てているアガベの成長記録や育成環境などを書いている記事をご紹介して、本記事は以上とさせていただきます!

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