観葉植物は2週間に1回程度液体肥料を与えるのが基本の育て方になります。
多くの観葉植物は、肥料も割と含まれている土壌で暮らしている植物なので、適度に肥料を与えることで健全に育ってゆきます。
観葉植物とは違い、雨の少ない乾燥地帯でも暮らしていけるように、根・茎・葉に多くの水分を蓄えるように進化したコーデックス(コーデックスの定義は色々ありますが、ここでは塊根植物とアガベのことをさします。)が暮らしている地域の土壌には肥料が含まれていないのではないでしょうか!?
ということは、逆に肥料をまったく与えない方が健康的に成長するのでは!?
今回は、そんなコーデックスへの肥料についての記事です!
自生地の環境
コーデックスは肥料の全くない環境で暮らしているイメージがあります!
たしかにコーデックスは雨の少ない過酷な環境に自生していますが、過酷とはいっても多少の雑草は生えていて、雑草が枯れることで堆肥が作られます。
また虫の死骸等も長い時間をかけて植物の養分になります。
さらに雨が降るときには、空気中の窒素や土壌中のミネラルが溶け出して、コーデックスの根に吸収されることになります。
そのため全く肥料が含まれていない土壌で暮らしているわけではなく、土壌には少ないながらも肥料が含まれています!
コーデックスにとって望ましい環境
コーデックスといえども、多少の肥料を与えた方が健康的に育ちますが、それは「光」「水」「風」が望ましい場合に限ったことです。
それでは、コーデックスにとって望ましい「光」「水」「風」のバランスとは!?
「光」:強め
「水」:少なめ
「風」:ある程度必要。屋外であれば問題ないが、室内ではサーキュレーターで風通しを良くする必要あり。
特に、観葉植物と一緒に育てていると水やりを多めに与えてしまいがちですが、辛めの水やりの方が形を崩すリスクは少ないです。
光・水・風のバランスが崩れたら!?
この「光」「水」「風」のバランスが崩れてしまっても、すぐにコーデックスが枯れることはないですが、コーデックがもつユニークな形が崩れてしまいます。
まん丸としていたり、締まってまとまっていたりする形を楽しむコーデックスにとって、形が崩れてしまうのは致命的なダメージといえます。
葉や枝などが不健康に伸びてしまい形が崩れてしまうことを、一般的に徒長(とちょう)といいます。
コーデックスに肥料を控えめ与えたり、なかにはまったく肥料を与えない人もいるのは、コーデックスを枯らさないためというよりもこの徒長をさけるためです。
一度、コーデックスを徒長をさせてしまうとなかなか元の姿に戻ってもらうのは難しいですが、それは植物によります!
コーデックスに必要な肥料
植物には成長に大きな影響をおよぼす肥料成分の三要素とよばれている成分があります!
1:窒素(N)
窒素は「葉」や「茎」を成長させる肥料分です。
窒素が不足してしまうと、葉の色が薄くなってしまい成育に悪影響が出ます。
逆に過剰に窒素を吸収してしまうと、葉はどんどん成長しますが花や実が付きにくくなります。
2:リン酸(P)
リン酸は「花」や「実」を成長させる肥料分です。
リン酸が不足してしまうと、花の数が減り、開花や結実が遅れるなど悪影響が出ます。
リン酸は、比較的過剰に吸収しても植物に影響は出にくいとされています。
3:カリウム(K)
カリウムは「根」を成長させる肥料分です。
カリウムが不足してしまうと、根の成育が進まないことで、葉や果実にも影響をおよぼします。
カリウムは、リン酸と同様に過剰に吸収しても植物に影響は出にくいとされています。
以上をふまえるとコーデックスに与える肥料は「窒素」の与えすぎには特に気を付けた方がよいですね!
コーデックスに与える肥料の定番としては、窒素が比較的少なめなハイポネックスの微粉タイプの肥料です。
植物ごとの特徴
コーデックスの品種によって与えてもよい肥料の頻度や量は異なりますので、品種ごとに違いについて見ていきます。
前述のようにコーデックスの自生地は肥料分の少ない土壌で暮らしているので、一気に肥料を与えるのではなく、肥料を与える場合でも少量から徐々に頻度などを増やしていきます。
あまり気にせず肥料を与えてもよい品種
毎年枝を剪定を繰り返して幹を太らせていく品種や、枝を剪定してもあまり剪定したあとが目立たない品種は、枝がヒョロヒョロに徒長してもあまり問題ありません。
徒長をおそれずに、肥料を与えます!
- プセウドボンバックス・エリプティクム(Pseudobombax ellipticum)
- アデニア・グラウカ(Adenia glauca)
- センナ・メリディオナリス(Senna meridionalis)
- 亀甲竜(Dioscorea elephantipes)
もし徒長してしまっても、枝をバッサリと切り落として「リセット」をかけることができます!
ただし、あまり徒長をさせ過ぎてしまうと体調を崩すことがあるので、徒長が過度に進行しないようにほどほどに留めます。
比較的リセットがしやすい品種
少し時間がかかりますが、徒長してしまっても植物の中心部から新しい葉が展開していき、古い葉は時間の経過とともに落葉していく植物は、比較的元の姿を取り戻しやすいです。
- アガベ(Agave)
- ディッキア(Dyckia)
コーデックスとして分類されませんが、同じ多肉植物の仲間の「ハオルチア」や「エケベリア」、「グラプトベリア」もリセットがしやすい植物といえるでしょう。
また、徒長した個体を元の姿に戻すわけではありませんが、開花しやすく受粉も比較的スムーズにできる植物は徒長してしまっても、種をまいて新しい個体をつくることができます。
徒長した場合には、コーデックスにとって望ましい「光」「水」「風」のバランスを与えて、整えたバランスを崩さないようにします。
品種によりますが、うまくいけば1年から2年程度で、ある程度崩れてしまったコーデックスを元の姿に戻すことができます。
リセットがしづらい品種
徒長させてしまうと1年や2年程度では元の姿に戻すことはできず、場合によってはリセットができない品種もあります。
肥料を与える場合でも、他の品種よりも慎重に与える必要があります。
- パキポディウム(Pachypodium)
- サボテン(Cactus)
まとめ
コーデックスにとっての肥料は、うまく与えれば成長の早さにつながりますが、適切に与えることができないと「徒長」という致命的なダメージにつながってしまうこともあります。
植物育成LEDライトは太陽光よりも強い光合成を促すことができるので、「LEDの強い光に長い時間あてる」+「肥料をかなりの高頻度で与える」ことで急成長につながった。という情報も見ますが、人工的な環境に頼り切って大きく成長させるのはどうなのでしょうか。
賛否両論ありそうですね。
今回は、コーデックスの肥料についての記事でした!
コメント