「ソテツ」を株分けした後の管理について~植物を増やす方法~

子株の発根管理の手順

観葉植物として人気の高い「ソテツ」は、特に幹の個性的なフォルムが特徴的で、庭植えや鉢植えで楽しめます

ソテツ科ソテツ属の植物には、約120もの品種が存在し、中には数十万円する高価な品種もいます。

一般的に「ソテツ」として流通している品種は、「サイカス・レボルタ」という品種。
本種は暑さにも寒さにも比較的強く、耐寒温度は5℃程度とされています。
ただし育て方次第では、それ以下の温度にも耐えられます。

「ソテツ」はガーデニングショップで見かける機会が多く、大きく育つと、株元や幹の途中から子株を吹くことがあります。

暖かい時期には、この子株を取り外し、小さな株から育てる楽しみ方もできるでしょう。

しかし、子株には根がないことが多く、元気に育てるためには根を生やさせる「発根管理」が必要です。
本記事では、実際に「ソテツ」の子株の発根管理をしたときのことをご紹介します

目次

ソテツの基本データ

原産地:日本(九州~沖縄)
花言葉:雄々しい(おおしい)
※「雄々しい」とは‟男らしいさま”という意味
科・属:ソテツ科・ソテツ属
学 名:Cycas revoluta(サイカス・レボルタ)
別 名:蘇鉄

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株分けしたソテツの発根管理について

2023年3月19日(March 19, 2023)

知り合いの自宅に立派な「ソテツ」が植わっており、子株をいくつも付けているのだそうです。

もし欲しかったらあげるけど、ソテツの子株いる?

と、声をかけてくれ、結局「ソテツ」の子株を3株もらいました。

もらった「ソテツ」の子株。

ちなみに、「ソテツ」の子株を取り外すときは、スコップなどの硬い道具を使用します。
グリグリしながら、くり抜くように引っ張ると、取り外せるようです。

「ソテツ」の幹はゴツゴツしているので、子株を取り外す際は、ケガをしないように注意しましょう

ソテツ(子株)の発根管理を行います

もらった子株は、根がない状態だったので、まずは根を生やしてもらう「発根管理」を行う必要があります。

植物は、葉から水分を蒸発させることで、体温を調整しています。
もらった子株には葉がたくさん付いているため、葉から水分の蒸発が進み、株が水分不足になる可能性があります。
「ソテツ」が根を生やすまでは、いったん全ての枝葉を、切り落とすことにしました。

「ソテツ」の葉を切り落としたときの様子。

通常は「ソテツ」を株分けする場合に枝葉を切る必要はなく、葉を付けた状態のまま、土に植え付ければよいですが、今回は切り落としてみます。

そして枝葉を切り落としたあとは、水にひと晩浸けます

3株もらったうちの1株はサイズが小さ過ぎたので、育てるのは断念し、大きめな2株を育ててみることにしました

「ソテツ」を水に浸け込んだあとは、排水性&通気性のよい培養土に根が出てくる部分を植え込みます
子株が風などでグラグラすると、発根する確率を下げることにも…。
「ソテツ」を固定するように、株の半分ほど、しっかりと土に植え付けました!

水に浸ける作業はせず、子株を土に植え付け、たっぷりと水やりをしてもよいでしょう。

土が完全に乾いたら、たっぷりと水やりをする

あとは『土が完全に乾いたら、たっぷりと水やりをする』ことを繰り返し、ひたすら「ソテツ」の発根を待つのみです。

発根がうまく進んだら、勢いよく枝葉を伸ばすでしょう

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2023年9月23日(September 23, 2023)

「ソテツ」を土に植え付けてから、約半年が経過しました。
しばらくは、動きがなかった様子でしたが…!?

いつの間にか、見ごとな葉を生い茂らせています
あたらしい葉は、光沢感があり、キレイな見た目をしています

そしてもう1株からも、これから葉を展開する様子が見られました!

「ソテツ」があたらしい葉を展開する過程は、ユニークです!
多くの葉を内側に折りたたんだ枝を先に伸ばし、枝をひと通り成長させた後で、葉を展開していきます

2株とも、枝葉の成長に勢いがあるので、根も旺盛に成長したのだと思います。

さっそく、大量の害虫の被害に…。

ただし、このあたらしい葉には、大量の害虫が発生することに…。
あたらしく展開した葉は柔らかいので、害虫の被害にあいやすいですが、「ソテツ」の葉も害虫の標的にされたようです。

おそらくクロマダラソテツシジミの幼虫で、「ソテツ」に発生しやすい害虫の一種…。
今回は、ベニカの「ネクストスプレー」で退治しました。
園芸を趣味にしていると、どうしても害虫が発生することはあるので、園芸用の殺虫スプレーを常備しておくことがオススメです。

まとめ

「ソテツ」の子株を育てるためには、「発根管理」が重要です。

特に、排水性と通気性のよい土を使用すること、そして土が完全に乾いてからたっぷり水を与えるのを繰り返すことが、成功のカギを握ります!

今回の育成では、植え付けから約半年かかりましたが、2株とも無事に発根し、元気に葉を展開しました
うまくいけば1~2か月で、発根までたどり着けることもあるようです。

「ソテツ」は鉢植えでゆっくり楽しむこともでき、地植えなら、さらに力強く成長するでしょう

以上です!
本記事では、「ソテツ」の子株の発根管理について、ご紹介しました

自宅で実際に育てている観葉植物の、成長記録&育て方は、以下の記事でまとめています
ぜひ、他の品種の記事もお読みください

発根管理を行った環境

「ソテツ」は、排水性と通気性に優れた土を好みます。
自宅では、『観葉植物用の培養土』:『ひゅうが土』=3:1の割合で使用しました。
ひゅうが土を混ぜなくても、よいかもしれませんが、配合すると排水性などをさらに向上できます。

日当たり

「ソテツ」は、日当たりのよい環境を好みます。
発根管理については、午前中のみ直射日光が当たる環境で行いました。
根付くまでは、長時間にわたり直射日光が当たる環境は避け、適度に日が当たる環境が望ましいです。

温度

「ソテツ」は暑さに強いものの、寒さに強くありません。
自宅では、春に根のない「ソテツ」を植え付けましたが、最終的に葉を展開したのは、秋に差し掛かったタイミング。
10~15℃以上あれば、成長する植物ですが、発根を促すのであれば25~30℃前後がベストだと思います。

水やり

「ソテツ」は乾燥にとても強く、逆に湿度の高い環境は苦手としています。
発根管理の際は、土が完全に乾いたタイミングで水やりをし、鉢底から水が流れ出てくるまで、たっぷりと与えていました。
乾燥よりも、多湿による根腐れのリスクが恐い植物です。

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