コーデックスの宝庫
雨が少なくて乾燥している環境でも生き抜いていけるように、ほかの植物よりも多くの水分を蓄えるために進化した植物。
根を大きく肥大させたのが「塊根植物」、そして茎を大きく肥大させたのが「塊茎植物」です!
根や茎をプックリと太らせるタイプの植物と、アガベのチタノタ(オテロイ)などを総称して、「コーデックス(Caudex)」と呼ばれることもあります。
そのユニークな見た目に、コアなファンが多い植物ですが、いざ購入しようと思い探してみても、なかなか見つからないことも多いもの。
実際に、下記のようなことが、しばしば起こります。
- 気に入ったカタチの「コーデックス」があっても、価格面のハードルがクリアできない。
- 価格面が希望に沿っていても、よいカタチの「コーデックス」を見つけられない。
横浜市内にある塊根植物専門店「KANIK(カニック)」は、よいカタチの「コーデックス」を、安く購入できる良心的なショップでした!
本記事では、「KANIK」に行ってきたときのことを、ご紹介します!
KANIK(カニック)
街なかのお花屋さんや、大型ガーデニングショップは、横浜市内にもたくさんあります。
こうしたお店では、多種多様な植物を見たり購入したりできるだけでなく、ガーデニングに必要な道具をひと通り揃えることができるでしょう。
特に大型店舗は、植物好きにとって、便利な存在です。
しかし、植物の品種によっては、販売価格が高めに設定されていることも少なくありません。
その中でも、コーデックスは、特に高価格帯で販売されていることが多いです。
植物の価格は、ペットの値段と同じく、あってないようなもの。
店舗や地域によって、値段が大きく異なることは、めずらしくありません。
「KANIK」は大きな店舗とはいえませんが、コーデックスの専門店としてカタチの優れている“良型”な植物を取り揃え、金額もリーズナブルなお店です!
有名家具店のキャッチフレーズではありませんが、「お値段以上」のお買い物ができるお店です!
「KANIK」は国道16号線(横須賀街道)沿い、「手もみ・ほぐしマッサージ店」の2階に店舗を構えています。
KANIKで販売されている植物は、発根株が中心
塊根植物のほとんどは、海外から輸入されてきているもの。
植物は海外から輸入される際、病害虫の侵入を防ぐため、根を切った状態で輸入するのが国際的なルールです。
おもに、日本で売られている塊根植物は、下記のふたつに分けられます。
- 未発根株
- 日本に輸入されたばかりで、まだ根を生やしていない状態の株
- 発根株
- 日本に輸入後に、生きている根を生やした株
このうち、「KANIK」で売られている植物のほとんどが、初心者でも育てやすい「発根株」でした。
未発根株は日本の気候で根がつかず、そのまま枯れてしまうこともあるため、発根株の方が安心して購入できる選択肢といえます。
店内の植物&園芸グッズ
※販売価格もブログに載せてもよいということなので、価格は消さずに掲載しています。
パキポディウム(Pachypodium)
パキポディウム属の塊根植物は、「グラキリス」と「恵比寿笑い」が豊富に揃っています!
特にグラキリスは、手乗りサイズだけではなく大きめなサイズまで、大きさもさることながら樹形も多彩な品揃えです!
価格帯は2万円を切るモノから、6万円弱のものまで幅広く揃っており、一般的なガーデニングショップよりも手ごろです。
パキポディウムは、原産地であるマダガスカルからの輸入コストや、成長に時間がかかることから、日本では高価になりがちな植物。
小さなサイズのモノでも、すでに発芽してから数年という月日が流れていることが、一般的です。
小さなグラキリスでも、発根株だと、ほかのガーデニングショップでは3~4万円程度することも。
また大きなサイズともなると、取り扱いすらしていないことも、めずらしいことではありません。
「KANIK」では、自社で直接原産地から植物を輸入しているため、販売価格を抑えられている点が、最大の売りといえるでしょう。
オペルクリカリア・パキプス(Operculicarya pachypus)
塊根植物の王様「オペルクリカリア・パキプス」も店舗にずらりと並んでいました。
正確な株数は把握していませんが、おそらく20株ほどはあったと思います。
パキプスは、たねから育てて写真の株のような大きさまで成長するには、5~6年では到底足りず、非常にゆっくりと成長します。
おそらく、この株も、数十年単位の年月が経過しているでしょう。
ほかのガーデニングショップでは、滅多に見かけない希少な存在で、たとえ販売されていても、1~2株程度が上限です。
パキプスも、株ごとに特徴が顕著にあらわれる品種ですが、その選択肢が限られてくると、好みのカタチをした株と出逢える確率は低くなります。
「KANIK」ではパキプスも比較的手ごろな価格で販売されており、ほかのガーデニングショップと比べると、5~10万円ほど安く購入できる印象を受けました!
チタノタ(オテロイ):Titanota(Oteroi)
アガベの「チタノタ(オテロイ)」は、小さな株からすでに完成されたフォルムを持つものまで、植物育成用LEDライトを浴びて元気に育っています。
今回はじめて「KANIK」の店舗に足を運びましたが、来店する以前から、ショップのインスタグラムは定期的にチェックしていました!
わたしがインスタを確認していた範囲では、おそらく最初は塊根植物のみがメインの店舗で、途中からアガベの育成や販売を本格的にはじめた店舗なのだと思います。
通常、後発で何かをはじめると不利になることが多いものですが、「KANIK」で取り扱うアガベからはそのような印象を受けませんでした。
豊富なラインナップと、手ごろな販売価格がその理由です!
アガベという植物は、パキポディウムやパキプスと比べると成育は早く、わりと簡単に増やすことができる植物。
一時期高騰していたアガベの販売価格ですが、以前よりも、だいぶ落ち着いてきましたね!
ユーフォルビア(Euphorbia)
こちらは、店内の多段式棚の下段の様子。
「ラバティ(Labatii)」や「プリムリフォリア(Primulifolia)」といった、個性的でかわいらしいユーフォルビアの植物が、並んでいました!
この植物に対して惹かれるものがあったので、店員さんに質問してみました。
「ラバティや、プリムリフォリアの成長速度はどのぐらいですか?」
「成長速度はあまり早くありません。当店でもまだ入荷したばかりで、
手探りで育てている段階です。」
「販売している株は、発根済みでしょうか?」
「販売している株の多くは発根済みですが、根の量がまだ少ないものも、含まれています。」
また、ラバティやプリムリフォリアを育てている知人の話として、「1年間育てても枝が1~2cmほどしか伸びない」という情報も教えてくれました。
成長速度は、非常にゆっくりとした品種なようです。
一部のガーデニングショップでは、「この株は今回限り!次回はいつ入荷するかわかりませんよ!」といった、強引なセールストークをする場合もあります。
一方、「KANIK」の店員さんは誠実で、押し売り感がない点がとても好印象でした。
そのため、ゆっくりと自分のペースで植物を選ぶことができることも、このショップの魅力だと思います!
結局、この日は自転車で1時間かけて来店したため、購入後の持ち帰り時に振動によるダメージを懸念して、今回の購入は見送りました。
今後機会があれば、ぜひ手に入れたい植物です!
クリアポット(Clear pot)
未発根株の発根管理に便利なグッズとして、「クリアポット」も店内に並んでいました!
発根管理を土耕で行う場合、土に埋もれた根の様子を目視で確認するのは、むずかしいものです。
しかし、クリアポットを使えば、土を掘り返さずに根の成長を確認できるでしょう!
土から何度も株を抜いて確認するのは、植物にとって負担となるため、このような専用グッズは非常に役立ちます!
観葉植物などには使用する機会がほとんどないので、ほかの植物も扱う総合園芸店では、あまり見かけません。
「KANIK」では、結構な数のクリアポットが売られていた点からも、コーデックス専門店ということが伝わってきます!
立ち入り禁止エリア
店内では、発根株を販売しているエリアのほか、立ち入り禁止となっている発根管理専用のエリアが設けられていました。
イベント時などには、園芸用土に植えられていないベアルート株の販売もされるようですが、基本的には未発根株を未発根株のまま売らないのが「KANIK」のスタイル。
この立ち入り禁止エリア内で、いちど発根させてから店頭に並べています。
こうした運営方法は、発根管理のノウハウが確立され、自信を持っているショップでなければ、なかなか実現できないものです。
通常だと植物が発根するまでに、時間がかかる場合もあるため、販売サイクルが遅れる可能性があります。
それでも、特に初心者のコーデックス愛好家が失敗しないように、最大限配慮しているのかもしれません。
売った後のことまで考えられているとしたら、「KANIK」への信頼感がさらに高まります。
未発根株の販売について
未発根株の販売予定も気になったので、質問してみました。
「直近で未発根株の販売は、予定されていますか?」
「(行った月の)来月の中旬に入荷しますが、当店では未発根株でも大幅に金額が下がるわけではないですよ。」
お店自体がリーズナブルな価格設定をしている上に、発根させるための確かなノウハウを持っているため、発根株と未発根株の価格差がそれほど大きくならないようです。
こうした点は、実力のある専門店ならではの、特徴なのかもしれません。
まとめ
長時間の会話はしませんでしたが、店員さんは少し人見知りな印象を受けました。
わたし自身も人見知りなので、なんとなく、親近感を覚えることに…。(笑)
ただ、店内に並んでいた植物のことを聞いたときに、丁寧に植物の特徴などを教えていただき、植物に関する知識と植物愛が会話から伝わってくる、とても感じのよい方でした!
また、「KANIK」は多肉植物のイベントに出店することがあるようです。
もしかすると、イベント時には通常店頭で販売している価格よりも、さらにお得に購入できる可能性がありますね。
塊根植物をお探しの方は、いちど「KANIK」に足を運んでみてはいかがでしょうか!?
神奈川県内にある、ほかのガーデニングショップについても記事にしています。
KANIKの基本情報
住所・アクセス
神奈川県横浜市磯子区丸山1-2-6 コーケンビル202
「吉野町駅」から徒歩約14分
営業時間・定休日
AM11時00分からPM19時00分まで
火曜日定休
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