植物を成長を倍増させる
植物は光合成でエネルギーを作りだして生きているため、“自然の中にある太陽光パネル”ともいえる存在です。
自然界では葉が腐って土に還ったり動物の排せつ物があったりと、植物の成育にとって栄養素となるものがそこら中に落ちていますが、お庭や鉢の環境ではなかなか栄養素の原石となるものがありません。
そのため人工的に土の中に植物が育つ栄養素を足す必要がありますが、栄養素を足すために「肥料」という存在があります!
上手に使えば良好な生育に、間違った使い方をすると成育の悪化につながってしまう「肥料」について、液体肥料と固形肥料を比較しました!
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液体肥料
「液体肥料」とは水に薄めて使用する肥料のことで、短縮して“液肥(えきひ)”といわれることも多いです。
市販されている液体肥料のなかには、水に薄めることなくそのまま使用できる液体肥料もあります。
液体肥料のメリット
即効性が高い
液体肥料は、与えたらすぐに植物に栄養素を届けることのできる肥料です。
霧吹きで葉に水をかける葉水(はみず)にも使用することができるので、たとえ根から上手く栄養素を吸収できない場合でも、葉からも栄養素を吸収することができる点も液肥のメリットです。
無駄遣いが少ない
液体肥料は、必要なタイミングで適量をピンポイントで与えることができます。
特に梅雨どきなど、長い雨が降っているタイミングでずっと溶けっぱなしということもなく、必要なだけ使う肥料なので無駄遣いの少ない肥料です。
均一性の確保
液体肥料は水に均一に溶かしてから使用するため、植物にも均一に与えやすい特徴があります。
なおかつ、ジョウロで水やりをできる範囲であれば広い範囲に肥料を与えることも容易です。
液体肥料の効果を引き出すために、肥料を溶かした水はまんべんなく使用することがポイントです!
液体肥料で定番なのは、ハイポネックスの肥料です!
特に、観葉植物などには栄養が届いているのが見た目でも伝わってくる肥料です。
液体肥料のデメリット
持続性が低い
液体肥料は、持続性が低いです。
液体肥料は既に水に溶けているので、液体肥料が溶けている水が流れていってしまえば効果がなくなります。
また即効性があるということは、植物にすぐに吸収されることでもあるため、短い期間で効果が切れます。
効果を持続させたい場合には、継続して与え続けなければなりません。
ただし、元々肥料の少ない土壌で育っている植物や、植物の成育速度が緩やかになるタイミングでは逆に栄養素が少ない土壌の方がよいこともあるため、肥料が切れやすいというのは、一概にデメリットと言い切れないところです。
水に薄める作業が都度発生
液体肥料には濃度が高いものが多いので、基本的に水に薄めて使用しないと、植物にダメージを与えてしまいます。
水に薄める倍率を計算し、適切な量に希釈したうえで与える必要があります。
「1,000倍に薄めて使用するといわれても、どれぐらいの量を何Lの水に薄めればよいの!?」なんてことにも。
液体肥料の種類によっては、肥料に付いているふたで容量を量ることができるものもありますが、量を細かく量ることのできるグッズを別途購入する必要が出てくることもあります。
100均でも売っている「スポイト」や「注射器」は、液体肥料の希釈率を適切に薄めるためのオススメのグッズですよ!
液体肥料を溶かしながら水やりをできる園芸グッズを使用することで、液体肥料を溶かす作業時間を短縮できます!
固形肥料
固形肥料とは、粉末や粒状の肥料のことで土に配合したり、土の表面に置いたりして使用します。
水やりや雨の水によって固形肥料の栄養素が溶け出し、ゆっくりと浸透していくことが特徴です。
固形肥料のメリット
持続性
固形肥料は、徐々に水に溶けていき効果を発揮します。
固形肥料の中には「即効性肥料」とよばれる即効性が高いものと、「緩効性肥料」や「遅効性肥料」とよばれる即効性の低いタイプがあり、持続性の高いタイプであれば数か月から数年にわたって効果を発揮します。
また、持続性が高いということは、「急に環境が変化しづらい」ことにもなります。
急な環境変化を好まない植物にとって、固形肥料の持続性という点は急な変化とはなりづらく、より良い成育につながりやすいといったメリットもあります。
この持続性は、肥料を与えたくないときにも肥料の効き目が続いてしまうことになるため、植物の種類や植物が休眠する時期にはデメリットともいえる特徴です。
与える回数が少ない
固形肥料は持続性が高いので、一度土に配合したり表土に置いてしまえば、固形肥料の効果が切れるまで追加で与える作業は発生しません。
水やりや雨の水で勝手に溶けて効き目を発揮するので、液体肥料のように肥料を与える都度、水に薄める作業が発生しない点は固形肥料のメリットといえるでしょう。
安価
肥料に含まれている成分もさまざまで、いろんなタイプがあるので一概にいえませんが、個人的には固形肥料の方がコスパがよいものが多いと感じています!
ただし、液体肥料も固形肥料もある程度容量のあるものを一度買えば長持ちするので、育てている植物の数がものすごく多くなければ大差がでない範囲内に収まります。
固形肥料のデメリット
即効性が低い。
固形肥料は、水に栄養素が溶けてから初めて効果が発揮されるため、即効性が低いです。
特に、効果が長く効くタイプは成分が溶けにくいものが多いので、固形肥料を与えたあとからすぐに植物に効くわけではありません。
固形肥料の中でも、特に「遅効性肥料」は即効性が低い肥料なので、即効性を求めるのであれば即効性肥料のある固形肥料か液体肥料を使用した方がよいです。
無駄遣いが多い
固形肥料は、一度与えると水やりや雨の際に効果が持続します。
ずっと雨が降っている環境では、肥料が垂れ流しの状況になり、栄養分で効率面が低いといえるでしょう。
鉢で植物を育てている場合で、土に配合して使用する固形肥料の場合には、固形肥料が溶けて植物に栄養素が吸収される前に鉢底から肥料が抜け出してしまうこともあり得ます。
商品による使用方法の違い
固形肥料は、与える場所や使用方法がものによって違います。
固形肥料は、置く場所が根に近すぎると濃度障害を起こすことがあります。
そのため、根から適度に離して置いたり、土に深く埋めたりする必要があります。
使用方法は、パッケージに書いてあることが多いので、よく読んでから使用しましょう。
固形肥料でオススメなのは、「マグァンプ」という肥料です。
肥料焼けのリスクも少なく、初心者からプロの方まで使用している肥料です。
肥料の使い分け
液体肥料と固形肥料は、どちらもメリットがあればデメリットもあります。
植物の種類や状態だけではなく、植わっている土の保肥力(肥料を蓄えておける力)など様々な要因によって、望ましい肥料の種類や与える量が変わってきます。
そのため、正解は状況によって変わりますが、液体肥料と固形肥料の使い分けに関するポイントをご紹介します。
植物の状態を見極める
肥料は規定量の範囲内で使用する
植物は必要としている以上の肥料を与えられても、うまく栄養素を吸収できずに逆に体調を崩してしまいます。
ひとや動物も、食べ過ぎたり過度に栄養を採りすぎたりすると逆に体調を崩すこともありますが、植物にとってもそれは同じことがいえます。
必ず、規定量の範囲内で使用します。
最初は規定量より少なめの肥料でもいいぐらいです。
植物に応じて調整する
植物の成育に必要な「3大栄養素」といわれているのは、下記の栄養素です。
- 窒素(N)=葉や茎の成長
- リン酸(P)=花や実の成長
- カリウム(K)=根の成長
植物によって、与えるべき栄養素は変わってきます。
たとえば、レタスやキャベツなどの葉物野菜やハーブなどは、葉や茎を大きくする「窒素」が多く含まれている肥料を与えます。
また、花を楽しんだり果実をつける植物には、花や実の成長を促す「リン酸」が多く含まれている肥料を与えます
あわせて根の成長は、基本的に植物全般に必要な栄養素なので、「カリウム」は成長期にあわせて与えます。
植物の品種や成長期や開花期など、植物の成育過程によっても必要な栄養素やその量が異なります。
植物の品種によって適切な栄養素が含まれている肥料を選び、成長期などにあわせて適切な肥料を与える必要があります。
季節に合わせる。
土が乾燥しているときに水やりと一緒に液体肥料を与えると、水を必要としている植物がすぐに水と一緒に肥料を吸い上げるため、植物の体内に栄養素がすぐに届きます。
反対に土が湿っている場合には、水に溶けて効果を発揮する固形肥料を与えると、栄養がゆっくりと浸透します。
春に植物が動き出したタイミング、または動き出す直前に固形肥料を与えると、成長のエンジンをかけることができます。
その後ブーストがかかってきたらさらに旺盛な成長につなげるため、液体肥料を与える。ということを数年にわたり実践していますが、順調な成育を見せています!
また夏には固形肥料が溶けやすくなるので、固形肥料は控えめにしたり、冬は肥料が切れ気味で育てた方がよい場合もあるので、秋から冬にかけて固形肥料の効果が薄れている状態をつくりだせたら理想的だと考えています。
まとめ
液体肥料と固形肥料は、植物を育てている方の性格にもよりますし、どちらが良いということは一概に言えません。
液体肥料と固形肥料を上手に組み合わせることができれば、さらに園芸を楽しむことにつながると思います!
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