「液体肥料」と「固形肥料」の特徴:違いや使用方法は!?併用はできる?

植物を成長を促進させる

植物は太陽の光を浴びて光合成をすることで、自らが生きていくためのエネルギーをつくり出しているため、太陽光からエネルギーをつくり出すという意味では、太陽光パネルと同じ特徴をもっています!

ですが、植物は太陽光を浴びることだけで生きていけるわけではなく、根から水分とあわせて栄養素を吸い上げて生きていく生きものです。

自然界では落葉した葉が腐ったり、動物や虫の排せつ物があったりと、虫や微生物に分解されることで、栄養素がつくり出される仕組みが存在しています!
そして、肥料分を吸い上げて元気になった植物を、草食動物や虫が食べる。という循環システムが成り立っています!

しかしながら、ひとが植物を育てているお庭や植木鉢の環境では、落ち葉は土に還る前にひとの手により回収されてしまい、動物が立ち入ることも少ないので、なかなか「栄養素の原石」となるものが存在しません・・・。

そのため、植物に適切な栄養素を届けるためには、人工的に土の中に植物が育つための栄養素を足す必要があります。
その栄養素を足すために用いられるグッズに、「肥料」という存在があるのです!

肥料は、うまく使えば植物の良好な成育につなげることができますが、必要以上の量を与えたり誤った使い方をすると、植物が弱ってしまう原因にもなるでしょう。

本記事では「液体肥料」と「固形肥料」のメリットやデメリット、使い分け、実際の使用方法などのご説明をしています!
肥料をこれから購入しようとしている方や、肥料の特徴を知りたいひとにとって、本記事の内容が参考になれば幸いです!

目次

肥料とは!?

まずは、前提となる「肥料」の正体について、かんたんに触れておきます

植物が健康的に生きていくために必要とする成分(元素)は、17個もあると言われています。
このうち、大気中の空気や水などから自然に摂取できる成分もありますが、土の中で不足してしまいがちな成分もあるので、その成分を足してあげる必要が出てきますが、その成分のことを「肥料」と呼んでいます!

特に、植物の成育に必要とされている栄養素に、“3大栄養素”と呼ばれる成分があります!
ちなみに、植物にとっての3大栄養素は、下記の成分です!

植物にとっての3大栄養素
  • 窒素(ちっそ)(N)
    • 葉や茎の成長に効果を発揮する成分
  • リン酸(P)
    • 花や実の成長に効果を発揮する成分
  • カリウム(K)
    • 根の成長に効果を発揮する成分

この“3大栄養素”に、「カルシウム」と「マグネシウム」をプラスしたものを、“5大栄養素”と呼ぶことがあります!
ただ、実際に市販されている肥料に記載されているのは、3大栄養素の配合割合のみなので、“3大栄養素”を適切に与えていければ、植物を健康的に育てることができるでしょう!

液体肥料のメリット&デメリット

ここから、「液体肥料」と「固形肥料」について触れていきます
まずは、「液体肥料」から!

液体肥料とは!?

「液体肥料」とは、水に薄めて使用する肥料のことで、短縮して“液肥(えきひ)”と言われることも多いです。

植物は、肥料分をたくさん必要とする品種もいれば、少なめな肥料分の方が健康的に育つ品種もいるもの。
肥料を与える植物の品種によって、「液体肥料」をどの程度に薄めればいいのかは異なるので、肥料が入っている袋のパッケージに記載されている希釈(きしゃく)倍率をよく読み、適切な濃度に薄めた上で植物に与えることで、肥料によるトラブルを軽減させることができるでしょう。

市販されている「液体肥料」の中には、水に薄める作業を必要とせず、そのまま使用できる液体肥料もあります!
そのまま使用できることは、使いやすいというメリットではありますが、コストパフォーマンスが低いというデメリットにも・・・。
そのまま使用できる「液体肥料」を購入する場合は、メリットとデメリットを踏まえた上で、購入することが望まれます!

液体肥料のメリット

ここからは、「液体肥料」の具体的なメリットについて、もう少し深堀りしていきます

即効性が高い

まず、ひとつめのメリットは「即効性」という点が挙げられるでしょう!

「液体肥料」は、すでに水に栄養素が溶けている分、すぐに植物が栄養素を根から吸い上げることのできる肥料です!
「いまが、肥料の与えどきだ!!」と感じたときに、植物にすばやく肥料を届けることができます!

特に、冬から秋に切り替わる季節は、肥料を与えるはじめるタイミングを慎重に見極める必要があるので、注意が必要です。

肥料の与え方の選択肢が多い

植物は必要とする肥料分の大部分を「根」から吸い上げていますが、「葉」や「茎」からも体内に取り込むことができます。
「液体肥料」は、霧吹きで葉に水をかける葉水(はみず)にも使用することができるので、植物が根からうまく栄養素を吸収できない場合には、葉からも栄養素を吸収させることができます!

肥料は基本的に根から吸い上げることを前提にして与えていきますが、肥料の与え方の選択肢が多い点は、「液体肥料」のメリットといえるでしょう!

葉や茎に肥料を与える場合の注意点

葉や茎から肥料を与える場合には、濃度に注意が必要です
葉や茎は、根よりも栄養素を吸収しやすい性質をもっているため、パッケージに書いてある希釈倍率より、さらに2倍程度に薄めて使用することが望まれます。
たとえば、通常500倍に薄めて肥料を与える植物には、1000倍に薄めて与えるということです!

葉や茎から肥料を届けたい場合には、注意しましょう

無駄遣いが少ない

「液体肥料」は、必要なタイミングで、必要な量をピンポイントで与えることができます。

水に溶けるタイプの固形肥料では、梅雨どきなど、長いあいだ雨が降っているタイミングでは、ずっと肥料が溶けっぱなしという状態にもなってしまいます。
一方の「液体肥料」には、肥料が溶けっぱなしという事態は発生しづらく、必要なだけ使う肥料なので無駄遣いの少ない肥料といえるでしょう!

均一性の確保

粒の大きさにもよりますが、「固形肥料」は肥料を置く場所によって、肥料分がよく溶ける部分とそうではない部分が生じ、植物への効果にもバラつきが出ることも考えられます。
一方の「液体肥料」は、水に溶かして使用するため、肥料分が土壌の中に均等に浸透しやすくなり、植物への効果にバラつきが生じにくい特徴があります。

「液体肥料」の効果を最大限に引き出すためには、肥料を溶かした水は、植物に対してまんべんなく使用することがポイントとなるでしょう!

「液体肥料」でオススメなのは、ハイポネックス社から出ている肥料です。
特に観葉植物に与えていると、目に見えて植物が元気になってくることもあるので、定期的に肥料を与えることが楽しくなることもあります!

わたしも最初に購入した「液体肥料」は、ハイポネックスの肥料です。
肥料による失敗も少なく、使用のしやすい肥料のひとつです。

ちなみに、植物への「水やり」については、下記の記事で詳しく書いています
もしご興味があれば、参考にしてみてください。

液体肥料のデメリット

メリットも多い「液体肥料」ですが、いくつかデメリットも挙げられます。

持続性が低い

まずは、効果の「持続性」という点です。

「液体肥料」は即効性がある反面、持続性が低い肥料です。
植物が植わっている土壌を改良して効果を発揮する肥料ではなく、水に溶けていることでスムーズに植物に吸収されるので、液体肥料が溶けている水が鉢底や土壌から流れていってしまえば、効果がなくなります。

また即効性があるということは、植物にすぐに吸収されることでもあるため、植物に吸収されてしまえばその時点で栄養素がなくなります。

肥料の効果を持続させたい場合には、短いサイクルで継続して与えていく必要があるでしょう。

ただし、もともと肥料分の少ない土壌で育っているサボテンや多肉植物は、いつまでも肥料分が残っている環境よりも、メリハリのある環境の方が健康的なな成育につながることもあります!
そのため、肥料が切れやすい持続性の観点は、一概に「液体肥料」のデメリットとは言い切れない特徴ではあります。

水に薄める作業が都度発生

「液体肥料」の原液は濃度が高く設計されているので、基本的に水に薄めて使用しないと、植物に肥料焼けなどのダメージを与えてしまうことになりかねません。
肥料焼けとは、肥料分が多すぎることによって引き起こされる症状で、肥料焼けによって植物が不調を起こしてしまうことも、少なくありません。

参考までに、「液体肥料」を使用する場合には、下記のような倍率で薄める必要があります。

希釈濃度(ハイポネックスの場合)
  • 庭植え植物(庭木・果樹など)
    • 250倍
  • バラ、キク、観葉植物など
    • 500倍
  • 洋ラン、球根、ハーブなど
    • 1,000倍
  • サボテン、盆栽など
    • 2,000倍

この500倍、2,000倍といった希釈率が、意外と厄介だったりします・・・。
「2,000倍に薄めて使用するといわれても、どれぐらいの原液を何Lの水に薄めればよいの!?」といったことは、意外と分かりづらいもの。
また、ジョウロで水を量って水を薄めようとする場合に、「自宅にあるジョウロが、そもそも何Lの水が入るジョウロなのか、分からない・・・。」といった可能性もあるでしょう。

「液体肥料」の種類によっては、肥料に付いているフタである程度の容量を量ることができますが、原液を量ることのできるグッズを別途購入する必要が出てくることもあります。

ちなみに、原液を量ることのできるグッズは、100円ショップでも入手可能です!
100円ショップで売られている“スポイト”や“注射器”は、「液体肥料」の希釈率を薄めるために、あると便利です!
実際に使用しても特段問題なく使えるので、とてもコスパの良いガーデニンググッズになりえますが、細かいメモリが付いているものを選びたいところ!
メモリが付いていないものも売られているので、購入するときには注意が必要です

使用できる「液体肥料」の種類は限定されますが、下記のような、原液を溶かしながら植物への水やりができるガーデニンググッズを使用することで、原液を水に希釈する時間を短縮できるでしょう!

固形肥料のメリット&デメリット

つづいて、「固形肥料」について!

固形肥料とは!?

「固形肥料」とは、粉末や粒状の肥料のことで、用土に配合したり、用土の上に置いたりして使用します。
用土の上に置くタイプは、“置き肥”と呼ばれることもあります。
水やりや雨の水がかかることによって、「固形肥料」の栄養素が溶け出し、ゆっくりと効果を発揮することが特徴です。

「液体肥料」が“液肥”と短縮されることはありますが、一般的には、「固形肥料」が“固肥”と呼ばれることはありません。

同じ肥料であっても、「液体肥料」と「固形肥料」を比べると、真逆ともいえる特徴を持ち合わせています!

固形肥料のメリット

「固形肥料」のメリットについても、触れていきます

持続性

まずは、効果の「持続性」という点!

「固形肥料」は徐々に溶けていき、ゆっくりとしたペースで効果を発揮します。
固形肥料の中には「即効性肥料」とよばれる即効性が高いものと、「緩効性肥料」や「遅効性肥料」とよばれる即効性の低いタイプがあり、持続性の高いタイプであれば数か月から数年にわたって効果を発揮します。

また、持続性が高いということは、「植物を取りまく環境が急に変化しづらい」ことにもなるでしょう。
室内に置いていた植物を、急に直射日光に当ててしまうと葉焼けを起こしやすくなるように、植物は環境変化によるストレスを受けやすい生きものです。
急な環境変化は日当たりに限ったことではなく、土壌の中の環境にも気をつける必要があるので、固形肥料の“持続性”という点は、植物の安定的な成育につながりやすいといったメリットにつながります。

この持続性という点は、肥料を与えたくないときにも肥料の効き目が継続されてしまうことになるため、植物の種類や植物が休眠をする時期や体調を崩してしまったときには、デメリットにもなりえる特徴です。

手間が少ない

つづいて、「手間」の面です。

「固形肥料」は持続性が高いので、いちど用土に配合したり表土に置いてしまえば、「固形肥料」の効果が切れるまで基本的に追加で与える必要はありません。

植物へ水やりをする際や、雨の水で自動的に溶けて効き目を発揮するので、「液体肥料」のように肥料を与えるときに、毎回水に薄める作業が発生しない点は「固形肥料」のメリットといえるでしょう。

特に用土に配合している場合には、「固形肥料」の効果がしっかりと持続しているか、確認していくことが重要です

コストパフォーマンス

さいごのメリットは、「お財布にやさしい」という点です。

肥料に含まれている成分もさまざまで、商品により金額差もあるので一概にいえませんが、「液体肥料」に比べて「固形肥料」の方がコスパがよいケースが多いでしょう!

「液体肥料」も「固形肥料」もある程度容量のあるものを買ってしまえば、どちらも長持ちするので、育てている植物の数がものすごく多くなければ、大差がでない範囲内ではおさまります!

園芸のよい点は、100円ショップでもガーデニンググッズの取り扱いが多いという点。
ものによっては、100円ショップよりもガーデニングショップで揃えた方が良いものもありますが、安い金額で趣味を楽しめるに越したことはありません。

固形肥料のデメリット

ここからは、デメリットについてご紹介します。

即効性が低い

「固形肥料」は水に栄養素が溶けてから、はじめて効果が発揮されるため、「液体肥料」のような即効性はありません。
特に、効果が長く効くタイプの肥料は、成分が溶けにくいものが多く、「固形肥料」を与えたあとからすぐに植物に効くわけではありません。

「固形肥料」の中でも、特に「遅効性肥料」は即効性が低い性質をもっているので、植物に早く効かせたいのであれば即効性のタイプの「固形肥料」か、または「液体肥料」を使用した方がよいでしょう!

無駄遣いが多い

「固形肥料」は、いちど与えると、水やりや雨の際に継続して肥料分が溶けだします。

ずっと雨が降っている環境では、肥料分が溶け続けている状態が持続することになるので、無駄遣いが多いというデメリットになるでしょう。
また、高温になると、さらに肥料が溶けやすくなるものです。
梅雨どきや、真夏の季節は、「固形肥料」のデメリットがきわ立ち、肥料焼けの原因になってしまうことも・・・。

植木鉢で植物を育てている場合で、用土に「固形肥料」を配合して使用する場合には、「固形肥料」が溶けて植物に栄養素が吸収される前に、鉢底やスリットなどのすき間から肥料が抜け出してしまうこともあり得ます。

商品による使用方法の違い

「固形肥料」は、使用方法が商品によって違います。
用土の上に置くタイプがあれば、植物を植える前にあらかじめ用土の中に入れておくタイプもあり、使用方法を誤ってしまうと、植物への効果が半減してしまったりトラブルにつながることもあるでしょう。

また、植物の根に近すぎる場所に置くと、濃度障害を起こし植物の体調不良につながることもあります。
逆に、植物の根から遠すぎる場所に置くと、溶けだした栄養素が吸収されないことにもなります。

「固形肥料」の力を充分に発揮させるためには、植物の根から適度に離れた場所に置いたり、ある程度用土の深い位置に埋めたりする必要があり、「液体肥料」よりも使用方法には工夫が必要なもの!

使用方法は一般的にパッケージに書いてあるので、必ずよく読んでから使用しましょう!

ちなみに、「固形肥料」でオススメなのは、「マグァンプ」という肥料です。
植物が栄養素を欲しているときにしか、肥料の効果が発揮されない特徴を持っていることから、肥料によるトラブルも発生しづらく、初心者の方からプロの方まで愛用されている肥料です。
下記の肥料は「マグァンプ」の中でも、肥料分だけではなく、防虫効果も発揮するタイプになります。

肥料の使い分け

ここまでご紹介してきたように、「液体肥料」にも「固形肥料」にも、メリットだけではなくデメリットもあります。

植物の種類や状態だけではなく、植物を植えている用土の保肥力(肥料を蓄えておける力)など、いろいろな要因によって、望ましい肥料の種類や与える量が変わってくるもの。

ここからは、「液体肥料」と「固形肥料」を実際に選ぶときのポイントをご紹介していきます!
どちらの肥料が自分に適した肥料なのか、参考にしていただければと思います。

自分の性格を考えてみる

「液体肥料」がよいのか、それとも「固形肥料」がよいのかは、実際に肥料を使用するひとの性格にも左右されるでしょう。

前述のように、都度水に薄めて使用する「液体肥料」よりも、土に置いて使用する「固形肥料」の方が、育成にかかる手間が少ない特徴があります。

植物のお世話をするのが好きなひとは、「液体肥料」を溶かして与えていく作業も、そこまで苦にならないものですが、植物を育成する手間を少しでも省きたい方は、「液体肥料」を定期的に与えていくのは負荷が大きいかもしれません。
そういった場合には、「固形肥料」を使用していけば、植物を育成する手間を省くことができます。

「液体肥料」を使用したことがないひとでも、「固形肥料」は使用したことがあるひとが多いのは、この育成手間の差による影響があるといえるでしょう。

植物のお世話が好きなひとは「液体肥料」を、そこまで好きではないひとは「固形肥料」を使用することも、肥料を選ぶときのポイントになります!

季節に合わせる&持続性を考える

春の暖かさとともに新しい葉が展開するなど、植物が動き出したタイミング、または動き出す直前に「固形肥料」を与えることで、成長のエンジンをかけることができます!
その後植物の成長速度が上がってきたら、さらに旺盛な成長につなげるために、「液体肥料」を与える。という季節に合わせた、肥料の与え方も望ましい肥料の与え方になるでしょう!

また、アメやチョコレートが暑い季節に溶けやすくなるように、「固形肥料」も気温によって溶けやすさに変化が生じます。
夏のあいだは暑さによって固形肥料が溶けやすくなるので、「固形肥料」を控えめにした方がよいもの。
また、植物が栄養素を欲しがらない冬のあいだは、そもそも肥料を控えめに与えた方がよいので、秋から冬のあいだなど気温が下がる季節には、「固形肥料」の効果が薄れている状態をつくりだせたら、理想的だといえます!

「固形肥料」によっては効果が3年間持続するタイプもあるので、調整することはむずかしい面もありますが、植物の成育期には「固形肥料」の効果が最大限発揮され、休眠期までには「固形肥料」が完全に溶けだして、ほとんど用土に残っていないようなサイクルを生み出すことが望ましいです!
「固形肥料」の効果が長期間にわたって持続するタイプは、便利な面もありますが、肥料分の調整という面では難易度が上がるので、最初は数か月などの短期間で効果が切れるタイプがよいでしょう!

効果の持続性という面では、「固形肥料」では調整がむずかしいので、園芸初心者のうちは「液体肥料」で肥料のコツをつかむことをおすすめします!

肥料の使用方法

ここからは、肥料の使用方法についてのご紹介していきます!

「液体肥料」でも「固形肥料」でも、与えるタイミングに違いはあれど、使用方法は同じ考え方になります。

肥料は用法&容量を守る

肥料を多く与えれば与えるほど、植物が早く成長すると考えているひとは、意外と多いもの。
たしかに植物の品種によっては肥料過多な状況で、通常よりも早く成長することもありますが、一般的には肥料の与えすぎは植物の成長に逆効果を及ぼすことが多いでしょう。

植物は必要としている以上の肥料を与えられても、うまく栄養素を吸収できないどころか、不必要な栄養素が周囲にあることで逆に体調を崩してしまう生きものです。

ひとや動物も、食べすぎたり過度に栄養を採りすぎたりすると逆に体調を崩すことが多いですが、植物にとってもそれは同じことが当てはまります。

植物に肥料を与えるときには、必ず用法&容量を守ることが重要です!

これまでに肥料分を与えたことのない植物は、肥料分を吸収することに慣れていません。
そういった植物にいきなり肥料分を与えてしまうと、環境の変化により植物がストレスの原因になりかねないので、規定量より少なめの肥料を与えることからはじめ、徐々に規定量に調整していくイメージでいると失敗が少なくなるでしょう。

植物を早く大きく成長させたい場合には、肥料分だけではなく、水やりや日当たりなど、ほかに成長する要件を提供していくこともあわせて考えたいところ!

室内育成については、下記の記事でご紹介しています。
主に強い光を好む多肉植物をテーマにしていますが、ほかの植物にも参考になると思います。

植物の品種によって調整する

植物の品種によっても、与えるべき栄養素は変わってきます。

たとえば、レタスやキャベツなどの葉物野菜やハーブなどは、葉や茎を大きくする「窒素」が多く含まれている肥料を与えることで、大きく成長させたい「葉」を成長させることができるでしょう!

また、花を楽しんだり果実をつける植物には、花や実の成長を促す「リン酸」が多く含まれている肥料を与えることで、開花時期には多くのお花を咲かせてくれる確率を上げられます!

あわせて根の成長は、基本的に植物全般に必要な栄養素なので、「カリウム」は植物の成長期にあわせて与えることで、植物の健康的な成長へとつなげることができます!

植物の品種や成長期や開花期など、植物の成育過程によっても、必要な栄養素やその量が異なりますが、まずは植物の品種によって適切な栄養素が含まれている肥料を選ぶことが重要です!
成長期にあわせて、適切な栄養素の入った肥料を与えていくことで、植物を目的にあわせて育てることができるでしょう!

日々の観察

植物は肥料分が足りていなくても多すぎても、すぐには目に見えた症状にあらわれづらいですが、植物に不調が出たときは、原因があるものです。

たとえば、肥料分が足りていなければ本来の葉色よりも、薄くなったり新しい葉が小さくなったりといった症状が出ます。
逆に肥料分が多すぎると、成長期にもかかわらず葉を展開しなかったり、葉が落ちてきたりと、致命的なダメージにつながりやすいでしょう。

植物を日々観察して、なにかしら不調が出たときには、原因を考えていくことが重要です。
不調が出る前の育成環境がどのようなものであったのか、数週間から1か月ほどの期間を思い返し、思い当たる原因があるのであれば、改善していきましょう。

もちろん、植物を取りまくトラブルは肥料だけではなく、根づまりなどほかの原因も考えられるので、肥料だけを考えていくことは禁物です

まとめ

ここまで、「液体肥料」と「固形肥料」のメリットやデメリット、使い分けや使用方法などについてご紹介しましたが、植物を育てる目的や、育てている品種によっても適切な肥料は変わってくるものです。

「液体肥料」にも「固形肥料」にも、よい面があればそうではない面もあるので、適切なタイミングで用法容量を守って与えていけば、大切に育てている植物の成長を後押しすることもできるでしょう!

実際に自宅では300~400鉢ほどの植物を育てていますが、植物に肥料を与えるときは、少なめに与えるよりも多めに与えることの方が、失敗するリスクが上がってしまうと感じています。
心配であれば、最初のうちは肥料を控えめに与えた方が、失敗するリスクは下げられると思います!

「液体肥料」と「固形肥料」をうまく組み合わせることができれば、さらに園芸を楽しむことにつながるでしょう!

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