緑と歴史が出逢う場所
「民権の森公園(町田ぼたん園)」は、色とりどりの花が咲き誇る、散歩コースにおすすめのスポットです。
また「ふるさと農具館」は、農業の文化や町田の歴史を「学べる場」です。
本記事では、町田の穴場スポット「民権の森公園」と「ふるさと農具館」を訪れたときのことをご紹介します
町田薬師池公園『四季彩の杜』
『民権の森公園』と『ふるさと農具館』は、町田薬師池公園『四季彩の杜』の中にある
町田薬師池公園「四季彩の杜」は、さまざまな世代が楽しめる魅力的なスポットです。
敷地内には、日本の名勝にも指定される「薬師池公園」をはじめ、以下のエリアが存在します。
- 町田リス園
- 町田ダリア園
- 町田えびね苑 他
筆者本記事でご紹介する「民権の森公園」と「ふるさと農具館」も、四季彩の杜の中にあるエリアです。
東京ドーム3個分の広さがある
町田薬師池公園「四季彩の杜」は東京ドーム3個分の広さがあるため、各施設をじっくり見て回るには、かなりの時間を要します。
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今回の訪問では、「民権の森公園」と「ふるさと農具館」のみ散策しました。
『町田ダリア園』や『町田えびね苑』は開花シーズンにのみ開園する
「町田ダリア園」や「町田えびね苑」は開花シーズンにのみ開園するため、ダリアやえびねの花々を楽しみたいなら、事前に公式HPで開園情報をチェックするのがおすすめ。
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エリアごとに開園期間や定休日が異なるため、すべてのエリアを見て回りたい場合は、何度か足を運ぶ必要があります。
『町田リス園』を最大限楽しむなら、開園時間(10時)直後に訪れるのがおすすめ
「町田リス園」で暮らすリスは、多くの来園者からエサをもらっています。
タイミングによっては、リスたちが満腹になっている可能性があり、せっかく与えたエサを食べてくれないことも…。
『民権の森公園』は、ボタンの開花時期には『町田ぼたん園』と称される
季節によって名称が変わる
- 町田ぼたん園:4月下旬から5月上旬(ボタンの開花シーズン)のみ
- 中学生以上は入園料がかかる
- 民権の森公園:ボタンの開花シーズン以外
- 入園料はかからない


約1,700株・330種類の『ボタン』と、約600株・60種類の『シャクヤク』が咲き誇る
今回訪れたのは3月上旬。
ボタンの開花時期ではないため、散策したのは「民権の森公園」ということになります。
開花シーズンに訪れると、約1,700株・330種類の「ボタン」と、約600株・60種類の「シャクヤク」が咲き誇る光景を目にすることができます。
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夜はまだ肌寒い季節でしたが、それでも開花している植物のすがたも見られたので、楽しく散策できました!
ネームプレートはほとんど設置されていない
「町田ぼたん園」で育つほとんどの植物には、ネームプレートが設置されていません。
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自然がつくり出す景観を崩さないために、あえて設置していないのかもしれません。
詳しい品種名が分からない植物も多く育っているため、名前などを知りたい場合は、ご自身で調べる必要があります。
『民権の森公園』で咲き誇る花々
ラッパスイセン(Narcissus)
「民権の森公園」に入り、最初に目に留まったのは「ラッパスイセン」です。


楽器の「ラッパ」のカタチに似ていることが名前の由来
「ラッパスイセン」は、花の中央が楽器の「ラッパ」のカタチに似ていることが、名前の由来。
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たしかにラッパにも似た、個性的な形状をしています。
野菜の「ニラ」と形状が似ているが、有毒性のため注意が必要
特に注意が必要なのは、その葉の形状が野菜の「ニラ」に酷似している点。
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実際に、誤食による食中毒の被害が報告されています。
2つの植物を見分ける決定的なポイントは「匂い」です。
「スイセン」が無臭であるのに対し、「ニラ」は切ったときに特有の匂いが発生します。
家庭菜園などで「ニラ」を収穫する際は、匂いも確認し、誤食を防ぐよう注意を払いましょう。
「ヒガンバナ」の仲間に分類される
「ラッパスイセン」には、黄色だけでなく白い花を咲かせる個体もいます。
また、夏の終わりに真っ赤な花を咲かせる「ヒガンバナ」の仲間に分類される植物です。
ボケ(Chaenomeles speciosa)


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民権の森公園で育つ「ボケ」は、他の株よりも幹肌が白い印象を受けました。
トゲの対策のために、強めの剪定(切り戻し)が行われている?
本来は、樹高2~3メートルまで成長する植物ですが、民権の森公園の「ボケ」は1メートル強といったサイズ感。
「ボケ」はバラ科ゆえの鋭利なトゲをもつため、対策として、強めの剪定(切り戻し)が行われているのかもしれません。
名前の由来は「木瓜(もけ)」が転じたもの
梅(Prunus mume)
「民権の森公園」はのんびりと梅を楽しみたい方にも、おすすめのスポットです。


同じく「四季彩の杜」の中にある薬師池公園に比べ、梅の数は少ないですが、その分、観光客も多くありません。
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民権の森公園では、自分のペースでゆっくりと花を鑑賞し、穏やかな雰囲気を満喫することができます。
ちなみに「四季彩の杜」の中にある町田薬師池公園では、“梅まつり”も開催され、多くの観光客で賑わいを見せていました。
そのときの様子は、以下の記事でご紹介しています
ふるさと農具館
「ふるさと農具館」は、「民権の森公園(町田ぼたん園)」に隣接する農業学習施設で、「ふれあい館」と「パネル館」の2棟で構成されています。
- ふれあい館:スタッフの方がいない中、自由に農具などの展示を見学できる
- パネル館:椅子に座りながら、10〜15分ほどの農具の歴史に関する動画を見られる
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特にパネル館は、アットホームな雰囲気が流れています。
自由に見学できる『ふれあい館』


「ふれあい館」では、分野ごとに複数のコーナーに分かれていて、100年ほど前に実際に使われていた農具が展示されていました。
- 麦作・畑作と農具コーナー
- 稲作と農具コーナー
- 養蚕コーナー
- 運搬具と大工道具コーナー・衣と暮らしコーナー
麦作・畑作と農具コーナー
「麦作・畑作と農具コーナー」では、おもに大きな農具が展示されていました。


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多くの展示品は、歴史的にも貴重な農具なのだと思います。
- 縄ない機
- ワラから紐をつくるときに使う
- 唐臼(からうす)
- もみを、もみ殻と玄米に分けるときに使う
- 万能鍬(ばんのうくわ)
- 肥料を土になじませるときに使う
『麦』はなくてはならない存在
「小麦」や「大麦」は小麦粉やパンの原材料として知られていますが、麦わら帽子などの日用品にも加工されています。
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麦が、お米以上に食べられていた時代もあったため、当時は今以上になくてはならない存在だったのでしょう。
稲作と農具コーナー
「稲作と農具コーナー」では、包丁やくわのような農具もありました。


現在の稲作は、タネから発芽した苗を整地された田んぼに植えて、大きく成長した稲を収穫するのが一般的です。
一方で、ひと昔前に町田で行われていた稲作は、「ツミ田」と「ドブッ田」という工法が採用されていました。
- ツミ田:田んぼに苗を植える(田植えをする)のではなく、直接タネを蒔く工法
- ドブッ田:地形に合わせ、現在のように整備されていない場所で稲を育てる
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ふれあい館の中でもっともスペースが広かったのが、この稲作と農具コーナーでした。
- 田の草取り機
- 田んぼの草を取るときに使う
- 稲刈り機
- 稲を刈るときに使う
ちなみに稲作用の農具は現在でも、日本の農業の中で需要が高いため、他の分野に比べて技術の進化と自動化が進んでいるようです。
養蚕コーナー


「育てた虫から、繊維を取り出す」という養蚕は、一風変わった仕組みです。
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昔から植物や虫など、多くの生き物のおかげで生活できていたことを、感じさせられます。
- 種紙(たねがみ)
- 蚕の種(卵)を、和紙に付着させたもの
- 鍬の葉切り機
- 小さな蚕にエサを与えるために、桑の葉を細かく刻む機械
- 糸網(いとあみ)
- 蚕のふんを取り除くときに使う
運搬具と大工道具コーナー、衣と暮らしコーナー
「運搬具と大工道具コーナー」と「衣と暮らしコーナー」での展示品からは、当時のひとびとの生活ぶりが伝わってきます。


いまいち用途が分からない道具の近くに、見慣れた形の生活用品が展示されている様子は、昔と今の暮らしのつながりを感じさせてくれます。
パネル館
たとえば、近隣で育つハンカチノキの木の実や、スズメバチの巣といった、自然の産物が展示されています。


「パネル館」は、映像を中心とした展示となっており、町田の農業や歴史に関する貴重な映像を見ることができます。
さいごに
今回は見られませんでしたが、「町田ぼたん園」を最大限楽しむなら、桜の季節が終わるころに訪れるのがおすすめ。
その時期には、見事なボタンやシャクヤクの花々に出逢えるでしょう。
また、「ふるさと農具館」で町田の農業の歴史に触れることで、普段口にする「食」への感謝の気持ちが、きっと深まるはずです。
以上です。
以下の記事では、東京と神奈川のお花見スポットをまとめています
他にも魅力的な花見スポットはあるため、よろしければあわせてお読みください


『民権の森公園(町田ぼたん園)』と『ふるさと農具館』の基本情報
住所&アクセス
【住所】
東京都町田市野津田町2274-1(民権の森公園(町田ぼたん園))
東京都町田市野津田町2288(ふるさと農具館)
【アクセス】
小田急「町田駅」バスで「薬師池」か「薬師ヶ丘」下車
開園時間&休園日
【開園時間】
AM8時30分~PM16時00分(民権の森公園(町田ぼたん園))
AM9時30分~PM16時00分(ふるさと農具館)
【休園日】
なし(民権の森公園(町田ぼたん園))
月曜日(祝日の場合は、翌平日)、12月28日~1月5日(ふるさと農具館)
入園料
大人520円・中高生200円・小学生以下無料(町田ぼたん園)※ぼたん園開園期間以外は、民権の森公園として無料開園
無料(ふるさと農具館)
電話番号&公式HP
【電話番号】
042-724-4399(民権の森公園(町田ぼたん園))
042-736-8380(ふるさと農具館)
【公式HP】
町田薬師池公園:四季彩の杜の公式HP
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