1931年からの歴史ある梅林

植物は、3～4月ごろ暖かくなったタイミングでお花を咲かせる品種が多い。といったイメージがあります。

ただ植物によって開花時期は異なり、冬の間に夏の間に花を咲かせる“サルスベリ”や、花を咲かせる“サザンカ”など季節ごとに楽しめるのが植物の良さでもあります。
神奈川の地域では1月中旬から2月の上旬ごろに花を咲かせる梅の木は、寒い季節から開花のスタートラインを切り、多くの植物が花を咲かせる春の開花シーズンよりも、ひときわ早いスタートダッシュを決める植物のひとつ。

現代の日本では、桜の開花時期にはお花見で人だかりができるほど人気の高い植物ですが、昔は梅の方が人気のあった時代もあったようです！

桜の花ももちろんキレイなのは分かりますが、梅の花をまじまじと見たことはありますか！？
実際に注目をして観ると梅の花は、サクラの花に負けず劣らずとてもキレイです！

今回は、神奈川県横浜市内で梅の木が集結しているスポットのひとつ、「大倉山公園梅林」に梅の花を見に行ったときの紹介記事となります！

大倉山公園梅林の園内の様子

「大倉山公園梅林」の園内に入り、まずは「大倉山公園　梅林マップ」を確認。

梅林マップによると、「大倉山公園梅林」に立ち並ぶウメの種類は46種類、ウメの本数は約220本、梅林面積は約1.1ha（ヘクタール）ということです！

「ヘクタール」は、日常的に使用することはそこまでありませんが、1haは10,000㎡のことです。
さらに10,000㎡は「100m×100m」のことなので、無料で入れる梅林なのになかなかの大きさを誇っていますね！

梅林マップには梅の種類がいろいろと書いてありますが、2月上旬から3月上旬ごろが梅の開花時期とのこと。
ですが、「紅千鳥（べにちどり）」や「八重旭（やえあさひ）」といった品種は、1月下旬ごろから花を開き始めるようです。

開花の時期はその年によってもズレが生じるので、開花のピークにおとずれるのであれば、ニュースや横浜市港北区の公式HPの掲載情報を確認した上で足を運ぶことをオススメします。

梅林マップの確認もほどほどにして、「大倉山公園梅林」の園内を実際に歩き、咲き誇る梅を見て回ることに！

淡路枝垂（あわじしだれ）

まず、梅林マップからすぐそばの距離で目に留まったのは、枝が垂れ下がっているカタチをした梅です！

このウメは「淡路枝垂（あわじしだれ）」という品種で、この日はまだ咲き始めという段階でしたが、梅の木にしては少し背の高い位置から垂れ下がっている枝と、ピンク色のお花が印象に残る品種でした！

また、園内では小さな滝とまではいえませんが、せせらぎの音が聞こえてくる水の流れもありました！

歴史を感じさせる梅と合うどこか風情のある光景とネイロ♬で、なにかイヤなことがあっても現実逃避ができそうです！

蛇口から流れる水道水の音とは違って、せせらぎの音がとても心地よい音に感じるのは、その不規則なゆらぎのある音が理由だとか！

目で花を見て、花の香りを嗅いで、耳で聴いて、最高にリラックスできるスポットですね！！

蓬莱（ほうらい）

「淡路枝垂（あわじしだれ）」とせせらぎスポットを後にして、つづいて目の前に現れたのは「蓬莱（ほうらい）」という品種です。

ちょうど大人が立ち上がったときの目線ぐらいの高さで、真っ白なお花をたくさん咲かせていました。

このお花を咲かせる高さが、ちょうどイイところも梅の花の魅力のひとつだと感じています！

そして、天気の良い日を選んで行ったワケではないのですが、偶然にもこの日は快晴で心地よい風が吹いていました！
ひとも園内を歩いていて気持ちイイ日でしたが、梅の木々もどこか気持ちよさそう！

気持ちの良さそうな梅の木々を見て、さらにすがすがしい気持ちになる！といった相乗効果が「大倉山公園梅林」の園内では生じていました！

豊後（ぶんご）

こちらは、薄いピンク色のお花を咲かせていました。

「豊後（ぶんご）」は大分県原産の梅で、梅とあんずの交配種としても知られている品種です。

梅自体が寒さに強い植物ですが、この品種は梅の中でも特に寒さに高く、東北の青森県でも栽培が盛んで梅酒に使われることもあります。
お酒が好きな方は、知らないうちに一度は口にしたことがあるかもしれませんね！

「豊後」に限らず、園内では梅の花が甘い香りを発しています！
アロマオイルを使用すれば、人工的にお好みの香りを再現できますが、アロマオイルだと常に一定の香りが保たれています。
それはそれで良いのですが、外のお花は風に運ばれて不規則に良い香りが運ばれてくるので、外を歩いてお花の香りを嗅げたときには、せせらぎ同様にとても心地良いと感じることができるのかもしれません。

内裏（だいり）

まだ、梅のお花はつづきます！

ピンク色の後は、再度白いお花に戻りまして、「内裏（だいり）」という品種も開花時期を迎えていました！

この日は雲ひとつない“日本晴れ”で、日の光を浴びている姿が気持ちよさそうに見えます！

梅のお花は、ほかの梅の品種と比べると少し早めにお花を咲かせる“早咲き”の品種から、一歩開花時期が出遅れる“遅咲き”の品種まで、さまざまな品種があり品種数は約300種存在する植物です。
そのため、また違うタイミングで「大倉山公園梅林」を訪れたら、今回訪れたときとはまた違った梅のお花が開いていることでしょう。

気軽に「大倉山公園梅林」まで行ける距離にお住まいの方は、1月下旬から3月上旬ごろまで毎週のように足を運んでも新たなお花をを見つけられるのかもしれませんね。

メタセコイア（Metasequoia glyptostroboides）

そして「大倉山公園梅林」の園内には、梅の木以外にも大迫力な植物がいました！

樹高が30m～40mぐらいありそうな「メタセコイア（Metasequoia glyptostroboides）」が、まるで「大倉山公園梅林の番人」のように園内を見守っている姿は、実際に行ったヒトだけが感じ取れる迫力感だと思います！

このときには緑の葉を落としている状態だったのですが、それでも間近で見ると迫力満点だったので、「メタセコイア」が葉を展開させたら、さらに迫力感あふれる存在間違いなし！と感じました。

樹高が高くない梅の木の中にそびえ立っていたから、余計に番人のように感じたのだと思います。

ちなみに、「メタセコイア」は以前に絶滅していたと考えられていたことから、“生きた化石”とも呼ばれている植物です。

園内の北東側

せっかく「大倉山公園梅林」まで来たので、公園の周辺も含めて散策してみることに。

この場所は、北東側にある出入り口付近の様子です。

緩やかな階段が続いていて、梅の木を堪能するというよりは、軽いピクニックにでも来たかような感覚に！

「大倉山公園梅林」には長い歴史がありますが、階段の木が腐食していつ崩れてもおかしくない。なんてことはなく、しっかりと管理が行き届いている公園（梅林）だと感じました！

園内にあるお手洗いも、リフォーム工事をしたばかりなのか、ピカピカです！

お手洗いの壁に飾ってあるマークは、園内に咲く梅の花を再現しているのだと思います！

工事をして新しくなったのは間違いないですが、キレイなだけではなく風情のある、オシャレなデザインとなっていますね。

白加賀（しろかが）

梅の木は樹高が低くひとの頭や目の高さに枝があることも珍しくありません。
そのためキレイなだけではなく危険な面もあり、通行人と梅の接触事故を防止するために、道の一部を封鎖しているところもありました。

ちょうど良い高さにあることで花を間近に感じることはできるものの、一方で、不用意に歩いていたら衝突してしまう可能性もあります。
間近で見れないのは少し残念ではあるものの、来園者の安全性確保のためにはやむを得ない取り組みではないでしょうか。

梅の木は、お花だけではなくこのユニークな樹形もひとつの魅力だと感じます。
太陽の光を求めて青空に向かって成長していく植物が多い中で、横にも幹や枝を伸ばしていく梅の木が、倒れてしまうことはないのか。少し心配にすらなります。

この「白加賀（しろかが）」という梅の品種も、生産量が多く、梅酒に用いられることが多い品種です！

園内の全景

ここまで、わたしの目に留まった梅のお花を中心に紹介してきましたが、「大倉山公園梅林」の園内の全景はこのような感じです。

園内で育つ梅の木同士の間隔は広く、通行路も広いので梅の木をゆっくりとお花見することもできる梅林です！

園内には雨をよけることができるベンチもあり、ベンチに腰掛けてゆっくりお茶をしている方も多くいました！

この日は平日にもかかわらず、おでんや甘酒の販売、ラーメンが食べれるところなど簡単な飲食であれば困らない環境が整っているところも、大倉山公園梅林の魅力のひとつだと思います！

寒い季節は植物園や公園で育っている植物も葉を落とす植物が目立ち、どこか殺風景な雰囲気になりがちですが、梅は寒い季節から花を咲かせて元気をくれる植物で、わたしも元気を分け与えてもらったように思います！

大倉山公園梅林の基本情報

住所・アクセス

神奈川県横浜市港北区大倉山2-10
東急東横線『大倉山』駅から徒歩7分

開園時間・定休日・入園料

開園時間：24時間開園
定休日：無休
入園料：無料

電話番号・公式HP

045-353-1166
大倉山公園梅林の梅の開花：横浜市のHP