「プリザーブドフラワー」の魅力、生花と比べたメリットやデメリットとは!?

植物の楽しみ方のひとつに、植物が咲かせるお花を観賞する楽しみ方があります。

「プリザーブドフラワー」は美しく色鮮やかな花々、そして人工的につくられたフェイクグリーンよりも、さらに自然な質感を演出することのできるお花のことです。
最近ではかなり本物の植物と似通った姿にまで進化したフェイクグリーンですが、プリザーブドフラワーは本物のお花に特別な加工が施されたお花なので、ふたつを比べると、リアルさではプリザーブドフラワーに軍配が上がるでしょう。

生花(せいか)は美しい見た目をしていますが、茎の切り戻しを行ったり水を与えたりと、少しでもお花を長持ちさせるためにいろいろな作業が発生します。

一方の「プリザーブドフラワー」は、美しさを保ちながら美しさを維持するための作業はほとんど必要ないため、お祝いごとの際に贈るプレゼントや、室内を彩るインテリアとしても人気を集めています。

本記事では、「プリザーブドフラワー」の生花と比べたメリットやデメリットやその楽しみ方について詳しくご紹介します。

目次

プリザーブドフラワーとは?

“プリザーブド”(preserved)は、英語で“保存された”といった意味や“貯蔵された”といった意味をもっているので、「プリザーブドフラワー」は、「保存された(貯蔵された)お花」という意味になります。
恥ずかしながら、わたしは“ブリザード”フラワーだと勘違いしていて、超低温で冷凍させながら特殊加工をすることによって、通常よりもお花を長持ちさせることができるようになったお花のことだと思っていました・・・。

「プリザーブドフラワー」は、生花を脱水液に浸して組織内の水分を抜き、その後保存液に浸し乾燥させるなどの工程をふむことで、長期間美しくキレイな状態を保つように加工されたお花です。
ひとや動物でいうところの血液が、植物の体内に蓄えられている水分にあたりますが、その水分が保存液に置き換わることによって長期間キレイな状態をキープすることができるようになるのです。

この工程作業にはグリセリンやエタノール、染料などが使われ、通常はつくり上げるまでに1週間~2週間程度の時間がかかりますが、この加工工程を踏むことによって、数ヶ月から数年間にわたり美しい状態をキープすることが可能となります。

プリザーブドフラワーはプロのみがつくり上げられるものと思われがちですが、プリザーブドフラワーをつくるためのグッズは市販されているので、お花の咲く季節さえ合えば、ご家庭でもつくれる材料自体はひと通り揃えることができます。

何事もそうですが、いきなりキレイなプリサーブドフラワーをつくり上げるのは難易度が高いので、失敗を繰り返しながら、プリザーブドフラワー加工技術を身に付けていく必要はあります。

プリザーブドフラワーのメリット

長期間楽しめる

生花と比べると、プリザーブドフラワーは水やりや特別な手入れを必要とせず、数ヶ月から数年もの長い期間にわたり美しい状態を保つことができます。

生花(切り花)でも、延命剤を使用して植物が必要な栄養を補強することで、通常の2倍程度長持ちさせることも期待できますが、それでも数年間美しい状態を保つことは難しいです。

長期間楽しめることが、プリザーブドフラワーの最大のメリットといえるでしょう。

花粉症の方にも贈ることができる

「プリザーブドフラワー」は花粉を含まないため、花粉症の方がお住まいのお自宅などでも安心して飾ることができます。
そのため、アレルギーなどを気にせずに贈ることのできるプレゼントといえるでしょう。

色や飾り方のバリエーションが豊富

「プリザーブドフラワー」をつくり上げる工程の中で染料を加えることで、自然の中には存在しない色合いも再現することができます。
自然の中には存在しない色合いであることによって、リアルさという意味では欠けるかもしれませんが、インテリアやイベントに合わせたカラフルな演出をすることができます。

また飾り方の面でも、複数のお花をつなげて輪っかにして壁にかける「リース」など、水やりの必要がないことから置く場所を選ばず、バリエーションが豊かな特長があります。

手軽なメンテナンス

水だけではなく本来植物の成長に必要な日光を必要としないため、忙しい日常生活の中でも気軽にインテリアとして取り込むことができ、生活の中に色合いをつくり出すことができます。

お花を生活の中に取り入れたいけど、植物のお世話をする自信または時間がない。といった方にふさわしいインテリアのアイテムとなりえます。

プリザーブドフラワーのデメリット

下記の中には、デメリットとまでは言い切れない項目もあるかもしれませんが、たとえば生花にはあってもプリザーブドフラワーには無いものはいくつかあります。

自然の美しさと香り

生花はプリサーブドフラワーのように、美しさを保つために特別人工的な手を加えられていないことから、自然なままの美しさと甘い蜜の香りを発し、周囲にリラックス効果をもたらします。

プリザーブドフラワーは見た目を楽しむものなので、基本的に香りの面では無臭です。
アロマオイルなどである程度人工的に再現することはできますが、自然の中で発する甘い蜜の香りを再現するコトはなかなか難しいものです。
また、香水などをプリザーブドフラワーに直接ふきかけるのは、NG行為です

基本的にプリザーブドフラワーは、視覚的に楽しむものと割り切って捉えた方が、より長く楽しめるコトにもつながります。

季節感や植物の生命力

生花は特定の季節にしか咲かないお花を楽しむことができ、街中でお花を見ることで「もうこんな季節かぁ!」と、季節感を感じるキッカケになったりもします。

生花は季節感を取り入れたデザインが可能で、春夏秋冬ある日本の四季の風情を感じさせることもできますが、一方のプリザーブドフラワーは長い間咲き続けるからこそ、季節感を感じることができない場面も多いでしょう。

生花(切り花)のエネルギッシュな姿は、見る人に元気や癒しを与えます。
さらに植木鉢で育てている植物が開花するときには、開花までの過程にも楽しみがあったりもします。
エネルギッシュな生花の魅力は、プリザーブドフラワーにはないもののひとつです。

イベントや儀式には生花の方が需要が高い

結婚式や葬儀など、特別なイベントや儀式では、生花が用いられることが多いです。
すぐにダメになってしまうからこそ、儀式の厳粛さや特別感を演出しやすいです。

プリザーブドフラワーはもらって嬉しいものではありますが、長持ちすることが仇となり、逆に特別感が得られなかったりもします。
ただ最近ではイベント時などにも、プリザーブドフラワーの需要が高まってきているのもひとつの事実です。
季節を問わずにいつでも準備ができるのは、プリザーブドフラワーならではの位置づけですね。

販売価格に応じた見た目

プリザーブドフラワーは、一定期間をかけてつくり上げる工程を経なければ完成しないものなので、その分人件費や材料費が発生します。
そのため生花と比べるとプリザーブドフラワーの販売価格は高くなりやすく、同じ金額で購入すると、生花の方がボリューム感を演出することができ、よりゴージャスな見た目のものになりやすい特徴があります。

プレゼントされたときにはコスパよりも、もらったときの華やかさがあるかどうかに目が行きがちなので、限られた予算内でボリューム感を演出しやすいのは生花に軍配が上がるでしょう。

プリザーブドフラワーの種類・選び方

プリザーブドフラワーには、バラ、カーネーション、アジサイ、ひまわりなど、さまざまな種類があります。

実際にどのお花を選べばいいのかは、シチュエーションや贈る相手の好みなどによっても左右されますが、ある程度の目安となる項目はあります。

ギフトとして贈る場合

贈る相手の好み、相手の方のイメージカラーに合わせて選びましょう。
相手の好みが分からない場合には、普段、日常的に使用しているグッズなどをチェックしてみると、好みの色のヒントが得られるかもしれません。

ブーケ(Bouquet)

「ブーケ」は華やかさがありパーティーや結婚式などでは定番の贈りものですが、贈る場所を選ぶモノでもあります。
日常の中でさり気なく贈るときには、他の選択肢を考えてもいいかもしれません。

特に、結婚式や特別なイベントでは、テーマカラーに合わせたお花を選ぶと喜ばれます。

リース(Wreath)・フラワーボックス(Flower box)

いくつものお花で丸い輪っかを構成している「リース」は、玄関やリビングなどに飾ることで、お部屋をさらに華やかに彩ることのできるアイテムです。
また、棚の上などにも飾ることのできる「フラワーボックス」であれば、コンパクトがものが多くギフトの持ち運びが容易といったメリットもあります。

贈る相手のお部屋を訪問したことがあれば、どういった「リース」や「フラワーボックス」が相手のお部屋にマッチするのか、イメージを膨らませやすいですが、相手のお部屋は相手のものなので贈り方には注意が必要かもしれません。
贈るシチュエーションによって、相手の方からおせっかいだと思われないように注意しましょう
たとえば、「あなたのお部屋はこういう印象だから、リビングのテーブルの横に飾るといいと思う」といった飾る場所まで推奨するコトバは避けた方が無難です。
ギフトを贈る相手との関係性にもよりますが、相手のお部屋は相手のモノなので、あまりおせっかいに感じ取られないように贈れるとベストですね♪

せっかく選んだギフトですので、贈るモノだけではなく、贈るときに掛けるコトバまで気をつかうことで効果が倍増することにもつながります。

インテリアとして取り入れる場合

自宅にインテリアとして飾る場合には、自宅や室内の雰囲気に合わせて選ぶことが重要です。
お部屋に季節感を取り入れることもできますが、季節を飛び越えて長期間楽しむことのできるものなので、あまり深いことは考えず、自分がお部屋にあったら嬉しいと思うプリザーブドフラワーを取り入れるのがもっとも重要ですね!

お花の種類による違い

プリザーブドフラワーは一括りにされがちですが、お花による違いもあります。

“バラ”は“ロマンチックな雰囲気”を、“カーネーション”は“温かみ”をといった特徴があります。
また、ボリューム感を演出するには“アジサイ”が最適でしょう。

シンプルなインテリアには淡い色を、モダンなインテリアとしては鮮やかな色を選ぶとイイですが、あまり細かく考えると、難しくなってしまうので、自分が納得できるものや贈る相手が喜んでくれそうなものを購入するのが、いちばん大事なコトだと思います。

もちろんAmazonなどでも、プリザーブドフラワーの購入はできます。

プリザーブドフラワーのお手入れ方法

プリザーブドフラワーには手入れがほとんど不要ですが、何も考えずに生活に取り入れると、想像以上に早く劣化してしまったり、思わぬトラブルにつながってしまったりすることもあります。
すこしでも長持ちさせるためには、以下の点に注意しましょう。

強い光に注意

プリザーブドフラワーは、直射日光に長い時間あたると紫外線によって色褪せる原因になります。
直射日光の当たるような、明るすぎる場所は避けましょう。

湿気に注意

高い湿気の環境ではカビの発生や劣化の原因になります。
そのため湿気の高い空間や浴室は避け、なるべく乾燥した場所に飾ることをオススメします。

風がよく通り抜けるような場所は湿気もこもりづらくなるので、「風通し」の良さに意識を向けてみると、プリザーブドフラワーを長持ちさせることのできる場所が見つかるかもしれません。

取り扱い

プリザーブドフラワーはデリケートなため、強く触ったり、引っ張ったりしないよう注意が必要です。
また、ひとの手は思いのほか油が付着しているので、必要以上に手で直接触れてしまうと、シミや変色の原因にもなります。
直接手で触れなければいけない状況であれば、ハンドソープや石けんなどでよく手を洗ってからにしましょう。

長い間飾っているとほこりがついてしまうこともありますが、その際に基本的なお手入れは、柔らかい筆を使用してほこりを払うことやドライヤーを弱風で使用し、柔らかい風でほこりを飛ばす方法があります。

なお、プリザーブドフラワーのお手入れとして、NG行為となる行為は下記のような方法となります。

  • ハンドクリーナーなどの吸引器を使用し、ほこりを除去しようとすること
    • プリサーブドフラワーの花びらが取れてしまうことがあります
  • 硬い筆を使用し、強めにほこりを除しようとすること
    • 同様に、事故につながってしまうことがあります
  • ひとの息でほこりを除去しようとすること
    • 誤って、ほこりを吸い込んでしまうことにつながります
  • 香水などを直接かけない
    • 色落ち、カビなどが発生してしまうことがあります

花びらなどにほこりが付いてから対応するのではなく、ほこりが付くことを防ぐこともできるので、プリザーブドフラワーをそのまま置いておかずに透明なケースに入れて飾ることで、より一層キレイな状態を長持ちさせることにつながります。

オシャレなガラスケースなどに入れることで、プリザーブドフラワーの美しい見た目を、さらに引き立てることも期待できるでしょう。

プリザーブドフラワーの未来

プリザーブドフラワーをつくり上げる技術は年々進化しており、技術の進化と比例するように人気も上昇を見せています。

忙しい現代人にとっては水やりなどの手入れを必要とせずに美しいお花を保つことができ、イベントなどでの市場規模も拡大を続けています。

今はバラなどが主流となっていますが、今後の技術進化によりお花を限定せずにプリザーブドフラワーをつくり上げることができれば、ますます需要が高まってくることも想定されます。

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