「オトンナ・クラビフォリア」をたねから育てる成長記録!~塊根植物の実生~

冬型の多肉植物

すずしい季節が好きな‟冬型”の塊根植物の中でも、特にユニークなすがたで人気を集める「オトンナ」をご存知でしょうか?

プックリと膨らんだ葉や、個性的な樹形が特徴のオトンナは、いちど見たら忘れられない存在感があります。
この記事では、数あるオトンナの中でも人気の高い「クラビフォリア」のたね蒔きから開花したときの様子など、成長記録をご紹介します

植物をたねから育てる「実生(みしょう)」は失敗が多く、手間がかかる分、うまく育てられているときの喜びは格別です

オトンナの実生に挑戦したいときや、少しでも興味が湧いたときに、本記事の内容を参考にしてみてください

目次

オトンナ・クラビフォリアの基本データ

原産地:南アフリカ・ナミビア
科・属:キク科・オトンナ属
学 名:Othonna clavifolia(オトンナ・クラビフォリア)

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オトンナ・クラビフォリアのたね蒔き後の経過

たね蒔き初日:2023年11月5日

ネットショップで「クラビフォリア」のたねを購入し、自宅に届いたところです。

多肉植物のたねの入手先は、ネットショップが主流

多肉植物のたねはマニアックなため、大型のガーデニングショップでも、売り場に並ぶことはほとんどありません。
たねの入手先は、ネットショップが主流になります。
以下の記事では、多肉植物のたねの購入先についてレビューしているため、ご興味があれば参考にしてみてください

海外のネットショップの方が、たねを購入できる可能性が高い

オトンナ属の植物は、日本のネットショップに入荷しても、すぐに売り切れてしまうことが多いです。

今回は運よく日本のネットショップで入手できましたが、海外のネットショップの方が、購入できる可能性が高いです。

今回は多肉植物ワールドで購入しました

多肉植物のたねは「seedstock」で購入することが多いですが、今回は「多肉植物ワールド」から購入しました。

多肉植物ワールド(yahoo!ショッピング)

多肉植物のたねの蒔き方は、以下の記事で詳しくご紹介しているため、ご興味があればご確認ください

たね蒔きに使用したのは、多肉植物用の培養土

園芸用土の中には、たね蒔きや挿し木専用のものが市販されています。
たね蒔き用土は発芽後に根が強く成長しづらいため、今回はたね蒔き用土ではなく、多肉植物用の培養土にたねを蒔きました。

「クラビフォリア」が発芽しやすい温度は10~15℃ほどですが、たねを蒔いた環境は、昼間には20℃以上に室温が上がる環境です。

筆者

発芽しないようであれば、もっと低い温度に調整しようと思います。

たね蒔きから35日目:2023年12月9日

「クラビフォリア」のたねを蒔いてから、35日が経過したところです。

20℃程度の環境でも無事に発芽しました

多肉質な葉を4枚ほど展開し、細長い葉の表面を淡い緑色に染めています。

筆者

葉の大きさと比べると茎がとても細いため、強い風が当たると、倒れてしまいそうな印象です…。

発芽率は約83パーセント

今回蒔いた「クラビフォリア」のたねは、12粒のうち10粒が発芽しました。

発芽率は、約83パーセントという結果になりました

多肉植物のたねは、鮮度によって発芽率が大きく左右されるため、運が悪いと1粒もたねが発芽しないこともあります。
それを踏まえると、今回の発芽率は高い方です

たね蒔きから52日目:2023年12月26日

「クラビフォリア」のたねを蒔いてから、52日が経過しました。

ここ最近は葉を旺盛に展開しており、前回の記録時と比べると、葉数が2倍ほどに増えました

茎が少し太くなり、葉の厚みが増してきたため、体内に多くの水分を蓄えている様子が伝わってきます

成熟した株でも、直径は20cmほどにしか成長しない

「クラビフォリア」は小型品種で、成熟した株でも、直径は20cmほどの大きさに留まります。

たねを蒔いてから2か月経たないうちに、10枚ほどの葉を展開したため、葉の成長速度の早さには少し驚きました。
ただし今のところ、幹(塊根部分)の形成はそこまで進んでいません。

葉を丸く仕立てるのは、難易度が高い

自生地で育つ「クラビフォリア」は、葉の形状が、ビー玉のようにまん丸な形状をしています
ただし、日本の環境で葉を丸く仕立てるのは、難易度が高いようです。

強い光を当てたり、水やりを控えめにしたりすることで、自生地の環境に近づけられるため、葉を丸く仕立てやすくなるでしょう。
自宅では、葉の形状というよりも、まずは枯らさないことを目標にします

株の成長を促すために、多めに水やりをしています

塊根植物は多くの水分を体内に蓄えているため、水やりは控えめにし、乾燥気味に育てるのが基本的な育成方法です。
ただし自宅で育てている「クラビフォリア」は、まだ小さく、十分な体力が備わっていません。

幼苗のうちに水分不足を起こすと、大きなダメージに発展しかねません

発芽から間もないタイミングで根腐れを起こすリスクは低いため、表土が乾きはじめたらすぐに水やりをし、土が完全に乾かないように育てています。

筆者

多肉植物の実生の場合、発芽から1~2か月までは、水を溜めた容器に鉢ごと浸ける「腰水」で管理するケースも多いです。

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たね蒔きから82日目:2024年1月25日

「クラビフォリア」のたねを蒔いてから、82日が経過したときの様子です。

葉数が15~16枚ほどまで増え、さらに葉が肉厚になりました

短期間でも花を咲かせる

たねを蒔いてから3か月経っていませんが、葉ではない組織が確認できます。

筆者

葉とは見た目が異なるため、花のつぼみではないでしょうか!

塊根植物は、発芽してから数か月で開花する品種は、そう多くありません。

まだ開花までたどり着けるか分かりませんが、「クラビフォリア」は短期間でも花を咲かせやすい品種のようです

BRIM製のパネル型のLEDライトを使用

「クラビフォリア」の育成に使用している植物育成用のLEDライトは、BRIM製のパネル型のライトです。
光量がさらに強い製品も市販されていますが、以下のライトは安価なわりに、植物が成長できている実感があります。
コスパに優れたライトをお探しの方には、オススメできる商品です

たね蒔きから92日目:2024年2月4日

前回の記録から、10日が経過したときの様子です。

筆者

今日は開花しているかな!?

と、毎日楽しみに観察していたところ………無事に開花しました

クラビフォリアの花です

たんぽぽの花を小さくし、花びらの枚数を減らしたような、あざやかな黄色い花を咲かせています

今のところ、開花しているのは1株だけですが、他の株もつぼみを付けはじめています。
自家採種したたねを蒔きたい気持ちもありますが、まずは、もう少し「クラビフォリア」に大きく成長してもらい、体力をつけてもらいたいものです。

オトンナは雌雄異熟(しゆういじゅく)

オトンナ属の植物は、1つの花が雄の機能をもつ期間と、雌の機能をもつ期間に分かれる「両性花」(りょうせいか)の性質をもちます。
ちなみにオトンナのように、雄しべと雌しべが成熟する時期がずれることを、「雌雄異熟」(しゆういじゅく)と言います。

雌雄異熟の特徴
  • 開花時期をずらす目的は、自家受粉を避けるため
    • 他の株と交配することで、さまざまな遺伝子が組み合わさった強い子孫を生み出せる
  • オトンナの花は、先に雄花の機能をもち、雄花の機能が失われたあとに雌花の機能をもつ
    • このような品種を「雄性先熟」(ゆうせいせんじゅく)と言う
    • 先に雌花の機能をもつ「雌性先熟」(しせいせんじゅく)の品種も存在する

たね蒔きから196日目:2024年5月18日

「クラビフォリア」のたねを蒔いてから、196日が経過しました。

ある程度の大きさに成長するのは早かったものの、それ以降、サイズ感にあまり変化が見られません。
残っている「クラビフォリア」は、元気がよさそうですが、ここ最近で何株か枯れてしまいました…。

実生株は体力が少なく、ちょっとしたことでも調子を崩しやすいため、原因が分からないまま枯れてしまうことが、少なくありません。

冬型の品種とは言っても、厳しい寒さには耐えられない

「クラビフォリア」は冬型の品種ですが、氷点下のような厳しい寒さには耐えられません。
特に1年目の株は寒さへの耐性がないため、播種してからは、最低気温がひと桁に下がらない室内で育成していました。
暖かい季節を迎えてから、室内が蒸し暑くなってきたため、今は風通しがよい屋外で育てています

暑さに弱い

「クラビフォリア」は、涼しい季節を好み、気温が高い季節は苦手としています。

これから、気温が上昇していくため、「クラビフォリア」の育成難易度が上がるでしょう。
調子を崩すようであれば、屋外よりすずしい室内で育てることも視野に入れて、育てていきます。

「クラビフォリア」を育てているスリット鉢については、以下の記事で、メリットやデメリットについて詳しくご紹介しています

たね蒔きから334日目:2024年10月3日

たねを蒔いてから、334日が経過したときの「クラビフォリア」の様子です。

ひと差し指ほどの、立派な幹に成長しました

たねを蒔いてから1年足らずで、現時点で生き残っている「クラビフォリア」は、6株です。
蒔いたたねの数が12粒だったため、ここまで無事に育っているのは、ちょうど50%です

真夏は室内に取り込みました

「クラビフォリア」は暑い季節には、葉を落とし休眠状態に入ります。

真夏に差しかかるまでは屋外に置き、直射日光に当てて育てていましたが、葉色が薄くなったタイミングで、室内に取り込みました。
酷暑から避難させたこともあり、2024年の夏は、葉をほとんど落としませんでした。

植物の暑さ対策は、以下の記事で解説しています

秋になり、花芽を上げています

9月の下旬になり、最高気温が30℃未満まで下がってきたタイミングで、ふたたび屋外の育成環境に戻したところ、何株か花芽を上げています

「クラビフォリア」は、調子がよければ、1年間に何度も開花するようです

クラビフォリアは、こん棒状の葉という意味のラテン語に由来

「クラビフォリア」の名前は、ラテン語で「こん棒状の葉」を意味する言葉が由来になっています。

筆者

現状のすがたから、‟葉”よりも‟幹”の部分がこん棒のように見えますが…。

まだ、真夏に受けたダメージから完全に回復していない株もいますが、全体的に見れば調子は悪くなさそうです。

たね蒔きから605日目:2025年7月1日

前回の記録から、約9か月が経過しました。
最高気温が35℃近くまで上昇しているため、少し調子が悪そうです。

休眠間近といった様子です。

2024~2025年の冬は、最低気温が1~2℃まで下がる屋外の軒下で育成していました。
寒さに当てていたのが、直接的な原因なのかは分かりませんが、2株が枯れてしまいました…。

葉が全体的に黄色く変色し、休眠の準備が進んでいるようです。

今後は秋まで、室内の窓際で育成する予定です。

引きつづき、オトンナ属の「クラビフォリア」の成長記録を付けていきます

(更新中)

自宅では「クラビフォリア」以外にも多肉植物の実生を行い、成長記録を付けています
以下の記事でまとめているため、よろしければチェックしてみてください

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