北関東茨城県の植物園
関東にあるいろいろな植物園では、まるで自生地で育つかのような風情をした、世界各国から集結した植物を見ることができます!
品種によってはワイルド感が溢れ、また違った品種ではとてもうつくしい外見をし、さらにまた違った品種では個性豊かな見た目をしていたりと、バラエティに富んだ姿が植物の特徴、そして魅力といえるでしょう!
「国立科学博物館 筑波実験植物園(つくば植物園)」の約140,000㎡を誇る敷地内には、多彩かつさまざまな植物の魅力を凝縮した景観が広がり、多岐にわたる植物が育つ温室があります!
本記事では、「筑波実験植物園」で育つ植物たちをご紹介しています
特に「筑波実験植物園」は多肉植物の品種数がほかの植物園よりも多く、多肉植物が大好きなひとは、人生で一度は足を運びたいスポットのひとつ!
「筑波実験植物園」ならではの魅力に、迫っていきます!
筑波実験植物園(つくば植物園)の植物たち
コマユミ(Euonymus alatus. form striatus)
山地性の岩礫地(がんれきち)植物エリアの近くでは、ニシキギ科ニシキギ属の「コマユミ(小真弓)」が、なにやら紅い色を身にまとっています!
遠めからは、赤いお花を咲かせているようにも見えましたが、「コマユミ」の開花時期は5~6月ごろ。
わたしが訪れたこの日は10月だったので、お花を咲かせているのではなく、本来のみどり色だった葉の色を紅く染めている様子です!
「コマユミ」は、モミジの次にうつくしいと称されるほどの紅葉を見せ、街なかにある公園などにも植えられていることもあります!
「コマユミ」の名前の由来となった植物に「マユミ(真弓)」という植物がいますが、「マユミ」の由来は、以前この植物から弓をつくっていたこともあることから名付けられたそうです。
現在でも、こけしや将棋の駒などの原材料として用いられることもあるので、姿を変えた「マユミ」を畑で見かけたり、将棋という真剣勝負の際に、手にしたこともあるかもしれません!
クレマチス:フォンドメモリーズ(Clematis florida ‘Fond Menories’)
クレマチスの「フォンドメモリーズ」という品種は白い花びらをベースに、縁をむらさき色に変化させ、“妖艶”または“ミステリアス”といったことばがよく似合う、お花を咲かせていました!
原種だけでも300種類あるとされる「クレマチス」は、色とりどりのうつくしいお花もさることながら、その魅力はお花だけにとどまりません。
つるが広範囲に伸びていき、また品種によって葉のカタチも多彩であり、地面から直立するような植物では感じることのできない立体感を演出してくれる植物です!
フェンスや園芸用ネットを伝っていく姿を楽しんだり、鉢植えに植えて高い位置から吊り下げる“ハンギングプランツ”にしたりと、さまざまな面から楽しませてくれる植物のひとつで、“つる性植物の女王”と呼ばれることもあります!
「筑波実験植物園」には、クレマチスの開花時期である春から初夏まで「クレマチス園」が特別公開されているので、その時期に訪れることで、より多くのクレマチスのお花を楽しむことができるでしょう!
筑波実験植物園(つくば植物園)の温室
筑波実験植物園に観られる植物は、屋外で育つ品種だけではありません!
「サバンナ温室」、「水生植物温室」など複数の棟に分かれている温室が設けられ、温室内では暖かい環境を好む植物たちが、大きく成長している姿を見ることができます!
先ほどご紹介した「クレマチス園」を目当てにされている方も多いですが、個人的にこの「温室」こそが、筑波実験植物園の最大の魅力です!
完全なる、ひとりの植物好きの主観ですが・・・
マダガスカルや南アフリカなど、多肉植物が暮らしている自生地でしか見られないと思っていた光景が、すぐ目の前に広がっています!
ちなみに、「筑波実験植物園」からはすこし遠いですが、新宿御苑の大温室の様子も、下記の記事でご紹介しています。
フォッケア・エデゥリス&パキポディウム・ブレビカウレ(Fockea edulis&Pachypodium brevicaule)
塊根植物の「フォッケア・エデゥリス」は、まん丸なトックリのような見た目をしています!
その奥では、“恵比寿笑い”という和名を持つ「パキポディウム・ブレビカウレ」の姿も確認できました!
どちらの植物も白っぽいボディをしていて、ユニークなカタチをしています!
どちらも多肉植物をメインに扱っているガーデニングショップを運ぶと、必ずといっていいほどの確率で出逢うことのできる植物です!
特に「パキポディウム・ブレビカウレ」はマダガスカルで育つ植物が輸入され、かわいさの中にもワイルド感溢れる見た目をした“現地球(げんちきゅう)”株として、販売されることも多い人気種のひとつ!
このタイミングでは枯れ葉も付けていますが、これは調子を崩しているワケではなく、寒い季節を乗り切るための休眠モードに差しかかっている状態です!
一方の「フォッケア・エデゥリス」も負けず劣らずの人気者で、ゆっくり成長する塊根植物の中では、成長速度が早い特徴をもっています!
わたしの自宅でも何株か育てていますが、少し大きめなプラスチック鉢に植え替えた翌年には、鉢をぶち破ってしまうほどの成長速度に、驚かされたことがあるぐらいです!
いくら成長速度が早いとはいえ、たねから育てはじめてこのサイズにまで成長するのは、少なく見積もっても10年程度はかかっているでしょう!
「火星人」といったユニークな和名で呼ばれることも多く、塊根植物を代表する植物のひとつです。
アガベ・イシスメンシス:雷帝(Agave isthmensis)
アガベの「イシスメンシス・雷帝」も葉の数が多くて、とてもイカツイ見た目を誇示しています!
葉の表面にひとの血管のようなモノが浮き上がっていますが、これは“ウォーターマーク”といった呼ばれ方をします!
アガベが新しい葉を展開するときに、展開する葉っぱ同士がこすれることがあり、このこすれるタイミングで跡が付いていますが、傷跡というよりは勲章のようなモノとして捉えてもいいでしょう!
アガベ愛好家からすれば、この株は葉が間延びする「徒長」(とちょう)気味と捉えられてしまいそうですが、それでも充分カッコイイ見た目をしています!
「イシスメンシス・雷帝」は、淡いブルーをした葉の色と赤黒いスパイン(トゲ)のギャップが、オシャレな雰囲気に磨きをかけているように思います!
オペルクリカリア・パキプス(Operculicarya pachypus)
ガーデニングショップでは見ることのないぐらい、大きく育った植物には目を見張るものがありましたが、その中でも「オペルクリカリア・パキプス」の規格外のサイズ感は、際立ったものがありました!
ゴツゴツしたボディから、細い枝を伸ばし、ミニチュアサイズの葉を広げるユニークな姿に、人気が集まっている多肉植物です!
根など、身体の一部を肥大させることから、「塊根植物」と呼ばれる植物です!
“King of 塊根植物”(塊根植物の王様)と呼ばれることもある植物で、大きく成長した株は100万円前後の価格帯で取り引きされることもあります。
このサイズの「オペルクリカリア・パキプス」が、ガーデニングショップで売られている光景は、いまだかつてお見かけしたことはありません。
そもそも売りものではありませんが、このサイズ感だったら、新車の軽自動車が購入できるぐらいの金額になるのかもしれません!
すぐ近くには、同じ属の「オペルクリカリア・デカリー」もいました!
「パキプス」と同じように「デカリー」も、ガーデニングショップでは見かけない大きさまで成長していたので、塊根植物が好きなひとは、この2株だけでも充分に足を運ぶ価値があるでしょう!
ハオルチア・ファスキアータ(Haworthia fasciata) 十二の巻
ハオルチアの「ファスキアータ(十二の巻(じゅうにのまき)」は、ひとつひとつの株は小さいものの、家族の人数を増やし頭数で圧倒する作戦のようです!
ひとつの植物が大きく育つだけではなく、植物が群生する様子も、植物園ならではの光景といえるでしょう!
一時期“ハオルチアブーム”が到来したときには、たったひとつの株だけで、100万円以上の高値で取り引きされたこともある多肉植物の仲間です。
自生地の南アフリカでもゼブラ柄を身につけ、周囲に子株をどんどん出して、筑波実験植物園で育つ「ファスキアータ(十二の巻」のようにたくさんの株が集結して、育っているのかもしれません!
植物園で解放的に育っている植物を見ていると、本来の自然の中で暮らしている姿を連想させてくれるので、足を運んだ甲斐があったと思わせてくれるものです!
パッションフルーツ(Passiflora edulis)
そして、この日じっくりと観察した植物のお花の中で、もっとも印象に残ったのは「パッションフルーツ」のお花です!
植物のお花にはいろいろなカタチをしたもの、そしてカラフルな色を身にまとったものがありますが、「パッションフルーツ」は他に類を見ないような、とてもめずらしいお花をつけています!
自分自身の身体の一部で、これだけ複雑なお花をつくっていくことができるので、芸術家タイプな植物といえるでしょう!
植物の生態には、感心させられるものがあります!
「パッションフルーツ」は、壁に掛けるタイプの時計の文字盤にも似ているお花を咲かせることから、「クダモノトケイソウ(果物時計草)」といった和名を持っている植物でもあります!
「パッションフルーツ」が食虫植物と言われれば、信じてしまいそうな雰囲気を出していますが、昆虫を栄養にはしていないと思われます・・・!
国立科学博物館「筑波実験植物園(つくば植物園)」
「筑波実験植物園」では、約7,000種の生きた植物を育てながら、植物の適応能力や、ほかの生物との関係性を研究している機関でもあります!
その中の一部の植物が、一般の来園者にも公開されていて、園内で見られる植物の品種数は約3,000種!
ただ、裏を返せば4,000品種が非公開となっているので、数だけ見ると名前にも付いている“実験”、そして植物の研究がメインとなっている機関のようにも思えますが、3,000種という数字も充分すぎるほどスゴイ数です!
さらに「筑波実験植物園」では、研究や観察以外にも絶滅危惧植物を保全する活動にも力を注いでいて、実際に絶滅危惧植物の育つエリアや、絶滅危惧植物だけを専門的に扱っている温室も設けられています!
「筑波実験植物園」は昭和51年に設置され、昭和58年10月に一般公開されているので、もう少しで50年という長い歴史を誇る施設でもあります!
感覚的には園内の4分の1ぐらいのエリアは、広葉樹や針葉樹が植えられているコーナーとなっているので、森林浴をしたい方や、森林の中をハイキングしたい方にも楽しめるスポットとなっていました!
最寄り駅であるつくばエクスプレス「つくば駅」からは、ひとの足で歩くと、30分ちょっとかかります。
がんばれば歩けない距離ではないですが、「つくば駅」から路線バスも出ているので、もし電車で行くなら路線バスをご利用されると便利でしょう!
「つくば駅」を挟んで、駅の真逆側となりますが「JAXA 筑波宇宙センター」もあるので、車で行って観光巡りでつくば市を存分に楽しむコースも良いのではないでしょうか!
以上です!
本記事では、「筑波実験植物園」で見られる植物をご紹介しました!
筑波実験植物園(つくば植物園)の基本情報
住所・アクセス
茨城県つくば市天久保4丁目1-1
いろいろな行き方があるので、筑波実験植物園の公式HP(アクセス)をご確認いただくのが確実です。
開園時間・休園日
AM9時00分からPM16時30分まで
(入園は16:00まで)
入園料
一般・大学生:320円
高校生以下:無料
電話番号・公式HP
(代表)029-851-5159
筑波実験植物園の公式HP
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