多肉植物の未発根株
エケベリア「ザラゴーサ&アガボイデス」の基本データ
育 て 易 さ:★★★★★
成 長 速 度:★★★★☆
入手し易さ:★★★★☆
耐 寒 性:★★★★★(耐寒温度(目安):0℃)
耐 暑 性:★★★★★
原産地:メキシコ(ハリスコ州 他)・アメリカ南部
花言葉:優美、たくましさ
科・属:ベンケイソウ科・エケベリア属
学 名:Echeveria cuspidata var. zaragozae(エケベリア・クスピダータ・ザラゴーサ)
Echeveria agavoides(エケベリア・アガボイデス)
エケベリア「ザラゴーサ&アガボイデス」の成長記録
エケベリア属「ザラゴーサ(Echeveria cuspidata var. zaragozae)」と、「アガボイデス(Echeveria agavoides)」の成長記録を付けていきます
2023年10月10日(October 10, 2023)
埼玉県草加市にあるガーデニングショップ、「シマムラ園芸」で入手しました
発根していない状態の「未発根株」で、お買い得な価格帯で販売されていたものです。

現状のザラゴーサ&アガボイデスの特徴
- ザラゴーサ
- 葉数が多く、葉を淡い青に染め、先端部分(爪)をほんのりとピンクに色付けている
- 葉は萎れ、厚みがなく、株が‟ギュッ”と詰まっている
- 詰まったすがたは魅力的に見えるが、株の状態としては健康的とは言えない
- アガボイデス
- 炎のような形状をし、黄緑色の葉の先端部分を、あざやかな紅色に染めている
- 葉の表裏で色合いが異なり、葉の外側の方が、内側よりも紅色の面積が広い
- 葉数は「ザラゴーサ」の半分ぐらいだが、一枚あたりの葉は大きいため、存在感がある
「アガボイデス」の葉が分厚く、水分を蓄えられている様子がうかがえるので、最近まで水を吸い上げられていたのではないでしょうか。
もしかしたら、調子がよさそうな「アガボイデス」の方が、早く発根するかもしれません
エケベリアの発根確率は高い
多肉植物の中にもさまざまな品種が存在し、発根確率が20~30%と、発根しづらい植物もいます。
未発根の多肉植物をお迎えした場合、発根管理がうまくいかず、そのまま枯れてしまうこともあります…。
発根管理にはじめて挑戦するのであれば、エケベリアからチャレンジしてもよいかもしれません!
わたしは今回がはじめてのチャレンジですが、これまでにアガベや塊根植物の発根管理を行い、なんとかなってきたので、
エケベリアの発根管理も、なんとかなるだろう
という、楽観的な気持ちでお迎えしました!
土に植え込む「土耕」で発根管理をしました
自宅で植物の発根管理をする場合は、以下の方法で行うことが多いです。
- 水耕(すいこう)
- 水を溜めた容器に、エケベリアの根元を浸ける
- 水苔(みずごけ)
- 水で戻した水苔に、エケベリアの根元を浸ける
今回は知り合いから、
エケベリアは水耕までしなくても、すぐに発根するよ
と聞いていたので、未発根のまま土に植え込む「土耕」(どこう)で、発根管理をすることにしました!
土に植え込み、風通しのよい屋外の日陰に置きます。

発根しなければ、いちど土から抜く予定
もしも発根しなかったときは、株を土から抜き、リセットする予定です。
- 下葉を何枚か取り除く、または根元を少しだけ傷つける
- 2~3日、乾燥させる
- あらためて、土に植え直す
いちど株を土から抜くと、化粧石と培養土が混ざってしまい、また植え直すのが大変になるでしょう…。
発根しないと大変なことになりますが、後先のことを考えずに化粧石を敷いてしまったので、なんとか無事に根を出してほしいです…!
植物の‟根”は暗い環境を好む
植物の根は、土の奥深くまで成長し、土壌から肥料分や水分を吸い上げる役割を果たしています。
「土耕」の場合は、株を少し深めに植え込むと、根元が真っ暗になり発根を促せます!
また園芸用の黒いトレーなどに、未発根の状態のまま並べておいても、発根するようです。
黒い化粧石は、培養土のメーカーとして知名度のある「プロトリーフ」からも、以下のものが販売されています。
MサイズとSサイズがあるので、育てている植物の大きさに合わせて使用できるのは、うれしいポイントです。
同じタイミングで購入したエケベリアは、全部で4株。
他の2品種の成長記録は、以下の記事でご紹介しています
2023年11月4日(November 4, 2023)
発根管理を開始してから、約3週間が経過しました。
「ザラゴーサ」も「アガボイデス」も、変化が見られます
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エケベリアが発根する温度は、15~25℃程度が望ましいと言われています。
2023年は、10月でも暖かい日がつづいたので、気温の後押しもあったのでしょう
未発根のときと比べると、どちらの株にも動きがありますが、「ザラゴーサ」の方が顕著に変化があらわれています!
もともと萎れていた葉は、水を吸い上げて多肉質になり、葉のシワが取れてきました!
「ザラゴーサ」も「アガボイデス」も、2~3枚の下葉は、発根したあとも状態が戻ることがないので、このまま枯れ落ちていきそうです…。
下葉に蓄えられていた最後の力を振りしぼり、根を出すときのエネルギーをつくり出したのかもしれません。
2024年5月3日(May 3, 2024)
前回の記録から、半年が経過しました。
最低気温が15℃以下になる日が少なくなり、暖かい季節を迎えたところです。
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エケベリアは0℃程度までの寒さに耐えられますが、冬は寒さ対策のために、屋外の簡易ビニールハウス内で育てていました
調子を崩した「ザラゴーサ」
「ザラゴーサ」の葉先が茶色く変色し、調子が悪そうです…。
よく晴れた日に、ビニールハウスの出入り口を閉め切ったままにしたことが、不調の原因だと思います。
ハウス内が、太陽光の熱で高温になってしまったのでしょう…。
2~3か月前までは、今よりも痛々しいすがたをしていましたが、気温が上がってくるにつれて、これでも徐々に復活してきています!
調子がよさそうな「アガボイデス」
一方の「アガボイデス」は、同じビニールハウスのすぐ隣で育てていますが、きれいな見た目をキープしています!
「ザラゴーサ」よりも、寒さに強いのかもしれません。
葉が開いてくるにつれて、葉先の真っ赤な色合いが、徐々に目立たなくなりました。
葉の内側の方が紅色が薄いので、水分を吸い上げ、葉を開いていくほど、真っ赤な葉色が控えめに見えます。
育成環境によっては、簡易ビニールハウスに入れない方がよい
自宅の育成環境は、寒さのピーク時の最低気温が、0~1℃ほどまで下がります。
その環境で冬にエケべリアを育てる場合は、簡易ビニールハウスの中に入れず、霜の当たらない軒下で育てた方が、トラブルなく越冬できると思います。
詳しくは、以下の記事でご紹介しているので、よろしければお読みください
2024年9月7日(September 7, 2024)
前回の記録から、約4か月が経過しました。
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完全復活を遂げた「ザラゴーサ」
「ザラゴーサ」は、冬にダメージを受けたことを感じさせない、うつくしい見た目に成長しました
4~5株ほどの子株を四方に出していますが、子株によっては親株の日陰になり、日照が足りていないようです。
ひょろひょろと、徒長したすがたに成長してしまいました…。
大きく育った「アガボイデス」
一方の「アガボイデス」は、鉢から溢れんばかりの、立派なサイズに成長しました
以前のあざやかな紅色は薄くなり、今は葉の先端を、ほんのりと染めているだけに留まっています。
2025年3月15日(March 15, 2025)
前回の記録から、半年が経過しました。
今回の冬は、簡易ビニールハウスに取り込まず、屋外の軒下で育てていました。
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「ザラゴーサ」は株分けをした方がよさそう
ただし「ザラゴーサ」は、子株が親株と同じくらいまで成長し、株分けをしないと窮屈そう…。
葉先をピンク色に染めるすがたは、春と秋に顕著にあらわれます!
親株の葉のあいだからは、花芽が見えるので、春になったらキレイなお花を咲かせるのでしょう
絶好調な「アガボイデス」
一方の「アガボイデス」は、葉の先端や縁の部分をワインレッドに染め、調子がよい様子が見て取れます
株のサイズに大きな変化は見られないものの、葉数が2倍くらいに増え、以前までとは比べものにならないくらい、大きな存在感を発揮しています!
お迎え時とは、斑の色が異なるので、季節によって斑の色を変えるのかもしれません。
今後も、エケベリア属「ザラゴーサ」と「アガボイデス」の成長記録を付けていきます
(更新中)
エケベリアや、ハオルチア、ユーフォルビアの多肉植物の成長記録は、以下の記事でまとめています
よろしければ、あわせてお読みください
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エケベリア「ザラゴーサ&アガボイデス」の育成環境
日当たり
【発根前】
エケベリア属の「ザラゴーサ」と「アガボイデス」は本来、日光浴が好きな植物です。
ただし、水を吸い上げられていない状態で強い光に当てると、株が一気に萎んでしまうことがあります。
自宅では、発根が確認できるまでは、屋外の日陰で育てていました。
【発根後】
発根してから間もない状態では、強い光に当てずに、引きつづき日陰で育てていました。
その後は徐々に強い光に慣らしていき、今では午前中から夕方まで、直射日光の当たる場所で育てています
エケベリアが発根し、水を吸い上げられているサインは、葉が展開したかどうかです。
葉が展開しているのであれば、根が成長している証拠なので、強い光に慣らしはじめた方がよいでしょう。
「ザラゴーサ」の一部の子株が徒長していることから、強い光を当てないと、カタチが崩れてしまう品種だと感じています。
水やり
【発根前】
エケベリア属の発根管理を行う際は、土が完全に乾いてから、水やりするぐらいが望ましいです。
ただし自宅では、表土が乾かないように、ほとんど毎日水を与えていました。
エケベリア属の植物は、「水耕」で発根管理をするケースは多くなく、「土耕」で発根を促すケースが多いです。
【発根後】
発根が確認できてからは、土が完全に乾いてから、3~4日後に水やりをしています
乾燥した環境でも生き抜けるように、「ザラゴーサ」と「アガボイデス」の葉には、多くの水分が蓄えられています。
控えめに水を与えることで、健康的に育てられるでしょう
肥料
【発根前】
肥料分を吸い上げる根が生えていない状態では、肥料を与える必要はありません。
まずは、発根を促すことを優先します。
【発根後】
土に、徐々に効果があらわれる固形肥料(緩効性肥料)「マグァンプ」を混ぜています。
自宅では液体肥料を与えていませんが、もし液体肥料を与える場合は、強い光や適度な風通しを確保した上で与えないと、徒長してしまう原因にも…。
肥料は少なめにし、頻繁に与えることのないように注意が必要です
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