簡易ビニールハウスの効果!メリットとデメリット:一番の課題は春先の暖かさ!?

寒さをしのぐミニ温室

ホームセンターや、ガーデニングショップで取り扱いのある「簡易ビニールハウス」。

「簡易ビニールハウス」はインターネットでも購入することができるので、容易に入手可能なガーデニンググッズのひとつ。
コンパクトなサイズもありますが、物によってはサイズも大きく、一度購入すると長いあいだ使われることも多いです。

わたしも、4~5年程度「簡易ビニールハウス」を使用してきて、いろいろと分かってきたことがあります。

「簡易ビニールハウス」の特徴を知ったうえで、購入の検討ができるように「簡易ビニールハウス」の特徴をまとめました!

本記事を読むことで、下記のような疑問を解消することができます!

  • 簡易ビニールハウスを使用することによる、具体的なメリットとデメリットは!?
  • すぐ壊れそうだけど、耐久性はどれぐらいある!?
  • 簡易ビニールハウスを使用すれば、植物が寒い冬を乗り越えることができる!?
  • 数ある管理ビニールハウスの中で、結局どれがよい!?
目次

簡易ビニールハウスとは!?

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「簡易ビニールハウス」は、専用のビニールでガーデンラックを覆うことにより、保温性を確保できる“ミニ温室”です。

ビニールを通して太陽の光がハウス内に入ってくるので、日照時間が短い季節でも室内などと比べると光量が確保しやすい点も特徴として挙げられます。

暖かい季節は簡易ビニールハウス内の温度が高く上昇しすぎてしまうことから、主に寒い冬の間だけ使用され、春から秋までの暖かい季節にはビニールを外して、普通のガーデンラックとして使用されることが多いです。

ビニールの出入り口を開放する前提ではあるものの、梅雨どきの雨除けグッズとしてもアリだと思います。

ビニールにはファスナーが付いていて開閉が可能なので、保温効果を高めたい場合にはファスナーを閉め切り、植物へ水やりをするときや、晴天時にはファスナーを開けて使用することができます。

簡易ビニールハウスを使用することによるメリット

つづけて、「簡易ビニールハウス」を使用することによる具体的なメリットについて触れていきます。

簡易ビニールハウスを使用することによるメリットは、次の4点です。

メリット
  • 寒さ対策・雨風対策
  • 太陽光や紫外線の確保
  • 育成・収納スペースの確保
  • 防虫・飛来物の侵入防止

1:寒さ対策・雨風対策

「簡易ビニールハウス」は、“太陽の熱をビニール越しにハウス内に取り込み、取り込んだ熱を極力逃がさない”ことでハウス内を暖かくすることができます。

また、単にハウス内の温度を上げることだけではなく、「雨風」や植物の大敵である「霜」や「雪」の侵入も防ぐことのできるので、ハウス内の温度以外の面からも“耐寒性(寒さに耐えられる力)を上げる”ことに長けています。

植物は体内に溜めている水が少なくなると、寒さへの耐性が増すので、極力水やりを控えることで植物が備えている耐寒性を上げることができます。
雨水などの余計な水がハウス内に浸入してくるのを防ぐことができることで、植物が吸い上げる水分量を最小限に調整できるため、雨の面からも寒さ対策になります。

さらに、風の面においても同様のことがいえます。
風速1メートルの中だと、体感温度は1℃下がるといわれていますが、それは植物にとっても同じことがいえます。
ハウス内は空気の流れがまったく無いワケではないですが、強風などを遮ることができるので、冷たい風が植物に直接あたることを軽減できる点も簡易ビニールハウスの長所といえます。

寒さ、雨風の対策可能な点が「簡易ビニールハウス」の最大のメリットといえます。

2:太陽光や紫外線の確保

主に冬の間に活躍する「簡易ビニールハウス」ですが、太陽光や紫外線の確保という面でもメリットがあります。※

冬の間はただでさえ日照時間も短くなっている中で、寒さ対策から植物を室内に取り込むと、寒さ対策にはなるものの、今度はなかなか太陽光を確保するのが難しくなります。

朝起きたら植物を屋外にだして、夕方から夜に室内に取り込むことができれば日照不足を避けることができますが、なかなかの手間がかかってしまいます。

ビニール越しの光になるので、直射日光と比べると光や紫外線の量は落ちるものの、「簡易ビニールハウス」に植物を入れておくことができれば、植物が必要としている光などを当てることができます。

人工的な植物育成用LEDを使用すれば日照不足を解消することができますが、電気代が・・・。
自然の力を借りて育成することができるのは、「簡易ビニールハウス」の2つ目のメリットです。

※植物の成育には、光だけではなくある程度の“紫外線”が必要となります。

3:育成・収納スペースの確保

これは「簡易ビニールハウス」というよりはガーデンラックとも重複するメリットですが、「簡易ビニールハウス」を使用することで収納スペースが向上します。

室内に取り込もうにも、室内には植物を置けるスペースが無い・・・。といった場合や、室内には小さなお子さんやペットがいるので、すこし心配・・・。といった場合でも、駐車場や玄関前などのちょっとしたスペースを有効活用できれば、植物の育成スペースが確保することにつながります。

また、多段式の「簡易ビニールハウス」の場合には植物だけではなく用土や使用していない鉢もハウスの下段などに収納しておくことができるのは、メリットといえるでしょう。

4:防虫・飛来物の侵入防止

寒い季節は害虫の発生も抑制されるので過剰に心配する必要はありませんが、「簡易ビニールハウス」の中に植物を入れている状態では、虫にとっては「ビニールの壁」を突破しないと植物にたどり着けないため、害虫による被害をおさえることもできます。

また、植物を屋外で育てていると害虫と同じように、悩まされるのが雑草対策です。
ビニール越しの環境では、植物のタネが風に乗って飛んでくることも防止できるので、鉢内の限られたスペースで雑草が成育してしまう確率を軽減させることもできます。

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簡易ビニールハウスを使用することによるデメリット

実際に使用していて「簡易ビニールハウス」には、メリットだけではなくデメリットもいくつかあると感じています。

デメリット
  • 急激な温度変化
  • ハウス内の気温が天候に左右される
  • ビニール自体はワンシーズで消耗する

1:急激な温度変化が発生する

生産農家の方が使用する大型のビニールハウスであれば、日中暖まった気温が夜の間もある程度維持することができます。
大型のビニールハウスの場合には太陽光を浴びてもハウス内の温度は緩やかに上昇し、夜間もゆっくりと気温が低下していくため、急激な温度変化が起こりづらいです。
ただ「簡易ビニールハウス」の場合は、ハウス内の空間は狭いので日中に暖まった空気を維持する力はほとんどありません。

大型のビニールハウスと比べて、ビニールを閉め切った状態だと日中はハウス内の温度がドンドン上昇していき、夜になれば冷え込むという「急激な温度変化」が発生しやすい点は、「簡易ビニールハウス」のデメリットとなります。

2:ハウス内の気温が天候に左右される

「簡易ビニールハウス」は、暖房器具の力で温度を上昇させるワケではなく、太陽光の力を借りて、はじめて保温効果を発揮します。
そのため、曇りや雨の日には晴れの日と比べるとハウス内の温度がそこまで上がらないので、日によって違いがでるのはデメリットといえます。

また、植物にハマっているとよく分かりますが、季節によって太陽光のあたる場所や時間は徐々に変化していきます。
冬の間にはそこまで日があたっていなかった場所が、2か月後には西日がガンガンあたる場所に変わってしまう。
ということはよくあることです。
太陽光があたりすぎる環境ではハウス内の温度が上がりすぎてしまうため、温度が上がりすぎる環境を回避するために、ハウスの出入り口を開ける必要があります。

3:ビニール自体はワンシーズで消耗する

「簡易ビニールハウス」は植物の育成のためにつくられたもの。
そのため、ビニールは植物の成育に必要な“太陽の光をなるべく通す”という重要な役割を担っているのでビニール自体は分厚くなく、それほど強固なものではありません。
毎日雨風にあたる中で徐々に劣化していくので、“シーズンをまたいでの使用は難しい”と考えた方がよいです。

うちの環境では、半年ぐらいでビニールが破けてしまいます。

そこまで高い金額ではないものの、毎年買い替えるビニール代の“維持コスト”を支払っていかないと、「簡易ビニールハウス」本来の力を発揮することができないことは、購入する前に念頭に置いた方がよいです。

「消耗」はビニールに限った話ですので、植物を置くラック自体は過度に劣化を気にする必要はありません。

騒音へと発展することもある

「簡易ビニールハウス」はいくつかの条件が重なると、騒音が発生してしまうこともあります。

騒音が発生する条件
  • 強風が吹くタイミング
  • ハウスの出入り口のファスナーを開けている
  • ファスナーを開放しているのに、出入り口のビニールを縛っていない

①はともかく②と③についてもう少し詳しく説明すると、ファスナーを開け閉めすることでハウスの出入り口を開閉することができますが、出入り口を開放状態にするためには、開けたビニールを紐で縛っておく必要があります。

ビニールを縛っておく紐は「簡易ビニールハウス」に最初から付いているので、自分で紐を新設する作業は発生しませんが、この紐で縛る作業を怠ると、ビニールが固定されていない状態となるので、強風時にハウスの出入り口のビニールがバタバタと音を立ててしまいます。

わたしは実際に聞いたことはありませんが、この音が結構うるさいようで、家族から指摘をされたこともあります・・・。

ビニールハウスの出入り口を開放状態とする場合には、既設の紐でしっかりと縛り固定することで、過度な騒音には発展しないので、開放するならビニールを紐で縛り開放する。閉め切る場合はファスナーも閉め切ることとし、中途半端な状態は極力避けましょう。

簡易ビニールハウスの設置・清掃

「簡易ビニールハウス」の組み立て作業は容易なので、ひとりでも組み立てることはできるでしょう。

簡易ビニールハウスの転倒防止

ガーデンラックを組み立てたあとには、ビニールをガーデンラックに固定して完成ですが、ビニールを固定する前にひと手間かけることが重要な作業となります!
それは、重いものを乗せて強風などでも転倒しないようにすること。

プラスチック製なので軽いという点は、簡易ビニールハウスのメリットでもありデメリットでもあります。

以前は使わなくなったバーベルを置いていましたが、今は観葉植物の土を一番下の段に置いています。

この手間をかけると、台風などの環境でも転倒しづらく、安全性の高いミニ温室へと生まれ変わります!

簡易ビニールハウスの清掃

また、ビニールには土やほこりなどの汚れが付着するので、なるべく2~3か月に1回は汚れをふき取りましょう。

汚れが付着していると、ビニール内に届く太陽光が少なくなってしまうことになるので、少し面倒でも手が届く位置は定期的に清掃することをオススメします。

濡れた雑巾などで拭き取ったままの状態にすると、拭き跡が残ってしまい、それはそれで太陽光を妨げる原因ともなるので、濡れた雑巾で拭き取った後に、乾拭きをすることでキレイに汚れを落とすことができます。

セルフではないガソリンスタンドで、店員さんが窓ガラスを拭いてくれますが、あの要領です!!

有効的な活用方法

日当たりがよい環境の場合

「簡易ビニールハウス」を上手く活用していくためには、日中の暑さ対策も必須となります

特に気温が上がり、太陽光が強い正午前後の時間帯に直射日光が何時間もあたる場所に設置する場合には、朝ビニールのファスナーを開け、開放状態にして空気の循環をつくる必要があります。

「天気予報では曇りだったからビニールハウスの出入り口を閉め切ったままにしたけど、予報が外れて晴れた」なんてことになれば、植物へのダメージにつながってしまう可能性があるので、よっぽど寒い日や雨、雪の日を除いて朝はビニールを開けることを日課にするぐらいでちょうど良いと思います。

夕方以降には、またビニールハウスのファスナーを閉め切ることで、夜の厳しい寒さに備えましょう。

もし、毎日の作業に自信が無い場合には、「簡易ビニールハウス」の本来の力を発揮することはできませんが、ファスナーは開けたままとして、開放状態としていた方が無難です。

日当たりがそこまでよくない環境の場合

たとえば朝1~2時間だけ日が当たる場所や直射日光の当たらない場所に設置する場合には、これまでの経験上、日中ファスナーを開けたりする必要はありません。

以前にそのような環境で育てていて、水やりのとき以外には冬の間にハウスの出入り口はずっと閉め切っていましたが、植物に対して実害が出ませんでした。

ただ、わたしの自宅ではそうでしたが、風通しなどの環境による外的要素は大きく影響すると思います。

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植物が寒さに耐えられる温度は!?

そもそも植物の耐寒温度(何度の寒さまで耐えることができるのか)はどれぐらいなのか!?

結論として、それぞれの植物によって違うということになってしまいますが、耐寒温度の一般的な指標として。

植物の耐寒温度(目安)
  • 夏型の多肉植物:10℃程度
  • 冬型の多肉植物:5℃程度
  • 比較的、寒さに強い植物:0℃程度
  • 観葉植物:10℃程度

最低気温が3~5℃以下になる地域では、耐寒温度が10℃程度の「夏型の多肉植物」と「観葉植物」を、簡易ビニールハウスで育てることは難しいです。
理由は、夜の間の低気温を乗り越えるのが高いハードルとなってしまうからです。

生産農家さんなどのプロの方は3℃まで下がるビニールハウス内で、耐寒気温が10℃程度とされる多肉植物を育てていることもありますが、それは「植物に関しての確固とした専門知識」と「これまでに何千、何万という株を育成してきた経験値」が組み合わさった結果です。

最低気温が0~5℃程度の地域であれば、「冬型の多肉植物」「比較的、寒さに強い植物」は、冬の間に簡易ビニールハウス内で育てることも視野に入れることができます。

植物の耐寒性を上げる対策をとれば、ある程度の寒さの中で植物を育てることは可能となります。

どの簡易ビニールハウスがよい!?

「簡易ビニールハウス」を設置できるスペースにもよりますが、実際に使用してきて感じていることは、下記の通りです。

  • ハウス自体がプラスチック製で軽量なので、重さ対策は必須
  • 「スリム化」されたタイプはどうしてもバランスが悪くなるため、事故防止の観点からできれば避けた方が無難
  • ビニールは毎年新しいものに取り換える必要があるため、簡易ビニールハウスの購入後にメーカーが倒産などになってしまうと、ハウスごと買い替える懸念が・・・。
    そのため、メジャーなメーカーから購入した方がその後の維持管理の面で安心

参考に、私はタカショーさんの3段式を「簡易ビニールハウス」を使用しています。
タカショーさんは歴史もあり、園芸業界で有名な会社なので、継続してビニールを購入できると考えて購入しました。

ビニールはお手製でも作れなくはないと思いますが、専用のものを購入すればちっきり収まるし、何よりもラクです!

他にも2段式や4段式が売られているので、もし「簡易ビニールハウス」を導入する場合は、自分が育てているまたはこれから育てるであろう植物の数に応じて、どの商品にするかを判断しましょう。

まとめ

「簡易ビニールハウス」は長い間そのまま放置しておくことはできず、基本的にはビニールの開け閉めなどの手間が発生するのは事実です。

もっとも注意しなくてはいけないのが、春に暖かくなってきたタイミングで冬と同じ環境で育てていると、ハウス内の植物が暑さにやられてしまうことにもなるので、季節の変わり目には特に注意が必要なところ

使用方法によっては、植物愛好家の大きな味方ともなる「簡易ビニールハウス」。

使用方法を間違えてしまうと、中の植物たちにダメージを与えてしまうこともありますが、使用方法を間違わなければ「こんなに効果があるの!?」と意外な効果を実感することにも。

たかが簡易ビニールハウスされど簡易ビニールハウス。
簡易ビニールハウスを導入することだけが植物の耐寒対策ではないので、実物を見たことがなければ、何かの機会にガーデニングショップなどで実物を確認してから、購入を検討してもいいかもしれませんね!!

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