冬越しの方法
日本には四季があるため、「春」には強い春風が吹き、「夏」には激しい暑さが到来し、「秋」には高い気温は落ち着いてくるものの、「冬」には厳しい寒さが訪れます。
季節による気温の変動・気候の変化があまり無い地域と比較すれば、日本の環境は植物にとってなかなか過酷な環境下といえます。
特に「夏」の暑さと「冬」の寒さには、植物によっては対策をとらないと枯れてしまうことにもつながってしまいます。
本記事では植物にとっての山場の一つともいえる冬越し、冬の寒さ対策をご紹介します!
![](https://midori-no-nikki.com/wp-content/uploads/2022/12/植物寒さ対策(2022.12.31).jpg)
厳しい寒さで植物が枯れてしまう3つの理由
そもそも、植物は厳しい寒いにあたるとなぜ枯れてしまうのでしょうか!?
主な理由は3つあります!
1.自生地との温度の乖離
日本では世界各国を自生地としている植物が輸入され、販売され、そして育てられています。
本来の自生地では多年草(同じ株から2年以上花を咲かせる植物)として育てられている植物も、日本では一年草(一年以内に発芽→開花→種をつける→枯れる植物)とされている植物もあります。
植物が自生地では経験できないほどの寒さにあたると、耐えることができずに枯れてしまうのです。
たとえば、生まれも育ちも沖縄で寒さに免疫の無いひとが上京してきて、冬に経験したことのない寒さにあたり、風邪をひいてしまうのと同じことです。
2.凍結
植物が葉や茎などの体内に溜めている水分や内部の細胞が、寒さによって凍結することで体調を崩すことがあります。
凍結した細胞は、暖かくなっても元のカタチに戻れないことがあり、最悪の場合は枯れてしまいます。
3.根腐れ
冬は日照時間も短く空気も冷たいため、暖かい季節より土が乾きづらいです。
冬に洗濯物を屋外に干しても、なかなか乾かないのと同じです。
また土が乾きにくいだけではなく、植物も暑い季節には体温調整のために水分を葉から外にだしていますが、植物自体もそこまで多くの水分を必要としません。
その結果、植物が植わっている土がいつまでも乾かないことで、根腐れを起こし枯れてしまうことがあります。
寒さ対策5選
対策1:室内に取り込む
寒さ対策としては、植物を室内に取り込むことが最も確実な方法です。
室内ではエアコンを使用していなくても、家電製品の熱やひとの体温により、屋外の気温よりも暖かい環境が自然とつくられます。
ただし温かい環境で育てると植物は成育しやすくなりますが、室内では太陽光の光を確保しづらく育成条件が崩れてしまい、植物が間延びする“徒長”につながってしまうリスクは高まります。
なるべく日の光にあてることで、徒長を防止することができます。
また植物を室内で育てるということは、その分ひとの生活スペースが削られるということ。
少しの植物であればそこまでスペースをとりませんが、我が家のように多くの植物を育てていると、冬の間には部屋が“ジャングル”のようになってしまいます。
![](https://midori-no-nikki.com/wp-content/uploads/2022/12/植物の寒さ対策④(2022.12.31).jpg)
対策2:(簡易)ビニール温室を利用する
ガーデニングショップやホームセンターなどで購入でき、雨、風、雪、霜を防ぐことのできる簡易ビニール温室も有効な対策の一つです!
コンパクトな簡易ビニール温室は省スペースで、わりと狭いバルコニーに設置できるタイプもあります。
ただし、ビニール自体の強度は高くなく、自宅のバルコニーではワンシーズンでビニールの一部に穴があいて使えなくなってしまうので、毎年ビニールを購入する費用が発生しています。
![](https://midori-no-nikki.com/wp-content/uploads/2022/12/植物の寒さ対策②(2022.12.31).jpg)
(簡易)ビニール温室の価格は数千円ですが、使い方によっては費用帯効果は大きいので、購入を検討してもいいかもしれません。
![](https://midori-no-nikki.com/wp-content/uploads/2024/02/簡易ビニールハウス②-300x200.jpg)
対策3:マルチング材を使用する
バークチップやウッドチップを、植物が植わっている土の表面に敷く「マルチング」は害虫の侵入や、雑草を防止するだけではなく、保温効果もあるので、寒さから植物の根を守る役割も担う存在になります!
他にも、水分を保持する効果も期待できる「マルチング」ですが、使用するマルチング材によっては土が乾いているのか濡れているのかといった状態がわかりづらくなり、水やりの難易度が上がるので、ある程度の園芸の経験値が必要となるでしょう。
わざわざマルチング材を買わずとも、落葉の季節を迎えれば自然に手に入れることのできる「落ち葉」も、マルチング材として使用できますよ!
対策4:軒下に移動する
軒下があれば、屋根の下に植物を移動させるだけでも、想像以上に大きな寒さ対策になります!
雨にあたらないことで、余計な水分を植物に与えなくて済む点や、植物の大敵である「霜」がおりづらい環境にもなります。
軒下であれば、室内の生活スペースもとらず、寒さの対策グッズを買いそろえる必要もないので、手軽にとれる寒さ対策の方法といえるでしょう。
対策5:フラワースタンドを使用する
鉢を地面に直接置いている場合、コンクリートなどの地表の冷気が、鉢を通して植物の根に伝わることを防ぐために、フラワースタンドなどを使用して鉢植えを地面よりも少し高いところに設置することも寒さへの対策となります!
フラワースタンドは、寒さだけではなく夏にも高温から避けるためのアイテムとなりますし、見た目もオシャレです!
サイズは限られますが、100均でも入手できるお手軽アイテムでもあります。
対策6:鉢を二重にする
植物が植わっている鉢を、鉢がスッポリと入る大きめな鉢やプランターに入れることも寒さ対策となります。
直接風が鉢にあたりづらくなることによって、多少の保温効果が期待できますが、単体での寒さ対策というよりは他の方法と合わせて対策をとった方がよいでしょう。
鉢が余っている場合にとれる複合技としては、オススメできる方法です!
対策7:よく日にあてる
日中、植物をよく太陽の光にあびせることによって、植物がもっている耐寒性をUPさせることができます!
ひとが食事をとっていなくて栄養が不足していると調子を崩しがちになるのと同様に、植物も成育環境が整っていないと枯れやすくなります。
ただし一定期間、強い光にあたらない環境に置かれていた植物を、いきなり強い直射日光に長い時間あててしまうと、逆に葉焼けなどを引き起こしてしまう原因となるので注意が必要です。
対策8:寒さに徐々に慣れさせる
本来は寒さに強いとされる植物であっても、暖かった環境からいきなり寒い環境に置かれてしまうと調子を崩してしまうことがあります。
冬の間も、植物を屋外で育てるのであれば、涼しくなる秋には屋外にだしておき、気温の低下に慣れさせる過程が必要です。
年々徐々に寒さに慣れさせることによって、植物が想像以上に寒さに強くなることもあります。
これは、寒い冬になって屋外に置いていた植物を室内に取り込むときにも同じことがいえます。
寒い環境から、一気に暖かい環境に変えてしまうと、それはそれで植物にとっては「ストレス」が加わってしまいます。
室内に植物を取り込むときには、一度玄関などの涼しい環境で慣らすなど、徐々に暖かい環境に変えてあげる配慮が必要です。
対策9:植物の耐寒性を知る
極寒の北国でも育つことのできる植物はいるので、特に寒さへの対策をとらないでも、屋外でノーダメージで越冬できる植物もいます。
それぞれの植物によって耐寒温度は違うので、植物のことを知って、対策方法や対策をとり始めるタイミングなどを検討しましょう。
対策10:水やりは室温で温めてから使用する
関東地域であっても真冬の季節には、水道水の水温が7〜8℃まで下がっています。
水道水の温度のまま水やりをしてしまうと水の冷たさから、植物にストレスがかかるため、植物に水やりをするときは、じょうろに水を溜めて1日以上は室温で温めてから水やりをすることで、植物へのストレスを軽減させることができます!
ただ、水やりをするタイミングを逃してしまうことにもなるので、可能であれば「水やりをしたあとには、じょうろに水を溜めておく」ことをルーティン化すると、植物への水やりのタイミングを逃す心配がありません!
![](https://midori-no-nikki.com/wp-content/uploads/2022/12/植物の寒さ対策⑤(2022.12.31)-2.jpg)
対策11:水やりの頻度、1回あたりの量を減らす
植物の中に蓄えている水分が減り、樹液の濃度があがると植物自体がもあっている耐寒性を上げることができるため、水やりの回数を減らすことも有効な対策の一つとなります。
基本的に、寒い季節には鉢底から水が流れ出るほどの水量を与えてしまうと、用土がなかなか乾かないため、1回の水やりで与える水量も1日~2日程度で乾く程度に調整しています。
少量の水を与えるのであれば、水しずつ水が出てくる便利なグッズが100均にも売られていますよ!
![](https://midori-no-nikki.com/wp-content/uploads/2022/12/植物の寒さ対策⑥(2022.12.31).jpg)
110円とまではいきませんが、Amazonなどでも類似品の入手が可能です!
対策12:風が直接あたらないようにする
風速1mの風が体に直接あたると、体感温度が1℃下がりますが、これは植物にとっても同じことです。
そのため、段ボールや発泡スチロール、ビニール、さらには不織布等で風が直接あたらない環境をつくってあげることも越冬への手助けとなるでしょう。
不織布は何重にも重ねることで、さらに大きな効果を発揮します!
植物自体が大きく植物ごと包むことが難しい場合には、植木鉢を段ボールや発泡スチロール等で覆うだけでも、風からくる寒さから根を守ることができるため、耐寒性を向上させることができます。
![](https://midori-no-nikki.com/wp-content/uploads/2022/12/植物の寒さ対策③(2022.12.31).jpg)
まとめ
ひとも過ごしやすい暖かい季節は、植物も快適に過ごすことができますが、耐暑性や耐寒性は植物によってさまざまです。
暑い時期や寒い時期は、特に注意しないと大切な植物が傷んでしまったり、最悪の場合に枯れてしまうこともありますので、寒さ対策について、ご紹介しました!
植物には、大きく成長する「成長期」とほとんど成長しない「休眠期」があります。
成長期である暖かい春を迎えるためにも、しっかりと寒さ対策をとりましょう!
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