多肉植物の成長を最大化!自生地の気候をヒントにした育成テクニック

多肉の自生地を知ろう

多肉植物はプックリとした葉や、個性的なフォルムが魅力的な植物です

多肉植物の品種数は1~2万種以上と言われ、それぞれが異なる自生地の環境に適応するために、独自の進化を遂げてきました。

たとえば、塊根植物が葉を落とし休眠するのは、葉からの水分蒸散を防ぎ、厳しい乾季を乗り越えるための知恵です。
また、植物がもつ耐暑性や耐寒性も、自生地の気候によって大きく異なります。

多肉植物を元気よく育てるには、多肉植物の故郷の環境を知ることが第一歩です

本記事では、多肉植物のおもな自生地であるメキシコ、南アフリカ、マダガスカル、南アメリカの気候を日本(東京)と比較しながら解説します。

多肉植物のルーツを理解することで、多肉植物を元気に育てるためのヒントが得られるでしょう

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※本記事で使用しているグラフやデータは、「Weather Spark」(https://ja.weatherspark.com/)より引用しています。

目次

多肉植物の品種ごとの自生地について

多肉植物は、乾燥が進む過酷な環境を生き抜くために、葉や茎、根に多くの水分を蓄えられる植物のことです

まずは、多肉植物の自生地について確認しておきましょう。

多肉植物は世界中に広く分布している

多肉植物は、一部の極寒地や降水量が豊富な地域を除き、世界中に分布する生きものです。

筆者

品種ごとの自生地を詳細に確認していくと、正直、キリがありません…!

代表的な自生地はメキシコ、南アフリカ、マダガスカル、南アメリカ

本記事では、多肉植物が多く自生するメキシコ、南アフリカ、マダガスカル、南アメリカについてご紹介します
それぞれの自生地におもな多肉植物を分類すると、以下のようになります

4つの自生地の概要
  • メキシコ、南アメリカ
    • アガベやアロエ、サボテンなどが多く自生
  • 南アフリカ
    • ユーフォルビアや塊根植物など、多種多様な品種が自生
  • マダガスカル
    • 塊根植物が多く自生
筆者

本記事でご紹介するのは、大まかな分類に過ぎません。
気になる植物がいたら、どこに自生しているのか、いちど調べてみることがおすすめです!

自生地を調べることが、多肉植物を元気に育てるための第一歩

気になる多肉植物の自生地を調べても、正確な情報が出てこない場合もあります…。
その場合は、近似種(同じ科や属の植物)について調べると、知りたい情報が手に入れられるかもしれません。

植物に詳しい販売者さんに確認することも、自生地を知るために有効な方法のひとつです

比較する気候条件

比較対象は気温、降雨量、風速、日照時間

本記事では、植物の生育に重要な「気温」、「降雨量」、「風速」、「日照時間」について深掘りします

肥料分は控えめに与えるのが基本

多肉植物の生育に大きな影響を与える栄養分(肥料分)については、比較しづらいです。

筆者

多肉植物は栄養分が少ない土壌に自生しているため、少量の肥料で育てるのが基本です。

多肉植物(コーデックス)の肥料については、以下の記事で解説しています
ご興味があれば、参考にしてみてください

日本(東京)の気候

まずは、「日本(東京)」の気候を確認します。

日本(東京)の最高気温&最低気温

  • もっとも暑い月:8月
    • 平均最高気温は30℃/平均最低気温は24℃
  • もっとも寒い月:1月
    • 平均最低気温は3℃/平均最高気温は9℃

日本(東京)の降雨量

  • もっとも降雨量が多い月:9月
    • 平均降雨量は187mm/月
  • もっとも降雨量が少ない月:1月
    • 平均降雨量は48mm/月
  • 年間の平均降雨量:1,326.8mm

日本(東京)の風速

  • もっとも風が強い月:3月
    • 14.5km/h
  • もっとも風が弱い月:7月
    • 11.6km/h

日本(東京)の日照時間

  • 日照時間がもっとも短い日(冬至)
    • 9 時間44 分
  • 日照時間がもっとも長い日(夏至)
    • 14 時間35 分

以上のデータをもとに、それぞれの自生地と比較していきます

メキシコ(オアハカ)の気候

メキシコは北アメリカ南部に位置しています。
日本の5倍の面積を誇り、人口は1億2,600万人の国です。

メキシコの首都は「メキシコシティ」ですが、ここでは、アガベ属チタノタの自生地「オアハカ」のデータを取り上げていきます。

メキシコ(オアハカ)の最高気温&最低気温

  • もっとも暑い月:5月
    • 平均最高気温は30℃/平均最低気温は16℃
  • もっとも寒い月:1月
    • 平均最低気温は9℃/平均最高気温は26℃
東京の気温と比較した特徴
  • 昼と夜の寒暖差が大きい
    • 東京の平均最高気温と平均最低気温の差は6℃なのに対し、オアハカでは季節により、14~17℃の寒暖差がある
  • 一年を通して、東京のような最低気温には下がらない
    • もっとも寒い月の平均最低気温を比べると、東京が3℃なのに対し、オアハカは9℃

メキシコ(オアハカ)の降雨量

  • もっとも降雨量が多い月:9月
    • 平均降雨量は164mm/月
  • もっとも降雨量が少ない月:12月
    • 平均降雨量は6mm/月
  • 年間降雨量:845.3mm
東京の降雨量と比較した特徴
  • 東京と比べると、オアハカの年間降雨量は約64%に留まる
  • 東京よりも明確な「乾季」が存在する
    • 東京は、もっとも降雨量が少ない月でも平均48mmあるのに対し、オアハカは6mmしかない
  • 降雨量が多い「雨季」は存在する
    • 東京は、もっとも降雨が多い月で平均187mmなのに対し、オアハカでも多い月は164mmある
筆者

メキシコ(オアハカ)には、乾季と雨季が存在することが分かります!

メキシコ(オアハカ)の風速

  • もっとも風が強い月:11月
    • 11.4km/h
  • もっとも風が弱い月:5月
    • 8.3km/h
東京の風速と比較した特徴
  • 一年を通して、東京より風速が弱い
  • 季節によって風速は異なる

メキシコ(オアハカ)の日照時間

  • 日照時間がもっとも短い日(冬至)
    • 11時間7分
  • 日照時間がもっとも長い日(夏至)
    • 13時間9分
東京の日照時間と比較した特徴
  • 冬至は東京より日照時間が長く、夏至は東京より日照時間が短い
  • 冬至と夏至の差が小さく、季節によって、昼と夜の時間帯がそこまで変わらない

メキシコ(オアハカ)に自生する植物を日本で元気に育てるコツ

以上を踏まえ、メキシコ(オアハカ)に自生する植物を日本(東京)で育成するときは、以下のコツを抑えることが重要です。

  • 冬は、寒さ対策をした方がよい
  • 昼と夜で寒暖差をつけるのが理想的
  • 真夏の最高気温は同じくらいでも、東京の夏至の方が日照時間が長いため、必要に応じて遮光する
  • 乾燥気味に育てるのが基本
    • 水やりを控えめにしても、枯れにくい
  • 風通しがよい場所で管理した方がよいが、あえて強い風に当てる必要はない
    • 室内で育成する場合、サーキュレーターで空気を循環させる程度でよい
  • 冬は光量が不足する可能性があるため、意識的に日に当てる
    • 植物育成用のLEDライトを使用するなど

南アフリカ(ケープタウン)の気候

つづいて、さまざまな多肉植物が暮らす「南アフリカ」の気候です。
南アフリカはアフリカ大陸最南端にある国で、首都は、なんと3つもあります。

本記事では、南アフリカの中でも多くの多肉植物が自生する「ケープタウン」のデータを確認していきます。

南アフリカ(ケープタウン)の最高気温&最低気温

  • もっとも暑い月:1月
    • 平均最高気温は24℃/平均最低気温は17℃
  • もっとも寒い月:7月
    • 平均最低気温は9℃/平均最高気温は17℃
東京の気温と比較した特徴
  • 東京の真夏のような高温に上がる季節はない
    • 暑い月の最高気温は東京より平均6℃低い
  • 東京の真冬のような低温に下がる季節はない
    • 寒い月の最低気温は東京より平均6℃高い
  • 季節による寒暖差が小さい

南アフリカ(ケープタウン)の降雨量

  • もっとも降雨の多い月:6月
    • 平均降雨量は74mm
  • もっとも降雨の少ない月:2月
    • 平均降雨量は10mm
  • 年間降雨量:411mm
東京の降雨量と比較した特徴
  • 東京と比べると、ケープタウンの年間降雨量は約31%に留まる
  • 東京の梅雨のように、降雨量が多い月はない
    • 東京はもっとも降雨量が多い月で平均187mmあるのに対し、ケープタウンは74mmしかない

南アフリカ(ケープタウン)の風速

  • もっとも風が強い月:1月
    • 22.0km/h
  • もっとも風が弱い月:5月
    • 17.3km/h
東京の風速と比較した特徴
  • 年間を通して、風速が強い(東京の約1.5倍)
  • 季節による変化は見られる

南アフリカ(ケープタウン)の日照時間

  • 日照時間がもっとも短い日(冬至)
    • 9時間54分
  • 日照時間がもっとも長い日(夏至)
    • 14時間25分
筆者

ケープタウンは、東京の日照時間と大きな違いは見られません。

南アフリカ(ケープタウン)に自生する植物を日本で元気に育てるコツ

以上を踏まえ、南アフリカ(ケープタウン)に自生する植物を日本(東京)で育成するときは、以下のコツを抑えることが重要です。

  • 夏には暑さ対策をし、冬には寒さ対策をする必要がある
  • メキシコ(オアハカ)に自生する植物より、さらに乾燥気味に育てた方がよい
  • 風通しのよい場所に置く
    • 室内の場合は風通しをつくるだけではなく、植物に直接風を当ててもよい
  • 特に気温の高い季節は、直射日光などの強い光を避けた方がよい
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マダガスカル(トゥリアラ)の気候

「マダガスカル」は島国の中で、世界4番目の面積を誇っています。
地域によって気候が大きく異なる点が、マダガスカルの特徴です。

  • 東側の地域(トゥアマシナ)
    • 降雨量が多く、森林地帯も多い
  • 西側の地域(トゥリアラ)
    • 降雨量が少なく、塊根植物が多く自生する

塊根植物の王様「オペルクリカリア・パキプス」が自生する、トゥリアラの気候に焦点を当てます。

マダガスカル(トゥリアラ)の最高気温&最低気温

  • もっとも暑い月:2月
    • 平均最高気温は32℃/平均最低気温は24℃
  • もっとも寒い月:7月
    • 平均最低気温は16℃/平均最高気温は26℃
東京の気温と比較した特徴
  • 東京より暑くなる
    • 暑い月の最高気温は、東京より平均2℃高い
  • 東京ほどの寒さは訪れない
    • 寒い月の最低気温は、東京より平均13℃高い

マダガスカル(トゥリアラ)の降雨量

  • もっとも降雨の多い月:1月
    • 平均降雨量は126mm
  • もっとも降雨の少ない月:7月
    • 平均降雨量は3mm
  • 年間降雨量:453.1mm
東京の降雨量と比較した特徴
  • 東京と比べると、トゥリアラの年間降雨量は約34%に留まる
  • 東京ほどではないが、降雨量が多い季節が存在する
    • 東京はもっとも降雨量が多い月で平均187mmあるのに対し、トゥリアラも126mmある
  • 「雨季」と「乾季」が、しっかりと分かれている

マダガスカル(トゥリアラ)の風速

  • もっとも風が強い月:10月
    • 19.1km/h
  • もっとも風が弱い月:3月
    • 16.2km/h
東京の風速と比較した特徴
  • 一年を通して、風速が強い(東京の約1.3~1.4倍)
  • 季節による変化は見られる

マダガスカル(トゥリアラ)の日照時間

  • 日照時間がもっとも短い日(冬至)
    • 10時間42分
  • 日照時間がもっとも長い日(夏至)
    • 13時間35分
東京の日照時間と比較した特徴
  • 日照時間が、季節によって大きく変わらない
    • 冬至と夏至の差が比較的小さい
  • 冬至は東京より日照時間が長く、夏至は東京より日照時間が短い

マダガスカル(トゥリアラ)に自生する植物を日本で元気に育てるコツ

以上を踏まえ、マダガスカル(トゥリアラ)に自生する植物を日本(東京)で育成するときは、以下のコツを抑えることが重要です。

  • 夏には暑さ対策をする必要はないが、冬は早いタイミングから寒さ対策をする必要がある
  • 南アフリカ(ケープタウン)に自生する植物と同じくらい乾燥気味に育てた方がよい
  • 風通しのよい場所に置く
    • 室内の場合は風通しをつくるだけではなく、植物に直接風を当ててもよい
  • 冬は光量が不足する可能性があるため、意識的に日に当てる
    • 植物育成用のLEDライトを使用するなど

南アメリカ(サンパウロ)の気候

「南アメリカ」の面積は約1,784万km²と広大で、人口は約4億2千万人にのぼります。
「南アメリカ」はボリビア、チリ、アルゼンチン、ブラジルなどの国々で成り立っています。

今回は、ブラジルの都市「サンパウロ」の気候に焦点を当てました。

南アメリカ(サンパウロ)の最高気温&最低気温

  • もっとも暑い月:2月
    • 平均最高気温は28℃/平均最低気温は21℃
  • もっとも寒い月:7月
    • 平均最低気温は13℃/平均最高気温は22℃
東京の気温と比較した特徴
  • 暑い季節を比べると、東京よりは多少すずしい
    • 暑い月の最高気温でも、東京より平均2℃低い
  • 東京の真冬のような、寒さが厳しい季節は到来しない
    • 寒い月の最低気温は、東京よりも平均10℃高い

南アメリカ(サンパウロ)の降雨量

  • もっとも降雨の多い月:1月
    • 平均降雨量は217mm
  • もっとも降雨の少ない月:8月
    • 平均降雨量は42mm
  • 年間降雨量:1,365.1mm
東京の降雨量と比較した特徴
  • 年間降雨量は、東京よりもやや多い
  • 東京でもっとも降雨量が多い月より、降雨量が多い月がある
    • 東京は降雨量が多い月で平均187mmなのに対し、サンパウロは217mmもある
  • 「雨季」と「乾季」が、しっかりと分かれている
筆者

降雨量が多い点が、南アメリカ(サンパウロ)の大きな特徴です。

南アメリカ(サンパウロ)の風速

  • もっとも風が強い月:10月
    • 13.8km/h
  • もっとも風が弱い月:2月
    • 10.8km/h
東京の風速と比較した特徴
  • 東京と比べると、風速が少し弱い
  • 季節による変化は見られる

南アメリカ(サンパウロ)の日照時間

  • 日照時間がもっとも短い日(冬至)
    • 10時間41分
  • 日照時間がもっとも長い日(夏至)
    • 13時間35分
東京の日照時間と比較した特徴
  • 日照時間が、季節によって大きく変わらない
    • 冬至と夏至の差が比較的小さい
  • 冬至は東京より日照時間が長く、夏至は東京より日照時間が短い

南アメリカ(サンパウロ)に自生する植物を日本で元気に育てるコツ

以上を踏まえ、南アメリカ(サンパウロ)に自生する植物を日本(東京)で育成するときは、以下のコツを抑えることが重要です。

  • 夏には暑さ対策、冬には耐寒対策をする必要がある
  • 水を好むため、水やりは他の多肉植物より多めに与える
  • 風通しがよい場所で管理した方がよいが、あえて強い風に当てる必要はない
    • 室内で育成する場合、サーキュレーターで空気を循環させる程度でよい
  • 冬は光量が不足する可能性があるため、意識的に日に当てる
    • 植物育成用のLEDライトを使用するなど

まとめ

この多肉植物は、どんな環境で育っているんだろう!?

と考えることが、多肉植物との良好な関係を築く第一歩です。
本記事ではメキシコ、南アフリカ、マダガスカル、南アメリカの気候を詳細に比較し、多肉植物の育成に活かしたいポイントに触れました
昼夜の寒暖差、乾季と雨季、風の強さなど、自生地の気候を知ることで、水やりの頻度や置き場所など、具体的な育て方が見えてきます。

他の地域に自生する多肉植物も、確認しておきたいポイントは同じです
ぜひ、本記事を参考に、多肉植物のポテンシャルを最大限に引き出してあげてください

自宅で使用している多肉植物用の培養土については、以下の記事で配合割合などをご紹介しています
アガベに焦点を当てている記事ですが、多肉植物全般に使用できる用土なので、よろしければ参考にしてみてください

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