~知れば知るほどハマる多肉~
これまで自分が知らなかった分野に飛び込んでいくと、これまでに聞いたこともないような言葉の壁に、ぶつかることがあります。
これは多肉植物の分野にも同じことが当てはまり、たとえば多肉植物のイベントに足を運べば、販売者さんが使う言葉の意味を知らないことで、コミュニケーションが円滑に進まない・・・!なんてこともあるでしょう。
すぐ近くにほかのお客さんがいる中で、聞き直すことはなかなか勇気が必要で、結局分からずじまいなんてことにも。
販売者さんとっては知識をひけらかすつもりはなく、ごくごく当たり前に使っている言葉でも、多肉植物の初心者である自分にとってはチンプンカンプン。なんてことになってしまうと、多肉植物を楽しむ気持ちも半減してしまいます。
「自分が知らない言葉は使わずに、植物を見て、そして育てて楽しめればそれで良い」と思っているひともいるでしょう。
特に植物の名前に対しては、そもそも英語などでの学名を日本語のカタカナに変換しているので、「アガベ」でも「アガヴェ」でもいいですし「リトープス」でも「リトプス」でもどちらも正解だし、どちらも不正解ではないと思います。
とはいいつつも、植物を楽しでいくためには、ある程度の用語をなんとなくでも知っておいた方が楽しめる機会は増えるとも思うので、本記事では多肉植物を取り巻く専門用語を紹介しています!
多肉植物専門店や、多肉植物のイベントに出かける前に、いちどチェックしてみてはいかがでしょうか!?
多肉植物を取り巻く専門用語
それでは、早速ご紹介していきます!
ア行 ~ ナ行
ア行
アレオーレ:サボテン科の特徴として挙げられ、トゲの付け根にある綿毛のような組織のことです。
「刺座(しざ)」と呼ばれることもあります。
よく似た姿をした「ユーフォルビア」もいますが、この「アイオーレ」の有無でサボテン科か、そうではないかが区別されています。
イモ:主に塊根植物(かいこんしょくぶつ)や塊茎植物(かいけいしょくぶつ)が、水を蓄えていることで大きく膨らんだ根や茎の部分を指します。
ウォータースペース:鉢植えに植物を植えるときに使われることばです。
鉢の縁ぎりぎりまで土を入れてしまうと、水やりのときに土と一緒に水が縁から鉢の外に流れ落ちてしまい、鉢の下の方までスムーズに浸透していかないため、鉢の縁から2~3cmほど下がったところまで表土を入れることが望まれます。
鉢の縁から表土まで、意図的に設ける2~3cmのスペースのことを、「ウォータースペース」といいます。
ウォーターマーク:エケベリアやアガベの葉の表面につくことのある模様です。
ロゼット状に葉を展開させていくときに、成長速度の違いや重なりあっている葉のトゲが、ほかの葉に当たることで跡がつくことがありますが、その跡のことを「ウォーターマーク」といいます。
A面(エーめん):360度どの角度から植物を見るかによって、見た目が異なります。
「この角度から見たときに、その植物がもっともカッコイイ」と思う植物の面を「A面」といいます。
エケ:エケベリア属の植物の略称のことです。
SP(エスピー):spとは species(種)の略語です。品種名が正確に分からない植物に対して使われることばです。
「札落ち:ふだおち」とも似ていることばですが、札落ちは育てていく過程の中で札(ラベル)がどこかにいってしまい、植物名が分からなくなった状態を指し、spは最初から植物名が分からない状態を意味しています。
枝挿し (えださし) :多肉植物を増やす「挿し木」のひとつの手法です。
“前年または今年に生じた枝を”挿し木にすることを「枝挿し」といいます。
エッジ:葉の先端部分を中心とした、葉の縁の部分のことを指します。
特に、エケベリアやグラプトペタルム、グラプトベリアに使われることが多いです。
園芸品種:交配を繰り返していくなどの結果つくり出された、主に見た目が優れている品種のことを指します。
「栽培品種」も交配などの結果作出された品種のことを指しますが、一般的には「園芸品種」が観賞用の植物を対象としたことばなのに対し、「栽培品種」は生産農家が生産していく野菜などを対象としたことばです。
雄株(おかぶ) :オス♂の性質をもっている植物とメス♀の性質をもっている植物のうち、オス♂の性質をもっている植物のことを指します。
読み方は、“おすかぶ”ではなく“おかぶ”です。
置き肥(おきひ、おきごえ):土の中に配合するタイプの肥料ではなく、土の上に置く肥料のことを指します。
土の中に配合するタイプよりも、長いあいだ少しずつ肥料を吸わせることができますが、即効性がないものが多いです。
雄花(おばな):植物の咲かせる花のうち、メス♀の性質をもたない花のことをいいます。
親株(おやかぶ):植物の親の植物をいいます。
同じ品種の植物でも遺伝によって見た目に差がでるので、植物を選ぶときに一親等である「親株」の姿形は、その植物が成長した姿の判断材料になります。
親と子は同じ遺伝子をもっているので、同じ環境で育てれば、同じ姿形に育て上げることができます。
(⇔子株)
オルトラン:土に配合するタイプの浸透移行性殺虫剤です。
オルトランに入っている成分を吸収した植物を食べた虫に、殺虫成分が働く殺虫剤です。
植物が吸収してからはじめて効き目が出始めるので、すでに発生している害虫に対しては、スプレータイプの殺虫剤を使用した方が良いでしょう。
多肉植物を植える用土にはオルトランが配合されることが多く、もっともメジャーな殺虫剤です。
カ行
塊茎植物(かいけいしょくぶつ):乾燥している地域に自生している植物で、多くの水分を蓄えておけるように「茎」の部分を太らせ、ユニークな姿形に進化した植物をいいます。
水分を多く蓄えているので、水やりは少なめで育てるのが基本となります。
塊根植物(かいこんしょくぶつ):乾燥している地域に自生している植物で、多くの水分を蓄えておけるように「根」の部分を太らせたユニークな姿形に進化した植物をいいます。
そこまで「塊茎植物」と「塊根植物」は明確に区別されていないので、一括りに「塊根植物」のことばで流通していることが多いです。
塊茎植物と同じように、体内に水分を多く蓄えているので、水やりは少なめで育てるのが基本となります。
カキ仔 (かきこ) :親株から出てきた子株を取り外した株のことを指します。
カキ仔からすでに根が出ていたらそのまま土に植えて他の植物と同じように育てることができますが、根が出ていない場合には、まずは根を出させる必要があります。
カキ取った子(仔)だから、かきこです。
花茎(かけい):開花専用の茎で、葉を付けない茎のことを指します。
多肉植物は、この花茎がほかの植物よりも長い品種が多いことも、特徴として挙げられるでしょう。
カット苗(かっとなえ):枝や根を落とし、挿し木用に仕立てられた苗のことを指します。
主に、エケベリアやグラプトペタルム、グラプトベリアに使われることばです。
活着(かっちゃく):しっかりとした根が張り、植物がしっかりと成長することを指します。
発根していなかった海外の株が、しっかりと根を下ろしている株を「活着株」として販売されていることもあります。
発根したての状態を「チョロ根」や「微発根」というのに対して、発根がうまく進んでいる状態になります。
株分け(かぶわけ):新しく子株をだした植物を、親株と子株に分けることを指します。
カルス:植物を切ったあとにできる、不定形の細胞の塊のことを指します。
傷口のあとにできるかさぶたをイメージすると、分かりやすいのではないでしょうか。
寒冷紗(かんれいしゃ):植物をおおって保護する被覆資材で、網目状に織った薄い布のことを指します。
同じく植物をおおい保護する布に「不織布(ふしょくふ)」がありますが、不織布には網目は入っていません。
遮光性や通気性で優れているのが「寒冷紗」で、防虫性・保温性で優れているのが「不織布」になります。
気根(きこん):土に埋まっていない状態の、茎や幹から出る根のことを指します。
気根から空気中の水分を吸収したり、気根を地面に向けて垂らして植物自身の体重を支えたり、ほかの植物などに掴まったりします。
季節斑・季節錦:特定の季節だけ出てくる斑のことを指します。
気温の違いなどによって斑がでますが、季節斑がでるのは植物の調子が良いタイミングが多いです。
黄中斑 (きなかふ):葉の中央部分にのみ、黄色い斑が入っていることです。
ギムノ:サボテン科の属の1つである「ギムノカリキウム属」の略称です。
黄覆輪 (きぶくりん) :葉の縁にのみ黄色い斑が入っていることです。
「金覆輪(きんぷくりん)」ともいいます。
基本用土:「赤玉土」や「鹿沼土」、「ひゅうが土」など、ほかの用土と混ぜ合わせて使用する土のことをいいます。
基本用土を使用することで、自分だけのオリジナルの用土をつくることができます。
基本用土のみでも多肉植物を育てることができますが、成長速度は遅く、複数の基本用土を混ぜ合わせた方が成長速度が早くなる傾向にあります。
強健種(きょうけんしゅ):厳しい寒さや暑さ、乾燥などの過酷な環境でも生きていける「育てやすい品種」のことをいいます。
初心者向けの多肉植物です。
共生植物(きょうせいしょくぶつ):すぐ近くで違う品種の植物を育てることによって、お互いに良い影響を与える相性のよい植物同士のことを指します。
「コンパニオンプランツ」とも呼ばれます。
休眠期(きゅうみんき):夏型の植物にとっては冬が、逆に冬型の植物にとっては夏が休眠期となります。
たとえば夏に旺盛に成長を見せる多肉植物が、秋に落葉をして、冬の間は葉の展開や開花などの動きがほとんどなくなる場合には、その植物にとっては冬が休眠期といいます。
一般的には休眠している方が、その植物が苦手とする環境に耐える力が向上するもの。
多肉植物が落葉している姿は枯れているようにも見えますが、決して枯れているわけではなく、次の成長期に向けて準備をしている期間となります。
兄弟株(きょうだいかぶ):同じ親株から採れたたねをまいて、成育している植物同士をいいます。
「親株と子株」は同じ環境で育てれば同じ姿に成長しやすいですが、“兄弟株の位置づけは二親等”になるので「親株と子株」よりも見た目に差がでやすいです。
良い意味では、植物の個体差を楽しむことができます。
鋸歯(きょし):鋸(のこぎり)という漢字のごとく、ギザギザしている葉の縁の部分のことです。
アガベやディッキアなどの多肉植物に、よく使われることばです。
切り戻し(きりもどし):多肉植物が徒長してしまったときなどに、下葉を3~4枚ぐらい残して、リセットすることをいいます。
切り戻した株は切り口の脇から芽を出し、切りとった上の部分は「挿し穂」や「挿し芽」として、新たに根を出させることで同じ植物を増やすことができます。
グラプトベリア(Graptoveria):グラプトペタルム(Graptopetalum)とエケベリア(Echeveria)の交配種のことです。
見た目はどれも似ているので、グラプトベリア属の多肉植物が、エケベリアの品種として流通していることもあります。
グラプトベリアの多肉植物は、100円ショップでも売られていることがあります。
群生(ぐんせい):同じ植物が、群がって生息していることです。
群生している多肉植物のことを、群生株とよびます。
化粧石(けしょういし):美観的な観点から土の一番上の部分に、見た目のよい土を敷くことがあります。
その一番上に敷く石のことを「化粧石」と呼びます。
化粧砂(けしょうずな):化粧石と同様です。
装飾用の砂として用いられます。
現地球(げんちきゅう):海外から輸入した植物のことをいいます。
現地株(げんちかぶ)ともいいます。
(⇔実生株(みしょうかぶ))
現地発根株(げんちはっこんかぶ):海外から未発根の株を輸入する場合に、現地の畑でいちど発根させてから輸入された植物のことをいいます。
現地で発根させている分、日本に輸入されてからの発根確率が高い点が、ひとつの特徴です。
(山採り株⇔)
原種 (げんしゅ) :品種改良される前の、もともとの植物のことです。
園芸品種(栽培品種)の祖先となる品種です。
高温障害(こうおんしょうがい):「高い温度+高い湿度」の環境下で起こる、植物の成育に悪い影響を与える、生理障害のひとつです。
温暖化が進んでいくと、どんどん増えていく生理障害といえるでしょう。
交雑種 (こうざつしゅ) :交配した親が分からなくなった品種のことです。
人工的に交配させた品種ではなく、風や虫の力によって自然に造られた交雑種を「自然交雑種」と呼ぶことがあります。
高山植物(こうざんしょくぶつ):主に標高の高い山に生息している植物です。
厳しい寒さや強い風、さらに物理的に太陽に近くなる分、強い光や紫外線からも身を守るために進化している植物が多くみられます。
交配種 (こうはいしゅ) :性質の異なる品種を交配させてできた、あたらしい性質をもった植物のことです。
子株(こかぶ):もともとある親株から新しい株を出す植物がいますが、新しく誕生した子供の株のことをいいます。
(⇔親株)
枯死(こし):完全に植物が枯れてしまうことです。
腰水(こしみず):水を溜めた容器に、鉢ごとを水をつけている状態のことを指します。
たねまき時や、長期間水を与えるのが難しい場合に、採用される給水方法です。
根腐れの原因になりやすいので、水は定期的に入れ替えます。
たとえ毎日水を定期的に入れ替えていても、腰水での給水方法では根腐れをしてしまうリスクはあります。
仔吹き(こふき):植物から新たな仔をポコポコと吹く特徴のことをいいます。
サボテンや、丸い形状のユーフォルビアによく使われることばです。
コーデックス(Caudex):一般的には、塊根植物と塊茎植物の別名として使われることばです。
塊根植物と塊茎植物にアガベを足して、「塊根植物+塊茎植物+アガベ」の総称とした意味で使われることもあります。
コンパニオンプランツ:「共生植物」と同様です。
近くに植えている植物の双方ではなく、片方の植物にのみ良い影響がでる組み合わせもあります。
ちなみに、コンパニオン(companion)とは「仲間」のことを意味します。
サ行
CITES(さいてす):絶滅のおそれのある動物や植物を守っていくために、輸出入などの国際取引の取り決めをしている条約のことです。
「Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora」の頭文字をとった条約のことです。
栽培品種(さいばいひんしゅ):交配を繰り返していくなどの結果つくり出された、主に見た目が優れている品種のことを指します。
園芸として楽しまれている植物ではなく、野菜など栽培用の植物に使われることばです。
(≒園芸品種)
挿し木(さしき):植物の枝を切りとり、切りとった枝の断面から新たに根を出させることで、植物を増やす方法です。
挿し木では、元々の植物と同じ遺伝子をもった「クローン植物」を作ることができます。
切りとった枝の断面は斜めに切ると断面が大きくなり、挿し木の成功率を上げることができます。
傷口から雑菌が入るのを防ぐために、基本的には無菌の土を使用します。
挿し穂(さしほ):挿し木に使用する、植物から切りとった枝のことをいいます。
挿し芽(さしめ):挿し木とほとんど同じ意味ですが、「挿し木」が“木”を対象としているのに対し、「挿し芽」は“草花”を対象としている点が異なります。
刺座(しざ):サボテン科には必ずある組織で、刺の付け根にある綿毛のような組織のことです。
「アレオーレ」とも呼ばれます。
下葉(したば):幹や株の下の方にある葉のことです。
植物の新陳代謝によって、葉を更新していく過程の中で下葉は枯れていくので、下葉が1~2枚枯れ落ちるのは自然現象といえます。
締める(しめる):葉同士の間隔が狭く、全体的にギュッと詰まった姿形に育て上げることをいいます。
一般的には風通しの良い環境で水やりを少なめにして、なるべく多くの光を浴びせることで、締まった植物に育ちやすくなります。
特に、ロゼット状に葉を展開させる「アガベ」や「エケベリア」などに使われることばです。
遮光(しゃこう):直射日光を遮ることです。
すべての植物が強い光を好むわけではないので、植物ごとに望ましい光の量に調整する場合に、遮光する必要があります。
なお、遮光率の考え方は以下の通りです。
- 遮光率が高い=遮られる光の量が多い=植物に当たる光は弱まる
- 遮光率が低い=遮られる光の量が少ない=植物に当たる光は高め
雌雄異株(しゆういかぶ):「雄株」と「雌株」が存在し、ひとつの株だけでは受粉ができない植物のことです。
違う遺伝子を組み合わせることで、強い個体をつくり出そうとする、植物の生存戦略のひとつです。
雌雄同株(しゆうどうしゅ):同じ株に「雄花」と「雌花」を咲かせる植物のことです。
雄しべと雌しべを同じ花に持った植物には、この言葉は使いません。
(=雌雄同体(しゆうどうたい))
雌雄別株(しゆうべつしゅ):雌雄異株と同じく、「雄株」と「雌株」が存在する植物のことです。
純血種(じゅんけつしゅ):ほかの品種の血がまざっていない植物のことをいいます。
(⇔交配種)
食害(しょくがい):昆虫などによって、植物が食べられてしまうことをいいます。
白中斑 (しろなかふ):葉の中央部分にのみ、白い斑が入っていることです。
白肌 (しろはだ) :色白の肌をもった植物のことです。
強い光が当たる地域などでは、植物に当たる光の量を調整するために、植物が葉の表面に白っぽい粉をつけることがあり、粉が白いことから白肌になる品種もいます。
白覆輪 (しろふくりん):葉の縁にのみ白い斑が入っていることです。
「しらふくりん」「しろぶくりん」「はくふくりん」ともいわれます。
地植え (じうえ) :地面に、直接植物を植えることを意味します。
鉢やプランターに植える「鉢植え」と比較して、根を張るスペースが広いため、植物の成育速度が早いのが「地植え」の特徴です。
植物を早く成長させたいときに用いられる手法です。
自家受粉(じかじゅふん):同じ花の中で、受粉が起こることを指します。
自家受粉ができる植物はたねを作るためのハードルは高くないものの、さまざまな遺伝子が組み合わさっていないため、基本的に強い遺伝子をつくりだすことはできません。
自家結実 (じかけつじつ) :自分の花粉で受粉して、実を付けることを指します。
ジュレる:多肉植物が雑菌でやられて、内部組織が壊れてしまうことです。
葉が半透明に変色してしまい、最悪の場合、枯れてしまうこともあります。
芯止め(しんどめ):もっとも高い位置にある成長点を切ってしまうことです。
芯止めを行うとそれ以上枝や幹が伸びなくなるので、大きく成長する植物の樹高を抑えるために行われます。
スパイン:トゲのこと。「スピン」と呼ばれることもあります。
主に、アガベに使われることばです。
成長点(せいちょうてん):新しい組織をつくり出すところで、細胞分裂が活発に行われている部分です。
成長点がつぶれるとそれ以上成長できなくなった植物は、新しい子を出すことがあります。
そのため、意図的に成長点をつぶして植物を増やす方法もあります。
石化 (せっか):奇形のひとつで、成長点が乱れて平らな帯状になることをいいます。
施肥(せひ):植物に肥料を与えることをいいます。
剪定(せんてい):植物の枝を切ることをいいます。
大きくならないようにしたり、形を整えたり、枝や葉が重なって風通しをよくして病害虫を防いだりと、目的に応じた剪定があります。
植物の枝を剪定すると、これまで枝に届けられていた養分が幹に留まることになるため、幹が肥大しやすくなります。
先祖返り (せんぞがえり) :昔の性質があらわれ、もとの状態に戻ることをいいます。
たとえば斑入りの植物だったものが、成長過程の中で斑の入っていない植物になることです。
タ行
耐寒性(たいかんせい):どれだけの寒さに耐えることができるかを、あらわすことばです。
“耐寒性がある”植物は寒い環境でも耐えることができ、‟耐寒性がない”植物は寒い環境には耐えることができません。
台木(だいぎ):成長速度の遅い植物を成長速度の早い植物に接いで(つないで)、成長速度の遅い植物を早く成長させる「接ぎ木」をするときに、土台となる植物のことを指します。
台木となる植物には、病気にかかりづらく成長速度の早い植物が選ばれます。
耐暑性(たいしょせい):どれだけの暑さに耐えることができるかを、あらわすことばです。
‟耐暑性がある”植物は暑い環境でも耐えることができ、‟耐暑性がない”植物は暑い環境には耐えることができません。
他家受粉(たかじゅふん):同じ種類の植物で、異なる株の花粉で受粉が起こることを指します。
自家受粉と比較するとたねをつくるハードルは高くなるものの、さまざまな遺伝子が組み合わさるので、強い遺伝子をつくり出すことができます。
タコ物(たこもの):タコのように、枝を何本もだすユーフォルビア属の植物のことを指します。
縦割り(たてわり):主にアガベに使われることばで、縦に真っ二つに切り成長点を潰し、子株を出させることで植物を増やすことをいいます。
多頭株 (たとうかぶ) :ひとつの株から、独自の成長点をもった植物が複数生えてくることです。
タニパト(多肉パトロール):育てている多肉植物の見回りをすることをいいます。
多くの多肉植物を育てている場合で、多肉植物の状態を日々観察をするときに使われます。
タニラー:大きな愛情をもって、多肉植物を育てているひとのことをいいます。
短葉(たんば):同じ品種の他の株と比べて、短い葉を出すことをいいます。
団粒構造(だんりゅうこうぞう):簡単にいうと土の粒同士が集まっていることで、粒同士のあいだには一定の隙間が空いているので、通気性や排水性が優れています。
同じ集合体でも、粒がドロドロになっている状態とは真逆の状態を指します。
植物の健康的な成長には、この団粒構造が土の中で形成されていることが望ましいです。
長日植物(ちょうじつしょくぶつ):昼の時間(日照時間)が長くなると開花する植物のことです。
ちょろ根(ちょろね):それまで根を生やしていなかった植物が発根し、少しだけ生やした根のことをいいます。
追肥(ついひ、おいごえ):植物が成長している段階で、追加で与える肥料のことをいいます。
追肥には、即効性のある肥料を使用することが多いです。
(⇔元肥)
接ぎおろし(つぎおろし):接ぎ木によって大きく成長した植物を台木から切り離し、土に植えることをいいます。
接ぎ木(つぎき):成長速度の遅い植物を成長の早い植物に接いで(つないで)、成長速度の遅い植物を早く成長させることをいいます。
同じ属の植物同士の組み合わせは相性が良いため、接ぎ木の成功率が上がります。
主に生産農家さんなどで行われる園芸手法ですが、接ぎ木されている植物が、接ぎ木されている状態のまま売られていることもあります。
爪(つめ):指の爪のように、葉先のとがり気味な部分を指します。
主にエケベリアやグラプトペタルム、グラプトベリアに使われることばです。
底面給水(ていめんきゅうすい):通常、水やりは上から与えますが、底面(鉢底)から水を吸わせる方法です。
葉などに水がかかることを嫌う「シクラメン」などによく用いられる方法ですが、多肉植物においてもタネをまいた場合などには、タネが流れていかないように底面給水で水を与えることがあります。
綴化 (てっか):突然変異を起こした植物のことをいいます。
成長点が傷つくことなどで起こる現象ですが、植物のレア度が上がり、金額も高価になることが一般的です。
展着剤(てんちゃくざい):紙などを貼り付ける「ノリ」のような役割をもつ薬剤です。
ほかの薬剤とあわせて使用します。
溶ける(とける):溶けてしまったアイスのように、原型をとどめずに植物が枯れてしまうことをいいます。
虎斑 (とらふ) :動物の虎のように、葉に横向きに入る斑のことをいいます。
胴切り (どうぎり):植物を横に切り、上下に真っ二つにして植物を増やす方法です。
成功すれば、真っ二つにした上の部分は再度発根させることができ、下の部分は成長点を失ったことで新しい子株を出すため、植物を増やすことができるのです。
土壌改良剤(どじょうかいりょうざい):粒が崩れて通気性が損なわれたり、肥料分が不足したりした土壌の機能を良くし、土壌の性質をより良いものに変える園芸資材のことをいいます。
徒長(とちょう):植物の葉や茎などが間延びし、ヒョロヒョロとした見た目になってしまうことをいいます。
日照不足や水のやり過ぎ、風通しの悪さなど、植物にとって望ましくない環境が続いてしまうことで起こる現象です。
100円ショップの植物コーナーなどでヒョロヒョロな姿に成長したサボテンなどの多肉植物を見ることがありますが、明らかに日照不足が原因です。
トップスパイン:先端部分のトゲのことです。
主にアガベに使われることばで、「トップスピン」とも呼ばれます。
トリコーム:白っぽいディッキアを普通に上から水やりをしてしまうと、白い色が薄れてしまうことがあります。
これは、ディッキアの葉についている白い粉のようなものが取れてしまうことが原因です。
この白い粉のようなものをトリコームといいます。
ナ行
中斑 (なかふ):葉の中心に斑が入ることをいいます。
ナーセリー:植物を生産し、販売する場所のことをいいます。
多肉植物では、主にタイなどの海外の植物の生産農家のことを意味することが多いです。
夏型 (なつがた) :暑い夏の季節にぐんぐん成長する植物のことをいいます。
ただし温暖化が進んでいるため、夏型といわれている植物でも、暑すぎる環境ではそこまで成長しない植物が多くなってきています。
難物(なんぶつ):育成難易度の高い植物のことをいいます。
日本の環境には、とことん合っていない植物の部類ともいえます。
~錦 (にしき) :斑入りの植物のことをいいます。
品種名のあとに「錦」という呼称が続きます。
抜き苗(ぬきなえ):植物を土から抜き、土を落とした状態のことをいいます。
フリマアプリなどでは、抜き苗の株が多く売られています。
沼・沼る(ぬま・ぬまる):多肉植物にハマり、抜け出せなくなる状態のことをいいます。
根挿し(ねざし):植物の根の一部を切り取り、切り取った根から発芽をさせて植物を増やすことをいいます。
動物では行うことのできない、強い植物ならではの増やし方です。
根詰まり(ねづまり):鉢植えの中が根でギュウギュウになり、根を成長させるスペースがなくなっている状態を指します。
根詰まりを起こしている植物は、与えた水もスムーズに鉢底から抜けず、成育不良につながってしまいます。
根鉢(ねばち):植物を植木鉢から抜いたときの、株から生えている根と、その根についている土の集合体のことをいいます。
根張り(ねばり):根が、土の中を成長している状態のことをいいます。
日照 (にっしょう):直射日光があたっている状態のことをいいます。
根腐れ (ねぐされ):根が腐ってしまうことをいいます。
土が長いあいだ乾かないことで土の中で雑菌が繁殖してしまったり、植物の根が呼吸できない状態がつづくと、根腐れにつながってしまいます。
ここまで書いてきましたが、思いのほか、かなり長くなってしまったので前編と後編に記事を分けます!
下記の記事で後編のご紹介をしているので、よろしければお読みください
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