育成に特化した植木鉢
植物を育てるときには、植物の魅力をさらに引き立てるグッズを使用することで、植物の魅力がさらに引き立つものです。
植物を置く「ガーデンラック」や、園芸用土の上を彩ってくれる「化粧砂」も植物の魅力を引き立ててくれる存在のひとつといえるでしょう。
その中でも「植木鉢」は、植物との相性がバッチリであれば、植物をさらにオシャレなものに仕立ててくれます!
実際にガーデニングショップに並ぶいろいろな「植木鉢」を目の前にして、下記のように、あれこれと考えることもあるのではないでしょうか!?
- 「イカついトゲのある植物だから、ワイルドな鉢がいいのではないか。」
- 「わりと控え目な植物だから、シンプルな鉢にしようかな。」
- 「この鉢、部屋の印象に合うかな」 などなど
「植木鉢」は植物自体との相性だけではなく、植物を取りまく周囲の雰囲気にも合わせることができれば、さらなる相乗効果が期待でき、植物の良さをより一層引き立たせることもできます!
さまざまなデザインがある植木鉢ですが、モノによって違うのは「デザイン」だけではなく、「育てやすさ」や「成長速度」という面でも大きな違いが出てくるものです。
本記事では、植物がグングン成長する「スリット鉢」について、詳しくご紹介します!
植物がグングン成長するには
植物が成長する条件
まず、前提となる植物の育成条件について整理しておきます。
植物の成長に必要な条件は「温度」、「光」、「水」、「空気(風)」、「肥料分」が重要となります!
植物が過ごしやすい「温度」の中で、太陽から降りそそぐ「光」を浴びて光合成をし、根や葉などから「水」を吸い上げ、「空気」の中で呼吸をしながら、「肥料分」を吸い上げて成長するのです!
いずれの条件も“適度”が望ましい条件となり、たとえば暑すぎたり寒すぎたりしても健康的に成長することはできず、肥料分が少なすぎたり多すぎたりしても、旺盛な成長をすることはできません。
いずれかの条件がひとつでも崩れてしまうと、植物が成長できないだけではなく、最終的に植物が枯れてしまうことにもなるでしょう。
植物の成長を促すガーデニンググッズ
植物の成長を促すためには、「園芸用土」や植物用の「肥料」などがありますが、それ以外にもガーデニンググッズを使用することで成長を促すことができます。
- 植物育成用に開発されたLED器具
- 室内で育てているときに使用することで、光合成を促進することができます。
- 反射シート
- 光を反射することで、光合成を促進することができます。
- サーキュレーター
- 室内で植物を育てるときに、植物の呼吸を助ける役割を果たす
それ以外にも、支柱を使用すれば植物の枝葉を誘引することができ、スムーズな光合成につなげることができ、転倒で植物の事故を減らせることで成長をとめることがありません。
さらに、本記事の主役である「植木鉢」の存在も、植物の成長を手助けする重要な役割を担っています!
スリット鉢とは
まず名前についている、“スリット”(slit)とは、英語で「切れ目」・「隙間」という意味を持っているので、「スリット鉢」は「切れ目の入っている鉢」という意味になります。
下の写真で言うと、赤枠でくくっている部分がスリットの部分です。
植物を植える鉢として「スリット鉢」を使用すると、ほかの鉢と比べて鉢内に植物の根がよく張るため、“根はり鉢”とも呼ばれています。
一般的に「スリット鉢」といえば丸い鉢や、八角形のカタチをしていて、色はモスグリーンの鉢が主流ですが、最近ではカラーバリエーションも増えてきていて、プラスチック以外にも陶器製のスリット鉢が売られていることもあります!
自宅では“プレステラ”と言う、黒くて四角いカタチをしたスリット鉢(上の写真のモノです)を使用することが多いですが、スリットの入っていない鉢からスリット鉢に変えてから、植物を取りまくトラブルの数を減らすことができました。
鉢を購入する際には、やはり何よりも見た目を重視されるケースが多いので、機能性は二の次にされがちです。
スリットが入っているかどうかまでは気にしない方も多く、そもそもスリットという存在すら知らない方も多いですが、この「スリット」は植物育成に絶大な効果を生み出します!
スリット鉢の8つの特長
それでは、「スリット鉢」には具体的にどのような特長があるのかというと、下記の8つが挙げられます!
- 水はけがよい
- 通気性がよい
- 鉢底石が不要
- 根のサークリング(鉢底でぐるぐる巻く現象)を防ぐ
- 水やりのタイミングが分かりやすい
- 軽くて、落としても割れにくい
- 花や実をたくさんつける
- いざというときに、壊しやすい
特長をひとつずつ、詳しく確認していきましょう!
特長①:水はけがよい
鉢底にだけ鉢底穴が開いている植木鉢では、当然ながら、水やりをしたときに水が流れ出てくるのは鉢底からのみです。
一方の「スリット鉢」では、鉢底のみならず側面にも穴(スリット)が開いているので、側面からも水が流れ出てきます。
またスリットは鉢の複数箇所に入っているモノなので、水が流れ出てくる出口の数を比較しても、スリットの入っている鉢と入っていない鉢を比べると、水はけの善し悪しは歴然なものになるでしょう。
特に雨ざらしの環境で植物を育てる場合や、梅雨の時期、湿度の高い夏などのジメジメした環境のときには、蒸れにくい機能が有効に働きます!
特長②:通気性がよい
一般的な鉢に開いている鉢底穴は水を通しますが、鉢底に穴が開いていると地面との密着するカタチになるので、風の通り道にはなりづらいです。
一方の「スリット鉢」は、側面にスリットが入っているため、鉢を地面に直接置いていても、側面のスリットから風が鉢の中を通り抜けることができます。
ひとや動物と同じように植物の根は酸素を吸い、二酸化炭素を排出する「呼吸」をしているので、鉢の中の通気性が保たれていて酸素が根まで届くかどうかは、植物の育成面で重要な要素となります。
また、土がなかなか乾かない環境では鉢内で雑菌が繁殖し、植物に悪影響を及ぼすこともありますが、スリットから通気されることで土が乾きやすくなり、根腐れ防止にもなるのも特長のひとつといえるでしょう!
特に乾燥した環境が好きなサボテンや、多肉植物などの植物にはマッチした特長で、土がなかなか乾きづらい冬においても、この“通気性”のメリットが最大限に発揮されることになります。
特長③:鉢底石が不要
園芸に関する本などで記載されている植物の育成方法は、植物を植木鉢に植えるときには、下記のような流れがご紹介されていることが一般的です。
- 鉢底穴をふさぐようにして、鉢底ネットを敷く
- 園芸用ネットの上に鉢底石を入れる
- 植物のサイズに合わせて、園芸用土を入れる
- 植物を鉢に植える
- 鉢内に隙間が無いように、園芸用土を足していく
①の鉢底ネットを敷くこととその上に鉢底石を入れることの理由は、一般的な鉢では通気性を確保できていないので、空気が鉢内にスムーズに入り込むことを目的としています。
「スリット鉢」の場合は、最初から通気性に優れた設計になっているので、鉢底ネットを敷いたり鉢底石を入れたりする必要はありません。
最初こそ、スリットから多少の土がこぼれでてきますが、土同士が絡み合い根が土をキャッチするようになれば、いずれスリットからも土がこぼれてこなくなっていきます。
鉢内は限られたスペースですが、鉢底石が鉢内のスペースを使わない分、植物が根を張ることのできるスペースが確保されるため、「根の成育範囲の確保」という面でも優れた長所といえるでしょう!
特長④:根のサークリング(鉢底でグルグル巻く現象)を防ぐ
一般的な植木鉢で植物を育てていると、植物の根が水などを求めて、鉢内をらせん状に回ってしまう現象(サークリング)が起きやすいです。
植物は雨が降らない期間であっても水や栄養分を吸収できるように、根を広くそして土の奥深くにまで潜らせていこうとしますが、植木鉢ではスペースに限りがあるので、限りある範囲でしか根を張ることができません。
行き場をなくしてしまった根が植木鉢の内側に張り付くように、グルグルとらせん状に伸びていってしまうのです。
植物を鉢から出したときに、表面からは根が一面にビッシリ広がっているように見えても、よく確認してみると、意外と鉢の中央部分には根が張っていないことがあります。
これが、サークリング現象を引き起こしている状態で、鉢内のスペースを有効に活用できている状態とはいえません。
根は地上に出てきて光や風に当たると乾燥してしまい、水を吸収するどころでは無くなってしまうことから、明るい光を嫌う習性をもっています。
「スリット鉢」は、根の“明るい光を嫌う習性”をうまく利用している鉢で、スリットが開いていることで、植物の根の成長は下記のような流れになります。
- 植物の根が、鉢底まで成長する
- 鉢底まで到達した根は、サークリング現象を開始しようとする
- サークリング現象を始めた根が、途中でスリットにぶつかる
- スリットにぶつかり、明るい光を感じ取った根は、それ以上成長していくのをやめる
- 植物は、ほかの新しい根を出していく
この①から⑥までの過程が繰り返されることによって、植物の根がサークリング現象を起こしづらく、鉢の中央部分にもまんべんなく根を張ることができるのです。
鉢内の限られたスペースだけではなく、植物の根が全体的張ることになるので、水や栄養素を吸い上げやすくなるのです。
「スリット鉢」は、鉢の中のスペースを90%以上活用できる植木鉢と言われています!
「スリット鉢」は、もともと生産農家さんのために開発された鉢ですが、開発された方は、特長③の「鉢底石が不要」である点と特長④の「根のサークリングを防ぐ」ことをメインに開発されたのだと考えています。
特長⑤:水やりのタイミングが分かりやすい
水やりは土が乾いてから与えるのが基本的なサイクルとなりますが、土が乾いたかどうかは意外と分かりづらいもの・・・。
土が乾いているのかどうか把握するためのひとつの指標として、「土の色を確認する」方法が挙げられます。
植えている用土にもよりますが、水やり直後と乾いたときの色が異なる土も多いため、色を見て判断するのです。
上に敷いている部分「表土」は目で見て色の違いを確認できますが、土の中の部分まではなかなか確認できないものですが、「スリット鉢」であれば、鉢の側面からも用土の色を確認できるので、用土の乾き具合が分かりやすく、結果として水やりのタイミングが分かりやすくなります!
土が濡れているかどうかは、鉢を実際に持ち上げてみて、鉢の重さで判断する方法もありますが、目で見て確認できるのは「スリット鉢」ならではの特長といえるでしょう!
ほかにも、割りばしを使って水やりのタイミングを把握する方法もあり、下記の記事で詳しく書いていますので、もしご興味があればお読みください!
特長⑥:軽くて、落としても割れにくい
「スリット鉢」は、陶器製のモノも売られていますが、プラスチックでできているモノが主流です。
植物が大きくなると、植物自体の重みに加えて、鉢自体の重みや中に入っている用土の容量が増える分、用土も重みを増していきます。
また普段屋外で育てている鉢の冬のタイミングで室内に移動する場合や、お部屋の模様替えの際に植物を移動するとき、さらに植え替え作業のときにも、うれしい鉢が軽いというのは特長のひとつです。
また、これは「スリット鉢」に限った話ではありませんが、プラスチックでできた「スリット鉢」は軽くて持ち運びがしやすく、また誤って落としてしまったとしても割れにくい特長があります。
強風が吹いたときに転倒してしまったり、誤って室内でぶつかってしまい転倒してしまったときも、鉢が割れるリスクが低いことは嬉しい特長になりえるでしょう!
特長⑦:花や実をたくさんつける
これは間接的な効果といえますが、「スリット鉢」を使用することで、植物が健康的に育ちやすくなります。
「スリット鉢」の機能を理解し、“根はり鉢”の特長を最大限いかして、植物育成に努めることができれば、花や実をたくさんつけてくれるでしょう。
たくさんのお花を咲かせたいとき、そして家庭菜園のときに多くの野菜やくだものを収穫できることにもなるので、花や実を多くつけてくれることは、ありがたい「スリット鉢」の特長といえるでしょう!
特長⑧:いざというときに、壊しやすい
最後の特長として、「いざというときに、壊しやすい」という点が挙げられます。
植木鉢で育てている植物は、鉢内を植物の根で埋め尽くされることもあり、これは「根詰まり」と呼ばれることがある植物の不調の前兆となるものです。
根の成育が旺盛な品種を何年も同じ鉢で植えていると、鉢内が植物の根で埋め尽くされるだけではなく、根が鉢から出てきてしまうこともあります。
そのときには、根腐れのリスクも高まるので植え替えの作業が必須となりますが、鉢から植物を抜こうとしてもどうやっても鉢から抜けない・・・。
なんてことが起こりえるのです。
そのときには、最終的に鉢を壊してしまうしかなくなるのですが、プラスチックでできている「スリット鉢」は、ハサミやカッターなどで壊しやすい特長を持っています。
できれば、鉢を壊さなくてはいけないまで植物の植え替えをサボることは避けたいところですが、もし万が一そのような状態になってしまったら、「スリット鉢」のありがたい特長を使わせてもらいましょう!
以上が、「スリット鉢」の8つの長所となります!
スリット鉢の6つの短所
ここまで「スリット鉢」の特長について書いてきましたが、「スリット鉢」の短所もあります。
短所についても、いくつか書いていきます。
短所①:デザイン性に優れていない
「スリット鉢」は、オシャレな「見た目」ではなく、「植物の成長」に焦点を当ててつくられた植木鉢です。
昔はモスグリーンが主流でしたが、最近ではブラックやグレー、ピンクなどカラーバリエーションが増えてきました。
しかしながら、陶器鉢のオシャレな鉢などに慣れているひとからすれば、どうしてもスリット鉢のデザイン性は気になるかもしれません。
陶器製の「スリット鉢」も販売されていますが、まだまだ陶器製の「スリット鉢」は多くなく、お気に入りのひと鉢を見つけることは容易なことではないでしょう。
短所②:倒れやすい
「スリット鉢」の特長でも挙げましたが、スリット鉢はプラスチック製であることが多く、軽いので、風などの影響で鉢ごと倒れてしまうリスクは高くなります。
特長の裏返しのような短所ですが、「安定感」という意味ではプラスチック製の鉢よりも、重い鉢の方が安定します。
ここはケースバイケースですが、鉢を移動をあまりせず、植え替えを行うときにも手伝ってくれるひとがいるのであれば、「スリット鉢」ではなく、重みがあり安定性に長けている鉢を使用する方が良いかもしれません。
短所③:用土がこぼれやすい
植物の根が成長し用土をキャッチするようになれば、徐々にこぼれてこなくなりますが、植えてからしばらく間は側面に開いているスリットから土がこぼれてきてしまいます。
用土がこぼれてくるのが気になる場合には、鉢底の方には大粒の用土を使用することで、多少こぼれにくくなります。
実際に「スリット鉢」を使用し、定期的に水やりをしていても、それほど気になるレベルの土がこぼれてくることはありませんが、それでもまったくこぼれてこないワケではないので、土が目減りすることがあれば、用土を足してあげるお世話が発生する可能性はあるかもしれませんね。
短所④:用土が乾燥しやすい
乾燥を好む植物にとっては良い面にもなりえますが、スリット鉢に植えていると、用土が乾きやすくなります。
用土が乾きやすければ、水やりの頻度を上げることで対策はできますが、真夏の時期は毎日2回(朝と夕方)、水やりをする必要が出てくることも・・・。
水やりの作業が面倒だと思うひとには、スリット鉢の“乾きやすい”という性質は、短所になります。
短所⑤:害虫が入ってくる
側面のスリットから、「ナメクジ」や「ダンゴムシ」などの害虫が鉢内に侵入してくることもあります。
実際に、自宅で「スリット鉢」に植えている鉢内に、何度かスリットから害虫が侵入する瞬間を目撃したことがあります。
一度侵入されてしまうと、なかなか対応がむずかしい・・・。
「ナメクジ」や「ダンゴムシ」は、一見かわいい見た目をしていますが、園芸を趣味にしているひとからすると害虫の扱いになり、植物の根などを食べてしまうことも。
植物は根を食べられてしまうと、水を吸い上げることに支障が出てしまうので、害虫対策は重要です。
害虫が気になる場合には、スリット鉢の効果を半減させてしまうことになりますが、園芸用ネットをスリットの内側から設置することで対策ができます。
「ナメクジ」や「ダンゴムシ」ではありませんが、「コバエ」対策についても、別の記事で書いています。
短所⑥:地面に根がもぐっていく
これは一般的な鉢でも起こりえる現象ですが、「スリット鉢」を土の上に直接置いておくと、「スリット鉢」からでてきた根がそのまま地面のなかに潜っていくことがあります。
植物のなかにはあまり光を嫌うことのない根を伸ばす植物もいるので、そのような事態になるケースもありますが、スリット部分が日陰になっていないか今一度確認し、植物の変化を見逃さないように、日ごろから植物を観察することが重要です。
また、植物の根がスリット部分を覆いつくすように成長してしまうと、「スリット鉢」本来の力を発揮することができません。
スリット部分を覆いつくしてしまっている場合には、植え替えをして根を整理することや、ひと回り大きな鉢に植え替えをする「鉢増し」をすることで対処できるので、やはり、同じように日々の観察は怠らないようにしましょう!
スリット鉢の使用上の注意点
「スリット鉢」を使用する場合には、必ずこうしなければいけないというものではありませんが、下記のように使用していくことで、本来の力を発揮しやすくなります。
鉢底ネットや鉢底石は使用しない
鉢底ネットや鉢底石は、スリットの効果を半減させてしまうことになります。
「スリット鉢」は鉢の底の方まで根が張れるように設計されていますが、鉢底石が敷かれていると、植物の根が鉢底の方まで張れなくなり、スペースの有効活用という特長を発揮することができません。
「スリット鉢」を使用する場合には、多少用土がこぼれてしまうこととなりますが、鉢底ネットや鉢底石は併用しないことが基本的な使用方法となります。
排水性や通気性は充分に考えられてつくられている鉢なので、鉢底の方まで園芸用土を入れることで、植物が健康的に育てる環境をつくり出せることができるでしょう。
鉢カバーは使用しない・近くにものを置かない
美観性の向上させてくれる存在として、「鉢カバー」の存在があります。
植物を育てている鉢を、鉢カバーの中にそのまま入れるだけで、植物が華やかなものに!
美観的に魅力的な鉢カバーですが、「スリット鉢」を鉢カバーに入れてしまうと、スリット部分を日陰にしてしまう要因となるので、「スリット鉢」の効果を最大限に引き出すことができなくなります。
スリット部分はできるだけ明るく保つことが、「スリット鉢」の基本的な使用方法となります。
普通の鉢を使用していたとしても、鉢カバーを併用すると通気性を妨害してしまうので、育成面では好まれないケースが多いです。
「美観」を重視しているわけではなく、「育成面」を重視するのであれば、スリット鉢と鉢カバーを併用するのはオススメできません。
また、同様の理由で「スリット鉢」から近すぎる位置にものを置いてしまうと、スリット部分が日陰になってしまうので、なるべく周囲に置いてあるものとの距離を空けるようにしましょう。
近くにものを置かないことで、“根のサークリング現象を防ぐ”という本来の特長をいかして、植物を育てることができます。
スリットから雑草が生えてきた場合はすぐに抜く
スリット部分は、用土がむき出しの状態となります。
そのため、風に乗って運ばれてきた雑草のたねがスリット部分で発芽し、芽が出てくるケースもあります。
雑草の生命力はものすごい・・・!
もし、スリット部分からほかの植物の芽がでてきたら、その雑草が邪魔して光が鉢内に入ってこなくなってしまうのですぐに抜いてしまいましょう。
子株をだす植物は、ランナーという茎の部分を伸ばし、スリット部分から子株が出してくることもあります。
もし株数を増やしたい植物であるならば、すぐに抜いてしまうのではなく、外せる大きさになってから親株から外しても良いと思います。
根が出てきたら環境を変える
通常、植物の根は明るい光を感じると成長をとめますが、植物の品種によっては明るい光や空気を感じても構わずに根を成長させる植物もいます。
いずれにしても、スリットから根がでてくると、いずれ抜けなくなり植物の根をバッサリ切るかスリット鉢を壊す必要がでてくるので、そうなってしまう前に、早めに日のよくあたる場所に移動させるか、または植え替えをするなど、なるべく早めに環境を変えてあげましょう。
おすすめのスリット鉢
街なかで見かけた「スリット鉢」や、わたしがいつも使用している「スリット鉢」そしてスリット鉢にあわせて使用することのできるアイテムをいくつかご紹介します!
Seria(セリア)のスリット鉢
先日、100円ショップのSeria(セリア)に行ったところ、モスグリーン色ではない「スリット鉢」が並んでいたので、ご紹介します!
Seria産の「スリット鉢」は下記のモノです!
カタチはよく見かける8角形のタイプで、スリットも同じく8個開いています!
わたしが行った店舗には3サイズ置かれていて、色は写真におさめたグレイ以外にも、クリーム色と茶色のカラーバリエーションがありました!
わたしは、今回はじめて見かけましたが、以前からあったのでしょうか。
機能的にも優れているし、使用しやすいカラーバリエーションなので、これはおすすめできるアイテムといえますね!
100円ショップに置いてあるので、なにかのついでに入手しやすい点もありがたいです!
プレステラ
わたしは育てている植物の8割以上をスリット鉢に植えていて、スリット鉢の中でも特に「プレステラ」という植木鉢を気に入って使用しています!
黒い見た目が割がカッコイイ植物に合わせやすく、販売価格も100円ショップに負けず劣らずのお手頃価格です。
ガーデニングショップや、ホームセンターに行くと取り扱いがあり、Amazonなどでも入手可能です。
腰水用のケース
そして、もうひとつ!
プレステラの90というサイズで水が切れないように水をためて鉢をつけておく「腰水(こしみず)」をするときに、ジャストフィットするケースが100均で売られているので、あわせてご紹介します!
園芸コーナーに置いているモノではなく、キッチンコーナーにあり、植物にハマっているひとのなかではちょっとした話題になっている商品です!
2つで110円という商品ですが、実際にプレステラ90を入れてみると、ジャストサイズなのがよく分かります!
特に、植物をタネから育てる「実生(みしょう)」をするときや、根のない植物に根をだしてもらう「発根管理」のときに重宝されるアイテムのひとつといえるでしょう!
このケースはほかにもいくつかサイズがありますが、使い方を工夫すれば、なにかと園芸にも用いることのできる便利なグッズです!!
まとめ
本記事では、「スリット鉢」の特長や短所、使用方法の注意点などをご紹介しました!
インテリアのひとつとして楽しむのであれば、見た目の気に入った植木鉢を購入するのがもっとも良いかと思いますが、植物をグングン成長していく姿を見るのは、とても楽しいことです!
実際に育成重視の鉢で育ててみると、「植木鉢ひとつで植物の成長はここまで変わるのか!!」
と思い知らされることにも。
是非、最適な植木鉢を見つけて、今以上に植物ライフを楽しんでいけたらいいと思います!
以上です!
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