植物を枯らさないために
植物は、“インテリア性の高い生きもの”という特殊な立ち位置にいます!
日本人がインテリア性を期待してお迎えする生きものには、ほかに観賞用の熱帯魚や、豪邸であればお庭の池を優雅に泳ぐ色とりどりのコイなんかも、同じ立ち位置にいるのかもしれません!
熱帯魚やコイを自宅などにお迎えするのであれば、水温は何度に保たないといけないのか。などの情報を事前に調べるのではないでしょうか!?
また、犬や猫、小動物などのペットをお迎えするときにも、下記のように事前にいろいろな情報を収集すると思います!
- エサは、なにを食べるのか!?
- エサ代や、その他に毎月発生する費用はいくらぐらいかかるのか!?
- どこに小屋(ゲージ)を置くのか!?
- 暑さや寒さには強いのか!?
- 成長したら大きくなるのか!?
- 臭いはするのか!? 等々
ペットのことはいろいろと調べるのに、植物のことはなにも知らずに、そしてあまり多くのことを確認せずにお迎えすることもあるかと思います。
特に、100円ショップや3COINS(スリーコインズ)などの植物は、その販売価格での手頃さゆえ、植物の性質などはほとんど調べないことの方が多いのが現実です。
植物は、周囲を彩るインテリアのひとつにもなり得ますが、”ペットと同じ生き物”です!
植物をお迎えするために、そしてお迎え後も一緒に暮らしていくために、お迎えする前に確認をしておくべきこと、そして対策についてまとめました!
本記事が、これから植物をお迎えをすることを検討中の方や、少しでも植物に興味がある方にとって、少しでも参考になればうれしいです!
購入を検討している植物について
まずは、実際に購入を検討中の植物に関する情報収集をしましょう!
植物のことを知らないと、なにも対策をすることができません。
できるかぎり多く正確な情報を、事前に収集しておきたいところです!
①植物の特徴を確認する
まずは「植物の特徴を確認する」ことから、はじめましょう!
サボテンなど、乾燥した環境が好きな植物は、水やりをまめにあげる必要はなく、肥料を与える場合もほかの植物と比べると少なめに与えた方が健康的に育つものです。
まめな性格な方だと、ついついこまめに面倒をみたくなり、結果として水や肥料を与えすぎてサボテンが体調を崩してしまうこともあり得ます。
逆に多くの水を求める植物を育てるには、短い周期で植物に水やりをすることが必要となり、サボテンと同じ周期で水やりをしていたら、最悪の場合枯らしてしまうこともあり得るでしょう。
必要とする水や肥料の量以外にも確認しておきたいポイントが、「耐寒性」、「耐暑性」、「耐陰性」の3つです!
- 「耐寒性(たいかんせい)」
- その植物が、どれだけの“寒さ”に耐えられるかをあらわしています。
- 「耐暑性(たいしょせい)」
- その植物が、どれだけの“暑さ”に耐えられるかをあらわしています。
- 「耐陰性(たいいんせい)」
- その植物が、暗い場所でも生きていけるのかをあらわしています。
以上の項目をチェックしておくことで、植物を育てるべき環境がイメージしやすくなるので、お迎えしたあとの育て方についても具体的に把握することがしやすくなります!
植物の品種は多岐にわたるので、その植物の情報をピンポイントに調べることができないことがあります。
その場合には、購入を検討している植物の「属」を調べて、同じ「属」にいる植物の情報を把握することは、最低限行いたいところ!
「属」よりも大きなグループに「科」がありますが、同じ「科」の植物には結構な数の品種数が存在するので、同じ「科」の情報は、そこまであてにしない方が良いでしょう。
ちなみに、植物への「水やり」については、下記の記事で詳しく書いているので、よろしければ参考にしてみてください!
②植物が植えられている用土を確認する
つづいて、確認したいポイントは「植物が植えられている園芸用土を確認する」ことです!
同じ品種の植物でも、生産農家さんや販売店さんによって使用されている用土の性質はだいぶ異なり、用土の乾き具合などが大きく違うもの。
用土の乾きやすさは、水やりの頻度や風通しなどで、ある程度の調整はできます!
長いあいだ店頭に並んでいた植物は、購入時にすでに用土が劣化していて水はけが悪くなっていたり、植物の成長に伴い鉢内が根でいっぱいになり詰まっている、いわゆる「根詰まり」を起こしていたりすることもあります。
そのような場合には、新しい用土に植え替えてあげることも必要となるでしょう。
植え替えは、春か秋の季節に行うのが望ましいので、植物をお迎えするのが夏のタイミングであれば秋を待ち、冬であれば春を待ってから行うのが望ましい対応となります。
用土の状況については把握しづらいと思うので、店員さんにどれぐらい用土が劣化しているのか、また植え替えの適期なのか聞いてみることをオススメします。
ガーデニングショップによっては、植え替えのサービスをしているところもあるので、あわせて検討してみてもいいかもしれませんね。
※植物によっては、そもそも園芸用土に植えられていない状態で売られていることもあります。
観葉植物や多肉植物には、下記の園芸用土がオススメです。
水はけがよく、害虫もわきづらい特徴を持っています。
③販売価格を確認する
ひとによっては、一番最初に目に留まる内容かもしれませんが、「販売価格を確認する」ことも重要なチェックポイントです!
販売価格が高い植物には、かっこいい(orかわいい)植物が多く、ついつい欲しくなってしまうものです!
ただし、最初に買った★万円の植物を枯らしてしまった・・・
なんてことになったら、次に植物を迎えることに、かなりの抵抗感が出てきてしまうもの。
いきなり高価な植物には手を出さず、ある程度の価格帯の植物で慣れてきたら、チャレンジすることをオススメします!
また、100円ショップやフリマアプリ、オークションサイトなど、植物を安く入手できる方法はいくつも存在します。
一番最初にお迎えする先は、プロの生産農家さん、そしてプロの販売者さんが育ててきた、ガーデニングショップが良いでしょう。
100円ショップなどと比べると多少金額は高いものになりますが、植物をお迎えしたあとのことを考えると、枯らしてしまう可能性を下げることができます。
④植物が成長した姿を確認する
「植物が成長した姿を確認する」ことも、事前に確認しておきたいところ。
植物を置く場所に、広いスペースを確保できれば心配する必要はありませんが、一般的にスペースには限りがあるものです。
そのため、成長すると巨大化する植物なのか、成長しても比較的コンパクトのままなのか。成長速度はどれぐらいなのか。という点も事前に確認をしておきたいところです!
たとえば、「モンステラ」というつる性の観葉植物は、上というよりも横に大きく成長していきます!
実際に植物園で出逢った「モンステラ」は、想像以上の大きさに成長していました。
存在感のある植物を置きたい方にとっては、大きく成長する植物が向いていますが、限られたスペースでコンパクトに育てたい方にとっては、大きく成長した場合にどこに置けばいいのか、置き場所に悩んでしまうことになりかねません。
植物が巨大化してしまう場合は、枝葉を切り落とす「剪定」をして大きく成長させ過ぎないことや、挿し木にチャレンジしてコンパクトサイズに戻すなど、植物との上手な付き合い方を探していく必要がでてくるでしょう。
植木鉢で植物を育てる場合には、鉢のサイズを大きくしないことで、植物の根の成育できるスペースを制限することでも対策ができます。
植物を置く場所の環境について
つづいて、「植物を置く場所の環境」について!
植物をお迎えするときには、置き場所がすでに決まっていることも多いと思いますが、植物を置く場所を決めたら、その場所の環境を確認していきます!
具体的に確認するべき内容は、下記の内容になります。
⑤日当たりを確認する
置き場所について、まずは「日当たり」がどれぐらいあるのかを確認しましょう!
家の中をあらためて見渡してみると、窓からお日様の光がサンサンと差し込んでいる場所もあれば、物置などの陰になっている場所もあり、同じ室内でも「日当たり」にはかなりの差があることが分かります!
また、ひとの目ではすごく明るく見える室内であっても、窓ガラスを通っているだけで光の量は意外と落ちています。
また、紫外線をカットする窓ガラスもありますが、植物にとって多少の紫外線を浴びることは、エネルギーをつくり出すために必要なもの。
日当たりのよい環境を好む品種や比較的暗い環境を好む品種など、植物によっても求める光の量はまったく異なってくるものです。
植物を健康的に育てるためには、必ずしも直射日光が当たるような日当たりの良い環境で育てるのではなく、植物が自生している本来の環境を提供してあげることが重要になります!
そのため、まずは植物を置こうと考えている場所の「日当たり」を把握することが大事です!
もしもお日様が好きな植物を暗い場所で育てたいのであれば、お日様の出ている時間帯は日当たりのよい場所に移動することや、植物育成用のLEDライトを購入し、設置することも検討が必要になってくるでしょう。
逆に、日当たりのよい場所で暗い環境が好きな植物を育てる場合には、遮光ネットの使用や、室内にレースのカーテンが設置されていないのであれば、レースのカーテンを新設してあげることで、日当たり面の対策となります。
⑥風通しを確認する
つづいて、確認したいポイントは「風通し」です!
植物が健康的に生きていくためには、日当たりだけではなく「適度な風通し」も必要となります。
風通しの悪い環境では植物が植わっている土が乾きづらい状況となり、植物が枯れてしまう原因のひとつである“根腐れ”を起こしやすい状況に。
また、植物が“呼吸”をする際にも風通しは重要な要素となります。
日当たりについては把握しているひとも多いですが、風通しに関しては、気にしていないひとが多いものです!
前提として、自然界には無風な状況はなかなか存在しない環境であり、風の強さに差はあっても空気は流れているものです。
ところが、ひとがつくり出した建物の中では、空気の流れがほとんどない状況がつくり出されることもあり、自然界とのギャップが生じてしまうことがあります。
特に、最近の建物は省エネルギー化のために“気密性”が高い建物が多く、より一層空気の流れが少なくなっているものです。
植物のすぐ近くを頻繁にひとが通るのか、ひとが近くを通ることがほとんど無いのかなどによっても、風通し(空気の流れ)に影響が出ます。
逆に強すぎる風が直接植物に当たりつづけていると、植物が過度に乾燥してしまい、それはそれで植物にとってはよくありません。
植物を置く場所に、適度な風通しがあるのか確認しましょう!!
空気の流れがほとんどない場所に植物を置く場合には、サーキュレーターなどで空気を循環させる対策も検討が必要となってきます!
このときには、サーキュレーターの風を直接当てるのではなく、植物の周辺に空気の流れをつくることで、健康的な成長へとつなげることができます。
また、エアコンを使用しなくても生活できる季節であれば、窓を開けているだけで、自然の中の空気の流れを再現することができるので、植物と一緒に屋外の心地よい風を感じてみましょう。
⑦温度や湿度を確認する
さいごに、植物の置き場所で確認をしておくべきことは「温度」と「湿度」です。
理由は、植物は自生地の環境にすこしでも近づける必要があること。
観葉植物の多くは、最低気温がひと桁にならないような暖かい環境で、かつ湿度の高い環境で暮らしています。
また、多肉植物は品種によりますが、最低気温はひと桁になっても、日本と比べて降水量が半分程度の乾燥した環境で、日本の梅雨のように蒸し暑い季節がない環境で暮らしています。
最低気温が10℃未満にならない地域や、最高気温が30℃以上にならない地域で自生している植物にとっては、日本の寒暖差のある温度変化はとてもハードな環境です。
温度に対しては日当たりや風通し、水やりの面である程度の対策はできますが、過度に自生地と気温差が生じる季節には温度自体を調整する必要性も出てくるでしょう。
また「湿度」ついては、多肉植物を屋外で育てる場合に雨が当たらず風通しの良い場所に置くことで、すこしでも多湿の状況を回避したり、逆に観葉植物が乾燥してしまう場合には、葉に霧吹きで水をかける「葉水」を与えることで、乾燥対策となります。
まずは季節ごとに変化する「温度」、そして「湿度」を把握しておきましょう!
観葉植物の葉水に使用できるスタイリッシュな霧吹きは、100円ショップでも買うことができます!
詳しくは下記の記事で書いているので、ご興味があれば読んでみてください!
まとめ
以上、今回は植物のお迎え前に確認しておくべき7つの項目について、ご紹介しました!
冷暖房設備や、サーキュレーターなどで人工的に植物に適した環境をつくることもできるので、気に入った植物を見つけたら、直観を大事にしてもいいと思います!
記事の中でも触れましたが、植物の育て方を店員さんに確認できるため、一番最初に植物をお迎えするのであれば、なるべくガーデニングショップで購入した方がよいと思います!
これまで植物を育てたことがない方も、過去に植物を枯らしてしまった方も、是非生活に緑を取り入れてみませんか!?
生活にメリハリができ、季節感を感じることができ、元気を分け与えてくれるかもしれません!
どうしても生きている植物を育てていく自信がない場合には、フェイクグリーンを生活に取り入れるという選択肢もでてくるかもしれませんね。
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