Greenな肌をもつ塊根植物
アデニア・グラウカの基本データ
原産地:南アフリカ(リンポポ州)、ボツワナ共和国
科・属:トケイソウ科 アデニア属
学 名:Adenia glauca(アデニア グラウカ)
別 名:幻蝶かずら(ゲンチョウカズラ)
緑色の肌をもつ塊根植物こと「アデニア・グラウカ」は、人気のある塊根植物の仲間。
塊根植物とは、植物の“根”を肥大させる植物の総称です。
「アデニア・グラウカ」の魅力のひとつに、“丸々と大きくさせた塊根部分から、複数の枝を伸ばして葉を展開させる”というユニークな見た目があげられます!
普通に育てていると枝が1本だけ伸びていき、冬には展開していた葉を落葉しても、暖かくなれば同じ枝から葉を展開させていきます。
そのままの状態で数年も育てていると、年々長くなった枝からつる状の“巻きひげ”が出てきて、周囲で育てている植物に巻き付いたり、周辺に置いてあるモノに絡まったりと、不都合がでてくることもあります。
そんな、つる性の植物という顔を持ち合わせている「アデニア・グラウカ」を、きれいな見た目に維持できるのが、枝を切り落とす“剪定”という園芸作業です!
カワイイ見た目を維持していくためにも、剪定は「アデニア・グラウカ」にとって重要なお世話のひとつです!
本記事では、今回は「アデニア・グラウカ」の剪定について、ご紹介しています!
「アデニア・グラウカ」の成長記録や、成育環境などについては、下記の記事で書いています
強剪定の注意点
まず最初に、注意点について。
強剪定を行う際の注意点は、下記の4つです。
- ①:剪定時に使用する刃物は、必ず消毒してから使用をする
- ②:植物同士の病気感染を防ぐために、複数の株の剪定をする場合には、剪定のたびに刃物を消毒する
- ③:剪定後は、「アデニア・グラウカ」の切り口を殺菌する
- ④:手指を切らないように、刃物の取り扱いにはご注意を!
アデニア・グラウカの強剪定・剪定後の経過
ここから、実際に「アデニア・グラウカ」を剪定する作業に入っていきます。
植物の不要な枝葉や幹を切り落とし、風通しを良くすることもできますが、「アデニア・グラウカ」にとっての剪定は、樹形を整えることが主な理由です。
枝先を剪定するだけではなく、思い切って、枝や幹を短く切り詰めることを“強剪定”といいます。
2023年5月5日(May 5, 2023)
まずは、強剪定をする前の「アデニア・グラウカ」の様子です。
今回は、こちらの4株の強剪定をすることに!
「アデニア・グラウカ」は、寒い季節に差しかかると厳しい寒さから身を守るために葉を落とし休眠状態に入り、暖かい季節を迎えると新しく葉を展開させる植物。
上の写真に映っている一番左の「アデニア・グラウカ」は、暖かい季節に入る前から休眠状態から目覚めていて、このタイミングでは1m程度まで枝を伸ばし、なんだかすごい状態に・・・。
強剪定をすると、幹の複数の箇所から枝を伸ばしていくようですが、今のところ自宅で育てている「アデニア・グラウカ」の伸ばす枝は1本のみ。
お迎えしてからは毎年のように強剪定はしているのですが、複数の枝を伸ばしはじめるのは、ある程度成育が進んだ株のようです。
用意するもの
強剪定にあたっては、下記のものがあるといいでしょう!
- カッターor包丁(園芸用バサミでも可)
- 切れ味のよいものがベストです
- ライター等
- 刃物を消毒するのに使用します
- 消毒剤・癒合剤(ゆごうざい)
- 必須ではありませんが、傷口に使用します。
強剪定作業
そしていざ、強剪定です!
強剪定といっても、「アデニア・グラウカ」は幹がものすごく硬いわけではないので、植木鉢に植わっている状態でも剪定がしやすい植物といえます。
選定方法はいたって簡単!
「アデニア・グラウカ」の幹を、根元の方から平行にスパッと切るだけです!
断面をきれいにできることで、植物へのダメージを最小限に抑えられるので、スパッと切ることが重要です。
強剪定にあたり園芸用バサミを使用すると、幹が太い株には対応しきれない場合があるので、カッターや包丁があれば望ましいでしょう。
今回は、100円ショップで購入したカッターを使用しましたが、きれいに切れました!
この使用する刃物は、必ずライナーの火であぶるなどして、消毒を済ませたものを使用します!
わたしはこの後、剪定をした断面に、スプレータイプの消毒剤を吹きかけています。
また、剪定した断面から菌が入り込むのを防ぐために、癒合剤があれば使用した方がいいでしょう。
どの位置を剪定すればよいのか。という点に関してはひとそれぞれ好みがあると思いますが、個人的には塊根部分から1cm~2cm上の位置で剪定することで、自分好みのカタチになります!
もっとも太い塊根部分を剪定するのは株にとってもダメージが大きいですが、かなり下の方から剪定しても、何ごともなかったかのように新しい枝を伸ばしていくので、ある程度は見た目の好みで剪定位置を決めて良いと思います。
日ごろから愛情をもってお世話をしている植物に刃物を入れていく作業は、結構な度胸が必要となり、心が痛むもの。
ですが、一度強剪定を経験し、剪定後に「アデニア・グラウカ」が枝を伸ばしていく姿を見れば、2年目以降は意外とためらうことなく剪定作業ができます!
ちなみに、今回の剪定後に、使用した殺菌剤は下記のものです。
筆で塗るタイプもありますが、簡単に使用できるのはスプレータイプです。
2023年5月19日(May 19, 2023)
強剪定を行ってから、ちょうど2週間が経過しました。
切断をした幹の断面の脇の方から、小さい葉のような出はじめました!
写真のちょうど中央分の緑色のちょっとした膨らみが、新しく枝葉になる部分です!
2023年5月28日(May 28, 2023)
小さな葉が確認できてから、約1週間が経過しました。
葉が伸びてきて、だいぶ「アデニア・グラウカ」らしい見た目になってきています!
強剪定を行う前に伸ばしていた枝は1本だけでしたが、2か所から枝を伸ばし始めています!
葉が出はじめてからは、あっという間に枝葉を成長させていくのが、「アデニア・グラウカ」の特徴です。
強剪定を実施する望ましい時期
今回、強剪定を行ったタイミングは「アデニア・グラウカ」が枝葉を旺盛に展開させてからでしたが、株へのダメージを考えると少し遅めです。
自宅の環境では2~3月ごろがベストだと感じていますが、それは育てている地域にもよるので、一概にいえません。
ベストなタイミングは●月というよりも、休眠状態から目覚める1~2か月ぐらい前が望ましいでしょう。
剪定をしたら、その後は毎日のように株の様子が気になってしまう場合には、少し遅めなタイミングであったとしても、株に動きがあってから剪定をした方が、剪定をしたあとに早く動き出してくれる分、メンタル的に楽かもしれません。
まとめ
「アデニア・グラウカ」、土を選ばない強い植物です!
これまでいろいろな培養土に植えてきましたが、これまで調子を崩すこともなく、良い意味で植えている土によって成育速度にも大きな差が出ていません。
多肉植物用の土だけではなく、観葉植物の土に植えられる多肉植物として、非常に育てやすい特徴をもっています。
毎年の剪定を繰り返すことで、お気に入りの「アデニア・グラウカ」の樹形を手に入れることができるでしょう。
本記事では、「アデニア・グラウカ」の“強剪定”について、ご紹介しました!
是非、ひとつの参考としていただければ嬉しいです!
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