室内のスペースを取らずに寒さをしのぐミニ温室
ホームセンターや、ガーデニングショップで取り扱いのある「簡易ビニールハウス」。
簡易ビニールハウスはインターネットでも購入することができるので、容易に入手可能なガーデニンググッズの一つですが、物によってはサイズも大きく、一度購入すると長いあいだ使うことになります。
簡易ビニールハウスの特徴を知ったうえで、購入の検討ができるように簡易ビニールハウスの特徴をまとめました!
![](https://midori-no-nikki.com/wp-content/uploads/2024/02/簡易ビニールハウス-768x1024.jpg)
- 簡易ビニールハウスの長所と短所は!?
- すぐ壊れそうだけど、耐久性はどれぐらいあるの!?
- 簡易ビニールハウスを使用すれば、植物が寒い冬を乗り越えることができるの!?
- 数ある管理ビニールハウスの中で、結局どれがよいの!?
本記事を読むことで、そのような疑問を解消できます!
簡易ビニールハウスとは!?
簡易ビニールハウスは、専用のビニールでガーデンラックなどを覆うことにより、保温性を確保できる“ミニ温室”です。
ビニールを通して太陽の光がハウス内に入ってくるので、日照時間が短い季節でも一定の光量が確保できる点も特徴として挙げられます。
暖かい季節は簡易ビニールハウス内の温度が高くなり過ぎてしまうことから、家庭での園芸では主に冬の間だけ使用され、春から秋までの暖かい季節にはビニールを外して、普通のガーデンラックとして使用されることが多いです。
ビニールを開放する前提ですが、梅雨時の雨除けグッズとしてもアリだと思います。
ビニールにはチャックが付いているので、保温効果を高めたい場合にはチャックを閉め切り、植物への水やりをするときや、晴天時にはチャックを開けて使用することができます。
続けて、具体的な長所や短所などについて触れていきます。
簡易ビニールハウスの長所
簡易ビニールハウスの長所は次の4点です。
- 寒さ対策
- 光量の確保
- スペースの確保
- 防虫
寒さ対策
ビニールハウスは、「太陽の熱をビニール越しにハウス内に取り込み、取り込んだ熱を逃がさない」ことでハウス内を暖かくすることができます。
また、単にハウス内の温度を上げることだけではなく、「雨風」や植物の大敵である「霜」や「雪」も防ぐことのできるので、ハウス内の温度以外の面からも耐寒性(寒さに耐えられる力)を上げることに長けています。
植物は体内に溜めている水が少なくなると、寒さへの耐性が増すので、極力水やりを控えることで植物が備えている耐寒性を上げることができます。
雨水によって余計な水が植物にあたらないことで、植物に与える水を最小限に調整できるため、雨の面からも寒さ対策になります。
さらに、風の面においても同様のことがいえます。
風速1メートルの中だと、体感温度は1℃下がるといわれていますが、それは植物にとっても同じことがいえます。
ハウス内は空気の流れが全くないわけではないですが、強風などを遮ることができるので、冷たい風が植物に直接あたることを軽減できる点も簡易ビニールハウスの長所といえます。
光量の確保
ビニール越しの光になるので直射日光と比べると多少の光量は落ちるものの、簡易ビニールハウスには、なかなか光量を確保するのが難しい寒い季節でも、植物に光をあてることができる特徴があります。
人工的な植物育成用LEDを使用せずに、自然の力で育成することができるのは簡易ビニールハウスの2つ目の長所です。
収納スペース
これは、簡易ビニールハウスというよりはガーデンラックの説明となりますが、多段式の簡易ビニールハウスの場合には収納スペースが向上します。
植物だけではなく用土や使っていない鉢も収納しておくことができるのは、長所となります!
防虫
寒い季節には過剰に心配する必要はありませんが、簡易ビニールハウスの中に植物を入れている状態では、虫にとっては「ビニールの壁」を突破しないと植物にたどり着けないため、害虫による被害をおさえることもできます。
簡易ビニールハウスの短所
簡易ビニールハウスには、長所だけではなく短所も3点あります。
- 急激な温度変化
- ハウス内の気温が天候に左右され
- ビニール自体はワンシーズで消耗する
急激な温度変化
生産農家が使用する大型のビニールハウスであれば、日中暖まった気温が夜の間もある程度維持することができます。
日中の温度も緩やかに上昇し、夜間も徐々に気温が低下していくため、急激な温度変化が起こりづらいですが、簡易ビニールハウスの場合には、狭い空間なので日中に暖まった空気を維持する力はほとんどありません。
ビニールを閉め切った状態だと日中はハウス内の温度がドンドン上昇していき、夜になれば冷え込むという「急激な温度変化」は簡易ビニールハウスの短所になります。
ハウス内の気温が天候に左右される
簡易ビニールハウスは、太陽の力を借りて初めて保温効果を発揮します。
そのため、曇りや雨の日には晴れの日と比べるとハウス内の温度がそこまで上がらないので、日によって違いがでるのは短所といえます。
また、季節によって太陽のあたる場所や時間は徐々に変化していきます。
冬の間にはそこまで日があたっていなかった場所が、2か月後には西日がガンガンあたる場所に変わってしまう。
ということはよくあることです。
太陽があたりすぎると、ハウス内の温度が上がりすぎてしまうため、ハウスの出入り口を開ける必要があります。
天候に左右される点も、簡易ビニールハウスの短所といえます。
ビニールはワンシーズで消耗する
簡易ビニールハウスのビニールは「太陽の光を通す」という重要な役割があるために分厚くはなく、それほど強固なものではありません。
毎日雨風にあたる中で徐々に劣化していくので、“シーズンをまたいだ使用は無理”だと考えた方がよいです。
うちの環境では、6か月ぐらいでビニールが破けてしまいます。
そこまで高い金額ではないものの、毎年買い替える“維持コスト”を支払っていかないと、簡易ビニールハウス本来の力を発揮することができないことは念頭に置いた方がよいです。
「消耗」はビニールに限った話ですので、植物を置くラック自体は過度に劣化を気にする必要はありません。
簡易ビニールハウスの有効な使い方
簡易ビニールハウスの組み立ては容易なので、一人でも組み立てることができます。
ラックを組み立てたあとには、ビニールをラックに固定して完成ですが、ここでひと手間をかけることが重要です!
それは、重いものを乗せて強風などに左右されないようにすること。
プラスチック製なので軽いという点は、簡易ビニールハウスの長所でもあり短所でもあります。
以前は使わなくなったバーベルを置いていましたが、今は植物の土を一番下の段に入れています。
この手間をかけると、台風などの環境でも転倒しづらいミニ温室へと生まれ変わります!
![](https://midori-no-nikki.com/wp-content/uploads/2024/02/簡易ビニールハウス①-768x1024.jpg)
また、ビニールには土やほこりなどの汚れが付着するので、2~3か月に1回は汚れをふき取ります。
日当たりがよい環境
簡易ビニールハウスを上手く活用していくためには、日中の暑さ対策も必須となります
特に気温が上がり、太陽の力も強い正午前後の時間帯に直射日光が何時間もあたる場所では、朝ビニールを開放状態として空気の循環をつくる必要があります。
「天気予報では曇りだったからビニールハウスを開放しなかったけど、予報が外れて晴れた」なんてことになれば、植物へのダメージにつながってしまう可能性があるので、よっぽど寒い日や雨、雪の日を除いて朝はビニールを開けることを日課にするぐらいでちょうど良いと思います。
夕方以降、またビニールハウスを閉め切って夜の厳しい寒さに備えましょう。
日当たりがそこまでよくない環境
朝1~2時間だけ日が場所に置いている場合には、これまでの経験上、特に気にする必要はありません。
以前にそのような環境で育てていて、水やりのとき以外にはハウスを閉め切っていましたが、植物に対して実害が出ませんでした。
植物が寒さに耐えられる温度は!?
簡易ビニールハウスの特徴を踏まえた上で、そもそも植物の耐寒温度(何度の寒さまで耐えることができるのか)はどれぐらいなのか!?
結論として、それぞれの植物によって違うということになってしまいますが、耐寒温度の一般的な指標として。
- 夏型の多肉植物:10℃程度
- 冬型の多肉植物:5℃程度
- 比較的、寒さに強い植物:0℃程度
- 観葉植物:10℃程度
最低気温が3~5℃以下になる地域では、耐寒温度が10℃程度の「夏型の多肉植物」と「観葉植物」を、簡易ビニールハウスで育てることは難しいです。
理由は、夜の間の低気温を乗り越えるのが高いハードルとなってしまうからです。
生産農家さんなどのプロの方は3℃まで下がるビニールハウス内で、耐寒気温が10℃程度とされる植物を育てていることもありますが、それは「植物に関しての確固とした専門知識」と「何千、何万という株をこれまで育成してきた経験値」が組み合わさった結果です。
最低気温が0~5℃程度の地域であれば、「冬型の多肉植物」「比較的、寒さに強い植物」は冬の間に簡易ビニールハウス内で育てることも可能になります。
どの簡易ビニールハウスがよい!?
ビニールハウスを置くことのできるスペースにもよりますが、実際に数年にわたり簡易ビニールハウスを使用してきて感じていることは、下記の通りです。
- ハウス自体は軽量なので、重さ対策は必須
- 「スリム化されたタイプ」はバランスが悪くなるため、できれば避けたい
- ビニールは毎年新しいものに取り換える必要があるため、メジャーなところから購入した方がその後の維持管理の面で安心
参考に、私はタカショーさんの3段式を簡易ビニールハウスを使用しています。
タカショーさんは歴史もあり、園芸業界で有名な会社なので、継続してビニールを購入できると考えて購入しました。
ビニールはお手製でも作れなくはないと思いますが、専用のものを購入すればちっきり収まるし、何よりもラクです!
2段式や4段式もあるので、自分が育てている植物の数に応じて、どの簡易ビニールハウスにするか決めていきます。
まとめ
簡易ビニールハウスはあまり放置しておくことはできず、ビニールの開け閉めなどの手間がかかるのは事実です。
最も注意しなくてはいけないのが、春に暖かくなってきたタイミングで冬と同じ環境で育てていると、ハウス内の植物が暑さにやられてしまうことにもなるので、スペースがあるなら冬の間は室内に取り込むのが無難です。
使用方法によっては、植物愛好家の味方である「簡易ビニールハウス」。
是非、購入の検討をしている場合には参考にしていただけると嬉しいです!
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