アガベを増やす方法「胴切り」に挑戦!~望ましい時期や具体的な方法など~

Agaveを切って増やす

アガベを育てていると、お気に入りの株やレアな品種を増やしたくなることもあると思います!

お気に入りのアガベをたくさん育てている空間は、自慢げな空間になりますし、多肉植物の仲間がいれば、増やしたアガベをトレードすることもできるでしょう。

そんなアガベを増やす方法には、下記のような方法があります!

アガベを増やす方法
  • たねまき
  • 株分け
  • 胴切り
  • 縦割り
  • メリクロン

ほかの方法についても、今後記事にしていきたいところですが、本記事では「胴切り」のご紹介をしています!

是非、お気に入りの、そしてレアなアガベを増やしてみてはいかがでしょうか!?

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目次

「胴切り」の目的

「胴切り」を行う目的は、主にふたつあります!

胴切りを行う目的
  • アガベを増やすことができる
  • 崩れてしまったカタチを、仕立て直すことができる

「胴切り」を成功させることができれば、アガベを増やしたり、ひょろひょろな見た目に成長したアガベを仕立て直すこともできるでしょう。

特に、アガベを増やしたいときに、「胴切り」が用いられることが多いです!

「胴切り」とは

アガベの「胴切り」とは、アガベの成長点の下の部分を、真横から上下まっぷたつに切断することで、強制的にアガベの個体を増やす手法です。
上の部分(「天(てん)」と言います)は発根させて根付かせ、下に残った部分は成長点を失ったことから、子孫を残すために子株をいくつも出す(=増やすことができる)方法になるのです。

「胴切り」はアガベが強い生命力をもった植物だからこそ行える方法で、ほかの植物に同じことをしたら、ほとんどの植物は枯れてしまうことになるでしょう。

ただしいくら生命力の強いアガベであっても、胴切りの切断箇所や方法を誤ってしまうと、“天”は葉の根元の方からバラバラになり、下に残った方も子株を吹かずに、結果として大切なアガベを失ってしまうことにもなりかねません。

エケベリアやグラプトベリアなどの多肉植物であれば、葉が1枚あれば葉挿しをしてどんどん増やすことができますが、アガベは基本的に葉挿しは成功率がかなり低いので、葉が1枚ずつバラバラになってしまうのは危機的な状況に陥ってしまうことになります。

アガベを育てていると子株をつけてくれることが多いですが、品種によっては、数年間育てているのにひとつも子株をつけてくれない・・・!
そんなときに、有効な方法が「胴切り」となりえます。

一般的に、植物を増やしていく方法として「たねまき」をイメージされる場合も多いと思いますが、アガベは開花まで100年間かかるという意味から“センチュリー・プラント”といった別名をもっている植物。
自宅でアガベの開花後にたねを採って、そのたねを蒔くという方法が取りづらいアガベにとって、「胴切り」は有効な方法となるでしょう!

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「胴切り」の作業→「胴切り」後の経過

ここから、「胴切り」の作業に入っていきますが、まずは用意するものから!

用意するもの
  • ハサミ、カッター、包丁、テグスなど
    • アガベを切るときに使用します
  • ライターなど火が付けられるもの
    • 刃物を消毒するときに使用します
  • 消毒剤
    • 胴切りした切り口を消毒します
  • 園芸用手袋
    • なくてもなんとかなりますが、できれば分厚いものがベストです

刃物の消毒は、食器用洗剤などで洗うことでも大丈夫ですが、いずれにしても刃物の取り扱いには注意が必要です

2023年5月5日(May 5, 2023)

今回「胴切り」を行うのは、チタノタの姫厳竜(ひめげんりゅう)です!

この「胴切り」を行うのに適した季節は、春か秋の暖かい季節。
室内で20~25℃前後の暖かい気温をキープできるのであれば、季節を問わずに実施できますが、屋外で行うのであれば暖かい季節に行うことで、失敗するリスクを軽減させ、成功する可能性を上げることができるでしょう。

「胴切り」を行う前の姫厳竜が、下の写真です。

葉がひょろひょろに徒長しているわけではないですが、新しく展開させている上の葉が下の葉よりも大きいので、少し頭デッカチな見た目をしています。
アガベは鉢のサイズに成長していく特徴をもっているので、これまでよりも大きな鉢に植え替えをしたときに、上下間のバランスが崩れる現象が起こりやすいです。

チタノタ:姫厳竜の特徴
  • 姫厳竜(Agave titanota “Dwarf”)
    • 短い葉でコンパクトなサイズにまとまり、葉先や葉の縁の尖っている「鋸歯(きょし)」もイカツイため、チタノタの中でも、特に人気でメジャーな品種のひとつ

わたしが最初にお迎えしたチタノタも、この「姫厳竜」で、個人的に思い入れの強いアガベです。

テグス(釣り糸)を使用した胴切り

用意するものを揃えたら、「胴切り」の作業へ進んでいきます!

まずは、魚釣りに用いる「テグス(釣り糸)」を用いてチャレンジすることにしました!

こちらのテグスを使用します!

この「胴切り」は下に残ったアガベの葉の枚数だけ子株を吹くとされているので、「胴切り」をする位置が下すぎると、下に葉があまり残らない(=吹く子株の量が減る)ですが、逆に切る位置が上すぎると葉がバラバラになってしまいます。

そのため、胴切りをする高さは特に重要な要素に!

慎重にアガベを切る位置を見定めて、テグスを姫厳竜の葉の隙間を通していき、思い切り引っ張りました!

このときに素手でテグスをもって引っ張ると、テグスが手指に食い込んで痛いので、その辺に落ちていたペンにテグスを巻き付けて行いました。

その結果、「ブチッ」と音が!

ん!?
・・・どうやら姫厳竜ではなく、テグスの方が切れてしまったようです。
再挑戦しましたが、同じ結果に。

テグスも色々と太さがありますが、自宅にあったのは細いテグスだったようで、中途半端に姫厳竜を痛めてしまうだけの結果に・・・。

見づらいかもしれませんが、切れてしまったテグスです。

これ以上、自宅にあったテグスを用いた「胴切り」はむずかしいようなので、カッターでのチャレンジに切り替えました!

カッターを使用した胴切り

カッターを用いた「胴切り」の手順は、下記のような流れになります。

カッターでの胴切り手順
  • まずは、カッターを消毒します。
    • メジャーな方法は、ライターの火で消毒する方法ですが、食器用洗剤で洗ってもよいでしょう。
  • カッターを株の芯の方までグッと刺します。
    • 姫厳竜のすこし下の方から、若干斜め下に向かって刺していくイメージです
  • 芯の方までしっかりと刺せたら、グリグリと押し込んで、一旦カッターを抜きます。
  • 鉢を回転させて、違う角度から、同じく斜め下にカッターを入れていきます。
  • という作業を、何回か繰り返していきます。

実際の作業に入っていきます!

消毒済みのカッターをグッと刺していきます。

このとき、結構力を入れる必要があるので、姫厳竜の鋸歯で手をケガしないように注意しましょう
姫厳竜だけではなくアガベの鋸歯は鋭いので、誤って勢いよく刺さってしまったら、ケガにつながってしまうでしょう。
園芸用手袋を付けておくと、ケガするリスクを軽減させることができます。

鉢を回転して、このカッターを刺していき、すこしグリグリと押し込んでいく作業を続けていきます。

そして、鉢を回転させながら姫厳竜にカッターで切っていったところ、無事に切断することができました!
結果的に4箇所ぐらいから刺しこんで、ようやく「胴切り」の作業が完了しました。

テグスで失敗してしまった際に、葉先にキズ跡ができてしまいましたが、断面はきれいに「胴切り」できたと思います!

アガベはメキシコなどでは食用として用いられることもあり、テキーラの原材料としても用いられている植物。
「胴切り」をした直後には、アガベから野菜のような匂いがしてきたので、一部のアガベが食用になっていることが納得できました。

切断面を消毒用として、うちではベニカのスプレーを使用しています。
粉のタイプだと筆などで塗る必要がでてきますが、スプレータイプはかけるだけなので、ベニカではなくてもスプレータイプはオススメです。

“天”については、風通しのよい場所でしっかりと乾燥させてから、発根管理を行っていきます。
子株と比較すると、天は発根がしづらいです。
アガベの天の発根管理については、別の記事で書いているので、よろしければ参考にしてみてください!

そして下に残った部分ですが、成長点がまだ生きていると子株を出さないことがあるので、最後に成長点にグッと切れ込みを入れることで、成長点を完全に潰していきます。

結構奥の方まで、グッと押し込んでいきます。

子どものときに蚊にさされたあとに、刺されたところに爪で十字のあとをつけると、かゆみがおさまると聞いたことがあり、根拠もなく、よくやっていたのを思い出しました。

下の部分は子株をだすときに体力を必要とするので、今後も引き続き水やりをしていきますが、ジョウロなどで水やりをして切り口を濡らしてしまうと腐りの原因になるもの。
望ましい水やりの方法は、バケツなどに水をためて、鉢を水につけて鉢底から吸水させる「底面吸水」の方法がベストです!

底面給水については、下記の記事で詳しくご紹介しているので、参考にしてみてください。

2023年9月10日(September 10, 2023)

そして、「胴切り」を行ってから、約4か月が経過しました。

だいぶボロボロになってきましたが、それでも今付いているので4株目の子株を出しています!

“天”も4か月という長い期間がかかりましたが、無事に発根しました。

ほかにも同じ時期に何株かアガベを胴切りして、同じように切ったつもりですが、子を吹かなかった株もありました。
その違いは、個体差!?胴切りの技術!?
いくつかの要因が絡んでいそうですが、もっとも大きな要因は、胴切りをしたときのアガベの調子だと感じています。
根詰まりを起こしていたり、成長速度が鈍ったりしていた場合には、一度植え替えをするなどしてから、調子が上がってくるのを待った方が無難です。

まとめ

最後に、「胴切り」のポイントについて、あらためて確認をしておきます。

胴切りのポイント
  • 胴切りを行うなら、春か秋の季節がベスト!
  • テグスで行うのであれば、太いものを準備する!
  • 胴切りを行ったあとに、成長点を潰すと、より確実!
  • 胴切りに使用する刃物や、胴切りをしたアガベの断面には、消毒を忘れずに!
  • アガベが不調であれば、植え替えをして体調が戻ってからチャレンジ!

以上、今回はアガベの「胴切り」について、ご紹介した記事でした!

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