冬型の塊根植物「亀甲竜(キッコウリュウ)」の成長記録&育て方(更新中)

冬型のコーデックス

目次

亀甲竜(キッコウリュウ)の基本データ

育 て 易 さ:★★★☆☆(夏越しが、むずかしい)
成 長 速 度:★★★★☆
入手し易さ:★★★★★(株だけではなく、たねも入手しやすい)
耐 寒 性:★★★★☆(耐寒温度(目安):0~5℃)
耐 暑 性:★★☆☆☆

原産地:南アフリカ(ケープ州)
科・属:ヤマノイモ科・ディオスコレア属
学 名:Dioscorea elephantipes(ディオスコレア・エレファンティペス)
別 名:アフリカ亀甲竜、蔓亀草(ツルカメソウ)、Elephant’s foot(エレファント・フット)

スポンサーリンク

亀甲竜(キッコウリュウ)の成長記録

2020年10月ごろに、自宅でたねを蒔いた「亀甲竜(Dioscorea elephantipes)」の成長記録を付けていきます

植物をたねから育てることを「実生」(みしょう)と言い、「亀甲竜」は“きっこうりゅう”と読みます。

2023年1月2日(January 2, 2023)

自宅で発芽してから、すでに2年以上が経過している「亀甲竜」です。

今は最低気温は1~2℃ほどまで下がり、寒さがピークに達する季節ですが、元気がよさそう!
自宅のベランダで、青々とした葉を、勢いよく展開しています

茶色いクルミのような塊根部分(イモ)が、「亀甲竜」の最大の特徴です

たねから発芽したばかりのタイミングでは、この塊根部分は、プックリとかわいらしい見た目をしています。
今は、プックリとしていた塊根部分に、亀裂が入りはじめました!

亀甲竜は和名、学名は他にある

「亀甲竜」は「Dioscorea elephantipes」(ディオスコレア・エレファンティペス)という学名があります。
ただし、日本では「亀甲竜」という和名で呼ばれるのが一般的。

”亀”の”甲”羅に似た塊根部分をもち、”竜”のようにツルを伸ばしていくすがたが、「亀甲竜」という名前に、マッチしています!

(冬型)塊根植物の仲間

「亀甲竜」は、塊根(かいこん)植物と呼ばれる植物です。
塊根植物とは、根や茎を肥大させる植物のことを言い、「亀甲竜」が肥大させているのは“茎”の部分です。
肥大させた茎には、多くの水分を蓄えているので、乾燥した地域でも生き抜くことができます!

「亀甲竜」は、そのユニークなすがたが魅力的で、ファンが多い植物。
涼しい季節が好きな「冬型」の塊根植物の中では、ナンバーワンの人気を誇る品種と言えるでしょう!

成長期は、秋から春までの季節です。
秋から春までは旺盛に葉を展開しますが、夏は落葉し、休眠状態に入ります。

塊根植物は、「コーデックス」と呼ばれることもあります。

休眠期間が短い

植物は、“成長期”と“休眠期”の成長サイクルを繰り返し、成育する生き物。
塊根植物を寒暖差のある日本で育てると、1年のうちで5~6か月が休眠状態ということも、めずらしくありません。
他の塊根植物と比べると「亀甲竜」の休眠は短く、およそ2~3か月の休眠期間を経て、目を覚まします!

「亀甲竜」の植え替えの適期は休眠期なので、植え替えるのであれば、この2~3か月のあいだに行うのがベストです!

塊根部分が肥大する速度が早く、たねが入手しやすい

塊根植物は成長速度が遅い品種が多く、実生株として育てると、それなりのカタチに成長するまでには相当の期間を必要とします。
「亀甲竜」は、他の塊根植物と比較すると、塊根部分が肥大する速度が早い品種。

また、株が小さなうちからユニークなすがたをしているので、実生でも十分に楽しめる植物といえます

「亀甲竜」は、多肉植物のたねを扱っているショップであれば、販売されていることが多く、安価に入手できるのも特徴のひとつ。
多肉植物のたねの購入先は、下記の記事で詳しくご紹介しています。

“夏型”の「メキシコ亀甲竜」もいる

「亀甲竜」が所属しているディオスコレア属は、600種類以上の植物が存在するグループ。
「亀甲竜」にも、南アフリカに自生する“アフリカ亀甲竜”と、メキシコに自生する“メキシコ亀甲竜”が存在します。

アフリカ亀甲竜とメキシコ亀甲竜
  • アフリカ亀甲竜(ディオスコレア・エレファンティペス)
    • 本記事で取り上げている品種
    • 市場に出回っている多くの「亀甲竜」が、この“アフリカ亀甲竜”になる
    • 塊根部分の凹凸が激しい
  • メキシコ亀甲竜(ディオスコレア・メキシカーナ)
    • 市場には、そこまで多くの株数は出回っていない
    • 塊根部分は扁平で、凹凸は緩やか

「アフリカ亀甲竜」は凹凸が激し過ぎるので、本物の亀の甲羅に見た目が近いのは、「メキシコ亀甲竜」といえるでしょう!

亀甲竜は嫌光性(けんこうせい)種子

植物のたねには、「好光性(こうこうせい)種子」と「嫌光性(けんこうせい)種子」があります。

好光性種子と嫌光性種子
  • 好光性種子
    • “発芽スイッチ”に光が必要なたね
    • たねを蒔いたあと、たねの上に土をかける必要はない
  • 嫌光性種子
    • 光が当たると、うまく発芽できない
    • ほとんどの品種が、嫌光性種子
    • 暗発芽(あんはつが)種子とも呼ばれる

「亀甲竜」のたねは“嫌光性種子”とされています。

たねを蒔くときは、発芽を促すためにたねに土をかぶせたり、暗い場所で発芽を促すことで、発芽率をUPさせることができるでしょう

支柱があると育てやすい

「亀甲竜」は、つる性の多肉植物。
成長期には旺盛につるを伸ばすので、つるの対策が必須です。
自宅では支柱を設置しているので、周囲のものに、つるが巻き付くことはありません。

ただし、自宅では複数の「亀甲竜」を育てていますが、成長期には株同士のつるが絡み合います…。

「亀甲竜」が葉を生い茂らせている様子。

支柱は100円ショップで、3本で110円という金額で購入することができます。
ただし緑色のものしか取り扱いがないので、大型のガーデニングショップやAmazonなどで購入した方が、バリエーションが豊かです

ワイヤータイプの支柱を購入すれば、自分で好きなカタチをつくることもできるでしょう

亀甲竜のチャームポイント

「亀甲竜」は、亀のように肥大させる立派な塊根部分に目が留まりますが、魅力はそれだけに留まりません。

展開させる葉のカタチが『ハート型』なところも、チャームポイントのひとつ!

『ゴツイ塊根部分』と『かわいらしいハート型の葉』という、二面性のある魅力が備わっています!
「亀甲竜」を自宅でいくつも育てている“亀甲竜コレクター”も存在し、好きなひとからはトコトン好かれる品種といえるでしょう!

2023年5月24日(May 24, 2023)

前回の記録から、4か月半が経過したときの「亀甲竜」の様子です。
自宅では、屋外で育てている「亀甲竜」もいれば、室内で育てている株もいます。
今は暖かい季節を迎えて、“室内組”の「亀甲竜」の落葉がほとんど完了し、休眠期を迎えたようです。

葉を茶色く染め、休眠状態に入った様子。

株が枯れているようにも見えますが、枯れているわけではありません。

“屋外組”の「亀甲竜」はまだ青々とした葉を展開しているので、休眠状態に入るのは、もう少し先になりそうです。
自宅では室内の方が温度が高いので、“屋外組”と比べると、早めに休眠に入ったのだと思います。

休眠を迎える「亀甲竜」は、葉に預けていた葉緑体を回収してから、休眠に入る性質をもっています。
葉が茶色く染まるのは、葉緑体の回収作業が完了した証拠。
自宅では葉から緑色がなくなり、葉緑体を回収し終わったことを確認してから、葉を切り落とすようにしています。

自宅の「亀甲竜」も、葉緑体の回収が終わったようなので、葉を切り落としました。

葉を切り落とし、スッキリした様子。

これからは、月に1~2回ほどの水やりをしながら、休眠明けを待ちます。

スポンサーリンク

2024年4月3日(April 3, 2024)

前回の記録から、10か月半が経過した「亀甲竜」の様子です。

塊根部分の凹凸具合はまだまだですが、大きく育ってきた株も見受けられます!

屋外は徐々に暖かくなってきましたが、まだ休眠状態に入るサインである「葉が茶色くなる様子」は見られません。

寒さに強く、暑さに弱い

「亀甲竜」は、寒さに強い植物です。

自宅では真冬でも屋外の軒下に置き、雨や雪、霜に当てないように育てていますが、その環境では寒さによるダメージを負ったことはありません!

2023年~2024年の冬も、屋外の軒下で、問題なく冬を越しました!

ただし、暑さには弱いので、夏の間にエアコンの効いている室内で育てられるのであれば、涼しい室内に移動させた方が無難です。
夏に屋外で育てる場合でも、雨ざらしでの管理は避け、風通しのよい日陰などの場所がよいでしょう。

2024年8月31日(August 31, 2024)

前回の記録から、約5か月が経過しました。
前回の記録の2~3か月後に葉を落としはじめ、本格的な暑さが到来する前に、落葉が完了しました。
今は、最高気温が30℃を超える日が多いですが、それでも休眠から目覚めてきたようです

「亀甲竜」の休眠期間は、本当に短いです!

今年あたらしく伸ばしている枝は、昨年まで生やしていたものより、だいぶ太くなりました!

この株たちは、塊根部分を土の中に植えていますが、鉢が変形しているので、窮屈そうな様子に…。

2025年1月26日(January 26, 2025)

前回の記録から、約5か月が経過した「亀甲竜」の様子です。
たねを蒔いてから、約4年が経過しました。

夏の終わりに葉を展開しはじめてから、絶好調な状態が続き、今は「亀甲竜」たちを育てている周囲が、ハート型の葉で覆いつくされています

凹凸が激しいわけではありませんが、はじめて育てた「亀甲竜」としては、上出来なのではないでしょうか
鉢は、プレステラ120の深鉢に植えています。

定期的に大きな鉢に植え替えていれば、もっと早く大きくできるでしょう!
うまく育てられるひとは、2~3年で、自宅の株と同じぐらいの株に育てられるかもしれません。

(更新中)

自宅で育てている塊根植物は、「亀甲竜」だけではありません。
下記の記事でまとめているので、よろしければチェックしてみてください

塊根部分の成長について

「亀甲竜」の塊根部分を土の中に植えるか、土の上に出すか、ということは、育てるひとによって異なります!
育て方によって、メリットやデメリットがあります。

塊根部分を、土の中に埋める育て方

「亀甲竜」が自生する南アフリカでは、塊根部分は、土の中に植わった状態で育っています。

塊根部分の成長速度を比べると、土の中に埋めておく方が、早く大きく成長します。

自宅で育てている「亀甲竜」のうち、半数の株は塊根部分を土の中に埋めていますが、成長速度はあきらかに早いです!

「亀甲竜」は、開花までの期間が長いそうですが、土の中に埋めていた方が本来の調子で成長できる分、早くお花を咲かせると思います
自宅で採れたたねから育てた、自宅の実生「亀甲竜」を楽しむなら、塊根部分を埋めていた方が、早くゴールに到達できるでしょう!

この株は、塊根部分を土に埋めて育てています。

塊根部分を、土の上に出す育て方

「亀甲竜」の塊根部分は土の表に出すことで、そのユニークな見た目を楽しめます!

凹凸が激しく、ゴツイ塊根部分に仕上げていくためには、塊根部分を土の上に出して育てていくのがよいです。
ただし、土の上に塊根部分を出していると、成長速度が遅く、なかなか立派な塊根部分がつくられません。

「亀甲竜」の生産農家さんとして知名度が高い、長谷川園芸さんも、株が若いうちから塊根部分を土の上に出して、じっくりと育てているのだそうです。

亀甲竜(キッコウリュウ)の育成環境

「亀甲竜」は、冬型の植物に分類されている植物。
しかし、寒い季節ではなく涼しい季節が好きなので、“冬型”よりも“秋型”の方が表現は近いです!
なるべく、涼しい環境で育てることで、「亀甲竜」を健康的に育てられるでしょう!

日当たり

「亀甲竜」は日光浴が好きなので、なるべく長い時間、直射日光に当てることで、健康的な成長を見せてくれます。

自宅では夏も室内に取り込まないことが多く、一年中、屋外の日当たり良好な場所に置いています。
自宅の育成環境で、直射日光が株に当たっている時間は、平均すると1日あたり4~5時間程度です。
夏に涼しい室内が確保できるなら、避難させた方が安全に夏を越せるでしょう。

塊根植物は、葉だけではなく幹でも光合成する品種が多く、休眠期でも光に当てることで健康的な成育につなげられます。
ただし自生地で育つ「亀甲竜」は、塊根部分は光の届かない土の中に埋まっているので、塊根部分には光合成できる能力が備わっていないことが分かります。
落葉している状態では、太陽光に当てる必要はないでしょう。

水やり

「亀甲竜」は、塊根部分に多くの水分を蓄えているので、成育のために多くの水やりをする必要がありません。

自宅では、秋から春までは表土が乾いてから1~2週間ほど経過したら、水やりをしています。
寒い時期は土が乾きづらくなっているので、1か月に1回程度の頻度でも、問題なく成育していけるでしょう。

「亀甲竜」が苦手としている季節は夏。
この時期は、特に水やりを控えめにするのが基本ですが、まったく水やりしないと、株が枯れてしまうリスクが高まります。
夏でも、1か月に1回ほどの水やりをすることで、「亀甲竜」を夏越しさせられる可能性が高まります!
夏に水やりをするタイミングは、早朝か夕方以降の、涼しい時間帯に与えることが基本です。

水やりは、鉢底から流れ出てくるぐらいの量を与えることで、鉢に入ってきた害虫などを洗い流すことができ、鉢内に新鮮な酸素を送ることができます。

暑さの残る季節に休眠状態から目覚めてくることが多いですが、このタイミングでは、水やりは最低限の頻度に抑えています。
水やりの頻度を上げるのは、最高気温が30℃を下回ってきたタイミングを目安にすることで、失敗するリスクを下げられるでしょう。

肥料

「亀甲竜」は、多くの肥料分を必要としません。
ただし、多くの葉を展開するので、肥料分がまったくないと葉が黄色く変色するなど、肥料切れのサインがあらわれてきます。
成長期である涼しい季節に、少量の肥料を与えることで、健康的に成育してくれるでしょう

自宅では、培養土の中に固形肥料「マグァンプ」を混ぜ込んでいます。
液体肥料は、秋の気温が落ち着いたタイミングで与えますが、他の季節には与えていません。

スポンサーリンク
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次