新宿御苑内にある「大温室」をご紹介!都心にある植物の密集地帯に行ってきた話

環境配慮型の大温室

日本は世界有数の“鉄道大国”ともいわれるぐらい、多くのひとびとが鉄道を利用していますが、日本一どころか世界一利用者が多いのが「新宿駅」です。

新宿駅は1日の利用者数が350万人を超えていましたが、コロナの影響でテレワークが普及していくと、2022年には1日の利用者が約60万人にまで低迷しました。
ただ“Withコロナ”の考え方がひとびとの生活に浸透していくにつれて、最近はまた大勢の方々が利用している駅に復活を果たしています!

多くの超高層オフィスビルが立ち並び、ひとも多すぎてしばしば迷うこともあるせわしない新宿の街から、徒歩で数分進んだところに「新宿御苑」は位置しています。

そして、新宿門、千駄ヶ谷門、大木戸門と、3つある新宿御苑の出入り口の1つ「大木戸門」からほど近く、“大木戸休憩所”と“旧洋館御休所”に挟まれた位置にそびえ立つガラス温室があります!

ここは最寄りの出入り口、大木戸門です!

本記事では、ガラス温室には立ち並んでいたさまざまな植物や、多くのお花とも出逢える空間のご紹介をしています!

目次

新宿御苑の大温室

新宿御苑の「大温室」は、日本初のガラス張り温室として明治8(1875)年に建てられてからこれまでに至るまで、100年以上の歴史を刻んでいます。
その大きさは最初から大規模なものだったわけではなく、スタート時点では100㎡の小さな温室でした。

温室は太陽からの熱エネルギーを温室内に取り入れ、取り入れた熱を温室内にとどめておくことができるので、たとえ屋外が寒い冬の時期でも暖かい環境をつくりやすいのが特徴です。
一方で、暑い夏の時期にはとても高温に上昇しやすいため、温室内で育つ植物を守るために、冷房器具を使用する必要が出てくることもあります。

いまの新築住宅では当たり前になりつつありますが、複数枚のガラスを重ねることで、断熱性に優れている「ペアガラス」が平成23年から採用されているため、新宿御苑の「大温室」は環境に配慮された仕様になっています。
その仕様は“環境配慮型の温室”といえるでしょう。

新しく完成してから、すでに10年以上が経過しているとは思えないぐらい、とてもキレイな見た目をしています!!

大温室付近で育つ植物

まずは、「大温室」の付近で育つ植物のご紹介からです。

ヤタイヤシ(Butia yatay)

「ヤタイヤシ」は、ブラジルやアルゼンチンなどに自生しているため、暑さには強い植物です。
また、ヤシの仲間ではめずらしく寒さにも強い特徴をもち、大きく成長すると10m程度の高さにまで成長する植物で、別名“ココスヤシ”とも呼ばれています!

The 南国!

ヤシといえば南国をイメージさせる植物ですが、この植物を一般家庭で育てるには、なかなか厳しい規模感なため、見ごたえがあります!
住宅街に「ヤタイヤシ」が立っていたら、街中の目印にもなりそうですね。

周囲には、「ソテツ」や「アオノリュウゼツラン」も、伸び伸びと日光浴をしていました!

大温室内で育つ植物

つづいて、「大温室」の中で育つ植物のご紹介です。

ビカクシダ(Platycerium)

大温室内に一歩足を踏み入れると、そこには「ビカクシダ」の密集地帯が立ちはだかっていました!

圧巻でした!

「ビカクシダ」は水を好む植物で、日陰に強いことから室内でも育てることができる植物です。

コウモリが羽を広げた姿に似ていることから「コウモリラン」という別名をもっている植物ですが、自然界でここまでの数のコウモリが集まっていたら、さぞ恐ろしい光景に見えることでしょう。

ガーデニングショップなどでも人気のある観葉植物ですが、密集している光景はなかなか見られないので、新鮮な光景です!

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ブーゲンビレア(Bougainvillea)

「ビカクシダ」からすこし歩いたところの頭上には、印象に残るキレイなお花が!

オシロイバナ科に属する「ブーゲンビレア」が八重咲で、まるで白い花火を打ち上げたような見た目をしていました!!
※八重咲(やえざき):何枚もの花びらを重ねて花を開く咲き方

別の植物園で育っていた「ブーゲンビレア」はピンク色のお花を咲かせていましたが、お花の色が変わるだけでまったく別の植物のようにも見えてきます。

厳密にいうと、お花に見える部分は葉を変化させた「苞(ほう)」と呼ばれる部分で、“お花”ではなく“葉”になり、お花を守る役割を持っているのだそう。

オボロヅキ(Graptopetalum paraguayense)&セドゥム・モルガニアヌム(Sedum morganianum)

新宿御苑の「大温室」の中では、一般家庭ではあまり見かけないような、植物園サイズに育った多肉植物も楽しむことができます。

下の写真の向かって左側がベンケイソウ科に属している「オボロヅキ」という品種で、漢字では“朧月”と書きます。

朧(おぼろ)とは「はっきりしないこと」だったり「月の光がぼんやりしていること」を意味しますが、オボロヅキの葉には少し光沢がありうっすらと月のようにも見えることから、名付けられたお名前ですね。

名前には儚さすら感じますが、生命力は強く氷点下1~2℃までの寒さにも耐えることができる品種で、わたしの自宅の近所の戸建てでは、外構部分に大量のオボロヅキが育っていて、「多肉ハウス」と化している住宅もあります。

一方の向かって右側の植物の付近には、「セドゥム・モルガニアヌム」というプレートが設置されていました!

一般的にはセダム属の、モルガニアナムという名前で流通している植物で、「タマツヅリ」という和名も持っています。

パッと見ではお花を咲かせているようにもみえますが、上から垂れ下げている淡い緑色をしたモノは葉で、葉のなかには多くの水を蓄えているので、ほかの植物よりも乾燥に強い性質を持っています。
高い位置に飾って、上から垂れ下げる葉などを楽しむ、「ハンギングプランツ」としても活躍できそうな見た目をしています!

海の中をただよう魚のタマゴにも、このような見た目をしたモノがありそうですね。

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金鯱(きんしゃち:Echinocactus grusonii)他

新宿御苑の「大温室」内ではドライガーデン風につくられたエリアもあり、そこではたくさんのサボテンや、ユーフォルビア属の植物が植えられていました!

上の写真で、奥にある比較的大きくて丸型のサボテンは“サボテンの王様”とも称される、金鯱(きんしゃち)で、ドライガーデンによく用いられることのある品種です。

自宅でコンパクトサイズの金鯱を育てていますが、最低気温が5℃を下回ると赤いストレスカラーが出てくるので、サボテンの中では寒さにはそこまで強くない品種です。

このコーナーにいた植物
  • 金鯱(きんしゃち)
  • ユーフォルビア・インジェンス(沖天閣)
  • シバントウ(紫蛮刀)
  • フェロカクタス・オウカンリュウ(王冠竜)
  • ハクジョウキリン(白条キリン)
  • セッカリュウジンボク  等々

まとめ

新宿御苑の「大温室」には、今回ご紹介した植物以外にもいろいろな植物、そして様々なお花とも出逢うことができる空間が広がっています!

なんと、「大温室」の中だけでも約2,700品種もの植物を栽培している環境配慮型の温室。
観葉植物や南国の植物が多かったですが、なかには珍奇植物といわれるボタニカルまで、元気よく育っていました!

大都心である新宿駅からほど近いので、仕事に疲れたときに立ち寄ってみても良し、デートスポットで利用しても良し、家族での時間を過ごしても良しと、いろいろな場面で活躍できそうな大温室をご紹介しました!

大温室以外の新宿御苑については、別記事にしていますので、もしよろしければお読みください!

新宿御苑「温室」の基本情報

住所・アクセス

東京都新宿区内藤町11番地
新宿御苑「大木戸門」から徒歩ですぐ

開園時間・休園日

10/1〜3/14:AM9時30分~PM15時30分
7/1〜8/20:AM9時30分〜PM18時00分
それ以外の期間:AM9時30分〜PM17時00分

入園料

温室自体は無料
(新宿御苑への入園料が500円かかります)

電話番号・公式HP

03-3350-0151
新宿御苑の公式HP

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