コーデックス:冬でも夏型の植物を育てる!室内育成の電気代はいくらかかる!?

多肉植物の休眠期

春から秋に成長する“夏型のコーデックス”(塊根植物やアガベ)は、基本的に秋には休眠の準備を進めて葉を落とし、また春になれば芽ぶきをする多肉植物です。
また、多くのアガベも暖かい環境を好むので、寒い環境のなかで旺盛に成長する品種はほとんどありません。

屋外で植物を育てていると、季節の影響をもろに受けますが、コーデックスが好きな方にとって、季節をとわない「多肉植物の室内育成」は当たり前になりつつあります。
かく言うわたしも、コーデックスの室内育成を楽しんでいるうちのひとりです!

「多肉植物の室内育成」は、夏型の多肉植物が休眠してしまう冬でも、他の季節と同様に植物の成長を楽しむことができるため、ガーデニングの幅がひろがるのは事実です!

「ガーデニング」に使用するのは、主に自然エネルギーのひとつである「太陽光」と、水道の蛇口をひねればでてくる「水道水」のため、ランニングコストをあまりかけることなく楽しむことのできる趣味のひとつですが、多肉植物の室内育成をするためのランニングコスト(電気代)に、お金を費やす価値はあるのでしょうか!?
そもそもで、実際にかかる費用はいくらなのでしょう!?

本記事では、冬の間のコーデックスの室内育成について考察しています!

自宅の室内育成の環境
目次

コーデックスが好む環境

まずは、「夏型のコーデックス」が好きな環境について、整理していきます!

下記①から④までの条件を揃えることができれば、冬の間でも夏型のコーデックスを成長させることができます!

好む環境の条件
  • 気温

①強い光

これは夏型に限ったことではありませんが、「コーデックス」は直射日光などの強い光が好きな傾向があります。
充分な日光をうけられる環境が理想的なので、植物育成用LEDライトが無い場合には室内での育成は向いておらず、日のよくあたる屋外での栽培が適しています。

ただし、いくら強い光を好む植物であっても、真夏日などの極端に暑い場合や強い紫外線からは保護する必要があります。
保護するためには、育成場所を移動する以外にも遮光ネットなどを使用することでも、対応が可能です。

②風通しのよい環境

植物が本来暮らしている自然界では、空気の流れが無い状況はほぼ無いので、空気が滞留せずに風が抜けていく環境が適しています。

とても強い風が年中吹いている環境で暮らしている多肉植物もいますし、柔らかい風が吹いている環境で育つ多肉植物もいますが、風がまったく無い環境で暮らしている多肉植物はいないと考えてよいでしょう。

③適度に高い気温・低湿度

多くの夏型のコーデックスは、“20℃以上の気温”でよく育ちます。
湿度に関しては低いほど良いわけではありませんが、湿度が高い条件を好む多肉植物は少ないです。

この条件も同じく、気温が高すぎてもうまい成長につなげることができません。

④適度な水

多肉植物は乾燥した地帯で暮らしているので、多くの水を与えなくても成長をしていく品種が多いです。
ですが、まったく水のない環境で暮らしていける多肉植物がいないのも事実です。

いつまでも土が濡れている状状況は好ましくありませんが、たとえば多くの水を必要としないサボテンであっても、水やりがゼロの環境ではいずれ枯れてしまうでしょう。

室内育成のメリット

それでは、夏型のコーデックスの室内育成には、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

室内育成のメリットは、下記の8つだと考えます。

室内育成のメリット
  • 植物に必要な光の量を長い時間確保できるので、植物の成長速度を加速させることができる
  • 植物を休眠させずに、1年を通して成育させることができる
  • 植物が不健康に伸びてしまう「徒長(とちょう)」をさせずに、植物を育てることができる
  • 屋外に植物を置くスペースがなくても、室内で植物を育てることができる
  • 揃える育成用品によっては、室内をオシャレにすることもできる
  • 寒い屋外に行かなくても、植物の観察ができ面倒をみれる
  • いつの間にか発生してしまう「害虫」をふせぎやすい
  • 季節をとわず、いつでも植物を新しく購入したり、タネを蒔いたりすることができる

いざメリットを挙げてみると、こんなに多いのか!とも思いましたが、室内育成で最大のメリットは「季節をとわずに、植物の成長させることができるだと思います!

これはひとによると思いますが、2番目のメリットは準備できる環境によっては、屋外で育てるよりも早く成長させることができる点でしょうか。

室内育成のデメリット

ただし、室内育成にはメリットだけではなく、デメリットもあげられます。

つづいて、室内育成に関してのデメリットです。
考えられるデメリットは、下記の項目です。

室内育成のメリット
  • 設備などを揃える必要があるため、初期費用が発生する
  • どうしても電化製品を使用することになるので、ランニングコスト(電気代)が発生する
  • 植物を育成するスペースの分、室内の場所をとる
  • 一度、土の中から害虫が湧くと、室内で害虫が発生してしまうことになる
  • 光の強い植物育成用LEDだと、屋外が暗い時間帯にレースのカーテンを閉めていても、光が窓から屋外にかなり漏れる
  • 寝室で育成スペースを設けていて、タイマー設定で植物育成用ライトのON・OFFの設定をしている場合、休みの日でもライトの光で目が覚めることもある
  • 室内に取り込んだり、屋外に出したりを繰り返すと、環境の変化から植物へストレスを与えてしまう
    (天気に応じて屋外管理に切り替えるなど)
  • 植物育成用ライトと植物の距離が近すぎると、光が強すぎて植物が焼けることもある

メリットの方が圧倒的に多くなると思いましたが、考えてみたところデメリットも意外とありました。
そして、メリットの項目とデメリットの項目は、数が同じという結果になりました。

自宅では、日没以降にライトの光が屋外へかなり漏れているので「近隣の方からどう思われているのだろうか。」と、たまに気になることはあります。

もっとも大きなデメリットは、やはり費用面かと思います。

揃える道具・設備

メリット、デメリットの比較に引き続いて、室内育成の場合に「揃える道具・設備」について!

理想的な植物の室内育成環境を整えるには、ある程度いろいろな設備を揃える必要がありますが、すべてを一気に揃える必要は無いと思います。
またガーデニンググッズは必ずしも「安かろう悪かろうの世界」ではなく、特に植物育成用ライトに関してはそこまで高価ではないものでも、機能的に優れているものは一定数あります!

数ある道具や設備の中で、育てている植物に適しているグッズを見きわめる必要がありますね。

具体的に揃える必要のあるモノ、そして揃えた方が望ましいモノは、下記の設備・道具です。

  • 植物育成用ライト
  • ヒーターマット
  • サーキュレーター
  • コンパクトなジョウロ
  • 植物専用の棚

植物育成用ライト

環境にもよりますが、育成ライトは最も優先的にそろえる必要がある設備です。

植物が生きていくためのエネルギーを作り出す光合成のために必要な設備で、局所的に光をあてる「スポット型」のタイプと、ある程度広い範囲に光をあてることのできる「パネル型」の2種類があります。
室内育成場所や、育てている植物の数によってスポット型かパネル型か決めていきます。

育てている植物が多いのであればパネル型の方がコスパが良いですし、植物が少ないのであればスポット型の方がスマートにおさまります!

←下の写真の左がスポット型・右がパネル型→

ヒーターマット

寒い室内で植物の鉢を温める設備としては、植物用のヒーターマットがあります!
ただし植物用のヒーターマット1枚では、温めることのできる植物の数が少ないので、多くの植物を育てている場合には何枚も揃える必要がでてきます。

植物のために新たに道具を揃えなくても、エアコン等の電化製品で温度調整をすることは可能です!
飼っているペットのために24時間エアコンを付けることもあるかと思いますが、愛情を持って植物を育てているのであれば、ペットと同じようにエアコンを稼働させることも有りではないでしょうか!?

ただエアコン等の温度調整の設備は、電気代は恐いところです。

サーキュレーター

植物が生きていくために、自然な空気の流れは必要です。

窓を開放状態にできるのであれば空気の流れはできますが、冬だと室温が下がってしまいます。

空気の流れが無い室内ではサーキュレーターを使用します。

コンパクトなジョウロ

多くの植物を育てている場合、奥まったところに置いている植物に水やりをするのは大変な作業です。
大きめなジョウロだと奥の植物に水やりができず、小さい水差しのようなものだと育成環境場所と水道の蛇口を何往復もする羽目になります。

ちょうど良いサイズのジョウロがあると効率的に水やりをすることができます!
うちの環境には、100均のダイソーで売っているジョウロがサイズ的にちょうど良いので愛用しています!

植物専用の棚

育てている植物が少ない場合は棚がなくてもなんとかなるので、揃える必要性での優先順位は低い道具といっていいと思います。

ですが、植物が多い場合にはあると便利です!
多段式のものがあると収納力が格段に上がるのと、パネル型の育成ライトを棚に設置できるので利便性も向上します。

初期費用(設備を揃える金額)は!?

植物ライトをはじめとしてメーカーやスペックによって価格はピンキリなので、何をどこまで揃えるかでだいぶ費用は変わりますが、「スポット型ライト1台+ヒーターマット1枚」のパターンと、「パネル型ライト2枚+ヒーターマット2枚」のパターンで比較をしてみます!
(2024年1月時点のAmazonの販売価格をもとに算出)

初期費用:比較表

スクロールできます
スポット型ライト:1台
 ヒーターマット:1枚
パネル型ライト:2枚
ヒーターマット:2枚
植物育成用ライト3,224円6,980円
ヒーターマット2,380円4,760円
サーキュレーター2,264円2,264円
合計電気料金7,868円14,004円
2パターンの比較表

ライトは、スポット型とパネル型で大きく差が出ないように同じBRIM(ブリム)製のもので算出しました。

これ以外にジョウロや植物棚を購入するのであれば、その分の費用が発生しますが、数万円もするコーデックスがある中では金額面のハードルは異様に高くはないと思えます。

気になる電気代は!?

設備を揃えるときはいくらかかるのか分かりやすいですが、揃えた後のランニングコストはいくらかかるのか、いまいちイメージがつきにくいものです。

初期費用のときと同じ2パターンでランニングコスト(電気代)を算出しました!

電気代(月額):比較表

スクロールできます
スポット型ライト:1台
 ヒーターマット:1枚
パネル型ライト:2枚
ヒーターマット:2枚
植物育成用ライト223.2円837円
ヒーターマット669.6円1,339.2円
サーキュレーター624.9円624.9円
合計電気料金1,517.7円2,801.1円
ヒーターマットが意外と高い!

ヒーターマットが最も電気代のかかる設備という結果になりました。
ヒーターマットを何枚も設置するのであれば、他の設備で室温調整をした方が安価に済むケースもありそうです!

今回の条件では「1,500円~3,000円程度」のランニングコストが発生する算出結果となりました!
この育成を半年続ける場合には6倍の数字になるので、この結果を高いとみるか安いとみるかですね。

算出条件

W数

ヒーターマット:30W
スポット型ライト:24W
パネル型ライト:45W
サーキュレーター:28W

1日の稼働時間

ヒーターマット:24時間
ライト:10時間
サーキュレーター:24時間

単価・算出日数

単価:1kWhあたり31円
日数:1か月を30日とする

まとめ

植物の室内育成はとても楽しく、植物から癒しを得られる点にもすごく魅力を感じています!

少なくともうちの環境では植物を休眠をさせなくても数年間は問題なく成育を続けていますが、一方で「休眠をさせずに植物育成をする」という面では、賛否両論あるのも事実です。
自生地の環境では毎年休眠していて「成長期→休眠準備→休眠→休眠明け→成長期」と成長サイクルを繰り返している植物が、人工的な環境下で休眠しなくなると成長サイクルを崩されることとなり、結果として悪い影響を与えられるという意見があるのです。

設備がある程度揃っていないと、季節を問わずに特定の植物の成長を楽しむことは正直難しいですが、実際に私は最初の1~2年の間、植物を室内で育成するための設備はほとんど持ち合わせていませんでした。
しかし、そんな中でも植物をそれなりに楽しめていました!

そのため室内育成をしないと植物を楽しむことができないわけではなく、メリットだけではなくデメリットもそれなりにあるので、あえて環境整備を行わないことも一つの選択肢だと思います!

以上、今回はコーデックスの室内育成についてでした!

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