小田原の花を巡る散歩
小田原駅より、バスに揺られること約30分。
神奈川県にある穴場の植物園、「小田原フラワーガーデン」を訪れたときのことをご紹介します

緑あふれる空間でリラックスしたい。



混雑していない場所でじっくり花々を観賞したい。
そんな希望を叶えられるスポットが、世界中の植物が集結する「小田原フラワーガーデン」です。
小田原フラワーガーデンの前に立ち並ぶ『桜並木』
「小田原フラワーガーデン」前の道路沿いには、満開の桜が立ち並んでいました。


メジャーな花見スポットも魅力的ですが、多くの人びとが集まるため、じっくりと楽しみたい場合にはひと混みがストレスになることも…。
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このスポットはこれだけの桜並木にもかかわらず、ひと通りが少ないため、貸し切り感覚で花見を楽しめます。
小田原フラワーガーデンの屋外で育つ植物
リキュウバイ(Exochorda racemosa)


「利休梅(リキュウバイ)」は、その名に「梅」の字を持ちますが、植物学的に見れば梅の仲間ではなく、バラ科ヤナギザクラ属に分類される植物です。
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白地に茶色い水玉模様が入っている見た目から、おしとやかな印象を受ける花でした。
梅(Plum blossom)


この日は、すでに「梅」が満開に咲き誇るシーズンは過ぎていましたが、それでも敷地内には開花中の梅が点在していました。
ここ「小田原フラワーガーデン」は敷地が広大なため、開花シーズンに多くの来園者が訪れても、混雑を気にする必要はありません。
スモモ(Prunus salicina)


「スモモ」の実は、桃と似ていますが、桃よりも酸味が強く「酢桃(すもも)」と呼ばれたのが名前の由来と言われています。
花の見た目がリキュウバイとよく似ている
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「スモモ」の花は先ほどの「リキュウバイ」とよく似ているため、間違われることも多いようです。
ちなみに「スモモ」と「リキュウバイ」の花の見分け方は、以下のとおり。
- 一輪の花の大きさ
- リキュウバイが直径4センチ程度なのに対し、スモモの花の直径は2センチほどと小ぶり
- 花を咲かせる場所
- リキュウバイが枝先に集中して花を咲かせるのに対し、スモモは枝のところどころで開花する
品種改良された場所で、果実の名前が異なる
「スモモ」とよく似た果物に「プラム」や「プルーン」がありますが、植物学的に見れば、すべて同じ植物から採れる果実。
それぞれの名称が異なる理由は、以下のように「どの地域で品種改良されたか」が違うためです。
- スモモ:日本で品種改良された品種
- プラム:ヨーロッパで品種改良された品種
- プルーン:中国で品種改良された品種
フラワーショップピッコロ『flower shop PICCOLO』
「小田原フラワーガーデン」には、植物やガーデニング用品が購入できるフラワーショップ「PICCOLO(ピッコロ)」が併設されています。


季節の花苗や観葉植物など、さまざまな植物を取り扱い、価格も高くないため、訪れた記念に植物を購入するのもおすすめです。
「PICCOLO」の植物をチェックしたい場合は、営業時間を考慮して立ち寄るようにしましょう。
小田原フラワーガーデンの温室『トロピカルドーム』で育つ植物
室温を保つために近くのゴミ焼却施設の余熱を利用し、環境にも配慮した温室が「トロピカルドーム」です。


直径40m、高さ22mと大きなトロピカルドームの中では、さまざまな南国の植物が展示されています。
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家庭ではダイナミックなすがたに育てにくい熱帯植物を間近で楽しめるため、ぜひ立ち寄りたいスポットです。
ヒスイカズラ(Strongylodon macrobotrys)
今回「小田原フラワーガーデン」を訪れたのは、4月上旬。


少しでも花を間近で感じられるように、開花場所や高さを調整している点もうれしい工夫です。
元気に育てるためには温室が必須
成熟した「ヒスイカズラ」は20メートル以上つるを伸ばし、耐寒温度は10℃と寒さに弱い植物。
温暖な地域を除き、日本で元気に育てるためには大きな温室が必須です。
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ヒスイカズラを展示しているのは、大きな温室があるスポットに限られるため、開花時期に「小田原フラワーガーデン」を訪れたら存分に楽しみましょう!
絶滅危惧種に指定されている
フィリピン原産の「ヒスイカズラ」は、受粉を助けるコウモリの減少や森林伐採などの影響から、絶滅危惧種に指定されています。
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その数が減っているのは残念ですが、まだ絶滅したわけではないため、なんとかして後世にも残したいものですね。
ゲンペイクサギ(Clerodendrum thomsoniae)


「ゲンペイクサギ」が色づける赤と白の「紅白カラー」は、温室内でひときわ強い存在感を放っています。
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まるで造花のような鮮やかさです。
ちなみに白く膨らんでいるのは、葉が変化した「萼(がく)」と呼ばれる部分。その中から突き出した紅い部分が「ゲンペイクサギ」の花です。
オキザリス・レグネリー(Oxalis regnellii)


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花の紫は淡く、小ぶりなサイズ感がかわいらしさを引き立てています。
「オキザリス・レグネリー」はよく見かける、クローバーにも似た雑草「カタバミ」と同じカタバミ属の植物。
園芸家の間で広く知られるカタバミは、いつの間にか発生し、どんどん勢力を広げる厄介者です…。
「オキザリス・レグネリー」は、よい意味ではカタバミと同じく丈夫な性質をもち、悪い意味では庭に植えると増えすぎる可能性があります。
「オキザリス・レグネリー」には紫葉と緑葉のタイプがあり、園芸では、以下のような流通名で区別されることがあります。
- ムラサキノマイ(紫の舞):葉が紫色の個体
- ミドリノマイ(緑の舞):葉が緑色の個体
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このうち、市場に多く出回っているのは「ムラサキノマイ」の方です。
ランタナ・カマラ(Lantana camara)


「ランタナ・カマラ」は、時間の経過とともに花の色を変化させる特徴があります。
品種により色合いはさまざまですが、黄色い花は、以下のように変わっていくのが一般的です。
- 咲きはじめ:黄色
- 少し時間が経過:オレンジ色
- さらに時間が経過:赤色
花の色が色とりどりに移り変わる特徴から「七変化(しちへんげ)」の名で親しまれています。
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赤などに比べ、黄色などの明るい色の方が虫が集まりやすいと言われているため、開花の初期段階は明るい色に染めることが多いです。
小田原フラワーガーデンの特徴
『花と緑の生活文化の創造』をメインテーマに掲げる
「小田原フラワーガーデン」は「花と緑の生活文化の創造」をメインテーマに掲げ、「豊かなライフスタイルを築く”楽しい花園”づくり」を目指してつくられた施設です。
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実際に足を踏み入れると、テーマに沿った植物園ということが伝わってきます。
小田原フラワーガーデン内の7つのエリア
「小田原フラワーガーデン」のエリア(施設)は、おもに以下の7つに分けられます。
- トロピカルドーム温室:約300種の熱帯・亜熱帯の花木、果樹が育つ
- 渓流の梅園:約20,000㎡の敷地内では、約300品種500本の梅が見られる
- バラ園:約160品種360本のバラが根を下ろし、開花シーズンには「ローズフェスタ」が開催される
- ハナショウブ池:池のほとりを、約180品種1,000株のハナショウブが彩る
- アルカディア広場(おどる噴水):ボランティアの方々が育てた花々が広がる。夏には噴水も稼働
- テイクアウトカフェ「ハイビスカス」:飲み物や軽食が楽しめる。休日やイベント開催期間中のみ営業
- フラワーショップ「flower shop PICCOLO」:植物やガーデニング用品を購入できるショップ
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どのエリアも見逃せないスポットです。
落ち着いた立地で敷地も広大なため、じっくりと楽しみやすい
落ち着いた立地で敷地も広大なため、混み合った印象は受けません。
まとめ
芝生が広がる梅園では、シートを敷いて、のんびり過ごすこともできるでしょう。
訪れる季節ごとに、さまざまな景色を楽しめるのも魅力で、特に今回ご紹介した「ヒスイカズラ」の花は一見の価値あり。
以上です。
本記事では、神奈川県にある穴場の植物園「小田原フラワーガーデン」を紹介しました。
「小田原フラワーガーデン」以外にも、魅力的な植物園は存在します
関東の植物園については、以下の記事でまとめてご紹介しているので、よろしければお読みください
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小田原フラワーガーデンの基本情報
住所&アクセス
≪住所≫
神奈川県小田原市久野3798-5
≪アクセス≫
「小田原駅」からバスで約30分
※バスで往復すると、バス代だけで1,000円以上かかる
伊豆箱根鉄道大雄山線「飯田岡駅」から徒歩で約20分
営業時間&定休日
≪営業時間≫
AM9:00〜PM17:00
※トロピカルドームの入場はPM16:30まで
≪定休日≫
月曜日(祝日を除く)
祝日直後の平日
年末年始(12月29日〜1月3日)
入館料(トロピカルドーム)
大 人:200円
小中学生:100円
電話番号&公式HP
≪電話番号≫
0465-34-2814
≪公式HP≫
小田原フラワーガーデンの公式HP
小田原城で桜の花見を堪能したときの様子は、以下の記事でご紹介しています


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