パキポディウムの王様
パキポディウム・グラキリスの基本データ
原産地:マダガスカル南西部(イサロ地方)
科・属:キョウチクトウ科・パキポディウム属
学 名:Pachypodium rosulatum var. gracilius(パキポディウム・ロスラーツム・バラエティ・グラキリス)
別 名:象牙の宮(ぞうげのみや)、象牙宮(ぞうげきゅう)
パキポディウム・グラキリスの実生記録
「パキポディウム・グラキリス(Pachypodium rosulatum var. gracilius)」をタネから育てる実生(みしょう)の成長記録を付けていきます
タネ蒔き初日(2025年5月3日)
多肉植物の種子のネットショップ「seed stock」さんから「グラキリス」のタネを購入しました。
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「グラキリス」は“パキポディウムの王様”とも称され、ユニークなフォルムと、ワイルドな見た目で高い人気を誇る品種。
多くの株数が流通し、タネから育てる方が多いのも特徴的です。
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以前はタネを入手するのもカンタンではありませんでしたが、今はだいぶ手に入れやすくなった印象を受けます。
タネを蒔く前に、消毒剤と活力剤に浸けました
多肉植物のタネを発芽を促すためには、暖かくて湿度が高い環境を維持する必要があります。
高温多湿な環境で管理していると、タネにカビが発生してしまうことが少なくありません。
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特にパキポディウムのタネは、カビが発生しやすいです。
播種する前に、カビの予防と発芽を促す目的で、消毒剤と活力剤を希釈した水に12時間ほど浸け込みました。
- 消毒剤=ダコニール
- 活力剤=メネデール
多肉植物のタネの蒔き方は、以下の記事で詳しく解説しています
良型な株すがたに育てるのはカンタンではない
これまでに何度か「グラキリス」の実生にチャレンジし、自宅で複数の株を育てていますが、寒さに注意すれば枯れるリスクは低い植物だと感じています。
ただし良型な株すがたに育て上げるのは、カンタンではありません。
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どのような株すがたに成長するかは、交配元(親株)のポテンシャルも大きく影響します。
グラキリスは、ロスラーツムの変種
「パキポディウム・グラキリス」は、パキポディウム属の「ロスラーツム」の変種に当たる品種という意味です。
「変種」は、同じ植物の品種でありながら、他の株とは異なる特別な特徴(葉の色合いや形状など)をもつものを指します。
多肉植物にまつわる専門用語は、以下の記事で詳しく解説しています
タネ蒔き20日目(2025年5月22日)
「グラキリス」のタネを蒔いてから、20日目を迎えました。
屋外は最低気温が20℃を下回る日もあり、夏型の「グラキリス」にとっては少し肌寒い環境です。
5月中旬のタイミングでは、25℃以上ある室内で育てています。
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鮮度が古いと発芽しない
パキポディウム属のタネは、鮮度が古いとひと粒も発芽しないこともあります。
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今回は半分以上のタネが発芽したので、発芽率は低くはありませんでした。
自宅で使っている植物育成用のLEDライト
ちなみに自宅で使っている植物育成用のLEDライトは、BRIM製の「PANEL A」ですが、2024年に上位モデル「PANEL X」が発売されました。
「PANEL A」の方がリーズナブルですが、より本格的に植物の室内育成をしたい場合は、高い光量が出せる「PANEL X」の導入を検討してみてもよいでしょう。
タネ蒔きから72日目(2025年7月13日)
「グラキリス」のタネを蒔いてから、72日目を迎えました。
暖かくなった6月ごろに屋外の軒下に移動し、その後は直射日光によく当てて育てています
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緑色に染めていた塊根部に変化が見られ、茶色っぽく変色した株や、シルバーに光る株のすがたも見られます。
タネ蒔きから82日目(2025年7月23日)
「グラキリス」のタネを蒔いてから、82日目を迎えました。
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今は、発芽から3か月足らずの段階。
さすがに現時点では、グラキリス本来のワイルド感あふれる特徴はあらわれていません。
タネ蒔きから140日目(2025年9月19日)
「グラキリス」のタネを蒔いてから、140日目を迎えました。
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まだタネ蒔きから半年も経っていない段階ですが、今のところ割と順調な成長を見せています。
全体的に、低重心な形状をキープできているのではないでしょうか。
今後も引きつづき、「グラキリス」の実生の記録を付けていきます
(更新中)
自宅で育てている多肉植物の実生の記録は、以下の記事でまとめています
「グラキリス」以外にも多肉植物の実生にチャレンジしているため、よろしければお読みください


パキポディウム・グラキリスの育成環境
夏型の塊根植物の一般的な育て方は、以下の記事でご紹介しています
以下では、自宅での「グラキリス」の育成環境をご紹介します
日当たり
パキポディウム属の「グラキリス」は、日光浴が好きな植物です。
一年を通して、直射日光によく当てることで、元気な成長を見せてくれます。
自宅では実生一年目の「グラキリス」に、一日1~2時間ほど直射日光を当てていたところ、葉焼けを起こしました。
発芽から数年経っている「グラキリス」は、強い日差しにも耐性をもちますが、一年目の夏から強い日差しに当てるのは避けた方がよいでしょう。
特に最近の真夏は、夏型の植物でも調子を崩すことが少なくないため、遮光ネットを活用するなど日差し対策をするのがおすすめです。
水やり
「グラキリス」は乾燥が進む地域で暮らせるように、体内にたくさんの水分を蓄えています。
水やりは少なめに管理し、土がしっかりと乾いてから水を与えるのが基本の育て方です。
自宅ではタネ蒔きから1~2か月ほどは、水を溜めた容器に鉢ごと浸ける「腰水」で管理していました。
実生一年目のうちは株の成長を促すために、ほとんど毎日水やりをし、土が乾かないように管理しています。
水やりの頻度が高くても、排水性と通気性が高い培養土を使用しているため、根腐れは起こしていません。
植物への水やりについては、以下の記事で詳しく解説しています
よろしければ参考にしてみてください
肥料
「グラキリス」は、栄養分が少ない土壌で暮らしているため、多くの肥料を与える必要はありません。
むしろ観葉植物のようなペースで肥料を与えると、肥料焼けや葉や茎が間延びする「徒長(とちょう)」のリスクを高めてしまいます。
最高気温が20℃以上に達する成長期に、少量の肥料を与えるのがおすすめ。
自宅では、固形肥料「マグァンプ」を配合した培養土に植えています。
液体肥料は、成長期に月に1~2回ほどの頻度で与えています。
塊根植物(コーデックス)の肥料については、以下の記事を参考にしてみてください
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