生命力が強いゴムノキ
近年、植物の人気が急上昇しており、それに伴ってガーデニングショップの数も増えつづけています。
観葉植物が注目されることで、さまざまな品種の植物に出逢える機会が増え、「ボタニカル好き」にとってはうれしい状況を迎えています!
観葉植物には、斑入りの品種やシンプルな緑一色のもの、定番の「The 観葉植物」といったオーソドックスなものから、個性的な形をしたユニークな品種まで、実に多彩な品種がある生きもの。
多くの観葉植物が存在する中で、斑が入っていないシンプルな佇まいで親しまれている「フィカス・ベンガレンシス」という品種をご存じでしょうか?
名前は知らなくても、いちどはどこかで目にしたことがあるひとが多い、そんな植物です。
わたしが自宅で育てている観葉植物の中にもいくつか強健な品種がいますが、その中でもっとも丈夫で成長力が旺盛なのが、この「フィカス・ベンガレンシス」です。
この記事では、自宅で「フィカス・ベンガレンシス」を植え替えた際の体験を、ご紹介します
「フィカス・ベンガレンシス」だけではなく、観葉植物の植え替えをする際に参考になるものがあると思うので、ぜひお読みください
「フィカス・ベンガレンシス」の生命力の強さ
約1年3か月前の春に、「フィカス・ベンガレンシス」をひと回り大きな鉢に植え替えてから、驚くほど成長しました!
鉢底から根が出るだけでは収まらず、さらに伸びつづけた根が驚くべきすがたを見せることに…。
根の圧倒的な成長速度
この根の量を見ると、何年間も放置していたように思われるかもしれませんが、実際には約1年数か月のあいだに、ここまで成長しました!
「フィカス・ベンガレンシス」にとって快適な環境を用意できた証拠とはいえ、この成長力は、ほかの観葉植物ではなかなか見られないでしょう。
鉢底から伸びた根は、コンクリートの駐車場を這うように伸び、その先で地面に潜り込み、気づけば半分だけ地植えのような状態になっていました…!
最初は地面に軽く根を張った程度だと思っていたのですが、実際には、地中深くまで根を張っていました。
冬支度での苦戦
寒さが厳しくなる前に室内へ取り込もうとした、昨年の秋の終わりごろ。
根を引き抜く作業に、かなり苦労しました。
地面に深く入り込んだ根をなんとか引き抜き、ようやく「フィカス・ベンガレンシス」を、室内に移動させることができたのです。
「フィカス・ベンガレンシス」の生命力&成長力のすさまじさを、あらためて実感しました。
こまめな植え替えをすることは、「フィカス・ベンガレンシス」を育てていく上で、必須な園芸作業となるでしょう!
「フィカス・ベンガレンシス」の植え替え
このままの状態でずっと放置すると、水がうまく吸い上げられずに、枯れてしまうでしょう。
冬のあいだはずっとこの状態でしたが、植え替えの適期である春を迎えたタイミングで、植え替えをすることにしました!
用意するガーデニンググッズ
植え替えにあたり、用意したガーデニンググッズは、以下の通りです。
- 観葉植物用の培養土
- あたらしい鉢
- 園芸用手袋
- 園芸用ハサミ(カッターでも代用可能)
- 割りばし ※根をほぐすときに使用(根かき棒があると便利)
また、鉢底石については再利用したので、あたらしく用意していませんが、必要な場合は用意した方がよいでしょう
園芸用土の再利用については、下記の記事で詳しくご紹介しています
植え替え前の「フィカス・ベンガレンシス」
まずは、植え替えをする前の「フィカス・ベンガレンシス」の様子です。
株にも元気がなくなり、葉もほとんど散っていますが、なんとか枯れずに生きています。
冬のあいだには耐寒性を上げるために、水やりをかなり控え目にしていたことが、葉がここまで落ちてしまった原因なのだと思います。
落葉が進み過ぎて、枝が間延び(徒長)しているように見えますが、徒長しているわけではありません。
鉢を大きくすると、大きくした分だけさらに大きく成長していきそうですが、今回は株のサイズを大きくしたいわけではありません。
また、自宅の育成スペースにも限りがあるので、根をバッサリと切り落として、今と同じ鉢に植え戻す作戦で挑みます!
根はバッサリ切り落としても、すぐにあたらしい根が生えてきそうです。
鉢底からあふれ出ている根を切り落とし、株を鉢から抜く
不要な根を切り落とし、株を鉢から抜いていきます。
植物を早く大きく成長させたいのであれば、できるだけ根を切り落とさず、大きな鉢に植え替えます。
ただし、今回の植え替えは根をバッサリと切り落とし、同じ鉢に植え戻します。
鉢底から出ていた根は切断するしかないので、迷わず切り落としたところ、想像していたよりもスムーズに、株を鉢から抜き出すことができました!
植物が大きく成長し過ぎて、鉢から抜けないときは、鉢を壊すことにもなりかねません。
もしかしたら今回も、鉢を壊さなくてはいけないかもしれないな…。
と思っていたので、鉢は壊さずに株を抜けたことに、ひと安心です!
「フィカス・ベンガレンシス」の根は、案の定びっしりと成育し、これ以上根を成育するスペースがなさそうな状態でした。
観葉植物は細い根を生やす品種が多いですが、「フィカス・ベンガレンシス」の根は、太い根も多いのが特徴的です。
古い培養土を落とし、根を整理する
つづいて、古い培養土を落として、根を整理していきます。
根同士がかなり絡み合っていたので、手で培養土を落としたり、割りばしで根を徐々にほぐしたりして、徐々に土を落としていきました。
一般的に「側根」と呼ばれる植物の細い根は切り落としても株へのダメージが最小限で済みますが、太い根である「主根」は慎重に扱った方がよいものです。
今回は、明らかに太い主根はなるべく残して、側根はお構いなく整理していきました!
ただし主根もそのままの状態だと、同じ鉢に入りらなかったので、ある程度切り落としました。
植え替え前の状態と比べて、根を半分ぐらい切り落としました!
根を切り落とすときは、以下のポイントに気をつけることで、失敗するリスクを軽減させることができます。
白い根はあたらしい根で、黒っぽい根は古い根なので、なるべく白っぽい根は切り落とさないようにする
「フィカス・ベンガレンシス」の場合、主根が幹と同じぐらいの太さですが、かなり切り落としても大きな問題はありませんでした。
根に付いて落とし切れていない培養土は、この後シャワーを使用して、落としました!
枝を切って鉢に植え込む
枝も旺盛に伸びていましたが、株を大きくしたいわけではないので、大部分の枝は剪定して少しコンパクトにしました!
この白っぽい枝も、「フィカス・ベンガレンシス」の魅力のひとつです。
多くの根は切り落としましたが、それでも同じ鉢には入り切らなかったので、鉢のサイズは少し大きめなサイズのものに変更しました!
鉢の中にギュウギュウに根や土を詰め込まず、少しだけゆとりのある空間を設けました!
ちなみに植え替えたあとの鉢は、「菊鉢」という鉢で、サイズは6号鉢です。
「菊鉢」もお気に入りの鉢のひとつですが、スリットが入っているプラスチック鉢が、いまスポットを浴びています。
その名も、「根っこつよし」!
ネーミングは気になりますが、植物を育てていく上では、スリットのメリットを発揮してくれるでしょう。
スリット鉢の効果については、下記の記事でご紹介しています。
植物を健康的に育てたい方にはオススメできるので、もしご興味があれば、あわせてお読みください。
水やりをして、しばらくのあいだ待つ
さいごに水やりをして、「フィカス・ベンガレンシス」の根に培養土を絡ませたら、植え替え作業は完了です!
あとは株が植え替えのストレスから回復し、成長を再開するのを待つだけです。
根を半分ほど切り落としあわせて枝の剪定も行ったので、相当なダメージを受けていると思いますが、無事に復活してくれるでしょうか…!?
植え替えから3か月が経過したときの「フィカス・ベンガレンシス」の様子
約3か月が経過し、なにごともなかったかのような佇まいをした「フィカス・ベンガレンシス」の様子です。
やはり「フィカス・ベンガレンシス」に、余計な心配はご無用なようです。
あたらしく展開したばかりの葉には光沢感もあり、ピカピカになっています
あたらしく展開した葉は光沢感があることが多いですが、葉に光沢感をもたせるスプレーは市販されています。
観葉植物をピカピカにしたい場合に使用することで、インテリア性をさらに向上させることができるでしょう。
オススメできるスプレーは、住友化学園芸から出ている下記のものです。
株が元気に復活したことはよいことですが、たった3か月で、ふたたび根が鉢底から溢れてくる事態になりました。
鉢内には、ある程度の余裕をもたせていたはずですが…。
植物の根は明るい光を嫌う性質をもっているので、鉢から根が出てきてしまうときは、鉢内のスペースがないときです。
しかし、「フィカス・ベンガレンシス」の根は、他の植物と比べると明るい場所を嫌う特徴が弱いのかもしれません。
根を切り落とすときにもっと切ればよかったのかもしれませんが、あまり切り過ぎても、枯れてしまうリスクを高めてしまうでしょう。
ここまでくれば、植え替えのストレスによって枯れてしまうリスクはありません。
まとめ
「フィカス・ベンガレンシス」は、その圧倒的な生命力と成長力で、多くの観葉植物愛好家を魅了する品種です!
本記事では、植え替えの具体的な手順と注意点を中心に、その成長ぶりや管理のポイントを詳しくご紹介しました。
植え替えの作業は手間がかかるものの、この植物の生命力の強さを実感するたびに、育てる喜びを味わえることでしょう!
高頻度での植え替えが必要になる一方で、丈夫で初心者にも育てやすいのが特徴です。
日々のお世話を通じて植物の成長を見守りたい方には、ぜひ「フィカス・ベンガレンシス」をオススメします!
ちなみに、自宅で育てている観葉植物に使用している培養土は、下記のものを使用しています。
この培養土に植えている植物は、どの株もグングン成長しているので、観葉植物を育てるときにオススメの培養土です。
自宅では、他にも観葉植物を育て、成長記録を付けています。
下記の記事でまとめているので、よろしければ、他の品種の記事もお読みください
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