ユニークな和名の塊根
大きく成長すると、おまんじゅうのような見た目をした塊根植物へと成長を遂げる「ゲラルダンサス・マクロリザス(Gerrardanthus macrorhizus.)」。
自生地にはゴツゴツした岩が多くあるので、周囲にある岩に擬態をした結果、おまんじゅうのようなカタチに進化を遂げたとされている多肉植物の仲間です!
以前から「ゲラルダンサス・マクロリザス」をたねから育てる実生(みしょう)をやってみたいと思い、ずっとタネを探していました。
入手するまでに長い時間がかかりましたが、ようやく念願のたねを入手できたので、たねを蒔いてみました!
本記事では、「ゲラルダンサス・マクロリザス」の実生の成長記録を付けています
ゲラルダンサス・マクロリザスの基本データ
原 産 地:南アフリカ 東ケープ州
科・属:ウリ科 ゲラルダンサス属
学 名:Gerrardanthus Macrorhizus
別 名:眠り布袋(ねむりほてい)
ゲラルダンサス・マクロリザスのたね蒔き後の経過
たね蒔き初日:2023年10月1日
「ゲラルダンサス・マクロリザス」は春から秋までの暑い季節が成長期の“夏型”の塊根植物で、寒い時期には落葉し休眠状態に入る植物です。
塊根植物とは、乾燥対策として多くの水分を体内に蓄えておけるように、根や茎などを肥大させている植物のことです。
特に秋にたねを蒔いた1年目の塊根植物は株自体が小さく、植物自体に体力が備わっていないので、冬に休眠に入ってしまうとそのまま、休眠から覚めることなくそのまま枯れてしまうこともあります。
そのため秋にたねを蒔くと、冬の間は必然的に植物がなるべく休眠しないように、強い光と暖かい温度環境を提供する必要があるでしょう。
植物育成用LEDライトを使用したり、暖かい環境を常時提供するためには、それなりに電気代が・・・!
「ゲラルダンサス・マクロリザス」は、ずっとたねを探していた品種だったので、冬に発生するであろう電気代を覚悟した上で、実生を開始しました!
たねの消毒などは特段せずに屋外で多肉植物用の用土に撒いて、用土が濡れた状態を維持できるように水を入れた容器に漬け込み、いわゆる腰水の状態で「ゲラルダンサス・マクロリザス」の発芽を待ちました。
多肉植物のたねの蒔き方については下記の記事で詳しく書いているので、これからたねを蒔かれる方は、ひとつの参考にしてみてください。
たね蒔き14日後:2023年10月14日
たねを蒔いてから4日~5日経過した段階で、いくつかのたねが発芽しました!
そこから、さらに10日が経過したときの様子です!
すでにこの時点で茎が起き上がり、最初に展開させる葉「子葉」を出している個体もいれば、まだ動き出したばかりの個体もいます
特に、実生の最初の方は発芽しなかったり発芽の途中で枯れてしまったりすることもあるモノ・・・。
そういった面も含めて、このたねを蒔いてから一定の大きさに成長するまでが、もっとも植物の個性を感じ取ることができるタイミングだと感じています!
使用している鉢は「プレステラ90」という、プラスチック製の黒い鉢を使用しています。
鉢底の側面に切れ目(スリット)が入っていて、排水性や通気性に優れているので、塊根植物にはピッタリな鉢です。
スリット鉢については、下記の記事で詳しく書いています。
たね蒔き20日後:2023年10月20日
たねを蒔いてから約3週間が経過しました!
この時点では子葉の段階を無事に乗り越えて、本葉を展開させてきた「ゲラルダンサス・マクロリザス」もいます!
これは「ゲラルダンサス・マクロリザス」に限ったことではありませんが、子葉と本葉はまったくカタチが異なるモノです!
子葉はそこまで特徴のないカタチをしていて、葉の血管ともいえる「葉脈(ようみゃく)」は縦側に入っていますが、本葉はハートでもなく扇形でもなく、トランプのスペードマーク型にも見えます!
また、葉脈の入り方も子葉とは違い、同じ植物が展開している葉なのか疑問が出るほど、カタチの違う葉を展開しています!
一部の株には、葉焼けのような症状も出ていますが、今のところ発芽した株は元気が良さそうです!
たね蒔き35日後:2023年11月4日
そして、たねを蒔いてから約1か月が経過した「ゲラルダンサス・マクロリザス」です!
ほとんどすべての株が本葉を展開し、幹の部分がすこし膨れてきたような気がします!
もうすこし膨れてくると、塊根植物らしさが出てくるのではないでしょうか。
たねを蒔いたときからずっと、屋外で直射日光が1~2時間程度当たる場所で育てています。
たね蒔き70日後:2023年12月9日
前回からさらに約1か月が経過して、塊根部分がどんどん大きくなってきました!
11月中旬ぐらいから、パネル型の植物育成用LEDの力を借りて、室内で育てています!
「ゲラルダンサス・マクロリザス」に使用している植物育成用LEDライトは、下記のBRIM製のパネル型ライトの光を当てています。
塊根植物は成長の遅い品種が多いですが、「ゲラルダンサス・マクロリザス」は、塊根植物の中ではめずらしく、これまでのところかなり成長速度の早い品種です!
2か月経ったぐらいで、もうわたしの人差し指と同じぐらいの太さまで成長しました!
たね蒔き91日後:2023年12月30日
たねを蒔いてから、約3か月が経過したところです!
前回から変化があった点は、幹の部分が茶色くなり、木質がはじまってきたところ!
また「ゲラルダンサス・マクロリザス」はつる性の植物なので、ガーデンラックにつるを絡ませる日が近そうなぐらい、枝葉を伸ばしはじめました!
この日は年末を迎えているタイミングなので、屋外は寒く、屋外で育てていたら休眠を通り越し、一気に枯れてしまうモノと思われます。
ただ、「ゲラルダンサス・マクロリザス」を育てている場所は、植物育成用LEDライトやサーキュレーターなど、夏型の植物でも成長できる環境を最低限維持できているので、相変わらず成長を続けています!
今年は冬の間でも比較的暖かい環境を提供できますが、植物育成スペース的にも限界があるので、来年までにはもう少し大きく成長して体力をつけてもらい、違う置場で冬を乗り過ごしたいところです・・・!
ちなみに「ゲラルダンサス・マクロリザス」は、もう少し大きな株をガーデニングショップで購入し、その後の成長記録を付けています
下記の記事でご紹介しているので、ご興味があればお読みください。
たね蒔き231日後:2024年5月18日
前回からは、半年弱が経過したところです!
冬の間は、ずっとエアコンを付けていない室内で育てていたところ、寒さがピークを迎えた2月ごろに落葉し、休眠に入りました。
無事に休眠から目覚めてくれるか少し心配していましたが、暖かい春を迎えたタイミングでちゃんと休眠から目覚め、何枚か葉を展開しはじめました!
見た目はすっかり、ガーデニングショップで並んでいる「ゲラルダンサス・マクロリザス」へと成長しました!
ただ、あまり健康的に見えない葉を展開している株もいますが、大丈夫でしょうか・・・。
夏型の塊根植物のたね蒔きとして適期なのは春ですが、秋にたねを蒔いたとしても、室内で植物を育成する環境が整えられるのであれば、なんとかなるモノです!
わたしの育成環境では暖房を入れていないので、冬の間休眠に入ってしまいましたが、暖房を入れていれば休眠に入らせずに冬を乗り越えられると思います。
たね蒔き372日後:2024年10月6日
たねを蒔いた日から数えて、1年が経過しました!
ひとつの鉢に3株植わっている状況と、ひとつの鉢に1株植わっている状況では、根を張れるスペースに違いがあるので、成育速度にも大きく影響が出はじめました。
たねを蒔いたタイミングでは、それぞれの鉢に同じ数のたねを蒔いたはずですが、発芽率の影響で違いが出てしまったものと思われます。
秋のタイミングで植え替えの適期を迎えているので、植え替えをした方が成育上プラスに働くと思いますが、最近雨が続いていて、土が乾かずに植え替えをできていません。
ほかの塊根植物は1~2年程度ではまだまだ子苗という感じですが、「ゲラルダンサス・マクロリザス」は、大きめな鉢に植えれば、1年でも立派な塊根植物に成長する品種だと思います!
(更新中)
下記の記事で、同じタイミングでたねを蒔いた「ボンバックス」の記事を書いています
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