植物に癒されるスポット
東京都内には、「夢の島熱帯植物館」や「板橋区立熱帯環境植物館」など、いくつもの植物園がありますが、そこまで広大な面積を誇っているところは多くはありません。
東京都の人口密度は高く世界一ともいわれているので、限られた土地の中で広大な植物園をつくるのは、なかなかむずかしいということでしょう。
そんな中でも、とても大きな植物園「神代植物公園」があります!
「神代植物公園」は”東京ドーム約11個分”という広大な敷地面積(501,968.22㎡)を有している、東京都内最大規模の植物園です。
本記事では、東京都調布市にある「神代植物公園」に行ってきたときのことを、ご紹介しています!
神代植物公園について
「神代植物公園」には約10万本、そして4,800種類もの植物が植えられているので、これまでに見たこともなければ、聞いたこともない植物を、たくさん見ることができます!
植物が立ち並ぶ東京都内のスポットと比較してみると、東京都江東区の新木場にある「夢の島熱帯植物館」で品種数は1,000種類以上、大都心の新宿にある「新宿御苑」でも2,000種以上の植物という規模感なので、植物の数についてはボリューム感が違います!
植物の数もさることながら、「神代植物公園」はとにかく敷地が広いので、ひとつひとつの植物をじっくりと堪能したい場合には、かなりの時間がかかるもの。
半日だけでは、すべてのエリアを回り切れない可能性が高いです。
「神代植物公園」の周辺には飲食店が何店舗かあったので、植物が好きな方であれば、丸1日植物園づけのプランも有りだと思います!
- 午前中に行って、園内を散策する
- 周辺の飲食店で、お昼ご飯をとる
- 午後から、また園内を散策する
また、お弁当も持ち込みも可能なようなので、持参したお弁当を園内で食べるのも有りでしょう
わたしは電車を乗り継いで、「神代植物公園」までのバスが出ている駅のひとつ、「調布駅」からバスに揺られて行きました!
ほかにも「三鷹駅」や「吉祥寺駅」からも、バスでアクセス可能となっています。
わたしが「神代植物公園」を訪れたタイミングは、150周年記念のイベントを開催しているところでした!
都立公園自体には、150年もの長い歴史があるのですね。
ちなみに、イベントの内容はスタンプラリーで、スタンプを10個以上集めると、限定のピンバッジをもらえる内容となっていました。
都立公園だけではなく、動物園や水族園でもスタンプは集められるようですが、10個はかなり多い気が・・・!!
神代植物公園の各エリアについて
それでは「神代植物公園」の正門をくぐって、園内へ入っていきます!
最初に、“園内マップ”と“季節のみどころ”を確認しました。
事前の情報収集も重要ですが、張り出されている書面でそのときどきの情報を見てから回ると、より一層植物園を楽しむことができると感じています!
園内マップには順路が書かれていなかったので、気になる植物エリアから順番に、見て回っていけば良いと思います。
出入り口付近から、早くも白色、黄色、そして紫色のお花たちが石像を囲んでいました!
プロの方が、しっかりと管理をしている様子が伝わってきます
しゃくなげ園
そして出入り口からすこし歩いて、「しゃくなげ園」へ!
「しゃくなげ」は、冬になっても緑の葉を落とさない常緑の植物で、そこまでの高さまで成長しない低木という特徴をもっています。
また、多くの品種は、4月から5月にかけてお花を咲かせます。
この日は「しゃくなげ」の早咲きの品種を中心に、色とりどりの花びらを開いていました!
「しゃくなげ」は高すぎず低すぎず、ひとの目線と同じ高さでもお花を咲かせているので、実際にシャクナゲを目の当たりにしてみると、花や樹木の力強さを、より間近に感じることのできる植物だと感じました!
お花の色も赤や白だけではなく、淡い紫色のお花をつけた「つくししゃくなげ」や、赤とピンク色の2色でお花をつくり上げている「セミス・ルーズベルト」という品種まで、さまざま!
葉の色も品種により違いがありますが、葉が細長い形状をしているところは、「神代植物公園」で育つしゃくなげに、共通していることだと思います。
ぼたん・しゃくやく園
しゃくなげのお花をひと通り楽しんだ後は、「ぼたん・しゃくやく園」へ!
「島大臣」というぼたんは、赤紫の花びらを重ねるように咲かせていて、エレガントという言葉が似合うお花を咲かせていました!
ただし、残念ながら開花の時期とは少しズレていたようで、このエリアで開花している植物は、一部の品種のみでした。
桜の開花時期が毎年少し異なっているように、日照や気温などの影響が植物の開花時期に影響を与えることは、よくあることなので、この年は開花が遅れていたということかもしれません。
梅・藤
そして「●●園」という場所ではありませんでしたが、園内の池の付近では、長い樹齢から“趣”を感じさせる梅の木の姿も。
そして、藤ノ木の“大迫力”にひたすら圧倒されたあと、暖かい地域で自生する植物が育てられいる「大温室」に向かうことにしました!
藤の木は、もともとは日本が原産の植物ですが、その観賞価値の高さから、今では世界中で親しまれている植物です!
お花もきれいですが、なんといってもこの樹形は、ほかの植物にはないもの!
世界中のひとびとから愛されていることも、充分納得できます
木質の支柱で枝を補強してあったので、自分の枝を支えきれずに、強風時などに折れてしまうことがあるのかもしれません。
大温室
コウモリラン、パイナップル
神代植物公園にそびえ立つ「大温室」に入ると、まずは“コウモリラン”こと、ビカクシダがお待ちかね!
そして、小さなパイナップル!?
スーパーで売られているパイナップルを見かけることはありますが、ココナッツやバナナのように大きな木の高い位置に実を成らせるのかと思っていました
実が大きくて重いパイナップルの実は、このような低い位置に実を付けることで、風などの影響を軽減させているのだと思います。
神代植物公園の「大温室」の特徴は、室内で育っている植物がとにかく多種多様の品種にわたるところ、そしてところどころに植物を興味をひく解説がつけられているところだと思います!
アリストロキア・サルバドレンシス
解説の面では、たとえば、「アリストロキア・サルバドレンシス」という植物。
解説を読むと、映画スターウォーズの「ダースベイダー」に似た花との記載がありますが、「ダースベイダー」に似たお花とはいったい・・・!?
そして、下の写真が実際の「アリストロキア・サルバドレンシス」という植物です!
たしかに、ダースベイダーの顔らしきモノが、地面にたくさん転がっています!
このお花は、1週間ほどしか咲かせないようなので、今回はたまたまタイミングが良かったようです!
個人的にはスパイダーマンのようにも見えてしまいますが、いずれにしても、ほかには類を見ないお花を付ける植物であることには間違いありません!
クロトン(細葉)
ガーデニングショップでも、時おり見かける「クロトン」もお花を咲かせていました!
赤や黄色など、毒々しい色をした斑が入る葉を付ける植物ですが、葉の毒々しさとはギャップすら感じる、さわやかなお花を咲かせています!
ちなみに、自宅では100円ショップで見つけた「クロトン」を育てています。
メディニラ ‘火の鳥’
ほかの植物のお花とはまるで見た目の違う、「メディニラ」のユニークなお花も印象に残る光景です
お花はほとんどがピンク色をしていますが、紫色や黄色などもさり気なく配色されていて、一度見たら脳裏に焼き付く見た目をしています!
お花の蜜を吸いに来た虫を、食べてしまいそうな見た目をしていますが、食虫植物の仲間ではありません。
「メディニラ」の原種地はフィリピンですが、この“火の鳥”という品種は日本人によってつくり出された、いわゆる園芸品種です!
ヒスイカズラ
多くのお花が咲き誇る神代植物公園の「大温室」の中でも、個人的にもっとも心に刺さった植物が「ヒスイカズラ」という、青色と緑色の中間色のようなお花を咲かせていた植物です!
カタチだけ見れば、海の中をただよう魚のたまごのようにも見えます!
原産地では、“オオコウモリ”に受粉の作業を手助けしてもらっている植物ですが、原産地では絶滅危惧種としても指定されている植物です。
オオコウモリも絶滅危惧種に指定されているので、オオコウモリの数が減少に伴い「ヒスイカズラ」の数が少なくなってしまったのか、またはその美しさからひとが乱獲してしまったのか、詳しい理由は分かりませんが、後世に残したい植物です!
きれいな見て目をし、見ているだけで元気をくれる植物を守っていくことも、ひとに課せられた使命なのかもしれません。
レックス・ベゴニア
「神代植物公園」に来てすごく好きになった植物が、色とりどりの「レックス・ベゴニア」です!
これまでも、そこまでサイズ的に大きくない「レックス・ベゴニア」は、ガーデニングショップなどでたまに見かけていたのですが、大きく成長すると毒々しい見た目により一層磨きがかかり、かなり存在感のある植物になるのだと感じました!
一見、人工的につくられた“フェイクグリーン”のようにも見えますが、本物の植物です!
ほかの植物にも、緑一色をしたものから、斑の入っている植物まで多くの品種に分かれていますが、ここまでいろいろな色を葉に付ける植物は、「レックス・ベゴニア」と「コリウス」ぐらいではないでしょうか。
こちらの植物も、自宅で育てています。
大温室内で育っている植物をよく観察していると、少しでも日当たりの良い環境を求めて、太陽光の方向に成長していることにも気付かされます!
たとえば、上の写真のうち左側が日当たり良好な面、右側は日が差し込む方向とは逆の面となりますが、咲かせているお花の数や、展開している葉の数に大きな違いが見られます!
自宅で植物を育てていても、太陽光の方向に向かって徐々に傾いてきてしまうことがありますが、ここまで露骨に太陽光の光を効率よく浴びることができるように、日々自分の身体を成長させているのですね!
一度地面に根をおろしたら移動することができない、植物ならではの環境適応能力ともいえるでしょう
水生植物
大温室内には、「水生植物」も気持ちよさそうに育っていました。
「水生植物」は、読んで字のごとく、水の中や水面にで生きている植物の総称です。
「水生植物」にも、いろいろなお花を咲かせる品種があるものです。
用土がいつまでも乾かない環境を好まない植物が多い中で、あえて用土が乾きようがない水の中に生息してしまうとは、ものすごい進化を遂げたものです。
一番最初に「よし!水の中で生息しよう!」と決心をした、水生植物の祖先の発想力、そして決断力には感服するものがあります!
おそらく、ほかの植物との生存競争に負けて、生存場所を水辺に追いやられた品種が「水生植物」になるのだと思います。
「水生植物」のお花の蜜を吸いに来る虫からしたら、一歩間違えると水の中に落ちてしまう危険性もあり、うまく飛べる虫でないと「水生植物」までたどり着くこともできないので、地上で育つほかの植物よりも受粉作業を虫に手伝ってもらうことがむずかしいのかもしれません。
多肉植物
多肉植物も、ガーデニングショップなどでみるようなコンパクトなサイズではなく、温室パワーと地植えパワーの相乗効果でとても大きく成長し、かなりの数で群生している品種もいました!
本来の自生地で成育している姿は、限られた鉢内の環境で育てられる姿とは異なり、とてもワイルド感の溢れる植物なのだと感じさせてくれました!
「神代植物公園」の特徴のひとつに、ほとんどの植物や付近にネームプレートが掲げられているところが挙げられます!
ネームプレートは付いていて当たり前だと思われるかもしれませんが、植物の近くにはネームプレートなどがなく、掲示板などである程度まとめて植物名の紹介がされていたり、何も紹介されていないことも意外とあるので、その場で植物名が分かるのは、ありがたいサービスです!
温室は気温の下がる冬の季節でも、暖かい室温を保ちやすいので、暖かい環境で自生する植物を育てる場合には、ありがたい施設のひとつ。
家庭用には、「簡易ビニールハウス」といった、ガーデニンググッズもあります。
つばき・さざんか園
大温室をあとにして、続いて向かったのは、「つばき・さざんか園」です。
こちらのエリアでも、一部の品種が開花をしていました!
どちらの植物も街なかで見かけることの多い植物ですが、普段当たり前すぎてよく観察することはありませんが、あらためて見てみるとやっぱりきれいです!
広く日本の地に浸透していることが、腑に落ちる植物です!
これまで天候はずっと曇りでしたが、この辺りから、ポツポツと小粒の雨が降り出してきました・・・!
うめ園
雨の降る中、向かった先は「うめ園」です!
うめは、古くから日本で育っているイメージを持っていますが、日本原産の植物ではなく、中国から海を渡ってきた植物なのですね。
うめの木は、直立して空高く成長していく大樹とは異なり、うねうねとした樹形に成長していく植物。
開花時期は1月中旬から3月上旬との記載があったので、その季節には、梅のお花見のために多くの方が訪れているエリアなのかもしれません!
うめといわれると「梅干し」をイメージしますが、うめはお花見だけではなく盆としても楽しまれる植物で、実だけではなく植物の観賞価値としても高いものがあるでしょう
水生植物園
最後にそば畑もある、「水生植物園」を見て回りました!
田舎というか古風というか時間がゆっくりと流れている、のどかなエリアで、ここのエリアには無料で入ることができます!
田園風景ともいえるこの景色は、なにも考えたくないとき、なにかを忘れたいときにはピッタリなスポットです!
神代植物公園の全体的な印象
全体を通して、「神代植物公園」には、下記のような印象を持ちました!
- とても広大な敷地なので、植物好きな方が行ったら、半日で回り切れる規模感ではない!
- たくさんの見たことの無い植物に出逢える!(かも!?)
- ほとんどの植物にネームプレートが付けられているため、どんな名前の植物なのか分かりやすい!
- 一番の見どころはバラになり、春と秋には『バラフェスタ』を開催!(今回は、タイミングが合わず・・・)
- 園内にいる多肉植物は、そこまで多くない。
- 神代植物公園1961年10月に開園しているので50年以上の歴史があるが、すごく古い印象は受けない。
長文となりましたが、今回は神代植物公園のご紹介でした!
下記の記事では、これまでおとずれた植物園をまとめています
ほかにもオススメな植物園はあるので、よろしければあわせてお読みください。
神代植物公園の基本情報
住所・アクセス
東京都調布市深大寺元町5-31-10
【アクセス・車】:中央自動車道『調布インター』から5分程度
【アクセス・電車&バス】:京王線『調布』駅、または『つつじヶ丘』駅、JR中央線『三鷹駅』または『吉祥寺』駅からバスでアクセス可能
営業時間・休み
AM9時30分からPM17時00分まで
(本園の入園は16時まで)
※大温室・水生植物園の閉門時間は16時30分まで
休み
月曜日(月曜日が都民の日や祝日の場合は翌日が休み)
12月29日から1月1日まで
入園料
大人(一般)500円
※年間パスポートもあります
電話番号・公式HP
042-483-2300
神代植物公園の公式HP(公益財団法人 東京都公園協会)
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