冬型のコーデックス
「ケラリア・ピグマエア(Ceraria pygmaea)」は、涼しい季節に旺盛な成長を見せる、“冬型”の塊根植物です
実際には冬よりも、春と秋の方がよく成長するので、“春秋型”の植物に近い性質があります。
ケラリア・ピグマエアの基本データ
育 て 易 さ:★★★★☆
成 長 速 度:★★★☆☆
入手し易さ:★☆☆☆☆
耐 寒 性:★★★★☆(耐寒温度(目安):5℃)
耐 暑 性:★★★★☆
原産地:南アフリカ・ナミビア
科・属:スベリヒユ科 ケラリア属
学 名:Ceraria pygmaea(ケラリア・ピグマエア)
別 名:ポーチュラカリア・ピグマエア
ケラリア・ピグマエアの魅力 など
ケラリア・ピグマエアの魅力
「ケラリア・ピグマエア」の最大の魅力は、樹木のような幹の肌質や、小さな大樹のような見た目にあるでしょう。
大きく成熟した株でも、幹の直径は10cmほどまでにしか成長せず、コンパクトなサイズを維持します。
木質化した幹を肥大させるすがたから、根や茎を肥大させる『塊根植物』の仲間として分類されています。
雌雄異株(しゆういしゅ)
「ケラリア・ピグマエア」には“雄株”と“雌株”が存在し、それぞれの株が咲かせたお花を、受粉させる必要があります。
雄株と雌株の見分け方は、お花の色
「ケラリア・ピグマエア」の雄株と雌株は、お花の色で見分けられます
- 雄株
- 緑がかった白っぽい色
- 雌株
- 薄いピンク色
「ケラリア・ピグマエア」はある程度大きく成長しないと開花しないため、株が小さいうちに雄株と雌株を見分けるのは、むずかしいでしょう。
ケラリア・ピグマエアの現地球&実生株
「ケラリア・ピグマエア」は、とても高い人気を誇っている品種。
自生地である南アフリカから輸入した現地球(げんちきゅう)は、数万円単位で販売されているので、カンタンには手を出せません。
ケラリア・ピグマエアのたねの購入
植物のたねを販売しているネットショップ『seed stock』から、「ケラリア・ピグマエア」のたねを購入しました!
「ケラリア・ピグマエア」のたねを購入した次の日に、あらためて『seed stock』のサイトを確認したところ、すでに売り切れていたので、本当に人気の高い植物ということが伝わってきます。

- た ね:5粒
- おまけ:1粒(seed stockで購入すると、少量のおまけが付いてくる)
- 合 計:6粒
「ケラリア・ピグマエア」のたねは、ひと粒あたり数百円と、決して安いものではありません。
多肉植物のたねは一般的な園芸店では販売されていないので、購入するとしたら、ネットショップになります。
たねの購入先は、以下の記事で詳しくご紹介しているので、ご興味があれば参考にしてみてください
ケラリア・ピグマエアのたねを蒔いた環境
たねの発芽率を上げるためには、他にもさまざまなコツがあります。
詳しくは、以下の記事を参考にしてみてください
ケラリア・ピグマエアのたね蒔き後の経過
たね蒔き当日(2023年11月4日)
今回は半日ほど水に浸けた上で、たねを蒔きました。
水には、植物活力素「メネデール」を希釈しています
今後、発芽後もしばらくは植え替えず、同じ鉢で育てていく予定です。
鉢内のスペースにゆとりを持たせるために、2つの鉢に3粒ずつ蒔きました。
たねの鮮度が悪いと、1粒も発芽しないこともあるので、今回のたねは新鮮だったのかもしれません
たね蒔きから4日後(2023年11月8日)
「ケラリア・ピグマエア」のたねを蒔いてから、4日後の様子です。

まだ、発芽から数日しか経過していないので、多肉植物かどうかも分からない見た目をしています。
同じタイミングで、冬型の多肉植物のたねを、3~4品種ほど蒔いています。
同時にたねを蒔いた中では「ケラリア・ピグマエア」が、もっとも早く発芽しました
たね蒔きから35日後(2023年12月9日)
たねを蒔いてから、35日が経過しました。
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発芽した4株のうち1株が、葉をうまく展開させられずに、ほとんど枯れている状態です…。
今のところ、6粒のうち3株が、順調に育っている状況です。
この状態だけ見ても品種名までは分かりませんが、葉に水分を蓄えている様子から、多肉植物の幼苗であることは、見た目で伝わるかもしれません。
たね蒔きから55日後(2023年12月29日)
前回の記録から、20日が経過しました。
たねを蒔いてから、約2か月が経過したときの様子です。
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ただし今のところ、展開させているのは子葉のみで、本葉のすがたは見られません。
最初からうまく育っていない1株は、その後も健康的な成長は見られず、今のところまったく変化がありません。
たね蒔きから77日後(2024年1月20日)
「ケラリア・ピグマエア」のたねを蒔いてから、77日が経過しました。
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あたらしく展開した葉はまだ厚みがなく、多くの水分を蓄えている様子は見られません。
- あたらしい葉を展開する
- 葉に水分を蓄え、厚みが増す
- 葉が十分に水分を蓄えられてから、次の葉を展開する
というサイクルで、葉を展開させていくようです。
たね蒔きから93日後(2024年2月4日)
前回の記録から約2週間、たね蒔きから数えると、約3か月が経過しました。
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成長速度はあいかわらず遅いですが、成長していないわけではなく、本葉が大きく成長しています
- プックリと肉厚で、短い葉を展開する株
- そこまで厚みがなく、少し長めな葉を展開する株
発芽するまでの速度は早かったものの、その後の成長速度が圧倒的に遅いです。
「ケラリア・ピグマエア」は、ある程度の段階から、成長速度が一気に上がる。
と、聞いたことがあります。
ただし今のままの成長速度だと、現地球のような立派な塊根をした「ケラリア・ピグマエア」のすがたに成長するのは、10年以上かかる気がします…。
たね蒔きから180日後(2024年5月2日)
「ケラリア・ピグマエア」のたねを蒔いてから、約半年が経過したときの様子です。
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たね蒔きから3~4か月ほどの成長速度から比べると、途中から少しだけ、成長速度が早くなったと思います!
発芽してからしばらくは、土の中に根を張り巡らせる作業に集中し、根がある程度張れたタイミングで、葉や幹の成長に注力していくのかもしれません
たねを蒔いてから室内で育ててきましたが、気温が高くなってきたので、屋外に移動しました
たね蒔きから308日後(2024年9月7日)
たねを蒔いてから308日が経過し、季節は夏の終わりというところですが、連日35℃近くまで最高気温が上昇しています…
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一番左の株はひょろひょろと幹を伸ばし、ポロポロと葉を何枚か落としているので、少し苦しそうな様子です…。
最高気温が30~35℃を超えてから、ほとんど成長を見せなかったものの、あと少しで暑さが落ち着くころなので、無事に酷暑を乗り越えてくれるでしょう!
発芽の時点から、葉をうまく展開させられていない1株も、なんとか生き抜いていますが、今後どうなるのか…。
本葉を展開しないまま約10か月も枯れない、その生命力には、感心させられます。
たね蒔きから508日後(2025年3月26日)
「ケラリア・ピグマエア」のたねを蒔いてから、508日が経過しました。
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秋に室内に取り込み、その後は室内のガーデンラックで育てています
1株は背が高くなったものの、ひょろひょろと隣の鉢にまで進出し、「ケラリア・ピグマエア」らしくない見た目に成長しました…。
あまり樹形が崩れ過ぎると、枯れてしまうこともあるので、あまりよくない方向に向かっている気がします。
発芽の時点から調子が悪かった1株は、最終的に枯れてしまいました…。
(更新中)
自宅で、たねを蒔いて育てている多肉植物の成長記録は、以下の記事でまとめています
他の品種の実生も行っているので、よろしければ、あわせてお読みください

ケラリア・ピグマエアの育成環境
「「ケラリア・ピグマエア」は、酷暑になると成長速度が落ちるため、真夏の暑さ対策が重要になります。
日当たり
「ケラリア・ピグマエア」は、直射日光などの強い光を好む植物です
よいカタチに仕立てるためには、日当たり良好な場所で育成することが必須です。
日照が不足すると、ひょろひょろと間延びする「徒長」のリスクを高めることに…。
自宅では春から秋までのあいだは屋外で育成し、直射日光になるべく長い時間当てています
冬は室内に取り込み、1日約10時間、植物育成用のLEDライトを当てています
塊根植物は、休眠状態に入るタイミングで、葉を落とす品種が多いです。
「ケラリア・ピグマエア」は他の塊根植物とは異なり、一年を通して葉を付けているので、落葉したときは調子を崩している可能性が高いでしょう。
数ある植物育成用のLEDライトの中で、コスパがよい製品は、BRIM製のものです。
冬の寒さを乗り切るために一時的に使用するのであれば、以下のスポット型のライトもチェックしてみてください
多肉植物の室内育成については、以下の記事で詳しくご紹介しています
用意するグッズや、電気代などについても解説しているので、よろしければご確認ください
水やり
「ケラリア・ピグマエア」は乾燥した環境を好むので、多めに水を与える必要はありません。
現地球など大きく成熟した「ケラリア・ピグマエア」は、土の中まで完全に乾いてから水やりをするのが、基本的な水やりサイクルです。
ただし実生株は、まだ体内に蓄えておける水分量が少ないため、多めに水やりをしないと、水切れを起こすリスクが高まるでしょう…。
たねから育てている場合など、株がまだ小さなうちは、水を溜めた容器に鉢ごと浸ける“腰水”での管理でもよいくらいです。
自宅で育てている株はまだ小さく、水を多めに与えて成長を促したいので、表土が乾燥したタイミングですぐに水を与えています。
半年ほど経過してからは、土が完全に乾いてから、水やりをしています
株が小さいうちは、底面給水という方法も、水やりの選択肢としてよいかもしれません
肥料
「ケラリア・ピグマエア」は、栄養分の少ない土壌で暮らしているので、肥料を少なめにするのが基本的な育成方法です。
自宅では、土に固形肥料(緩効性肥料)「マグァンプ」を混ぜているので、ゆっくりと肥料分が届けられていると思います。
暖かい季節には、液体肥料も2週間に1度の頻度で与えています。
発芽して間もないタイミングで肥料を与えると、根の成長に悪影響を与えてしまうことになるので、実生の場合はある程度大きく成長してから肥料を与えるのがオススメです。
塊根植物(コーデックス)の肥料については、以下の記事で解説しているので、よろしければ参考にしてみてください

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