ケラリア・ピグマエア(Ceraria pygmaea)の実生~たねから育てる成長記録~

冬型のコーデックス

「ケラリア・ピグマエア(Ceraria pygmaea)」という植物をご存知でしょうか!?
真夏以外の季節は成長するという情報もありますが、一般的には涼しい季節に成長する“冬型”の植物です
実際には、冬よりも春と秋の季節の方が成長するので、“春秋型”の植物に近い性質を持っています。

「ケラリア・ピグマエア」の魅力は、なんといっても大樹のようなその幹にあるでしょう。
大きく成長した株でも、幹の直径は10cmほどにしか成長しませんが、木質化した幹を肥大させる姿から、塊根植物の仲間として分類されています。

とても高い人気を誇っている品種で、自生地である南アフリカから輸入した現地球(げんちきゅう)の株は、かんたんに手を出せる金額では購入できないため、日本でたねから育てられた実生(みしょう)株か、またはたね自体が購入できたら育ててみたいと思っていました!
ガーデニングショップでは、なかなか実生株を見つけられないと思っていたところに、植物のたねを販売している“seed stock”から「ケラリア・ピグマエア」のたねが入荷したとの情報が届いたので、たねを購入して蒔いてみることに!

目次

ケラリア・ピグマエアの基本データ

育 て 易 さ:★★★★☆
成 長 速 度:★★★☆☆
入手し易さ:★☆☆☆☆
耐 寒 性:★★★★☆(耐寒温度(目安):5℃)
耐 暑 性:★★★★☆

原産地:南アフリカ・ナミビア
自生地の特徴①:気温が上昇するのは1〜3月で、気温が低下するのは6~8月頃。(日本とは季節感が真逆)
自生地の特徴②:年間を通してみると、日本の夏と冬ほど気温差はない。
自生地の特徴③:降水量は少なく、日本の3分の1程度。

科・属:スベリヒユ科 ケラリア属
学名:Ceraria pygmaea(ケラリア ピグマエア)

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たねの購入

seeds tock」は、たねが入荷したタイミングでX(旧Twitter)で新着の入荷情報を発信してくれるので、入荷情報のチェックがしやすいというメリットがあります!

わたしはXの通知機能を設定しているので、入荷日に「ケラリア・ピグマエア」の購入をすることができましたが、次の日にチェックしたらすでに売り切れていたので、あらためて本当に人気の高い植物だと感じさせられました。

購入したたねが自宅に届きました

たねは5粒購入しましたが、おまけで1粒入っていたので、自宅に届いたのは全部で6粒です。

「ケラリア・ピグマエア」は、たねでもひと粒あたり数百円とすこし値が張りますが、それでも現地球の株と比べると破格の安さに感じてしまいます。

「ケラリア・ピグマエア」は、大きく成長した株でないと花を咲かせませんが、自分ひとりだけでは受粉しない特徴を持っている植物。
受粉させるためには“雄株”と“雌株”がそろえる必要があり、雄株と雌株の開花時期が重なることで、はじめて受粉する環境が整う「雌雄異株(しゆういしゅ)」というタイプになります。

雄株は緑がかった白っぽいお花を咲かせるのに対して、雌株は薄いピンク色のお花を咲かせるようですが、株が小さいうちに雄株と雌株を見分けるのはむずかしく、株を大きく成長させてお花を咲かせるまでは、性別の判断はできない品種だと思われます。

たねの購入先は、別の記事でレビュー記事を書いているので、ご興味があれば参考にしてみてください。

たねを蒔いた環境等

別の記事で、同じく冬型の多肉植物「コノフィツム」の実生について書いていますが、「ケラリア・ピグマエア」も同じ時期に同じ方法でたねを蒔いています。

たねの蒔き方の詳細を知りたい方は、下記の記事を参考にしていただけるとうれしいです。

たね蒔き後の経過

たね蒔き当日(2023年11月4日)

品種にもよりますが、多肉植物のたねは、蒔く前に半日から1日程度水に浸けておくことで、植物の“発芽スイッチ”を入れることができます!
ただ、あまり長い期間水に浸けておくと、たねが酸素を吸えずに逆効果になることも。

今回はひと晩、植物活力剤の「メネデール」を薄めた水に浸けてから、たねを蒔きました。

今後、発芽後もしばらくの間は植え替えをせずに育てていきたいので、2つの鉢に3粒ずつ蒔くことにしました。

「ケラリア・ピグマエア」のたねはとても反応が早く、たねによっては1日水に浸けただけで、早くも根らしきものが出はじめているモノもあったので、たねが新鮮だったのかもしれません。

たね蒔きから4日後(2023年11月8日)

たねを蒔いてから4日目を迎えていますが、早くも6粒中4粒の発芽が確認できました!

同じタイミングで冬型の多肉植物のたねを何種類か蒔きましたが、同時にたねを蒔いた多肉植物の中では「ケラリア・ピグマエア」が、発芽するまでの期間がもっとも早かったです。

たね蒔きから35日後(2023年12月9日)

たねを蒔いてから、約1か月が経過したころの様子です。

発芽した4株のうち1株が、葉をうまく展開させることができずに、すでにほぼ枯れ気味なので、今のところ3株が育っている状況です。

水を吸って、葉にプックリとした厚みが出てきました!
この状態だけ見てもなんの品種かは分からないと思いますが、葉に水を蓄えている姿から、多肉植物の幼苗であることは伝わるかもしれません。

たね蒔きから55日後(2023年12月29日)

前回から、さらに20日が経過しました。
たねを蒔いてからは、約2か月後の様子です。

最初から成長がうまくいっていなかった「ケラリア・ピグマエア」は、その後も健康的な成長は見られず、今のところまったく変化がありません。

残った3株の「ケラリア・ピグマエア」は、葉がさらに厚みを増しパンパンに膨れ上がってきましたが、まだ新たな葉を展開させる様子はないです。

写真で見ると、あまり変化がないように見えるかもしれません。

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たね蒔きから77日後(2024年1月20日)

さらに、約3週間が経過しました。

株の中心部から、次の葉が出てきました!
子葉(しよう)を卒業して、本葉のステージに突入です。

新しく展開させて葉にはそこまでの厚みはないので、「新しい葉を展開させる→葉に厚みが増す→次の新しい葉を展開させる」というサイクルで成長していくのかもしれません。

たね蒔きから93日後(2024年2月4日)

前回から約2週間後、たね蒔きから数えると約3か月目が経過した「ケラリア・ピグマエア」の様子です。

ほとんど毎日、経過観察を楽しみにしているのですが、成長速度はあいかわらずの低速度です。

それぞれの株にも、プックリとした葉のものや少し長めの葉など、少しずつですが特徴が出てきました!

発芽するまでの速度は早かったものの、その後の成長が本当に遅い。
途中から急に成長速度が上がるという情報もありますが、現時点までの成長速度だと、現地球の立派な塊根をした「ケラリア・ピグマエア」のような姿になるのは、何年かかるんだか・・・。

たね蒔きから180日後(2024年5月2日)

たね蒔きから約半年が経過しました。

最初の成長速度から比べると、途中からすこし成長速度が早くなった模様です。

発芽してからしばらくの間は、土の中に根を張っていく作業に集中し、根がある程度張れてから、葉の展開や幹の成長に注力していくのかもしれません。

屋外もだいぶ暖かくなってきたので、風通しがよく、直射日光があたる屋外に移動させました。

たね蒔きから308日後(2024年9月7日)

その後、時が経過し、季節は真夏を迎えました!

鉢は隣同士、植えている土も同じ培養土を使用していますが、株の姿はまったく異なった見た目に成長しています。

左の株は葉をポロポロと何枚か落とし、すこし苦しそうな様子ですが、厳しい夏を乗り越えてくれそうな予感がします!
最初から葉をうまく展開させることができていないひと株も、奇跡的にここまで生き抜いていますが、今後どうなるのか・・・。

たね蒔きから数えると、すでに約10か月経過しているので、このタイミングでは鉢サイズに成長している想定でしたが、自宅ではあまり大きく成長していません。
一年中屋内に置き植物育成用LEDの光を当てて育成すれば、もっと大きく成長してくれそうですが、少なくとも最初にうまく発芽した株はその後も枯れることなく、育っているので、良しとしています!

現地球の株のように成長していく姿は、現状の姿からはまだまだ想像ができませんが、今後も成長記録を付けていきます。

(更新中)

「ケラリア・ピグマエア」がもう少し大きく成長したら、下記の“Gyropot”という鉢に植え替えようと思っています。
Gyropotはカッコイイ見た目だけではなく、育成を重視した鉢で、植物を大きくカッコ良く成長させたいときには、チェックしてもいいかもしれません!

同じく実生で育てている多肉植物の成長記録は、下記の記事でまとめています。

ケラリア・ピグマエアの育成環境

日当たり

「ケラリア・ピグマエア」は、直射日光などの強い光を好む植物なので、カタチの良い株に育てていくためには、日当たり良好な場所で育てていくことが必要となるでしょう。

春から秋までの季節は、屋外の直射日光になるべく長い時間当て、寒い季節は約10時間、植物育成用LEDライトの光を当てて育てています。

暑すぎる環境は苦手だと思っていましたが、意外と猛暑日が続く中でも大きなダメージを負うことなく、成長しています。

塊根植物は、休眠状態に入っていると落葉する品種が多いですが、「ケラリア・ピグマエア」は季節によって落葉する植物ではないので、落葉したときは株の調子が悪い証拠です。
しっかりと日当たりを確保し、株に体力を付けさせてあげましょう

自宅の室内環境では、BRIMのパネル型の植物育成用ライトを使用していましたが、スポット型のライトも同じBRIMから出ています。
ほかのライトよりも安価なので、育てている株が少ない場合は、下記のスポット型をチェックしてもいいかもしれません。

水やり

現地球など大きな「ケラリア・ピグマエア」の株は、土の中まで完全に乾いた数日後に水やりをするのが、基本的な水やりとなりますが、実生株は多めに水やりをしないと、水切れで枯れしまうリスクが高まるもの。
株が小さなうちは、水をためた容器に鉢ごと入れる“腰水”での管理でもいいでしょう。

自他で育てている株はまだ小さく、水を切り気味で育てていくと大きく成長していかないと考えているので、表土が乾燥したのを確認したら、水やりをしています。

自宅で株がなかなか大きく成長しないのは、すこし水やりが少ないのではないかと考えていますが、水やりのし過ぎで枯らしてしまうリスクは避けたいところです。

株が小さいうちは、底面給水という方法も選択肢になるでしょう。

肥料

「ケラリア・ピグマエア」は肥料を少なめにして育てていくのが基本的な育成方法。

自宅では、用土に緩効性肥料の「マグァンプ」を混ぜているので、株にゆっくりと肥料分が届けられていると思います。

春の間には液体肥料も2週間に1度の頻度で与えていました。
発芽して間もないタイミングで肥料を与えてしまうと、植物が根が伸ばさなくても肥料分を手に入れられてしまうことになるので、たね蒔き後すぐに肥料を与えるのはオススメできません。

下記の「マグァンプ」という肥料は、正直パッケージのイラストは昔ながらの印象をもちますが、塊根植物や多肉植物に使用する肥料としては定番のものです。

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