アガベ・チタノタ(オテロイ)「覇王竜」の成長記録&育て方(更新中)

Named agave 覇王竜

目次

アガベ・チタノタ(オテロイ)「覇王竜」の基本データ

育 て 易 さ:★★★★☆
成 長 速 度:★★★☆☆
入手し易さ:★★☆☆☆
耐 寒 性:★★★★☆(耐寒温度(目安):5℃)
耐 暑 性:★★★★☆(チタノタの中では、葉が焼けやすい)

原産地:メキシコ・オアハカ州
花言葉:繊細、気高い貴婦人
科・属:キジカクシ科(クサスギカズラ科)・リュウゼツラン(アガベ)属
学 名:Agave titanota(oteroi) ‘Haouryu’ (アガベ・チタノタ(オテロイ)’ハオウリュウ’ )

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ネームド(Named)とノーネーム(No name)の違い

人気を集めるアガベの中でも「チタノタ(オテロイ)」は、特に高い人気を誇る多肉植物です

2019年に「チタノタ」と「オテロイ」は別種に指定されましたが、論点がズレるため、本記事では「チタノタ」に統一します。

ネームドとノーネームの違い

チタノタには‟ネームド”(Named)と呼ばれる株と、‟ノーネーム”(No name)と呼ばれる株が存在します。

ネームドとノーネームの違い
  • ネームド(Named)
    • ネームドの親株から、胴切りやメリクロンなどで増やされた株
    • 高いポテンシャルをもっている
      • 鋸歯が鋭い、葉が肉厚 など
    • チタノタのあとに名前が付く
      • →チタノタ「覇王竜」、チタノタ「白鯨」、チタノタ「烈焔」 など
  • ノーネーム(No name)
    • 株がもつポテンシャルは未知数
      • 育成環境がよくても、将来的にどのようなすがたに成長するかは分からない
    • チタノタのあとに名前が付かない
      • 「実生(みしょう)」、や「Seedling」と書かれ、販売されていることが多い
筆者

カンタンに言うと、血統書付きのアガベがネームドで、ノーネームはそれ以外のアガベです。

ちなみにネームドと呼ばれているアガベは、学名が付いているわけではなく、生み出した方が付けた園芸品種の名前に過ぎません。

ネームドの方が販売価格は高い

ネームドとノーネームの販売価格を比べると、以下の傾向があります。

  • ネームド=販売価格は高い
    • 株を増やすために、時間がかかる
  • ノーネーム=販売価格は低い
    • ネームドに比べると、カンタンに増やせる

以前、ネームド株は数万円以上の価格が付くのが当たり前で、七桁の販売価格が付いた株を見かけたこともありました…!
ただし、植物を増やす「メリクロン」という技術がアガベ属にも浸透したため、以前に比べ、ネームドの販売価格は落ち着いてきています。

アガベ・チタノタ(オテロイ)「覇王竜」の成長記録

白い鋸歯が特徴的なアガベ・チタノタ「覇王竜(Agave titanota ‘Haouryu’)」の成長記録を付けていきます

東京都内(五反田)で定期的に開催されている多肉植物のイベント、「サボテン・多肉植物ビッグバザール」で購入しました。「サボテン・多肉植物ビッグバザール」については、以下の記事でご紹介しています

2023年9月18日(September 18, 2023)

記録開始時の「覇王竜」です。

土に植えられていない状態の「ベアルート株」として入手しました。

筆者

販売価格がリーズナブルだったため、メリクロンで増やされた株だと思います。

いくらか生えている根は、茶色っぽいため、すでに枯れている可能性があります…。

白っぽい根と茶色っぽい根の違い
  • 白っぽい根
    • 新鮮で、水をよく吸い上げる
  • 茶色っぽい根
    • 古くなっており、すでに機能しなくなっていることも…。

肉厚な葉と、鋸歯の多さが特徴的

現状、「覇王竜」の葉数は5枚ほど。まだ小さな株ですが、葉が肉厚な点が特徴的です。

筆者

葉の先端や縁にある白い鋸歯(きょし=トゲ)を、葉の根元の方から数多く付けている点も、ノーネームではなかなか見られない特徴です。

ニセモノが出回ることがあるため、注意が必要

チタノタの葉数が10枚に満たない状態では、見た目だけで正確な品種名まで特定するのは、正直むずかしいです…。

「覇王竜」に限らず、特に子株のうちはニセモノが出回ることも少なくないので、購入時には注意しましょう

まずは「覇王竜」に、しっかりとした根を出させる発根管理から開始します。

2023年10月7日(October 7, 2023)

「覇王竜」をお迎えしてから、約3週間が経過しました。

水耕栽培で発根管理をしました

購入時に付いていた根は、ハサミで切り落とし、水耕栽培で「覇王竜」の発根を促しました

水耕管理をしていたときの様子。

水耕栽培は水を溜めた容器に、根が生えてくる部分を浸けて、発根を促す方法です。
カンタンに行えて、発根状況を確認しやすいメリットはあるものの、他の管理方法と比べて株が腐るリスクが高いです。

水位が高く、株を浸ける位置が深すぎたり、水が劣化したりすると、株を腐らせるリスクを高めます
その他、アガベの発根管理については、以下の記事で解説しています
ご興味があれば、参考にしてみてください

無事に発根しました

アガベは小さいうちは発根しやすく、管理開始から2~3日で根を出すことも、めずらしくありません。

「覇王竜」が根を出すまでには多少の時間がかかりましたが、発根管理をはじめてから3週間ほどで、無事に根が出てきました

無事に発根したときの様子。

アガベは根の成長速度が早いため、あたらしい根から水分を吸い上げたら、一気に根の量が増えそうです。

アガベの発根管理はむずかしくありませんが、時には発根しないまま枯れることもあります

筆者

「根を生やさせる」という第一関門を突破し、ひと安心です!

培養土に植え込みます

今後は、自宅で配合している培養土に植え込みます。

自宅で、アガベや塊根植物に使用している培養土は、以下の記事で詳しく紹介しています
排水性や通気性に優れ、植物がよく育つ培養土なので、ご興味があれば参考にしてみてください

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2023年12月17日(December 17, 2023)

前回の記録から、約2か月が経過しました。

土耕の管理に切り替えてから、日当たりのよい屋外で育てていました。
最低気温が5℃ほどまで下がる日も出てきたため、寒さ対策のために、暖かい室内に取り込んだところです。

筆者

今のところ、目に見えた成長はほとんどありません。
まずは葉よりも、根を優先的に成長させているようです。

鹿沼土は室内育成に向いていない

使用した培養土には、鹿沼土(かぬまつち)を2割ほど配合しています。

鹿沼土には、コケが生えやすいという特徴があり、「覇王竜」の周辺にも緑色のコケが広がってきました…。

コケはすぐに悪さをする存在ではありませんが、室内育成に使用する培養土には、鹿沼土の使用を控えた方がよいかもしれません。

2024年1月22日(January 22, 2024)

前回の記録から、約1か月が経ちました。

ようやく土の中で根の成長がひと段落したのか、「覇王竜」があたらしい葉を展開してきました

室内の育成環境

室内では、以下のような環境で「覇王竜」を育成しています。

  • 光量
    • 植物育成用のLEDライトを使用
    • 3~4万ルクスほどの光量を、毎日10時間ほど照射
  • 室温
    • エアコンや植物用のヒーターマットは未使用
    • 室温は12~16℃ほど
  • 風量
    • 空気を循環させるために、サーキュレーターを使用
筆者

チタノタが旺盛な成長を見せるのは15~30℃程度のため、覇王竜を早く成長させるなら、加温する必要があるでしょう。

室内育成のメリットやデメリット、注意点などについては、以下の記事でご紹介しています

ゆっくりとした「覇王竜」の成長速度にあわせて、ワイルドな見た目に磨きをかけてほしいです。

2024年6月16日(June 16, 2024)

前回の記録から、約5か月が経過したときの様子です。

5か月前に葉を展開してから、成長速度が加速しました

葉数が増え、鋸歯がイカツくなってきたため、ブランド株の名に恥じない見た目に近づいてきています

最低気温が10℃以下になる日が少なくなったため、4月の上旬ごろ、屋外の雨ざらしの環境に移動しました

鉢増しは見送っています

筆者

覇王竜の成長をさらに促したいなら、そろそろ、大きな鉢に植え替える「鉢増し」を行ってもよいころです。

ただし、まだ成長が停滞しているわけではないため、「覇王竜」の鉢増しを見送っています。

株を締まったすがたに育てるためには、大きすぎない鉢に植え、適度に根の成長を制限するのも重要です。

鉢増し直後は、樹形が崩れやすい

株の成長にともない、いつかは鉢を大きくする必要がありますが、鉢増し直後は新葉が一気に大きくなり、樹形が崩れてしまうことも…。

ハイポネックスの液体肥料&活力剤を使用

少量ですが「覇王竜」にはハイポネックスから出ている、以下の液体肥料と活力剤を与えています。
根の成長を促す「カリ」の成分が多く、葉の成長を促す「チッ素」が多くない特徴があります。
徒長のリスクを抑えながら、株を強くしたい場合にピッタリな肥料です。

2024年10月6日(October 6, 2024)

前回の記録から、約4か月が経過したときの様子です。

記録開始日から1年以上が経ち、ワイルド感あふれるすがたに成長を遂げました
葉の厚みがさらに増し、低重心な株すがたに磨きがかかっています

屋外に出してからは、一日中、直射日光が当たる場所で育てています。
35℃以上に達する酷暑の季節でも直射日光に当てていたときは、少しキツそうでしたが、暑さがピークの季節はなんとか乗り越えました

「覇王竜」が大きく成長したため、鉢が小さくなってきました。
ただし現状でも成長をつづけており、鉢底から根があふれ出てくる様子も見られないため、来春までは現状の鉢で育てていく予定です。

ネームドは、環境が不安定な屋外でも、カタチが崩れにくい

ネームドは、環境が不安定な屋外でもカタチが崩れにくく、締まった見た目に育てやすいです。

ノーネームでも植物育成用のLEDライトを使用し、強い光で管理すれば、詰まったすがたに育つ株は少なくありません。
ただし屋外に出した途端に、徒長を起こし、室内育成時とは異なるすがたに崩れてしまうことも…。

「覇王竜」はネームド株だけあって、屋外でもカタチを崩すことなく、順調な成長を見せています

2025年6月7日(June 7, 2025)

前回の記録から、約8か月が経過しました。

鉢底から根があふれています…!

2024~2025年の冬も室内で育成していましたが、暖かい季節になったタイミングで、屋外に移動しました。
「覇王竜」にとっての成長期を迎えていますが、調子が上がらず、紫色や茶色に変色した葉も見られます…。

筆者

覇王竜の調子を上げるために、このタイミングで植え替えることにしました!

鉢から抜いたときの根鉢の状態です。

案の定「覇王竜」は根詰まりを起こしていましたが、想像よりはマシな状態です…!

筆者

チタノタは半年から1年ほどのスパンで植え替えた方が、調子が上がりやすいため、もう少し早く植え替えた方がよかったかもしれません。

ちなみにスリット鉢の「プレステラ90」に植えていた株を、「プレステラ120の深鉢」に植え替えました。

2025年7月20日(July 20, 2025)

「覇王竜」を植え替えてから、約1か月半が経ったところです。
記録開始日からだと、約1年10か月が経過しました。

変色した葉の色は戻りませんが、鋸歯がさらにイカツくなり、ポテンシャルの高さが伝わってきます

筆者

葉が変色した部分は、もとの緑色に戻したいですが、これはこれでよい味を出している気がします…!

季節を問わず室内で育てれば、もっと早く成長させられますが、個人的に屋外管理が好きなので、今後も気長に育てていくつもりです。
引き続き、「覇王竜」の成長記録を付けていきます

(更新中)

自宅では、「覇王竜」以外にもアガベを育てています
以下の記事でまとめているので、よろしければあわせてお読みください

アガベ・チタノタ(オテロイ)「覇王竜」の育成環境

日当たり

「覇王竜」をはじめ、チタノタは直射日光に耐性があります。
日当たりがよい環境で、長い時間日に当てると、締まったすがたに育てやすいです。

自宅では、春から秋にかけて、朝から日没まで直射日光が当たる場所で育てています。
冬は1日10時間ほど、植物育成用のLEDライトを照射しています。

チタノタの中にも、葉焼けの起きやすさは品種ごとに異なりますが、「覇王竜」は葉焼けを起こしやすいです。
真夏に直射日光に当てていたところ、葉焼けを起こしました。
葉をきれいな状態に保ちたいなら、真夏の直射日光は避けた方が安心です。

水やり

チタノタは降水量が少ない地域で暮らしているため、「覇王竜」は多くの水を必要としません。
水やりが多すぎると根腐れのリスクが高まるため、用土が完全に乾いてから3~4日後に水やりをするのが、基本的な育成方法です。

「覇王竜」がまだ小さいうちは、成長を促すために、表土が乾燥したら水やりをしていました。
葉数が10枚ほどに増えてからは、用土が完全に乾いたら、水やりをするようにしています。
真夏は水切れのリスクを避けるため、雨や曇りの日を除き、ほとんど毎日水やりをしています。

通気性や排水性を重視した培養土を使用することで、多湿によるトラブルを減らせるため、土選びの参考にしてみてください。
実際に自宅では、通気性や排水性を重視した培養土を使用しているため、雨ざらしの環境でも根腐れを起こした株はありません。

肥料

チタノタは、栄養分が少ない土壌で自生しています。
肥料を与えなくても成長しますが、「覇王竜」の成長期に少量の肥料を与えることで、健康的に育つ植物です。

自宅では、春と秋のタイミングに、液体肥料を1か月に1回ほどの頻度で与えています。
「覇王竜」は冬も暖かい室内で育てているため、成長期と同じ頻度で与えています。
夏は「覇王竜」の成長が停滞するため、最高気温が35℃前後まで上がる季節は、肥料を与えていません。
成長が停滞するタイミングで肥料を与えると、肥料焼けの原因にもなるため、タイミングを選ぶことが重要です。

自宅で使用している培養土には、ゆっくりと効果を発揮する緩効性肥料「マグァンプ」を混ぜています。

アガベや塊根植物の肥料については、以下の記事で詳しく解説しています

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