ミニ温室で防寒対策
冬のガーデニングで、寒さ対策に困ったことがありませんか?
このミニ温室は、太陽エネルギーでハウス内を温め、雨風や霜からも植物を守ってくれる優れものです。
さらに、日照時間が短い冬でも光を確保しやすく、育成スペースも効率的に増やせるメリットもあります。
そんな「簡易ビニールハウス」に対して、以下のような疑問を抱くかもしれません。
簡易ビニールハウスだけで、冬の寒さをしのげるの?
すぐに壊れるのでは?
この記事では自宅で長年愛用し、肌で感じてきた経験から「簡易ビニールハウス」に抱く疑問に応えます。
具体的なメリットとデメリット、選び方のポイントなどをご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください

簡易ビニールハウスは、おもに寒さ対策に使われるガーデニング用品
温められた空気を閉じ込める
「簡易ビニールハウス」は、おもに冬の防寒対策に役立つガーデニング用品です。
専用のビニールでガーデンラックを覆い、太陽エネルギーで温められた空気を閉じ込めることで、植物を寒さから守ります。
季節に合わせて使い分ける必要がある
そのため、暖かい季節はビニールを取り外し、通常のガーデンラックとして活用するのが一般的です。
季節に合わせて使い分けるのが、「簡易ビニールハウス」の正しい使い方です。
ファスナーを開閉して使う
「簡易ビニールハウス」を覆うためのビニールには、ファスナーが付いています。
- ファスナーを開けるタイミング
- 植物の観察や、水やりなどのお世話をするとき
- ファスナーを閉めるタイミング
- 保温効果を高めたいとき
- 強風が吹いていたり、雨や雪が降ったりしているとき
日照を確保しやすい
冬はただでさえ日差しが弱く、特に室内では、植物に必要な光が不足しがちです。
寒さ対策として植物を家の中に入れる代わりに、屋外の「簡易ビニールハウス」を活用することで、光量を確保しやすくなります。
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ビニールは太陽光を通すため、窓ガラスと比べると、光合成効率が高いです。
梅雨どきの雨除けグッズとしても活用できる
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梅雨に簡易ビニールハウスを活用する場合は、ビニールの出入り口を常時開放し、風通しをよくする必要があります。
育成環境に応じて、冬以外にも活躍できるのが「簡易ビニールハウス」の特徴です。
植物の耐寒性
品種ごとに耐寒温度は異なる
植物の耐寒温度は品種ごとに異なりますが、目安の温度は以下のとおりです。
- 観葉植物・多肉植物(夏型):10℃
- 多肉植物(冬型):5℃
- 寒さに強い植物:0℃以下
耐寒温度を下回らないように管理するのが基本
プロの農家は専門知識と経験を活かして、耐寒温度とされる温度より寒い環境でも、植物を育てられることが多いです。
ただし、趣味で植物を育てる場合は、それぞれの植物の耐寒温度を下回らないように管理するのが基本です。
植物の寒さ対策はいくつもある
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簡易ビニールハウス内に取り込んでいても、あまりにも寒すぎる環境では、冬越しできない可能性があります。
水やりを控えたり、日中によく日に当てたりすることも、植物の寒さ対策です。
植物の寒さ対策については、以下の記事で具体的な方法などを解説しているので、よろければ参考にしてください
簡易ビニールハウスが生み出す4つの『メリット』
「簡易ビニールハウス」は、さまざまなメリットを生み出します。
- 寒さ対策(雨風や霜、雪を防げる)
- 太陽光や紫外線を確保しやすい
- 育成・収納スペースを拡大できる
- 害虫や雑草のタネの侵入を防止できる
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ひとつずつ、深掘りしていきます。
寒さ対策(雨風や霜、雪を防げる)
植物の耐寒性には限界がある
植物は一定の寒さに耐えられますが、寒すぎる環境では調子を崩したり、最悪の場合枯れてしまったりします。
簡易ビニールハウスが生み出す、寒さ対策の効果
「簡易ビニールハウス」は、太陽光で温められた空気を閉じ込めることができますが、それ以外にも寒さ対策の効果を生み出します。
- 「雨」を防ぐ
- 「風」を防ぐ
- 「霜」を防ぐ
- 「雪」を防ぐ
「雨」を防ぐ
特に鉢植えの場合は、雨で土壌が湿ることで土が冷えやすくなり、大きなダメージへと発展することがあります。
さらに、植物は体内に蓄えている水分量が少なくなると、耐寒性が向上する生きものです。
「風」を防ぐ
風速1メートルの風に当たると、体感温度が1℃下がると言われています。
これは植物も同じで、風に当たると急激に温度を奪われる「風冷効果」で冷えてしまいます。
「霜」を防ぐ
霜は、気温が氷点下ほどまで下がったときに、植物の表面や土壌の水分が凍って結晶になる現象です。
霜が降りると、植物の細胞内の水分が凍ってしまうことがあります。
特に、観葉植物や多肉植物は霜に弱く、いちど霜に当たるとそのまま枯れてしまうことが多いです。
「雪」を防ぐ
植物や鉢の上に雪が降り積もると、植物が傷む原因にも…。
ただし、東北以北などの特に寒い地域では、雪が保温効果を発揮することもあります。
雪の中には空気が閉じ込められているため、降り積もった雪の下の地温は、氷点下の日でも0℃近くに保たれます。
これにより、雪に覆われた植物は、むき出しの状態よりも凍結から守られるのです。
太陽光や紫外線を確保しやすい
冬に植物が元気をなくす理由
特に屋内で植物を育てている場合は、日照不足に注意が必要です。
屋外に出せば、ある程度の日照を確保できますが、寒さで植物を傷めてしまうリスクがあります。
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植物を屋外に出し入れすれば、日照確保と寒さ対策を両立できますが、毎日つづけるのは大変な作業です。
植物の生育には「紫外線」が必要
紫外線に当たった植物はストレスを感じ、それに負けないように強くなろうとします。
紫外線を浴びていない植物は、茎や葉が丈夫に育たず、ヒョロヒョロと間延びする「徒長(とちょう)」を起こしがちです。
窓ガラスと簡易ビニールハウスの違い
一般的に窓ガラスは、紫外線をカットする機能が付いたものが主流です。
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窓ガラス越しの光を浴びる室内の植物は、紫外線が不足する傾向があります。
一方で「簡易ビニールハウス」は、光や紫外線をよく通すように設計されています。
植物の生育に必要な光と紫外線を確保しやすいため、植物が丈夫に育ちやすいです。
簡易ビニールハウスは手間を少なくし、コストを抑えながら園芸を楽しめる
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簡易ビニールハウスを有効活用すれば、植物を移動させずに冬越しできるため、冬のあいだも毎日植物を出し入れする必要がありません。
植物育成用LEDライトを使用すれば、室内でも日照不足を解消できますが、初期費用や電気代がかかる点がネックです。
その点「簡易ビニールハウス」は、自然の力を借りて植物を育てられるため、ある程度コストを抑えられます。
ちなみに植物の室内育成については、以下の記事で詳しくご紹介しているので、ご興味があればお読みください
育成・収納スペースを拡大できる
多くの植物を育てていたり、植物が大きく成長したりすると、植物の置き場所がなくなっていくばかり…。
植物を大きな鉢に植え替えたいけど、これ以上スペースがない…。
室内には小さな子どもとペットがいるので、事故が起きないか心配…。
といった場合でも、「簡易ビニールハウス」を有効活用すれば、今以上に幅広い園芸を楽しめるかもしれません。


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植木鉢だけでなく、園芸用土なども一緒に収納できるので、道具の整理にも役立ちます。
害虫や雑草のタネの侵入を防止できる
害虫によるトラブルを防ぐ
植物と虫は共生しているため、園芸を趣味にしていると、害虫によるトラブルはつきものです…。
「簡易ビニールハウス」のビニールが物理的なバリアとなり、害虫による被害を軽減する効果も期待できます。
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ただし寒い季節は、害虫の活動が減るため、冬にメリットに感じることは少ないかもしれません。
ちなみに害虫(コバエ)の予防策や、発生したときの対応方法については、以下の記事で詳しくご紹介しています
雑草のタネの侵入を防ぐ
植物を屋外で育てていると、風に乗り、雑草のタネが運ばれてくることがあります。
雑草は見た目を損なわせるだけでなく、限られた鉢内のスペースを圧迫したり、あっという間に開花し、さらにその数を増やしたりと、想像以上に厄介な存在です。
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ビニール越しの環境では、雑草のタネが侵入するのも防げます。
簡易ビニールハウスが起こす4つの『デメリット』
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実際に簡易ビニールハウスを使って感じるのは、メリットだけではありません。
具体的なデメリットについては、以下のとおりです。
- ずっと閉め切っていると、昼間に温度が上昇しすぎる
- 天候によって、望ましい使い方が変わる
- ビニールが長持ちしない(ワンシーズンで消耗する)
- 騒音が発生することもある
ずっと閉め切っていると、昼間に温度が上昇しすぎる
大きさによって、ビニールハウス内の温度には違いが見られます。
- 大きなビニールハウス
- ハウス内の空気を逃がしにくいため、温度変化が小さい
- 日中は温度が緩やかに上昇し、夜間は温度が徐々に下がる
- ハウス内の空気を逃がしにくいため、温度変化が小さい
- 小さなビニールハウス(簡易ビニールハウス)
- 大きなハウスに比べると空気を閉じ込めておく力は弱く、温度変化が大きくなる
- 太陽光が当たっていると、温度が急激に上昇し、日没後は放射冷却で一気に温度が下がる
- 大きなハウスに比べると空気を閉じ込めておく力は弱く、温度変化が大きくなる
水やりをした日は、湿度も高くなりやすいため、ハウス内が低温サウナのような状態になってしまうことも…。
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大きなビニールハウスと違い、簡易ビニールハウスは使い方に注意が必要です。
天候によって、望ましい使い方が変わる
天候によって、望ましい使い方が変わる点も「簡易ビニールハウス」のデメリットです。
「簡易ビニールハウス」は電気を使わず、太陽光の力を借りて、寒さ対策ができるメリットがあります。
しかしその反面、天候にハウス内の温度が左右されるというデメリットもあります。
太陽光が十分に当たらない雨や曇りの日には、晴れの日ほどの大きな温度上昇は見られません。
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以下のように、天候に応じて使い方を変えることが望まれます。
- 晴れの日(日がよく当たる日)
- 高温を避けるために、出入り口を開放状態にする
- 雨や曇りの日(日が当たらない日)
- 気温や風などを確認して、開放するかどうか決める
ビニールが長持ちしない(ワンシーズンで消耗する)
「簡易ビニールハウス」のビニールは、植物の光合成を邪魔せず、太陽光をなるべく通すために薄めに設計されています。
薄いビニールでも最低限の強度はありますが、雨風に直接当たる環境では徐々に劣化するため、ビニールは買い替える必要があります。
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自宅の環境では、同じビニールを長期的に使えたことはありません。
あたらしいビニールを購入しても、半年ほどで、ビニールが破けてしまいます。
ビニール自体はの販売価格は数千円と、そこまで高いお買い物ではありません。
ただしビニール代というランニングコストを支払わないと、本来の役割を維持できない点は、購入する前に念頭に置いた方がよいでしょう。
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ちなみに簡易ビニールハウスを使いはじめてから、すでに4~5年経っていますが、今のところビニール以外に破損は見られません。
騒音が発生することもある
「簡易ビニールハウス」は以下の条件が重なると、騒音が発生してしまうこともあります…。
- 強風が吹いている
- ハウスの出入り口を開放している
- 出入り口のビニールを固定していない(付属のひもで縛っていない)
ファスナーを開けておくときは、ビニールを付属のひもでしっかり固定しないと、風にあおられてバタバタと大きな音を立ててしまいます。
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想像以上に大きな騒音に発展することがあり、過去には、家族から指摘されたこともあります。
騒音トラブルを防ぐためにも、出入り口を開ける際は必ずビニールを丸めて、ひもで縛っておきましょう。
天候に応じた簡易ビニールハウスの使い方
日当たりがよい場所での使い方
日中は「換気」、夜間は「保温」
晴れの日、特に気温の高い日中はハウス内の熱がこもりすぎてしまうため、朝のうちにビニールのファスナーを開けて、換気しましょう。
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天気予報で曇りや雨でも、急に晴れることがあるため、油断は禁物です。
あきらかに雨や雪が降る日以外は、毎日の習慣として、ビニールを開けておくことをおすすめします。
日没後にファスナーを閉めれば、夜間の寒さから植物を守ることができます。
管理がむずかしいなら、常に開放しておくのが無難
毎日の開閉作業が大変な場合は、ファスナーを閉めず、常に開放状態にしておくのもひとつの方法です。
「簡易ビニールハウス」本来の効果は薄れてしまいますが、高温によって植物を傷めてしまうくらいなら、安全策を取った方がよいかもしれません。
日当たりが悪い場所での使い方
直射日光がほとんど当たらない場所、または朝日が少し当たる程度であれば、日中の換気はあまり気にしなくても大丈夫です。
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以前日当たりがよくない場所で、ほとんど一日中閉め切った状態で使っていましたが、中の植物に目立った被害はありませんでした。
ただし、地域や風通しなどでも、ハウス内の温度は大きく変わります。
植物の様子をこまめに観察したり、ハウス内でも使える温度計を活用したりして、心配な場合は日中に開放しておくことも検討してみてください。
以下のスイッチボットの温湿度計は、防水機能があるため、「簡易ビニールハウス」の中でも安心して使いやすいです。
スマホで温度や湿度を確認できる点も、ありがたいポイントです。
簡易ビニールハウスの転倒防止
簡易ビニールハウスは軽いため、転倒防止の対策が必要
ビニールを張った「簡易ビニールハウス」は風の影響も受けやすいため、風で倒れないように、事前に対策をしておきましょう。
多くの植物で重くできるなら問題ありませんが、スペースが空いている場合は、ラックの下段に重しを置くのが効果的です。
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重しにおすすめなのは、日常的に水がかかっても問題なく、ある程度の重量感がある以下のようなものがおすすめです。
- 使っていない植木鉢
- ガーデニング用品(園芸用土、肥料など)
- 水が中に侵入しないように注意が必要
ただし、ハウスの耐荷重を超えないように、重すぎないものを選ぶことが大切です。


簡易ビニールハウスの清掃方法
植物が十分な光を得られるように、1〜2か月にいちどは、ビニールをきれいに掃除しましょう。
濡れた雑巾で汚れを拭き取った後、乾いた布で拭き跡が残らないように仕上げ拭きをするのがポイントです。
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短期間でも拭いた雑巾が茶色くなるほど、土ぼこりが付着します。
簡易ビニールハウスの選び方
転倒しにくく、大手メーカーのものがおすすめ
設置場所や植物の数によっても、最適な「簡易ビニールハウス」は変わりますが、選ぶ際に特に重視すべきポイントは以下のふたつです。
- 幅が広く、転倒しにくい形状のものを選ぶ
- 細長いタイプはバランスが悪いため、事故のリスクを防止したいなら避けるのが無難
- 大手メーカーの製品を選ぶ
- ビニールは毎年交換する必要があるため、倒産のリスクが少なく、継続的にビニールを購入できる大手メーカーを選ぶと安心
ちなみに自宅で使っている「簡易ビニールハウス」は、以下のタカショーのものです。
タカショーは40年以上の歴史がある会社で、園芸業界では知名度があります。
さまざまなサイズが市販されているので、いちど、チェックしてみるのをおすすめします。
ちなみに観葉植物をお探しなら、ネットショップもおすすめです
以下の記事でご紹介しているので、ご興味があればお読みください


まとめ
寒さに弱い植物のために、冬の防寒対策は欠かせません。
この記事では「簡易ビニールハウス」のメリットやデメリット、選び方のポイントなどについて解説しました
ただし晴れの日に閉めっぱなしにすると、温度が上がりすぎるため、使用上の注意もあります。
天気予報をチェックしながら、必要に応じて換気する手間はかかりますが、特に多くの植物を育てるなら「簡易ビニールハウス」を活用しないのは非常にもったいないです。
同じく便利なガーデニング用品「土入れ」については、以下の記事で詳しくご紹介しています


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