新宿御苑内にある「大温室」をご紹介!都心にある植物の密集地帯に行ってきた話

環境配慮型の大温室

新宿の街には、多くの超高層オフィスビルが立ち並び、人びとで溢れているため、時には迷ってしまうこともあるでしょう。
そんな慌ただしい新宿の街並みから、徒歩数分の場所に、「新宿御苑」は位置しています!

新宿御苑には、新宿門、千駄ヶ谷門、大木戸門という3つの出入り口があります。
そのうちの1つである「大木戸門」の近く、大木戸休憩所と旧洋館御休所に挟まれる位置に、そびえ立つガラス温室にはうつくしい植物たちの宝庫となっていました!

ここは最寄りの出入り口、大木戸門です!

この記事では、ガラス温室で出逢える多彩な植物や、色とりどりの花々が織りなす魅力的な空間をご紹介します!

また、「大温室」以外の新宿御苑の魅力は、下記の記事でご紹介しているので、よろしければ下記の記事もお読みください。

目次

新宿御苑の大温室

新宿御苑の「大温室」は、明治8年(1875年)に日本初のガラス張り温室として誕生し、100年以上の歴史を重ねています。
最初から現在のように大規模だったわけではなく、建設当初は、わずか100㎡ほどの小さな温室でした。

温室の特徴は、太陽の熱エネルギーを内部に取り込み、その熱を閉じ込めることで、冬の寒い時期でも暖かい環境を作りやすい点にあります!
一方で、夏には内部が高温になりやすいため、植物を守るために冷房設備が必要になることもあるでしょう。

現在の「大温室」では、環境への配慮が施されており、平成23年から断熱性に優れた「ペアガラス」が採用されています。
この複層ガラスによりエネルギー効率が高まり、“環境に優しい温室”と呼ぶにふさわしい仕様となっています!

この日は、天気にも恵まれました!

完成からすでに10年以上が経過しているとは思えないほど、見た目がとてもうつくしく保たれています!

大温室付近で育つ植物

ヤタイヤシ(Butia yatay)

「ヤタイヤシ」は、ブラジルやアルゼンチンなどに自生しており、暑さに強い植物です。
また、ヤシの仲間ではめずらしく寒さにも強い特徴をもち、大きく育つと約10mもの高さに達することもあるのだとか!
「ココスヤシ」という別名でも、知られている植物です。

まさに、南国を思わせる風情!

ヤシといえば南国の象徴的な植物ですが、この「ヤタイヤシ」はそのスケール感から、一般家庭で育てるのは少し無理があるかもしれません。
その分、見ごたえは抜群なものといえるでしょう!

住宅街にここまで大きく育つ「ヤタイヤシ」が立っていたら、街のシンボルになりそうです!

周囲には「ソテツ」や「アオノリュウゼツラン」も日光をたっぷり浴びて、のびのびと成長していました!

大温室内で育つ植物

ビカクシダ(Platycerium)

大温室に足を踏み入れると、目の前には「ビカクシダ」の群生が広がり、まさに圧巻といえる光景が広がっていました!

植物園規格の「ビカクシダ」です!

「ビカクシダ」は水を好む性質があり、日陰にも強いため、室内での育成にも適した植物です。

コウモリが羽を広げた姿に似ていることから「コウモリラン」という別名でも知られています。
もし自然界で、これほど多くのコウモリが集まっていたら、少し怖い光景かもしれませんが、植物の「ビカクシダ」の群生はそのうつくしさに目を奪われるものがありました!

ガーデニングショップでも、人気の高い観葉植物として親しまれている「ビカクシダ」。
家庭でも、そのユニークな姿を楽しむことができる植物です!

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ブーゲンビレア(Bougainvillea)

「ビカクシダ」のエリアを少し進むと、頭上には、印象に残るうつくしいお花が目を引きます!
そのお花をつけた植物の名前は、オシロイバナ科に属する「ブーゲンビレア」。
八重咲きの姿は、まるで白い花火が空に広がったような華やかな印象を与えます!

※八重咲(やえざき):花びらが幾重にも重なり合って咲く形状を指します。

「ブーゲンビレア」のお花です。

別の植物園で見た「ブーゲンビレア」はピンク色の花を咲かせており、色が違うだけで、まるで別の植物のように感じられました!

実は、お花のように見える部分は「苞(ほう)」と呼ばれる葉が変化した部分で、厳密には“お花”ではなく“葉”だそうです。
この苞には、お花を守る役割があるとのこと。
こうした構造を知ることで、ブーゲンビレアの魅力がさらに深まるでしょう!

オボロヅキ(Graptopetalum paraguayense)&セドゥム・モルガニアヌム(Sedum morganianum)

新宿御苑の「大温室」の中では、一般家庭ではなかなか目にすることのない、植物園ならではのサイズ感に育った多肉植物も楽しめます。

写真左側に写っているのは、ベンケイソウ科に属する「オボロヅキ」という品種。
漢字で“朧月”と書き、名前の通り、葉がほのかな光沢を持ち、月の光を思わせる姿が特徴的です。

朧(おぼろ)とは「はっきりしないこと」だったり「月の光がぼんやりしていること」を意味しますが、オボロヅキの葉には少し光沢がありうっすらと月のようにも見えることが、名前の由来となっているのでしょう!

その儚げな名前とは裏腹に、氷点下1~2℃の寒さにも耐える、とても強い生命力を持っています。
自宅近くでは外構部分の鉢内に大量のオボロヅキが育ち、「多肉ハウス」と化している家もあるほどです。

一方の向かって右側の植物の付近には、「セドゥム・モルガニアヌム」というネームプレートが設置されていました!

一般的にはセダム属の、モルガニアナムという名前で流通している植物で、和名では「タマツヅリ」とも呼ばれます。

見た目はお花が咲いているように見えますが、実際には淡い緑色の部分が葉で、そこに水分を多く蓄えている点も一つの特徴といえるでしょう。
この性質のおかげで、乾燥に強い多肉植物として進化を遂げることができました!
セドゥム・モルガニアヌムの葉は上から垂れ下がるように伸びていくため、ハンギングプランツとして飾るのにもぴったり。その柔らかな緑のカーテンのような姿は、まるで水中を漂う魚の卵のような不思議な雰囲気を醸し出します。

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金鯱(きんしゃち:Echinocactus grusonii)他

新宿御苑「大温室」内には、ドライガーデン風に整備されたエリアもあり、多種多様なサボテンや、ユーフォルビア属の植物が並んでいます。

ドライガーデン風のエリア。

写真奥に見える大きな丸いサボテンは、「サボテンの王様」とも称される「金鯱(きんしゃち)」。
その存在感から、ドライガーデンでよく用いられる人気の品種です。

自宅でコンパクトサイズの金鯱を育てていますが、最低気温が5℃を下回ると赤い「ストレスカラー」が出てくるため、サボテンの中では寒さにはそこまで強くない品種といえます。

また、このコーナーには、ほかにも次のような植物も展示されていました!

このコーナーにいた植物
  • 金鯱(きんしゃち)
  • ユーフォルビア・インジェンス(沖天閣)
  • シバントウ(紫蛮刀)
  • フェロカクタス・オウカンリュウ(王冠竜)
  • ハクジョウキリン(白条キリン)
  • セッカリュウジンボク  など

それぞれが個性的で存在感のあるすがたをしており、乾燥地帯の風景を感じさせる、ユニークな雰囲気を演出していました!

新宿御苑の「大温室」は、多種多様な植物の特徴や魅力を存分に堪能できるスポットです!

普段は見る機会の少ない植物たちが織りなす世界に、おとずれる人びとは感動すら覚えるかもしれません!

まとめ

この記事では、新宿御苑の「大温室」で育つ植物をご紹介しました!

新宿御苑の「大温室」は、今回ご紹介した植物だけでなく、さまざまな植物やうつくしい花々と出逢える魅力的な空間が広がっています!

この環境配慮型の温室では、なんと約2,700品種もの植物が育てられており、観葉植物や南国の植物を中心に、めずらしい植物とされるボタニカルまで元気に育っています!

新宿駅から徒歩圏内というアクセスの良さも魅力で、仕事帰りのリフレッシュに立ち寄ったり、デートスポットとして利用したり、家族と一緒に穏やかな時間を過ごしたりと、さまざまなシーンで楽しめるスポットといえるでしょう!

関東圏内の植物園についての情報も下記の記事にまとめておりますので、植物好きの方は参考にしてみてください!

新宿御苑「温室」の基本情報

住所・アクセス

東京都新宿区内藤町11番地
新宿御苑「大木戸門」から徒歩ですぐ

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