植物を増やす
世界中に、300種類を超える品種が存在する「アガベ」。
大きく成長する品種があればコンパクトサイズに育つ品種があり、次々に子を吹くタイプがあれば子を吹かないタイプがあるなど、それぞれの品種で見た目も違えば持っている特徴もまったく違います。
わたしが自宅で育てているアガベのなかでは、もっとも子をよく吹く「王妃雷神錦(白中斑)」の株分け(かぶわけ)をしたので、記事に残します!
株分け(かぶわけ)とは
株分け(かぶわけ)は、植物を増やすことをいいます。
増やすだけではなく、植物の育成環境を改善する目的もあります。
特に鉢に植えられていて密集したままの状態だと、蒸れの原因になったり水分をうまく吸水できなくなったりするので、株分けをすることで、成育環境の改善につながることがあります。
株分けの作業
この日は4月下旬で、いつもはこの暖かい春に調子が上がってきますが、今年は鉢のなかでギュウギュウになり、さすがにすこし苦しそうなアガベ:王妃雷神錦(白中斑)です。
この王妃雷神錦は、埼玉県所沢市にある「mana’s farm」さんで購入してから、ずっとこの鉢で育てています。
「mana’s farm」は多肉植物の世界では有名なYouTuberの「manas.manaka」さんのお店で、お店でご本人にお会いできたときは少し緊張してしまったのを、いまでも覚えています。
いろいろと植物育成のノウハウや、実際の育成環境などをすべてオープンにしていて、とても器の広い方だといつも感心している方です。
行動力がすごくて、いまは沖縄に拠点を移し、植物の生産に焦点を当てて活動されていますね。
鉢から出す
アガベは、根をどんどん成長させる植物です。
自生地では、岩場のようなところにしがみついて生活していることもあるので、周囲のモノにしっかりとつかまっていられるように根を発達させたモノと考えます。
そのため、素焼き鉢や陶器鉢などの硬めの鉢に植えていると、植え替えのときに鉢からなかなか抜けずに、大変な思いをすることがあります。
王妃雷神錦(白中斑)は、プラスチック製の鉢に植えていましたが、硬めの鉢だったので抜くのにかなり苦労しました。
おそらく鉢から抜く作業だけで、5~10分程度かかったと思いますが、根だけで直立してしまうほど、根がビッシリと生えていました。
鉢から植物を抜くときは、鉢の外側を横から叩いたり鉢をひっくり返してみたりと、いろいろな方法ですこしずつ植物を出していくイメージです。
いくらやっても鉢から出せない場合には、植木鉢を壊さないと植物を抜くことができないこともあるので、ひとまず鉢を壊さずに抜けたことに一安心。
根を崩す&株分けをする
アガベは根を全部切り落としても、すぐに枯れることはない植物なので、ベアルート株(未発根株)として販売されていることのある植物です。
もし、コンパクトサイズを維持するのであれば、根は思い切ってバッサリと整理してしまった方がよいと思います。
アガベは株元から子株をだしていきますが、王妃雷神錦は葉と葉の間から子株を吹く、ほかのアガベとはすこし変わった特徴をもつ品種です。
そのため子株を取り外す作業にコツが必要ですが、そのまま放置しておくとほかのアガベと同じようなカタチに落ち着いてきたので、わりとスムーズに子株を外すことができました!
先に株分けをしていくのではなく、根を整理してから株分けをするイメージでいると、だいぶスムーズにアガベの株分けができます。
発根させる
まだ小さいうちに株分けをすると子株に根が生えていないため、ここから子株に根をださせる“発根管理”を行う必要がありますが、今回はかなり大きくなってから外したので、それぞれの株にしっかりと根が生えています。
この作業は、今回は不要ですね。
根が生えているのでこのまま植えても良いと思いますが、その後のアガベの成育を考えると、ここでひとつ植える前にやっておいた方がよいことがあります!
下葉を整理する
この作業が意外と重要です!
アガベに限らず、植物は代謝により葉の入れ替え作業をしています。
葉にもキズや汚れが蓄積されていくので、古くなった葉を落として新しい葉を展開させていくのです。
そのため、既に下葉の色がかわってきている場合や、痛みがでている下葉は取った方が良いです。
むしろ、下葉をとった方が根がスムーズに出ることもあるので、植え替え後の健康的な成育にもつなげることができますね。
下葉の取り方①
アガベの葉は頑丈なので、意外と取りづらいのもあります。
スムーズに手で取れないときには、ハサミを用いて葉を取る方法がもっともメジャーで、安心な方法ですね。
まずは、ハサミで葉の中央部分に切り込みを入れます。
下葉の取り方②
切れ込みを入れたら、あとは左右に葉を引っ張り、葉を両サイドからはがしていくイメージです。
まずは、こちら側から見て右半分の葉を取ります。
次に、残っている左側の葉も取り除きます。
わたしはスマホを片手にアガベの写真を撮りながらこの作業をしているので、片方ずつ取っていますが、もし両手が使える場合は両方を同時に取り除いた方がスムーズに取り外すことができます。
土に植える
ここまで来たら、あとは普通に土に植えるだけです。
根をかなり整理したので、アガベからしたらまったくそんなことはないのですが、子株をとってスッキリして気持ちよさそうにも見えますね!
土入れの際には、ふるいの機能を兼ねている土入れを使用しています!
正直、観葉植物の土は粒が細かく必要な土までふるいにかけてしまうことにもなるので、植え替えには不向きですが、アガベなどのコーデックスを植え替える際には便利なグッズのひとつです。
サボテンやアガベのなかでも「笹の雪」とよばれる品種は、土に植えた後にしばらく乾燥をさせた方がよいですが、特にデリケートな植物でなければ、植えたあとにすぐに水やりをして細かいドロのような“微塵(みじん)”を鉢底から抜きます。
一番最初に行う水やりのときは、鉢底から茶色い水がしばらく出てくるので、茶色い水が鉢底から出てこなくなり、透明な水になったら、株分けの作業は完了です!
アガベは鉢から出すときと根の整理が大変ですが、そこさえ乗り切ってしまえば、あとは大変な作業はありません。
以上、今回はアガベの株分けの方法についてご紹介しました!
自宅で実際に育てているアガベの成長記録や育成環境については、下記の記事でまとめています
よろしければ、あわせてお読みください!
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