冬型の多肉植物
「コノフィツム」は大人になってもコンパクトサイズのまま大型にならず、秋から春までの涼しい季節に成長する“冬型の多肉植物”です。
逆に春から秋までの暖かい季節は、成長速度は緩やかになり、休眠期になります。
多肉植物のなかには高額な植物もありますが、「コノフィツム」の販売価格はそこまで高くはなく、ガーデニングショップでの取り扱いも少なくはないので、専門店に行けば、成熟している株を入手することもできます。
冬型の多肉植物を育ててきた経験はそこまで多くなく、冬型の多肉植物のことをあまりよく理解していなかったので、「コノフィツム」を育てることでよく知りたいと思いました。
そして、植物のことを知るには既に成育した株を買ってきて育てるよりも、たねから育ててみた方がよく知れると考えたのでたねから育ててみることに!
ちなみに、植物をたねから育てることを園芸の世界では実生(みしょう)といいます。
コノフィツムの基本データ
育 て 易 さ:測定中
成 長 速 度:★☆☆☆☆
入手し易さ:★★★☆☆
耐 寒 性:★★★★☆(耐寒温度(目安):5℃)
耐 暑 性:★★★☆☆
原産地:南アフリカ・ナミビア
花言葉:『似たもの同士』
科・属:ハマミズナ科 コノフィツム属
学 名:Conophytum(コノフィツム)
たねの購入
ヤフーショッピングでたねの購入ができる「多肉植物ワールド」から、“コノフィツム ミックス”というたねを購入して、自宅に届きました!
「コノフィツム」にはいろいろな品種があるものの、正直どの品種が良いとかは分からなかったので、いろいろな品種が入っているモノにしました。
たねは「seed stock」から購入することが多いですが、欲しい植物のたねが「seed stock」に取り扱いがなければ、たまに「多肉植物ワールド」をのぞきにいくこともあります。
たねを蒔いた環境
多肉植物に限らず、植物はこの方法で蒔かなければ必ず発芽をしないというワケではなく、ひとによって蒔き方が違うこともあります。
あくまで、わたしが今回たねを蒔いた環境です!
用土
発芽してからも同じ用土で育てていくつもりなので、ほかに育てている多肉植物にも用いている「赤玉土(あかだまつち)」、「鹿沼土(かぬまつち)」、「日向土(ひゅうがつち)」などの無機質の用土を混ぜているモノを使用しました。
多肉植物は雨の少ない地域で育っていくために、葉や茎などの体内に水分を多く蓄えているので、乾燥気味に育てていくのが基本的な育成方法です。
ですが、たねが発芽するまでの間、そして発芽してから約2~3か月の間は、多肉植物といえども乾燥に耐えられるだけの体力は備えておらず、多湿の環境で育てることが望ましいので、有機質な肥料が入っている用土は“カビ”や“コケ”の発生などにつながってしまいます。
植物が発芽したあとに根が用土に潜っていきやすいように、粒の大きさは“細粒”とよばれるもっとも粒が小さな用土が理想的ですが、今回は小粒(細粒よりも少し大きい粒)を使用しました。
- 赤玉土:3
- 鹿沼土:3
- 日向土:3
- くん炭:0.5
- パーライト:0.5
なぜか鹿沼土を使用すると、土の表面にコケが発生しやすいと感じています。
わたしは鹿沼土を使用しましたが、特に実生の際は、鹿沼土を使用しない方が良いかもしれませんね。
水やり
本来、多肉植物である「コノフィツム」は乾燥している環境を好む植物ですが、前述のように株がまだ小さいうちは水を切らしてしまうと、成育がうまくいきません。
たねを蒔いてから数か月間は、乾燥しないように水を容器にためて、鉢ごと水に浸ける「腰水(こしみず)」で管理します。
毎日水やりをすることでもよいと思いますが、水やりの際はたねや苗が安定していないことから、やさしく与える必要があります。
日当たり
「コノフィツム」は、夏の強い直射日光以外は日当たりの良い環境を好む植物ですが、株がまだ小さいうちは強い光に耐えられないことから、直射日光は避けた方が無難です。
種まき~1か月後までは、室内の窓際でレースのカーテン越しの光をあてます。
ただ、さすがにそれでは日照が足りないので、夜間に3時間ほど、植物育成用LEDライトの光を少し遠く(50cmぐらいの距離)からあてます。
今回、使用した植物育成LEDライトはBRIM製のパネル型のライトです。
温度
「コノフィツム」が発芽するために必要な温度は“15℃から20℃程度”なので、なるべく適温を保つようにします。
暖かい季節を好む植物のたねを蒔くのは春が適期ですが、「コノフィツム」は涼しい環境を好む植物です。
秋になって、気温が下がってきたタイミングがたね蒔きの適期となります。
2023年は残暑が長く続き、10月でもまだ暑かったので、11月に入ってからたねを蒔きました。
たね蒔き後の経過
たね蒔き時
たねを事前に半日~丸一日程度水に浸けると、植物が発芽する確率が上がるように感じていますが、「コノフィツム」のたねはピンセットでつかむことも難しいぐらい小さいため、事前に水に浸けずにそのまま蒔いた方が等間隔でたねを蒔くことができると思います。
発芽をした後に、あまりにもたねが密集した状態で発芽してしまうと、その後の成長にまで悪影響が出てしまいます。
発芽をした後の成育面まで考えたら、たねを水に浸けるなどの下処理はせずに普通にたねを蒔いて、蒔いた後は「メネデール」などを薄めた腰水で、発芽までの管理をするのがベストだと思います!
ちなみにわたしは、一晩メネデール希釈水に浸けてからたねを蒔いたので、たねを等間隔で蒔くことができませんでした。
たね蒔きから4日後(2023年11月8日)
何粒発芽しているのか、数えるのも困難なほど小さいですが、早くも発芽の確認ができました!
よく見ないと分からないぐらいのサイズ感ですが、たねの状態が悪ければ、たねを蒔いても1つも発芽しないこともあるので、とりあえず一安心!
たね蒔きから8日後(2023年11月12日)
次々に、「コノフィツム」が発芽をしている様子が確認できています!
発芽するにつれて、やはりたねを等間隔に蒔けていなかった状況が浮き彫りになってきました。
たね蒔きは3つの鉢に分けて行いましたが、発芽率は高いように思います。
たね蒔きから15日後(2023年11月19日)
ほんとに少しずつですが、「コノフィツム」の赤ちゃんが成長しています。
たね蒔きから35日後(2023年12月9日)
コノフィツムの中心部に、うっすらと一本の線が入っているのが確認できます。
ひとつひとつのコノフィツムが大きくなってきて、場所によってはかなりの人口密集地帯となっています。
この人口密度では、今後植物の育成に良い影響は出ないと思いますが、この大きさで下手に調整しようとすると、事故が起きそうなので、このまま様子見とします。
今のところ、成長速度はかなり遅いですね。
「コノフィツム」はうまく育てることができても、花を咲かせるまでは2~3年程度かかるようですが、「コノフィツム」初心者のわたしが育てると、どれぐらいかかるのでしょうか。
もちろんお花を見たい気持ちもありますが、それよりも、まずは枯らさないことを考えて育てていきたいですね。
たね蒔きから56日後(2023年12月30日)
毎日観察をしていると、逆に日々植物が成長していることに気づけませんが、3週間前の写真を比べると、少しずつ大きくなっています!
すこしずつ、コケが生えてきてしまいました。
加湿な環境なので、多少のコケは仕方ないですね。
日当たりの悪い場所ではコケは緑色ではなく茶色くなるようなので、日当たりの良さは植物育成LEDで確保されているということでしょう。
多肉植物によっては、たね蒔き後にひたすらカビとの戦いといえるほど、カビが発生しやすい品種もありますが、「コノフィツム」はカビがひとつも発生していません。
もしかしたら、たねが小さすぎるので、すでにカビにやられてしまった株もいるのかもしれませんが・・・。
たね蒔きから77日後(2024年1月20日)
さらに、サイズが大きくなったような気も・・・。
「コノフィツム」も無事に年越しをしましたが、あいかわらずのマイペースな成長速度を見せています!
「コノフィツム“ミックス”」というたねなので、いろいろな品種が混ざっているはずですが、さすがにこの大きさではどれも同じ品種に見えます。
たね蒔きから184日後(2024年5月6日)
だいぶ溶かしてしまいましたが、なんとかまだ生き残っている「コノフィツム」です。
暖かくなってきたのに、室内管理をしたままで室温が高温になってしまったのが、溶けてしまった原因だと思います。
神奈川の環境では株がまだ小さいうちに、冬の間、屋外で育てるのは寒さの面から厳しいと思いますが、厳しい寒さを乗り越えたら、涼しい屋外にだした方がよかったかもしれません。
(更新中)
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