多肉植物の魅力を感じる
寒い季節でも、実際にガーデニングショップに足を運ぶと、「クリスマスローズ」や「パンジー」、「ビオラ」や「シクラメン」など、季節のお花を咲かせている植物がたくさん並んでいます!
お花の苗を扱うエリアは、一年を通して色とりどりに彩られ、お花の良い香りも漂っている華やかな売り場となっています!
お花の苗を扱っているエリアと比較すると、アガベや塊根植物などの「コーデックス」は、春から秋までの暖かい季節に成長する“夏型”の品種が多いモノ。
ガーデニングショップに立ち寄っても、「パキポディウム」や「アデニウム」などのコーデックスの代表種は葉を落として休眠の真っ最中です。
また一年中葉を落とさない常緑の植物である「アガベ」や「エケベリア」などの多肉植物は、冬でも葉は付けたままですが、寒い屋外の場所ではほとんど成長しない季節になります。
そのため、さまざまな植物を扱うガーデニングショップでも、「コーデックス」を扱うコーナーは、寒い季節の間は盛り上がりに欠ける売り場ともいえるでしょう。
それでは、コーデックスが好きなひとにとって寒い季節には休眠中の植物を眺めることしかできないかというと、違う楽しみ方があると思っています!
前置きが少し長くなりましたが、本記事では、寒い季節でも「コーデックス」を楽しむ7つの方法をまとめました!
「コーデックス」にすこしでも興味のある方や、コーデックス初心者の方の参考になる記事となっています。
コーデックスとは
雨量が少なく乾燥した地域でも暮らしていけるように、根や茎の部分に水分を蓄えておけるように進化したのが「塊根植物(かいこんしょくぶつ)」や「塊茎植物(かいけいしょくぶつ)」と呼ばれる植物です。
また、葉をロゼット状に展開させる植物のひとつに「アガベ」と呼ばれる植物がいます。
実は「コーデックス(Caudex)」という言葉には明確な定義がないため、「塊根植物」と「塊茎植物」の総称として使われることもあれば、「塊根植物」と「塊茎植物」に「アガベ」を加えたグループの総称として使われることもあります。
一年のうちにグングンと成長する“成長期”と、成長が停滞する“休眠期”があり、休眠期には塊根植物や塊茎植物は葉を落とし苦手な季節に備えるもの。
全体的に成長速度は遅めで、成長期であっても、目まぐるしく成長していくというよりは、数年間かけて好みのカタチに仕上げていくことで、楽しまれる植物といえるでしょう!
コーデックスの育て方
日当たり
品種によりますが、「コーデックス」には日光浴が好きな植物が多いので、直射日光に当てて育てるのが基本です。
多くの日光を確保できないことで、枯れてしまうリスクはそこまで高くはないですが、葉や幹がヒョロヒョロに徒長し、好みの樹形をつくり出すことができないことにも・・・。
猛暑日などは、日当たりを調整することも必要となりますが、日照時間の短い冬の季節に、どうやって強い光を確保するかがコーデックスの見た目を維持するカギとなるでしょう。
水やり
「コーデックス」は、体内に多くの水分を蓄えていることから、毎日水やりをする必要はありません。
水やりは、用土が完全に乾いてから数日後に与えるのが基本となり、乾燥気味に育てることで健康的な成育を見せます。
水やりをするときは雑菌を洗い流すため、そして鉢内に新鮮な酸素を送り込むために、鉢底から水が流れ出てくるまで与えるのが基本です。
「コーデックス」が休眠に入ると、成長期のように水を必要としなくなるので、水やりを控えめにしていくことが望まれますが、水やりをしなさ過ぎても成育にはマイナスに・・・。
休眠期であっても株の状態を観察し、凹みが見られるようであれば、少量の水やりをしていくことが必要となるでしょう。
風通し
「コーデックス」はすごく強い風を求めているわけではありませんが、空気が停滞している環境では、成育不良につながってしまいます。
植物が「光合成」や「呼吸」を適切に行うためにも、適度な風通しを確保することが必要となります。
屋外であれば風通しを確保しやすいですが、周囲にモノを置かず、多くの植物を育てている場合には、鉢同士の間隔を空けるだけでも風通しの改善につながるでしょう。
用土・肥料
「コーデックス」は、ジメジメした環境を苦手としていることから、“水はけの良い土”そして“通気性の良い土”に植えることが望まれます。
- 水はけの良い土
- 鉢底から水がスムーズに流れ出てくる土のことを意味し、水が鉢内に留まりづらい状態であることから、土の乾きやすい土になります。
- 通気性の良い土
- 鉢内に空気が循環しやすい土のことを意味します。こちらも土の乾きやすさにつながり、根に新鮮な酸素を送り届けることもできます。
「コーデックス」が本来暮らしている地域は、肥料分の少ない土壌で暮らしている植物のため、肥料分を与える場合には少量におさえます。
肥料分を与える場合には、日当たりや風通しが確保できていている状態でないと、徒長するリスクが高まるでしょう。
下記の記事はアガベに焦点を当てたものですが、用土については別の記事で詳しくご紹介しているので、もしご興味があればお読みください。
冬におけるコーデックスの楽しみ方
「コーデックス」の育て方について、ひと通り確認したところで、楽しみ方についてご紹介していきます!
1:冬型の植物を育ててみる
品種数を比べれば、暖かい季節に成長する夏型の「コーデックス」の方が多いですが、涼しい季節に成長期を迎える“冬型”の品種もいます!
具体的には、「亀甲竜」や「オトンナ」、「チレコドン」などの品種は冬型のコーデックスで、秋から春までの季節に成長する植物です。
夏型の「コーデックス」は冬の間には落葉して休眠に入りますが、冬型の「コーデックス」は暖かい季節に葉を落として休眠に入ります。
そして、成長期は夏の終わりから翌年の春にかけて!
夏型の植物が休眠に入ったころには、冬型の植物が目覚めの季節に入っているので、一年中「コーデックス」を楽しめることになるでしょう!!
夏型の「コーデックス」もユニークな見た目をしている品種がいますが、冬型の「コーデックス」は、夏型以上に独特な見た目をしている品種が多く、良い意味でクセが強い見た目をしています!
ほかの植物には見られない見た目をしていることから、刺さるひとにはトコトン刺さる!
そんな特徴が、冬型の「コーデックス」の魅力といえるでしょう!
冬型の植物も、成長期には水をよく吸い上げますが、夏に比べると土が乾きづらいので、水やり頻度には注意が必要です
下記の記事で、冬型の「コーデックス」である「亀甲竜」や「オトンナ」の成長記録を付けています。
2:冬でも植物が成長できる環境をつくる
ガーデニンググッズをひと通り揃えることで、寒い季節でも夏型の「コーデックス」を育てることができるでしょう!
夏型の「コーデックス」を健康的に育てるためには、いくつかの条件が必要となりますが、必要なグッズは下記のようなモノが考えられます。
- 気温
- エアコン、ストーブ、ヒーターマット
- 日照
- 植物育成用のLEDライト
- 風通し
- サーキュレーター、扇風機
気温の面では20℃以上保てるとベストですが、このうちひとつの条件だけ満たしても、健康的に育てることはできません。
条件を揃えることができるのであれば、あとは成長期と同じように水や肥料を与えていき、夏型の「コーデックス」の成長をサポートしてあげましょう!
室内に置く場合の注意点としては、ひとが生活するスペースが狭くなってしまうことと、加えてコスト面です!
ガーデニンググッズを揃えるための初期費用だけではなく、ランニングコストとして電気代が発生することにも注意が必要となります。
屋外で育てていた夏型の「コーデックス」を室内に取り込むタイミングは、寒くなってからではなく、寒くなる前に取り込むことで、継続した成長につなげやすいです!
一度、寒くなってしまうと植物が休眠モードに差しかかってしまうので、植物の成長を継続して楽しみたいのであれば、室内に取り込むタイミングも意識する必要があるのです。
ただ、夏型の「コーデックス」も冬型の「コーデックス」も、自然環境の中では“成長期”と“休眠期”を繰り返しながら、徐々に成長をしていく植物。
この植物の成育サイクルを崩してしまうことにはなり、季節ごとに変化する植物を楽しむことはできなくなるので、一長一短あるでしょう。
植物の室内育成にどれぐらいの費用が発生するのか、下記の記事で詳しくご紹介しているので、ご興味があればお読みください。
3:一年間の成長記録をつけてみる
夏型冬型を問わず、「コーデックス」は成長の遅い品種が多いため、一定期間育てていても、成長しているのか分からないこともあります。
あまりにも成長をしないため、植物が調子を崩しているのかと思い、一度鉢から出してみても、特に根詰まりや根腐れなどは起こしておらず至って健康な状態。なんていうことは、「コーデックス」の世界ではよくあることです。
春から秋までの間に夏型の「コーデックス」の写真を撮っておき、1年間の成長記録として写真を冬の間に整理することで、植物の成長速度などを詳細に把握することができるでしょう!
成長記録をつけるために、その植物のことをよく調べることもあるので、植物のことをより一層深く知りたいときにオススメの楽しみ方です!
わたしはブログで成長記録を付けていますが、植物の成長記録を付けられるサービスが展開されているので、そのようなサービスを利用することで、そこまで負担なく記録をつけられるのではないでしょうか
4:春以降の計画を立てる、実際に準備をする
冬の間には、春以降のガーデニング計画を立てることもできるでしょう!
何十株、何百株といった植物を育てていると、春以降の季節はすごく多忙な時期になるモノ・・・!
植物の植え替えをしたり、植物のタネを蒔いたり、ガーデニングのハイシーズンである春を迎える前に、あらかじめ年間計画を立てておくことで、春以降のガーデニングを内容の濃いものにすることができます!
植物の植えるための用土を寒い季節にあらかじめ購入しておき、オリジナルの培養土をつくっておいたり、お気に入りの植木鉢を買いに行ったりすることは、季節を問わずにできる楽しみ方!
暖かい春を迎えてから、培養土をつくったり植木鉢を探しに行くと、超多忙なコーデックスLifeになってしまいます。
少しでも園芸に伴う作業量を分散させるという意味で、寒い季節にできることを済ませておけば、春以降のガーデニング作業を軽減させることができるでしょう!
ステキな植木鉢を見つけられれば、春以降の季節が、これまで以上に楽しみになるかもしれません!
下記の鉢は、アガベや塊根植物のためにつくられた植木鉢です。
価格帯も高くなく、通気性に優れた鉢なので、「コーデックス」を育てている方から選ばれることの多い鉢です。
5:植物について勉強してみる
植物について知識を深めることで、より一層「コーデックス」にドハマりすること間違いなし!
自分で実際に育てることが一番の勉強になりますが、専門書を読んでみると、新たな角度から「コーデックス」の魅力に気付くことができるかもしれません!
専門書だけではなく、ガーデニングショップに足を運べば、プロの方から直接お話を聞くこともできます。
また、多肉植物のイベントに参加すると、生産農家さんから「コーデックス」の育成術を学べたり、「コーデックス」仲間ができることもあるでしょう。
さらに、今はインターネットやSNSが主流の時代!
情報を取捨選択する必要こそありますが、あらゆる情報が入手できるので、いろいろなツールから植物に関する知識を学べることができます。
6:温室のある植物園に行ってみる
温室は太陽光で温められた熱を、温室内にため込むことで、暖かい気温を保つことができる空間です。
そのため温室内では、寒い季節でも、葉を生い茂らせた元気な「コーデックス」を見ることのできる植物園もあります!
植物園で育てられている「コーデックス」は、鉢植えで育てているサイズとは規格外の大きさに成長していて、これは本当に同じ植物なのか疑ってしまうこともあります。
規格外のコーデックスには、見ごたえがあるので、「コーデックス」が育てられている植物園に足を運ぶことも、冬の季節に楽しむことのできる方法でしょう。
7:暖かい地域に移り住んでみる
これはかなり思い切った決断ですが、暖かい地域に移り住むことも、冬の季節に「コーデックス」を楽しむことができる方法です!
沖縄などの地域では、ほかの地域と比べれば、高い気温をキープしやすく、冬でも「コーデックス」が成長できる環境を整えやすいです!
ですが、沖縄は意外と快晴の日が少なく、日照が不足しやすい地域。
成長期は長くキープしやすいものの、「コーデックス」が徒長しないように、水やりなどを調整する必要があるでしょう。
ただ、ここまでの行動を取れるひとは、“真のコーデックス好き”といえます!!
番外編として、「コーデックス」とともに移住することを挙げさせてもらいました!
以上です!
本記事では、寒い季節でも「コーデックス」を楽しむ7つの方法をご紹介しました!
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