寒い季節に「コーデックス」を楽しむ方法7選!~冬越し以外にできること~

冬でも塊根植物を楽しむ

冬の訪れとともに、多くの植物が活動を休止する中、アガベや塊根植物などの「コーデックス」もまた、休眠期に入ります。
季節の花々のような華やかな魅力とは異なり、そのユニークなフォルムに魅せられたファンにとっては、冬の過ごし方も気になるところではないでしょうか!?

成長がゆっくりな「コーデックス」だからこそ、じっくりと向き合える冬の時間は、愛好家にとって貴重なものです。

本記事では、そんな寒い季節でも「コーデックス」をもっと深く、もっと楽しく愛でるための7つの方法をご紹介します

本記事の内容をひとつの参考にすれば、冬のコーデックスライフが、きっと充実したものになるはずです

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目次

コーデックスの特徴

「コーデックス」は、その荒々しいすがたが楽しまれ、人気が高まっている植物です

コーデックスという言葉に明確な定義はない

実は「コーデックス(Caudex)」という言葉には、明確な定義がありません。

雨量が少なく乾燥した地域でも生き抜くために、根や茎の部分に多くの水分を蓄えておけるように進化したのが「塊根植物(かいこんしょくぶつ)」です。
また、葉をロゼット状に展開させる植物のひとつに「アガベ」がいます。

「塊根植物」と同義として「コーデックス」という言葉が使われることもあれば、「塊根植物」と「アガベ」の総称として使われることもあります。

成長期と休眠期がある

「塊根植物」には他の植物と同じく、旺盛に成長する‟成長期”と、成長が停滞気味になる“休眠期”があります。

コーデックスの成長期&休眠期
  • 成長期
    • 葉を展開し、根を成長させ、水や肥料分をよく吸い上げる
  • 休眠期
    • 葉を落とし、活動エネルギーを最小限にすることで、苦手な季節に備える

成長期はたねまきや植え替え、剪定など、いろいろな作業を伴う園芸ハイシーズンを迎えますが、休眠期はあまり作業がない点も特徴的です。

「コーデックス」は、春から秋までが成長期の“夏型”の方が、すずしい季節を好む“冬型”よりも、品種数が多い傾向があります。

コーデックスの育て方

「コーデックス」の育て方について、カンタンにご紹介します
より詳しく確認したい場合は、以下の記事でご紹介しているため、参考にしてみてください

日当たり

品種によりますが、「コーデックス」には日光浴が好きな品種が多いため、直射日光によく当てて育てるのが基本です。

多くの日光を確保できないと、葉や幹がヒョロヒョロに間延びする「徒長」を起こし、本来のワイルドな樹形に仕立てるのがむずかしくなります。

水やり

「コーデックス」は、体内に多くの水分を蓄えているため、頻繁に水やりをする必要はありません。
水やりの頻度は、土が完全に乾いてから3~4日後に与えるのが基本です。

多湿には弱いため、乾燥気味に育てることが重要です。

風通し

「コーデックス」には特別強い風を当てる必要はありませんが、空気の流れがない環境では、成育不良を起こす可能性が高いです。

風通しをよくするメリット
  • 土が乾きやすくなり、根腐れを防止できる
  • 光合成を促せる
  • 幹などが肥大しやすくなる など

周囲にものを置かず、鉢同士の間隔を空けるだけでも、風通しをよくできます。

用土

「コーデックス」は、多湿を苦手としているため、排水性や通気性に優れた用土に植えることが望まれます。

排水性と通気性
  • 排水性がよい土
    • 水やりの際に、鉢底からスムーズに水が流れ出てくる
    • 水が鉢内に留まりづらいため、土が乾きやすい
  • 通気性がよい土
    • 鉢内の用土に、空気が入り込みやすいため、土が乾きやすい
    • 新鮮な酸素を鉢内(根)に届けられる

培養土については、以下の記事で詳しくご紹介しているため、ご興味があれば参考にしてみてください

肥料

「コーデックス」が本来暮らしている地域の土壌は、栄養分が少ないため、多くの肥料分を与えないことが重要です。

肥料分を与える場合は、日当たりや風通しが充分確保できていないと、徒長するリスクを高めてしまいます

その他、「コーデックス」の肥料については、以下の記事で詳しくご紹介しています
ご興味があれば、あわせてお読みください

冬のコーデックスの楽しみ方

「コーデックス」は夏型の品種が多いため、冬に行う園芸作業が少なくなる傾向があります。

筆者

コーデックスにハマり出したころは、冬に時間を持て余していたな~。

と思い返されますが、「コーデックス」は冬でも十分に楽しめる植物です

以下で、具体的な楽しみ方をご紹介します。

冬型の植物を育ててみる

さまざまな品種が存在する「コーデックス」の中には、すずしい季節に成長期を迎える“冬型”の品種もいます。

冬型コーデックスを代表する品種
  • 亀甲竜(キッコウリュウ)
  • オトンナ
  • チレコドン など

夏型の「コーデックス」が寒さを感じ、休眠期に差しかかったころには、冬型の品種が成長期に突入しています

冬型の品種は、夏型の品種とは真逆とも言えるサイクルで成長するため、さまざまな品種を育てることで、一年中「コーデックス」を楽しめます

冬型の「コーデックス」も成長期には水をよく吸い上げますが、冬は土が乾きづらい季節です。
夏型の「コーデックス」より、水やりを少なめに抑えたり、排水性や通気性がよい培養土を使用したりする工夫が必要です。

以下の記事では、冬型の「コーデックス」を含めて、塊根植物の成長記録をまとめてご紹介しています
よろしければ、お読みください

室内育成で夏型の品種を育成する

植物を育成するためのガーデニング用品をひと通り揃えれば、冬でも夏型の「コーデックス」の成長を促せます

成長のための条件&必要なガーデニング用品

夏型の「コーデックス」が健康的に成長するためには、複数の条件を満たす必要があります。
具体的には、以下の用品を揃えることで、室内育成が可能になります。

成長するための条件と必要なガーデニング用品
  • 温度(20℃以上あれば望ましい)
    • エアコン、ストーブ、園芸用ヒーターマット など
  • 光量
    • 植物育成用のLEDライト など
  • 風通し
    • サーキュレーター、扇風機 など

上記のうち、特定の条件だけ満たしても、暖かい季節のような旺盛な成長は再現できません
いずれの条件も満たすことが重要です。

条件を満たしたら、成長期と同じ頻度で水や肥料を与え、夏型の「コーデックス」の成長をサポートします。

懸念点は育成スペースの確保&コスト面

室内育成の懸念点は、育成スペースの確保とコスト面です。
ガーデニング用品を購入する初期費用だけではなく、電気代というランニングコストが発生する点にも、注意が必要です

最低気温が10℃になる前に室内に取り込むことで、旺盛な成長を継続できる

冬でも夏型の「コーデックス」の旺盛な成長を促す場合、なるべく休眠期をつくらないことが重要です。

多くの夏型の「コーデックス」は、耐寒温度が10℃程度とされています。
夏型の「コーデックス」を屋外で育成している場合、多くの地域で、冬は室内に取り込む必要があります。
最低気温が10℃程度に下がってから室内に取り込むと、すでに葉を落としている「コーデックス」もいるでしょう。
その場合は、またあたらしく葉を展開することに、余計な体力を使わせてしまいます。

最低気温が15℃ほどになったら室内に取り込むことで、「コーデックス」の成長を止めることなく、楽しめるでしょう

ただし「コーデックス」は本来、成長期と休眠期を交互に繰り返しながら、徐々に成長する生きものです。
冬に休眠させることなく、室内で育成すると、「コーデックス」の成育サイクルを崩してしまうことになります。
落葉や新芽など、季節ごとに変化する「コーデックス」のすがたにも魅力はあるため、意図的に休眠期をつくらない育成方法には、一長一短あります。

また夏型の「コーデックス」は、ある程度の寒さに当てることで春に開花しやすくなるため、開花を促したい場合にもオススメできない育成方法です

植物の室内育成にどれほどの費用が発生するのかなど、以下の記事で詳しくご紹介しているため、ご興味があれば参考にしてみてください

一年間の成長記録を付けてみる

「コーデックス」は成長速度が遅い品種が多いため、日ごろ育てている中で、

最近、「コーデックス」がまったく成長していない気がする…。

と感じることがあります。

成長期に夏型の「コーデックス」の写真を撮り溜めておき、冬のあいだに写真を整理することで、植物の成長速度などを詳細に把握できるでしょう。

成長記録を付ける中で、

この品種は調子が悪かったから、来年は育成環境を変えた方がよさそう。

など植物の育成について、より一層知れるキッカケにもなります。

ブログやアプリなどでも成長記録が付けられるため、オススメな手段です。

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春以降の園芸計画を立てる

冬のあいだは、園芸作業に追われることが少なくなるため、落ち着いて春以降の育成計画を立てられます

春は大忙しな園芸ハイシーズンになる

園芸を趣味にしていると、春には園芸ハイシーズンを迎えます。

春に行う園芸作業
  • 植え替え
  • たね蒔き
  • 剪定
  • 株分け など

暖かくなる前に年間計画を立てておけば、春以降のガーデニング作業がスムーズに進み、充実度を高められるでしょう。

培養土をつくる&植木鉢を探す

あらかじめ園芸用土を購入し、オリジナルの培養土を配合したり、肥料や殺虫剤などを買い足したりすることで、春以降の作業を少しでも軽減できます。

お気に入りの植木鉢を見つけておけば、春に行う植え替えのモチベーションが上がり、園芸ハイシーズンの作業が順調に進められるかもしれません。

コーデックスについて勉強してみる

「コーデックス」について勉強してみることで、より一層その魅力に気づけるでしょう

勉強方法①:ガーデニングショップ&多肉植物のイベント

ガーデニングショップや多肉植物のイベントに足を運べば、プロの方から直接、育成技術や「コーデックス」の性質について話を聞くことができます。

本業で植物に携わっている方の話は説得力があり、多くの学びがあります。

勉強方法②:インターネット&SNS

今は、インターネットやSNSを通じて、あらゆる情報が入手できます。

ただし「コーデックス」に関しては、誤った情報も散見されるため、正しい情報を取捨選択する必要があります

勉強方法③:専門書

手軽に取り組めてオススメな勉強方法は、「コーデックス」に関する専門書を読みあさることです

特に以下のように出版社がしっかりとしている専門書は、載っている情報の精度が高いため、正しい知識を習得しやすいです。

今までとは違った角度から「コーデックス」を知ることになり、育成技術が向上するキッカケになるかもしれません。

温室のある植物園に行ってみる

温室は太陽光で温められた熱を、温室内にため込むことで、暖かい気温を保つことができる空間です。

温室のある植物園では、寒い季節でも、ダイナミックな「コーデックス」を見ることができます

植物園で展示されている「コーデックス」は、鉢植えの株とは、比べものにならないくらい大きい株もいるため、

本当に、同じ品種の植物なの!?

と疑ってしまうこともあります。

見ごたえのある「コーデックス」が展示されている温室付きの植物園に足を運ぶことも、冬に楽しむ方法です。

これまで足を運んだ植物園は、以下の記事でご紹介しています

暖かい地域に移住してみる

暖かい地域に移住することも、冬に「コーデックス」を楽しめる方法です

かなり思い切った方法ですが…。

沖縄などの暖かい地域では、冬でも「コーデックス」が成長できる温度を確保しやすいのも魅力です。

意外と沖縄は日照時間が少ない

ただし意外にも、沖縄は快晴の日が少ないため、日照が不足しやすい面もあります。
適温を維持しやすいものの、日照不足で「コーデックス」が徒長しないように、地域ごとに適切な育成環境を整える必要はあるでしょう。

ここまで大胆な行動を取れるひとは、「真のコーデックス好き」と言えます

番外編として、「コーデックス」とともに移住することを挙げさせてもらいました!

まとめ

冬の寒さとともに休眠期に入る夏型の「コーデックス」。
春から秋の成長期と比べて、手入れが減るこの時期は、一見すると寂しく感じるかもしれません。

しかし、本記事でご紹介したように、冬は「コーデックス」とじっくり向き合い、その魅力を再発見できる絶好の機会です

冬型品種の育成に挑戦したり、室内育成で一年中楽しむ環境を整えたり、あるいは来シーズンの園芸計画を立てたりと、楽しみ方は無限大です。
植物園で規格外の「コーデックス」に出逢うのも、あたらしい発見があるかもしれません。

冬にも行える園芸作業にも目を向け、「コーデックス」の沼に、さらにハマってみてはいかがでしょうか!?

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