塊根植物(コーデックス:CAUDEX)の育て方~水やりや日当たりは!?~夏型編

ユニークな見た目に進化した植物

目次

コーデックスの現地球と実生株

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コーデックスとは

塊根(かいこん)植物や塊茎(かいけい)植物は根や茎が肥大するタイプの植物のことで、コーデックス(caudex)ともいわれています。

植物は、ある程度の水分を体内に蓄えているので、少しの間雨が降らなくても耐えることができますが、コーデックスは長期間雨の降らない乾燥地帯に自生しています。
乾燥地帯では他の植物よりも多くの水分を蓄えておく必要があるため、コーデックスは根や茎を肥大させることで体内に多くの水分を蓄えておくことができるように進化した植物です。

ユニークな見た目で、時には街のお花屋さんでも見かけることもある植物です。

主に葉を分厚くすることで体内に多くの水分を蓄えておくこのができるように進化したのがエケベリア等の多肉植物たちで、根や茎に水分を蓄えておけるように進化したのがコーデックスという植物たちです。

根を肥大させる植物を塊根(かいこん)植物、茎を肥大させる植物を塊茎(かいけい)植物と区別されることもあります。

現地球と実生株

コーデックスには、海外で自然の中で育っている植物を採取して日本に輸入した現地球(げんちきゅう)と、日本国内でタネから発芽させそのまま国内で育てられている実生(みしょう)株があります。

現地球は、既にある程度大きく成長していて見た目もワイルド感がありますが、ある程度の大きさになるまで海外で成育してきているので、日本の環境に慣れるのが難しいという特徴があります。
また海外から輸入するための費用もかかっているので、高額なものが多いです。

一方の実生株の特徴としては、現地球のようなワイルド感溢れる見た目に育て上げるのはなかなか難しいですが、生まれたときから日本の環境にいることで、現地球よりは四季のある日本の環境に慣れやすく、それほど高額ではない価格帯のものが多いです。
実生株はタネから育てている分、愛着がわきやすい面もあります。

コーデックスの育て方

風通し・耐寒性

現地球でも実生株でも風通しの良い環境を維持するために、室内で育成する場合は、サーキュレーターを使用して空気を循環させます。

屋外であったとしても風通しのよくない場所はあるので、なるべく風通しのよい環境で育てます。

現地球でも実生株でも元は同じ品種の植物ですが、日当たりと水やり、肥料については現地球と実生株で育て方が少し異なります。

現地球の育て方

日当たり

夏型コーデックスが本来育っている地域は、雨が少ないです。
雨が少ないということは、「雲が少ない=太陽の光があたる時間が長い」ということになります。

観葉植物のように、窓からあたる光でも元気よく成長していくことは難しいです。
室内で育成する場合は、植物育成用のLEDを使用することはマストです。

基本的にはなるべく多くの日光を浴びせることが望ましいですが、発根管理中や発根したての状態では、根から充分に水分を吸えていないので、その状態で長い時間直射日光にあててしまうと株が萎んでしまったり焼けてしまうことがあります。

また、環境の変化にも配慮が必要です。
冬の間室内に取り込み強い光をあてていなかった場合、暖かい季節の訪れとともに屋外にコーデックスを出す場合には、徐々に日当たりのよい環境に移動することで環境の変化を少なくします。

なお、日本のような高温多湿な環境が苦手なので、日当たりのよい環境で調子が悪そうであれば、日陰に移動したり遮光したりすることも必要です。

春のうちから屋外に出しておくと、真夏の強い光にも耐性が付きやすくなります。

水やり

春~初秋

日本は世界平均よりも降水量が多い国です。
そのため春から初秋までは基本的に雨ざらしの環境であれば、あえて水やりをする必要はありませんが、しばらく雨が降らない日が続いた場合で、株を触ってみて柔らかい時やしわが出てきたときは水が足りていない可能性があるので、水やりをします。
水やりは葉や株から、さらには鉢底からも雑菌や害虫を洗い流すイメージで、シャワーで勢いよく与えるのがベストです。

軒下や室内等の雨が当たらない場所で育てる場合には、習慣的に水やりをする必要がありますが、株の状況に応じて水やりをすることが重要なので、日々観察することが重要です。
株にしわが入ったら水やりをするなどの目安を決めて、水やりをするようにします。

初秋~冬

品種によりますが最低気温が10℃前後となるときから、夏型コーデックスは休眠を開始し、休眠に入ると他の季節よりも水を必要としなくなります。
休眠をした方が寒さには強くなるので涼しい季節に入ったら徐々に水を少なめにし、休眠を促すことが重要です。

冬の間は断水気味に育てます。

冬~春

春になり暖かくなり始めたら、花芽をあげたり葉の展開を開始したりと徐々に動き出し、休眠から目覚めていきます。

コーデックスが徐々に動き出しても、一気に雨ざらしの環境に移したり鉢底から流れ出てくるまで水やりをしたりすることはせずに、最初のうちは少なめの水量で水やりを再開し、徐々に水やりを増やしていくようにします。

塊根植物の品種によっては、一通り葉が生え揃ってから初めて水やりを再開するぐらい慎重に育てていかないと、調子を崩してしまうことがあります。

肥料

原産地の環境ではあまり肥料分の含まれていない土壌で育ってきているので、これまで育ってきた環境を一気に崩さないためにも、肥料は少なめに育てます。

土に腐葉土や堆肥などの肥料が入っていると、コーデックスが肥料を欲しがっていないタイミングでも肥料に余分に吸収してしまい、成育に悪い影響がでることがあります。

1ヶ月に1度程度の頻度で液体肥料を与えるか、植物が必要とするときだけ養分を摂取できる「マグァンプ」という肥料を土に混ぜこむことで、塊根植物の調子を崩すことなく成長にもつなげられます。

数ある肥料の中でコーデックスとの相性の良い肥料は、カリウムが多めに配合されている肥料がおすすめです。

カリウムは根の成育に必要な肥料なので、植物の成育にも良い影響を与えるのはもちろん、植物が間延びする「徒長」につながりにくいので、ユニークな姿を楽しむ塊根植物にはピッタリな栄養素です。

実生株の育て方

日当たり

実生株1年目の株は、直射日光を長時間当てるよりも午前中だけ直射日光に当てるぐらいの環境の方が、健康的にまん丸とした見た目に育ちます。

実生2年目以降から、現地球と同じく長い時間直射日光のあたる環境に切り替えます。

水やり

実生株にはまだ体力も備わっていないため、水が足りない状況が続くと調子を崩し、最悪の場合枯れてしまいます。

ある程度の大きさに成長した株に多くの水を与えてしまうと、ヒョロヒョロとした株になってしまうので難しいところですが、特に1年目等の小さい株は水は多めに与えた方が健康的によく育ちます。
株が小さすぎるうちは、容器に水を入れて鉢ごと水に浸ける「腰水」ぐらいの方が安心です。

また小さい株を冬に休眠させると、暖かい季節を迎えても、そのまま休眠から起きずに枯れてしまう株もいます。

もし可能であれば、1年目は気温の保てる室内で植物育成用LEDの光をあてて越冬させる方が良いです。

肥料

実生株のコーデックスは、現地球ほどナーバスになる必要はありませんが、やはり肥料の与えすぎは徒長につながってしまいます。

日当たりや風が確保できている前提ですが、液体肥料を与える場合は2週間に1回程度を目安にし、カリウム中心の肥料を使用することが望まれます。

水に薄めて与えるタイプで定番の肥料は、「微粉ハイポネックス」です!

冬(最低気温10℃以下)の成育環境

夏型コーデックスは寒さに弱いので、暖かい季節に屋外で育てている場合でも、冬の間はある程度気温の保てる室内等へ移動します。
最低気温が10℃以上あれば、ほとんどのコーデックスは寒さで枯れることはありませんが、15℃以下になると体調を崩す品種もあります。

冬の間には、休眠させるのがコーデックスの基本の育て方となりますが、室温が高いこともあり上手く植物が休眠しなかったり、一度葉を落としていたのに葉の展開を再開させてしまったりと、休眠がうまくいかないこともあります。

休眠がうまくいかない場合でも断水気味で育てますが、葉があることで、葉からの蒸散が進み塊根部分が凹んでしまうことがあるので、株の状況を観察して水を欲しているようであれば水やりをします。

ただし、春から初秋ごろまで同様に鉢底まで流れ出てくるほどの水やりをしてしまうと、土が乾くのに時間がかかり、根腐れを起こしてしまうこともあるので、冬の間の水やりは霧吹きで株全体そして表土を軽く湿らす程度の量に留めます。

室内に取り込むタイミング

基本的にはコーデックスが休眠に入ったら室内に取り込むのが理想的ではあるものの、室内に取り込む基準をコーデックスの休眠のサインである“落葉”に焦点をあてていると、葉を付けたまま枯れてしまうこともあります。
そのため室内に取り込む基準は、“気温”に設定します。

休眠をしていなくても、最低気温が下がる日が続いたら室内に取り込みます。

以上です!
今回はコーデックス(夏型)の育て方を紹介しました!

育てている環境によって異なってくる面もあるので、コーデックスの様子を見ながらユニークな見た目を維持したり作り上げていくことが重要です!

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