コスパに優れた園芸
お部屋に緑を取り入れたいけれど、高価な植物には手が出ない…。
そんなときは、身近な100均を覗いてみませんか?
ですが、「すぐに枯れるのでは…!?」「管理がむずかしそう」といった不安もあると思います。
100均の植物は、手軽にはじめられるのが魅力ですが、一般的なガーデニングショップとは異なる注意点があるのも事実です。
100均の植物に興味がある方は、ぜひ、参考にしてみてください

ちなみに、観葉植物やガーデニング用品をお探しなら、ネットショップで購入する選択肢もあります
100均のように破格の金額では入手できませんが、品質の高い植物ばかりを取り揃えたショップも存在します!
以下の記事では、観葉植物を扱うオススメのネットショップをご紹介しているので、よろしければ参考にしてください

100均産のミニ植物の「3つの課題」
状態が悪い植物も販売されている
管理が行き届いていない
100均はガーデニングショップとは異なり、植物だけではなく、多岐にわたる商品を販売しています。
植物のお世話ができる方が、すべての店舗にいるわけではないため、植物の管理状態は店舗ごとにまちまちです。
水やりなどの業務マニュアルは定められていると思いますが、園芸のプロが常駐するガーデニングショップと比べると、どうしても管理は行き届かない状況になります。
売り場の日当たりが悪い
蛍光灯の光で照らされた売り場は、ひとの目では、屋外と同じように明るく見えます。
ただし実際には、屋外の日陰よりもずっと光量が少なく、植物にとっては暮らしづらい環境です。
ただでさえ暗い環境にもかかわらず、蛍光灯の光すら届かない棚の奥の方に、植物が並べられていることも少なくありません。
光量不足により、サボテンや多肉植物の葉茎が間延びする「徒長(とちょう)」を起こしていたり、観葉植物の葉が萎れていたりすることもあります。
小さすぎて、体力が備わっていない植物も販売されている
同じ100均でも、植物の販売価格には幅がある
100均で販売されている植物も、株の大きさや品種により、税込220~550円の価格帯が設定されています。
税込550円など、比較的大きな株には、ある程度の体力が備わっていることが多いです。
110円の株は小さな株が多く、体力が少ない
売り場では、ミニチュアサイズでかわいい見た目をしていますが、調子がよい植物はすぐに大きく成長します。
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お迎えする前に、その植物がある程度大きく成長しても育てつづけられるのか、イメージを膨らませておきたいものです。
乾きにくい土&ビニールポットに植えられている
乾きにくい土「ピートモス」に植えられていることが多い
100均の植物は、保水性が高く、乾きづらい特徴をもった「ピートモス」に植えられていることが多いです。
乾きづらい土は、生産農家さんからすれば「水やりの回数が少なく済む」というメリットがあるのでしょう。
ただし園芸初心者にとって、乾きづらい土は、植物の育成難易度を上げる存在です。
保水性が高すぎる土は、根腐れのリスクを高める
保水性が高すぎる土は、表土が乾いていても土の中は濡れていることが多く、根腐れのリスクを高めてしまいます。
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乾くと色が変わる土もありますが、100均で使用されている土は、乾いていても、色がほとんど変わらないため、水やりのタイミングが分かりづらいです…。
保水性が高すぎる土は、害虫(コバエ)の発生リスクを高める
100均の植物に使用されている土には、「害虫の発生リスク」の点でも課題があります。
以下の記事では、コバエを発生しづらくする対策や、発生後の対処方法をご紹介しているため、ご興味があればチェックしてみてください
ビニールポットは排水性&通気性が悪い
100均の多くの植物は、ビニールポットに植えられた状態で販売されています。
鉢底穴がひとつしか開いておらず、鉢の表面から空気を通さないため、ビニールポットは土の乾きづらさを助長する存在です。
さらにビニールポットには安定感がないため、植物を鉢ごと転倒させるリスクを高めてしまいます。


課題を深刻にしないための「対策」
ここからは、課題への対策についてご紹介します。


「状態が悪い植物」への対策
枯れる寸前まで元気をなくした植物を、立ち直らせ、元気よく育てるのはカンタンなことではありません。
あまりにも徒長が進行した多肉植物やサボテンについても、徒長を直し、本来のすがたを取り戻すためには、長い時間を要します。
状態が悪い植物には、以下の対策ができます。
- 元気な株を見つけたときに、あらためて購入する
- 枯れるリスクを覚悟した上で購入する
元気な株を見つけたときに、あらためて購入する
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徒長株は、見た目が崩れているだけではなく、体力も落ちています…。
状態が悪い植物の多くは普及種のため、ふたたび出逢える可能性が高いです。
元気な株を見つけたときに、あらためてお迎えすることをオススメします。
枯れるリスクを理解した上で購入する
なかなか見かけないレアな品種であれば、お迎え直後に枯れるリスクがあることを理解した上で、購入する選択肢もあるでしょう。
枯れる寸前の植物
枯れる寸前の植物は、以下の点に気を付けることが重要です。
- 植物の調子がよくなるまでは、植え替えない
- 植え替えは、植物にとってストレスになるため、致命的なダメージに発展するリスクも…。
- 強い光には当てず、肥料を与えない
- 株の調子がよくなるまでは、強い光や肥料を必要としていない
- 土が乾いているかチェックし、乾いている場合は水やりをする
- 特に葉が萎れている場合は、植物が水切れを起こしている可能性があるため、早急に水を与える
- 風通しがよい場所で管理する
- 光合成や呼吸を促す
小さすぎて、体力が備わっていない植物への対策
小さすぎて、体力が備わっていない植物への具体的な対策は、以下のとおりです。
- 徐々に育成環境に慣らす
- いきなり強い光に当てない
- 夏や冬にお迎えした場合、暖かい季節までは室内で育てる
- 適度に風通しがよい場所で育てる
- 鉢増しを行い、株をひと回り大きく育てる
- 複数の株を購入し、枯れるリスクに備える
徐々に育成環境に慣らす
植物は根を下ろし、その場所から移動できないため、動物よりも環境に適応する能力が高いです。
いきなり強い光に当てない
日当たりがよい100均の売り場はあまりないため、販売されている植物は、室内を照らす弱い光に慣れています。
その状態で、お迎え直後に直射日光がよく当たる屋外に出すと、強い光に耐え切れず、葉焼けを起こすことも…。
100均の植物を日当たりがよい屋外で育てたい場合は、まずは室内か、屋外の日陰で育てはじめるのが無難です。
- 室内に置き、レースのカーテン越しの光を当てる
- 直射日光が当たらない、屋外の日陰に移動する
- 直射日光が1~2時間(1日あたり)当たる、半日陰に移動する
- 直射日光が長時間当たる場所に移動する
育成環境に慣らす期間は、1~2週間ほどが妥当です。
夏や冬にお迎えした場合、暖かい季節までは室内で育てる
多くの植物にとって、適温は15~25℃ほど。
適温から大きく外れる季節に植物をお迎えした場合は、植物が過ごしやすい気温になるまで、室内で育てた方がよいです。
暑さや寒さについては、以下の記事で具体的な対策方法をご紹介しています
【植物の暑さ対策の記事】
【植物の寒さ対策の記事】
適度に風通しがよい場所で育てる
植物が元気に育つためには、適度な風通しが必要です。
- 根腐れ防止
- 土が乾きやすくなるため
- 植物の光合成&呼吸を促せる
- 空気の循環ができるため
空気を植物に直接当てすぎると、植物が乾燥しすぎてしまうため、空気を循環するくらいの風通しが理想です。
鉢増しを行い、株をひと回り大きく育てる
大きな鉢を使用すると、根を張れるスペースが広くなり、植物が大きく成長しやすくなります。
株のサイズが上がると植物に体力が備わるため、ちょっとしたトラブルが起こっても、枯れにくくなります。
複数の株を購入し、枯れるリスクに備える
あらかじめ複数の株を購入し、枯れるリスクに備えることも対策のひとつです。
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1人の植物好きとしては、複数の株をお迎えしても、1株ずつしっかりと向き合ってほしいものです。
乾きにくい土や、ビニールポットへの対策
乾きにくい土や、ビニールポットへの対策については、季節ごとに対応が異なるため、それぞれご紹介します。
春・秋
春や秋は植え替えの適期
春や秋は、植え替えにも望ましいタイミングです。
この季節に100均から植物をお迎えした場合は、植え替えることで、育成環境を整えられ、枯らすリスクを下げられます。
- 土の入れ替え
- 古い土は、なるべく多く落とし、排水性&通気性がよい培養土を使用する
- ビニールポットの取り換え
- 排水性&通気性がよく、転倒しにくい鉢を使用する
- 鉢を大きくする
- 植物の大きな成長につなげ、株に体力をつける
鉢底の側面に切れ目が入った「スリット鉢」を使用すると、さらに排水性&通気性を高められます。
植え替えを行う際の注意点
100均の植物は植え替えに失敗すると、一気に枯れてしまうこともあるため、注意点をご紹介します。
サボテンや多肉植物の場合
サボテンや多肉植物については、小さな見た目をしていても、丈夫な品種が多いです。
多少根が切れてしまったとしても、根にこびり付いている土をなるべく落とし、環境を入れ替えることが重要です。
観葉植物の場合
観葉植物については、サボテンや多肉植物ほど強い性質をもっていません。
- 土が完全に乾いてから、植え替える
- ただし土を乾かしすぎると、水分不足で植物が調子を崩すリスクがあるため、注意が必要
- 植物の根をシャワーで水洗いしながら、土を落とす
- 水を溜めた容器の中で、土を落とす方法も有効
土の乾き具合を把握するためには、実際に手で触ってみる方法がオススメです。
以下の植物の「水やり」の記事では、土の乾き具合を確認する方法を、いくつかご紹介しています
ご興味があれば、参考にしてみてください
植え替えたあとは、少なからず植物がストレスを感じているため、株を休ませることが必要です。
1~2週間ほど、風通しがよく、強い光が当たらない環境で様子をみましょう。
ちなみに、これまで使用してきた市販の培養土の中で、もっともオススメなのは以下の「花ごころ」さんのものです。
昔から使用されている培養土で、価格が高くないわりに植物がよく育つため、コスパがよいと感じています。
夏・冬
夏や冬のあいだでも15~25℃の適温を保ち、ある程度の光量を確保できるなら、植え替えてもよいでしょう。
ただし望ましい育成環境を確保できないなら、過ごしやすい季節を待ってから、植え替えることが望ましいです。
植物の室内育成については、準備するガーデニング用品などを、以下の記事で詳しくご紹介しています
まとめ
100均の植物は、手軽にグリーンを楽しめる魅力的な選択肢です。
適切な土への植え替えや、育成環境への段階的な慣らしなど、少し手間をかけるだけで、植物は見違えるほど元気に育ちます。
はじめて植物を迎えるならガーデニングショップも選択肢のひとつですが、100均の植物には、小さなうちから成長過程を見守る楽しさがあります。
以下では、100均の植物の成長記録や育成環境をご紹介しています
【観葉植物の成長記録の記事】
【多肉植物&サボテンの成長記録の記事】
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