パキポディウム・デンシフローラム(シバの女王の玉櫛)の成長記録&育て方(更新中)

育てやすい塊根植物

目次

パキポディウム・デンシフローラムの基本データ

育 て 易 さ:★★★★★(塊根植物の中では育てやすい)
成 長 速 度:★★★☆☆(葉は展開するが、幹が肥大しづらい)
入手し易さ:★★☆☆☆
耐 寒 性:★★★☆☆(耐寒温度(目安):10℃)
耐 暑 性:★★★★★

原 産 地:マダガスカル中央部
花言葉:永遠の愛、愛嬌
科・属:キョウチクトウ科・パキポディウム属
学 名:Pachypodium densiflorum(パキポディウム デンシフローラム)
別 名:シバの女王の玉櫛(しばのじょうおうたまぐし)

パキポディウム・デンシフローラムの成長記録

塊根植物の人気種「パキポディウム・デンシフローラム(Pachypodium densiflorum)」の成長記録を付けていきます!
2020年11月に、神奈川県川崎市にある多肉植物専門店、「タナベフラワー」で購入してきました。

2022年12月1日(December 1, 2022)

購入してから2年ほど経過した、「デンシフローラム」の様子です。
2022年は11月に入ってから紅葉をはじめ、12月に入ったタイミングではほとんどすべての葉を落とし、休眠状態に入っています。

銀白色の丸っこい幹から、枝をいくつも分岐し、株全体に鋭いトゲを付けるすがたが「デンシフローラム」の特徴です。
ワイルドな雰囲気が溢れるゴツゴツした見た目には、生命力の強さを感じ、鉢を持つと重量感があります!

実際に、「デンシフローラム」は強い性質をもち、育てやすい品種といえるでしょう

体内に多くの水分を蓄えられるように、根や茎を大きく肥大させ、ユニークなすがたをした「塊根(かいこん)植物」の仲間です。

現状の株の大きさを計測したところ、鉢から上の高さで18cm、横幅が22cmでした!

成長期&休眠期

他の植物と同じように、「デンシフローラム」にも、“成長期”と“休眠期”が存在します。

デンシフローラムの成長期&休眠期
  • 成長期
    • 春から秋までの暖かい季節
    • 濃い緑色に染めた細長い葉を、枝の先端から展開する
  • 休眠期
    • 秋から春までの寒い季節
    • 厳しい寒さを乗り越えるために、自ら葉を落とし、無駄なエネルギーを消費しないようにしている

植物は生命の危機を感じると、子孫を残すために、子株を付けたりお花を咲かせてタネをつくり出したりしようとします。
それはパキポディウム属にも同じことが当てはまり、休眠前にしっかりと寒さに当てることで、「デンシフローラム」は生命の危機を感じるため、春にお花を咲かせやすくなります

春に、「デンシフローラム」の開花を楽しみたいなら、休眠前にしっかりと寒さに当てることが重要です

また、開花後に枝が分岐すると聞いたことがありますが、自宅では開花後に枝を分岐しないこともあるので、“開花”と“枝の分岐”に深い因果関係はないと思います。

屋外で育成している株を室内に取り込むタイミング

寒さに当てるのは開花に重要なことですが、極端な寒さに当ててしまうと、株が枯れてしまうことにもなりかねません
ギリギリ枯れないぐらいの寒さに当てるために、目安にできるポイントは、以下のふたつです。

室内に取り込む目安
  • 株が葉を落とすタイミング
  • 気温が低下するタイミング

自宅で、屋外で育てている塊根植物を冬に室内に取り込むタイミングは、落葉したのを目安にしていますが、中にはなかなか落葉しないまま、調子を崩すことも…。
葉を付けていても、最低気温が一桁の日が2~3日続いたタイミングで、室内に取り込むようにしています。

「デンシフローラム」の原産地であるマダガスカルは、温暖な地域なので、最低気温がひと桁に下がる日は、ほとんどありません。
冬でも、10℃以上は確保した方がよいでしょう

休眠後に室内に取り込むと、暖かい室内を“春の訪れ”だと勘違いし、休眠から覚めてしまうこともあります。

デンシフローラムの枝先に新葉が…!
12月上旬なのに、春の訪れを感じてしまったようです。

完全に休眠していない状態では、冬の日照不足から株が間延びする「徒長」につながってしまうので、注意が必要です

徒長の原因と対策は、下記の記事で詳しく解説しています。

デンシフローラムを祖先にもつデンシカウレの存在

「デンシフローラム」を祖先にもつ品種に、「デンシカウレ」がいます。

「デンシカウレ」は、“恵比寿大黒”という縁起のよい名で呼ばれることもある、園芸品種。

”デンシ’’フローラムとブレビ”カウレ’’を交配させた種類で、それぞれの名前の一部をとって命名されていますが、正式な学名ではありません。

「デンシカウレ(恵比寿大黒)」の成長記録は、下記の記事でご紹介しているので、よろしければお読みください

2023年10月16日(October 16, 2023)

前回の記録から、約10か月後の「デンシフローラム」の様子です。

春ごろから芽吹きをはじめ、5月下旬ごろには葉が生え揃いました!
それ以降は、太陽光をサンサンと浴び、光合成に励んでいます!

光合成によって、どんどんエネルギーをつくっているはずですが、塊根部分が太る速度は早くないです。
株の直径は30cm未満ですが、ここまでの大きさに成長するまでに、10年ほど経過しているのではないでしょうか。

「デンシフローラム」は樹形が崩れたら、そこから仕立て直すのはむずかしい品種です。
成長速度が遅いからといって、水や肥料を与え過ぎずに、育てていくつもりです。

2024年2月4日(February 4, 2024)

前回の記録から、約4か月後の「デンシフローラム」の様子です。
冬の到来とともに葉を落とし、その後2024年を迎え、今は花芽を上げています!

花芽は20cmほど伸ばし、その先で、鮮やかな黄色に染めた花びらを5枚開きます!

今年は絶好調なようで、その後も、どんどん開花しました!

数か月前に、強風の影響で1mほどの高さから「デンシフローラム」の鉢が落下し、一部の枝がダメージを負う事故が発生しました…。
今年は事故の影響で、生命の危機を感じ、たくさんのお花を咲かせたのかもしれません

「デンシフローラム」の名前は、ラテン語で“密集した花”という意味をもった言葉が、その由来となっています!
その名前にある通り、お花をいくつも付けるので、毎年の開花シーズンが楽しみな品種です

2024年8月15日(August 15, 2024)

前回の記録から、半年が経過した「デンシフローラム」です。
今年も葉を旺盛に展開し、絶好調な様子がうかがえます。

昨年の転落事故で、しばらく一部の枝がグラグラしていましたが、その後は何事もなかったかのように、復活しました!
2024年の夏は「10年に一度の厳しい暑さ」といわれた年。
さすがの「デンシフローラム」でも、幹の一部が直射日光で茶色く焼けているようにも見えますが、それはそれで味を出していると捉えています!

実は、お迎えからすでに4年弱が経過していますが、1度も植え替えをしていません。

長期間植え替えていなくても株の調子がよさそうなので、根張りが旺盛で、「根詰まり」を起こしやすい品種ではないのでしょう。
培養土が劣化して排水性が悪くなることがなければ、頻繁に植え替える必要はない品種だと思います。

2025年1月14日(January 14, 2025)

記録開始から約2年、前回の記録から約5か月が経過したときの「デンシフローラム」の様子です。
夏に茶色く焼けた肌は、元通りの銀白色になりました!
そして、今年も葉を落とし、休眠シーズンを迎えています。

そして前回の計測から2年が経過したので、あらためて、株のサイズを計測してみました!

計測結果(株の大きさ)
  • 前回の記録
    • 鉢から上の高さが18cm
    • 横幅が22cm
  • 今回の記録
    • 鉢から上の高さが22cm
    • 横幅が27cm

普段目にしていると、あまり大きく成長しているように思っていませんでしたが、縦に4cm、横に5cm成長したという結果になりました!
鉢のサイズを上げず、水やりや肥料も控えめなので、成長が早い方ではないと思います。
ただし、徒長させることなく、ここまで順調に育てられているのではないでしょうか!

(更新中)

自宅で育てている塊根植物の育成記録は、下記の記事でまとめています
よろしければ、あわせてお読みください。

パキポディウム・デンシフローラムの育成環境

日当たり

「デンシフローラム」は、日光浴が好きな植物です。
一年を通して、よく日に当てることで、詰まった株に育てることができるでしょう。

自宅では、成長期の春から秋までは、朝から夕方まで直射日光が当たる場所で育てています。
落葉していても枝先や幹で光合成をしているので、冬は植物育成用LEDライトを、少し遠くから当てています。

真夏の直射日光に長時間当てていたところ、幹が少しだけ茶色く焼けたようになりましたが、冬に元の銀白色を取り戻しました。
強い光には強い品種ですが、株の様子を観察しながら、日当たりを調整した方がよいでしょう。

水やり

「デンシフローラム」は、日本よりも雨が少ない地域に自生している植物なので、乾燥気味に育てていくことが望まれます。
植えている土が完全に乾いてから、2~3日後に水やりをするのが、基本的な水やり頻度です。

自宅では、春から秋までは雨ざらしの環境に置き、基本的に雨に水やりを任せています。
ただし、雨が降らない日が1~2週間続き、土が完全に乾いている状態が持続したら、水やりをしています。

雨ざらしの環境でも、排水性がよい土に植えていれば根腐れのリスクを軽減させることができますが、水持ちがよい土に植えている場合には、雨ざらしの環境は避けた方が無難でしょう

株が小さいうちは、体内に蓄えておくことのできる水分量が少ないので、土が完全に乾いたらすぐに水やりを与えるぐらい、多めに水やりをした方が健康的に育ちます。
幼苗のうちは、水を貯めた容器に鉢底を浸ける「腰水」(こしみず)で管理するひともいるぐらいなので、参考にしてみてください。

冬は水を切り過ぎてしまうと、根が枯れ込み、春からの動き出しが遅くなってしまいます。
そのため自宅では、月に1~2回ほどの頻度で、1~2日で土が完全に乾くぐらいの少量の水を与えています。
自生地のマダガスカルから輸入された「現地球」は、日本でたねから育てられている「実生株」よりも、水を控えめにした方がよいでしょう。

肥料

「デンシフローラム」は、原産地では肥料分の少ない土壌で暮らしているので、多くの肥料を与える必要はありません。

強い光を確保できない環境で、肥料を与えると、徒長のリスクが高まります。
日当たりがよい環境が確保できない場合は、肥料は与えない方が、本来のすがたを維持しやすいです。

自宅では土の上に蒔くタイプの固形肥料「マグァンプ」を使用し、液体肥料を使用することは、年に数回。
春と秋の成長期の勢いにブーストをかけたいときだけ、液体肥料を使用しています。

塊根植物の育成方法は、下記の記事で詳しく解説しています。
ご興味があれば、ご確認ください

緩効性肥料「マグァンプ」は、塊根植物に定番の肥料のひとつ。
肥料焼けのリスクも低く、防虫効果を兼ね備えたタイプも販売されています。
観葉植物など、他の植物も健康的に育てられるので、肥料をお探しの場合は候補のひとつにしてみてください。

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