プセウド「ボンバックス」・エリプティクムの成長記録&育て方(更新中)

塊根植物の人気種

目次

プセウド「ボンバックス」・エリプティクムの基本データ

成 長 速 度 :★★★★☆(枝葉はよく成長する)
育てやすさ :★★★★★
入手しやすさ:★★★☆☆
耐 寒 性 :★★★★☆(5~10℃)
耐 暑 性 :★★★★☆

原産地:グアテマラ、インド
科・属:キワタ(パンヤ)科・プセウドボンバックス属
学 名:Pseudobombax ellipticum(プセウドボンバックス・エリプティクム)
別 名:シェービング・ブラシノキ(咲かせるお花が、髭剃りのブラシに似ていることが、その由来)

プセウド「ボンバックス」・エリプティクムの成長記録

2022年1月ごろにお迎えした、「プセウドボンバックス・エリプティクム(Pseudobombax ellipticum)」の成長記録を付けていきます!
東京都練馬区にある総合園芸専門店、「オザキフラワーパーク」で購入しました!

2022年12月1日(December 1, 2022)

お迎えしてから、1年弱が経過した「ボンバックス」の様子です。

まずは、幹(塊茎)の部分から。

ボンバックスは、塊根植物の仲間

「ボンバックス」は、根や茎を肥大させる「塊根(かいこん)植物」の仲間です。
ちなみに、「ボンバックス」が肥大させる部分は、「根」ではなく「茎」の部分。
塊茎部分は株ごとにカタチが異なり、縦長な形状をした株や丸っこい株、個性的なカタチをしたものまで、バリエーションに富んだ品種です
今回お迎えした株は、丸っこく肥大した塊茎部分に惹かれ、購入しました!

日本では、「ボンバックス」という略称で呼ばれることが多く、親しまれています

冬は落葉し、休眠状態に入る

「ボンバックス」は、暑い季節によく成長する「夏型」の品種に分類され、寒くなると葉を落とし、暖かくなるまで休眠する植物です。
このタイミングは12月に突入しているので、すでに多くの葉を落とし、“休眠モード”に差しかかっています。

まもなく“休眠モード”に入る「ボンバックス」の様子。

休眠状態に入ると、余計な体力を使わず、ある程度の寒さに耐えることができます!

自生地と日本のボンバックスの違い

「ボンバックス」は、日本では一般的に数十cmほどの樹高で楽しまれ、大きな株でも1mほどの大きさで楽しまれます。
しかし自生地では、最大でおよそ20mの樹高に育ち、その直径は2m近くまで大きく成長するのだとか!

日本と自生地の大きさに、ここまで差が出るのは、環境の違いだけではなく「育ち方」の違いもあります。
自生地では、地面に根を下ろし開放的に暮らしていますが、日本では、「強剪定」を行うことで、塊茎部分を徐々に肥大させるユニークな見た目を楽しまれます。

強剪定とは、枝を根元から切り落とすこと。
これまで枝や葉に運ばれていた栄養分が、塊茎部分に留まることになり、肥大しやすくなるのです。

ちなみに「ボンバックス」は、自生地のグアテマラでは、国樹に指定されているほどポピュラーな品種です
(国樹(こくじゅ):日本における桜など、その国を代表する樹木のこと。)

挿し木でも肥大する特徴をもつ

一般的に塊根植物は、剪定した枝を発根させる「挿し木」でも根付きはするものの、挿し木株では根や茎の部分が肥大せず、塊根植物らしいユニークな見た目に成長することはありません。
しかし「ボンバックス」は、塊根植物の中ではめずらしく、挿し木株でも塊茎部分が太る特徴をもっています!

春に剪定した枝を挿し木にして、土に挿していたところ、カンタンに根付きました!
挿し木株はワンシーズン経過した段階では、まだ、ただの木の棒のような見た目をしています…。

左側が挿し木株で、右側が親株です。

現時点の塊茎部分は、もっとも太い部分で、親株が直径57mmで挿し木株が10mmでした。
今後、どれぐらい太く成長するのか、楽しみなところです!

「ボンバックス」の剪定や挿し木については、下記の記事で詳しく書いているので、よろしければお読みください

2023年9月23日(September 23, 2023)

前回の記録から、約10か月が経過した「ボンバックス」の様子です。

ひと回り大きく肥大した塊茎部分。

2023年は昨年と比べて、葉をどんどん展開させ、塊根部分がだいぶ肥大しました!

塊茎部分の“ひび割れ”が、「ボンバックス」の魅力を、さらに引き立てているように思います

「ボンバックス」の体調が昨年より好調なのは、春に植え替えをしたときに、排水性のよい培養土に変えたことが、理由だと思います。
「ボンバックス」の自生地で降る雨の量は、日本の3分の1ほどしかありません。

雨が少ない地域で育つ「ボンバックス」を、日本の雨ざらしの環境で健康的に育てるには、培養土の排水性が重要な要素です。

寒さに弱い夏型の塊根植物が多いですが、「ボンバックス」は比較的、寒さに強い特徴をもっています。
しかし自宅では、他の塊根植物と同じぐらいのタイミングで葉が紅く染め、休眠に入るタイミングは遅くありません。
あと2か月ほど経過したら、今年も落葉すると思うので、葉を落とすころに室内に取り込む予定です。

ちなみに「ボンバックス」は、たねから育てる実生(みしょう)でも、楽しませてくれる植物です。
たねはカンタンに入手できませんが、たまたま入手できました。
「ボンバックス」の実生株の成長記録は、下記の記事でご紹介しています

2024年3月20日(March 20, 2024)

前回の記録から、さらに半年が経過しました。
屋外より暖かい室内で、春の到来を待っています。

「ボンバックス」の枝先の部分。

枝の先端が尖り、新葉を展開しているようにも見えますが、落葉してからずっと、枝先を鋭利な状態にキープしています!

季節は3月の中旬を迎えているので、徐々に「ボンバックス」を置いている部屋の室温も、上昇してきました!
もう少しで休眠から目覚めると思いますが、今のところ、まだあたらしい葉を展開する様子はありません。
植物は気温の上昇だけではなく、「日照時間」の変化などを感じ取り、休眠から覚める性質をもっています。

暖かくなっても休眠から覚めないときは、屋外に出して昼と夜の寒暖差に当てたり、1~2日ほどで乾く少量の水を与えたりして、植物に刺激を与えることも、休眠から起きるキッカケになることがあります

昨年まで「ボンバックス」は、他の塊根植物よりも早い段階から休眠から目覚めているので、もう少し経てば自分から目覚めてくれるでしょう!

2024年8月15日(August 15, 2024)

前回の記録から、約5か月が経過したときの「ボンバックス」の様子です。
8月中旬に入り、季節はお盆を迎えています。

ボンバックス

世間はお盆休みだとしても、わたしの成長にお休みはありません。

と、言い出しそうなぐらい、絶好調な様子が感じられます!
真夏の季節でも、丸っこいカタチをした葉を展開し、新芽をあたらしく広げはじめました!
「10年に一度の暑さ」といわれるほどの暑い夏を迎えていますが、「ボンバックス」は暑さにめっぽう強いです。

ボンバックス・エリプティクムの名前の由来

「ボンバックス」の名前にある“エリプティクム(ellipticum)” は、ギリシャ語で“楕円(だえん)状の”という意味です。
楕円形ともいえる丸みのある葉の形状が、名前の由来になっているそうです。

また“ボンバックス(bombax)”という名前も、ギリシャ語から来ていて、その意味は「綿」なのだそう。
「ボンバックス」のタネの周りには「綿」が付いており、その綿が生活用品に用いられていたことが、その由来になっています。

2025年1月14日(January 14, 2025)

前回の記録から、約5か月が経過しました。
記録開始日から起算すると、およそ2年が経過しました。

以前の、挿し木株と一緒に撮影しました。

挿し木株は、冬に入ってからほとんど水やりをしていませんが、いまだに完全に休眠する様子はありません。

そして、記録開始から2年が経過したので、このタイミングで塊茎部分の直径をあらためて計測してみました!

ボンバックスの塊茎部分:直径
  • 今回の計測
    • 「親株」が70mm&「挿し木株」が20mm
  • 2年前の計測結果
    • 「親株」が57mm&「挿し木株」が10mm
  • 2年間で肥大した大きさ
    • 「親株」が13mm&「挿し木株」が10mm

計測してみると、挿し木株の塊茎部分も肥大していることが、よく分かります!
もっと大きな鉢に植えれば、早く育てることができそうですが、自宅の環境では、比較的うまく育てられている方だと思っています!

今後も、「ボンバックス」の成長が楽しみです!

(更新中)

自宅で育てている塊根植物は、下記の記事でまとめています。
他の品種も成長記録を付けているので、よろしければお読みください。

プセウド「ボンバックス」・エリプティクムの育成環境

日当たり

「ボンバックス」は、日光浴が好きな植物なので、一年を通して直射日光によく当てることで健康的な成育を見せてくれるでしょう。
夏に葉焼けを起こすようであれば、遮光したり置き場所を変更したりすることで、光量を調整する必要があります。
また、しっかりとした風通しを確保することも、暑さ対策として有効です。

自宅では春から秋までは、朝から夕方まで直射日光がよく当たる場所で育成し、冬は植物育成用LEDライトを当てています。
「ボンバックス」は休眠状態であっても、幹の一部など、緑色に染めている部分で光合成をしています。
葉をすべて落としていても、しっかりと幹に光に当てることで、越冬しやすくなるでしょう。

水やり

「ボンバックス」は、雨が少ない地域に自生しているので、成育するために多くの水を必要としません。
タネから発芽して間もない株などを除き、水やりは控えめにすることで、健康的に成育するでしょう。

自宅では「ボンバックス」の成育期である春から秋にかけて、雨風の直接あたる、いわゆる“雨ざらし”の環境で育てています。
排水性や通気性に優れた培養土に植えているため、雨が続く季節でも、水分過多によって体調を崩したことはありません。
1~2週間雨が降らず、土が乾いている状態が長引いた場合は、水やりをしています。
表土にかけた水が、鉢底からスムーズに抜けていく培養土を使用することで、「ボンバックス」にとって過ごしやすい環境を提供できるでしょう。

冬のあいだも根が過度に乾燥しないように、1~2日で完全に乾くぐらいの水を、月に1~2回ほどのペースで与えています。
気温が低いと、土が乾きづらい状態になっています。
他の季節と同じ頻度で水やりすると、「ボンバックス」の根が呼吸できず、根腐れの原因にも…。
季節や株の状態に応じて、水やりを調整していくことで、「ボンバックス」を健康的に育てることができるでしょう

肥料

「ボンバックス」は成育にあたり、多くの肥料分を必要としませんが、他の塊根植物より多めに肥料を与えた方が、健康的に成育する品種だと感じています。

自宅では植え替えの際に、徐々に肥料分が溶け出す“緩効性肥料”「マグァンプ」を、培養土に混ぜています。
「マグァンプ」という固形肥料は、植物が必要とするときにだけ肥料分が溶け出すので、植物への失敗が少ない肥料として、塊根植物には定番の肥料です。

また、春から秋の成長期にかけて、2週間~1か月に1度程度、液体の速効性肥料と活力剤を一緒に与えています。
サボテンと同じ濃度で使用していますが、もう少し高めの希釈率でもよいと思います。

「ボンバックス」に与えている液体肥料と活力剤は、下記のものを使用しています。

【液体肥料】:成長期のみ、水やりのタイミングで与えています。