園芸という趣味
これまで道のわきの植物が春に芽吹きだしても、季節のお花を咲かせていても、特段心が動くことがありませんでした。
植物に興味がない日々を送っているなか、偶然まちなかで見かけた「ガジュマル」のユニークな姿に心が躍り、植物に興味がわいてからというもの、いまや約300鉢以上の植物を育てています!
今回は、ひとりでも没頭できる「植物」の魅力について、ご紹介します。
なぜ園芸なのか!?
人生100年時代といわれているなかでも、ボーっと過ごしていたら意外なほどあっという間に1年が過ぎていきました。
年をとればとるほど時の流れが早いと感じているなかで、少しでも有意義な時間を過ごしたいという気持ちから、興味がわく事柄に片っぱしから片足を突っ込んでいった結果、「園芸」という分野にたどりつきました。
園芸には“昔ながら”といった印象や“年配の方がする趣味”というイメージもありますが、いまや植物イベントにいくと20代や30代の若い方々も多く、どの世代からも愛されているのが「園芸」という分野です。
いくつも植物を育てていると、植物ごとの違いもわかってきて、植物にハマる以前に抱いていた「水をあげて、日に当てる」だけの印象であった植物には、とても深い世界があることを実感しています。
育てている植物が元気よく成長をしているうちは、その育成環境を崩さないようにしていればいいですが、植物が調子を崩したり、最悪枯れてしまったりしたら「なぜ、うまくいかないのか!?」を追求し、次に生かしていく必要があります。
また、育てている育成環境はそれぞれで違い、気温や風の強さ、日当たりなどの複合的な要素を考慮し、植物の育成を考えていく「園芸の奥深さ」にも魅力を感じています。
インドアな趣味のように思われますが、たとえば園芸用品を買いにガーデニングショップに行ったり、植え替えをするために玄関先やベランダに行ったり、さらには植物を求めて植物イベントに足を運ぶなど、アウトドアな要素も含まれている趣味といえます!
園芸の魅力8選
ポスト投函型のお花よりも数倍のボリューム HitoHanaのお花の定期便自分のペースで行える
園芸は、基本的に一人で行うことのできる趣味です。
周囲のひとにあわせて疲れてしまったり、自分のペースを乱される心配はありません。
自分時間を自分の歩幅で歩むことができるのは、園芸の一つの魅力です。
日光浴ができる
自宅の庭いじりや、花壇に美しいお花を植えたりするだけではなく、鉢植えで育てている場合でも、植え替えや水やりなどで屋外に足を踏みだす機会が多くなります。
植物が光合成をするように、日光浴はひとにとっても良い影響を与えるので、自然に日光浴ができる点も園芸の魅力といえるでしょう。
適度な運動ができる
園芸は「見て楽しむ」だけではなく、植物のお世話をする必要があります。
水やりや植え替えだけが園芸作業ではなく、枝を切る「剪定」や新しいタネをまく「播種」といった作業も行います。
ランニングなどのスポーツと比べると運動量は劣りますが、それでも結構な立ち仕事があるので、園芸作業は運動の一種といってもよいと思います。
環境にやさしい
用土を購入すれば、用土が入っていた袋がゴミになるので、園芸のすべてが環境にやさしいとは言い切れませんが、それでも育てている植物が酸素をつくりだし、またお花の蜜が虫のエサになるなど、環境に配慮されていて、自然のなかに順応している趣味ということは間違いはありません。
環境汚染につながってしまう趣味よりも、環境にやさしい趣味の方が自分自身のメンタル的にも楽ですよね。
味や香りも楽しめる
植物を育てていくのは「視覚」だけではなく、開花したお花の香りを楽しむ「嗅覚」や、植物が付けた実や葉を食べる「味覚」など、いろいろな面で楽しむことができるのも、園芸の魅力といえます。
普段、植物を育てていないひとが、いきなり家庭菜園を行い美味しい野菜・くだものを栽培するのはコツがいるので、まずは「視覚」面で園芸を楽しむことがオススメです。
お金がかからない
“珍奇植物”ともいわれる珍しい植物は数万円、さらには数十万円といった高い価格で売られていますが、その一方で100円ショップでも植物が売られていたり、すでに育てている植物から採ったタネをまいたりするなど、工夫次第ではリーズナブルに楽しむこともできます。
安く売られている植物も、小さいうちから育てていると愛着がわきやすいので、金額問わず自分が気に入った植物を入手することがオススメです!
ひとや動物に優しくなれる
同じ育て方をしている植物でも、元気に育っている植物がいれば、原因がわからないまま枯れてしまう植物がいたりと、いろいろな植物がいてそれぞれに個性があることを学ぶことができます。
植物に個性があるのを認めていくことができれば、周囲のひとや動物が失敗をしてしまっても、それぞれの個性としてその失敗を受け入れられるようになります。
また、園芸は植物の状態を見極めて植物ごとに最適な育成環境を提供していく必要があるので、自然と周囲のひとや動物の個性にあわせていく姿勢が身につきます。
植物が好きなひとに、ひとや動物にやさしくないひとは少ないと感じています!
来訪者や近隣の方とのコミュニケーション
自分の環境では宅配業者の方や、近隣の方々に「いつも育てている植物を楽しみにしている」、「見たことの無い植物が置いてありますが、なんていう植物ですか?」と声をかけられることがあります。
育てている植物は自宅のインテリアの一つと化しているので、美しい花壇をつくることができれば周囲の方々から羨ましがられることもあり、近隣の方とのコミュニケーションのきっかけになることもあります。
観葉植物の魅力4選
ここからは、植物ごとの魅力について。
観葉植物についての明確な定義はありませんが、「パキラ」や「ゴムの木」、「シェフレラ」などの植物が観葉植物とされています。
日々の変化
「観葉植物」とよばれる植物は、成長の速い品種が多いのが特徴です!
特に、春や秋の暖かい季節には著しい成長を見せ、1年間あれば見違える姿に成長していきます!
植物が成長していく姿をみていると、自然と元気づけられるので、観葉植物一つの魅力といえます。
増やしていく
育てている観葉植物から剪定した枝を土に挿し、枝から新しい根をださせ、新しい個体とする“挿し木”などで観葉植物は増やしていくことができます。
挿し木で育てた植物は、枝を剪定した植物と同じ遺伝子をもっている、いわゆる「クローン植物」となります。
クローン植物同士は成長速度も同じですが、違う環境におくことで成長に違いが出てきます。
たとえば、レースのカーテン越しで育てているクローン植物Aと、屋外の日陰で育てているクローン植物Bは、日当たりの違いから成長速度にすくなからず差がでるでしょう。
そのような“成長の違い”を感じることで、植物への理解がさらに深まり、より一層園芸にハマっていくきっかけになることもあります。
好みの姿をつくっていく
観葉植物は、植物園などで見ると人の何倍も大きく成長している品種が多いです。
植木鉢で育てていると、根の張るスペースが限られている分、地面に植えられている植物よりも成長速度は遅くなりますが、それでも何年間か育てているとかなりの大きさに成長します。
大きくなりすぎた植物は、それ以上大きくならないように、または購入時のサイズに戻すために剪定を行います。
成育環境に合ったサイズや、自分好みのサイズに維持していくことも、観葉植物を育てていく楽しみ方の一つです。
剪定は、植物にとってかわいそうなことではなく、不要な枝や葉を落とすことで風通しがよくなり、害虫予防やより良い成育につなげることもできる“園芸技”の一つです!
季節の変化や手間を楽しむ
観葉植物は、湿気が高く暖かい環境に自生している植物です。
水やりがすくない環境や乾燥しすぎる環境、寒すぎる環境を苦手としています。
四季のある日本では、季節に応じて植物がうまく育てるような工夫をしていくことが必要です。
手間が多少かかる子どもや後輩などをかわいく想えるように、園芸にドハマりしていると、手間のかかる植物にも愛着を感じるようになっていきます!
パーソナル診断で自分に合う、お洒落な観葉植物を【AND PLANTS】多肉植物の魅力3選
乾燥地帯などに生息していて、雨がすくない環境に耐えられるように、体内に多くの水分を蓄えることができる植物は「多肉植物」とよばれています。
じっくり時間をかける
観葉植物と違い、多肉植物はじっくりと時間をかけて成長をしていく植物です。
品種によって成長速度に違いはありますが、成長が遅いからこそ、多肉植物にハマっているひとは成長を促すために用土を変えてみたり水やりの頻度を変えてみたりと、さまざまな試行錯誤を繰り返している方も多いです。
じっくりと時間をかけていくなかにも、楽しみ方はあるので、長い期間をかけて植物の成長を楽しむことができます。
ユニークな形を維持していく
多肉植物がもっているユニークな姿は、他の生き物にはなかなか無い見た目です。
どのような環境で育てていけば、ユニークな姿を作りあげていけるのか。または維持していけるのか。
ここにも、さまざまな試行錯誤をしながら楽しむことができる、園芸の奥深さがあります。
日々の観察
多肉植物は本来、雨の少ない地域で肥料分のすくない土に根を張って生きているので、水やりを多くしたり肥料を多く与えてしまうと、逆に体調を崩してしまいます。
水やりを与えるタイミングなのか、まだ水やりは控えた方がよいのか。など、植物の状態を見極めていく必要があります。
ちょっとした変化でも見逃さないように、毎日観察していくことでどんどん愛着がわいていき、さらに植物の魅力にハマっていきます。
植物を増やしていく楽しみ方は観葉植物と同じですが、同じ植物でもそれぞれの植物で楽しみ方は変わるものです。
いろいろな植物が存在しているということは、いろいろな楽しみ方が転がっているということです!
まとめ
生き物を相手にする「園芸」には、他の趣味ではなかなか感じることのできない魅力が詰まっていると思っています。
園芸には盆栽という分野がありますが、「盆栽は始めてから数十年後に、ようやく盆栽の本当の魅力に気付ける」ともいわれています。
是非、今から園芸を始めて「緑と生きていく」人生を歩んでみてはいかがでしょうか!?
※本記事では、新宿御苑で育っている植物の写真を使用させていただきました。
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