植物が枯れてしまう10個の原因~植物を枯らさないために知っておくべきこと~

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自宅や職場などで育てている植物が、「最近、葉が萎れえしまい体調があまり良くなさそう。」「去年はお花を咲かせたけど、今年はお花を咲かせず、成長も停滞している。」「展開させていた葉を落としてしまった。」など、暮らしの中に植物を取り入れると何気なく気付く“植物の不調のサイン”があるものです。

ひとや動物と異なり、植物は言葉や鳴き声を発するわけではないので、体調が悪くなっても体調不良を周囲に音で伝えることはできません。
そのため、体調の善し悪しは、植物を育てているひとが察してあげる必要があります。

植物自身も体調を崩したくて崩しているワケではなく、ひとや動物と同様に必死に生きようとしているので、体調を崩すことには必ず原因があります。

植物が体調を崩したり枯れてしまう原因を知っておくことで、植物を枯らすことなく「植物ライフ」を楽しめることができることにもつながります!

目次

常緑の植物の落葉

1年中、葉を茂らせている“常緑の植物”であっても、何十年もの間、ずっと同じ葉を付けているわけではありません。
光合成をする力を維持していくために、植物の代謝により、数年ごとに新しい葉を出し古い葉を落とす“葉のリニューアル工事”を行っています。
そのため、観葉植物の葉が1~2枚黄色くなって落葉したとしても、植物の代謝による場合があるので、その時点ではまだ様子を見守ることが必要です。
その後も、落葉が止まらずに3~4枚と落葉が続く状況であれば、体調不良の可能性があるので、原因を考えていく必要が出てきます。

植物が成長していくための3要素

植物が元気に成育していくためには、「光」「風」「水」の3つの要素が必要となります!
この3つの要素が良い状態で足並み良くそろえば、元気に育っていくことができますが、このうち1つでもバランスが崩れてしまうと、植物が体調を崩してしまうことにつながります。
肥料や活力剤はプラスアルファで考えていくことなので、肥料や活力剤よりも、まずはこの3つの要素をそろえることの方が重要です。

植物が枯れてしまう10個の原因

それでは本題について!

1:日当たり

植物は光合成をしていくための葉緑体を持ち、太陽光という自然エネルギーをつかい、自分自身の体内で生きていくための力をつくり出しています。
光が全く届かないところでは、植物が生きていく力をつくり出す自然エネルギーが確保できないので、長期間そのような環境で過ごすと枯れてしまいます。
また、必ずしも光にあたれば良いというモノでもなく、1日に植物が光合成できる量にも限界があります。
そのため、植物が求めている以上に強すぎる光を浴びると、それはそれで調子を崩してしまいます。
直射日光などの強い光が好きではない植物が、真夏の直射日光を浴びると、強い光に耐え切れず葉を起こして、いずれ枯れてしまいます。
また、最近の植物育成用LEDは当てる距離を近くすれば、地上に届く太陽光よりも強い光を生み出すことができます。
至近距離であててしまうと、植物にとっては良くない影響がでる可能性があります。

日当たりへの対策

すべての植物が強い光を好きなワケではなく、一般的な苔のように光の弱い環境が好きな植物もいるので、育てている植物がどれぐらいの光量が必要なのかを把握し、必要な量の光を浴びせることが重要です。
やむを得ず、強い光が必要ではない植物を屋外の日当たりの良い環境などで育てる場合には、遮光ネットや寒冷紗を使用して、植物にふさわしい光の量に調整します。
逆に、もし日当たりが良くない環境で強い光を好む植物を育てる場合には、植物育成用LEDを使用することもひとつの対策となります。

2:風通し

時として、巨大な樹木であっても、台風や暴風により、倒れてしまうことがあります。
幹が太い植物であっても耐えられない強風が吹いていたら、発芽したばかりの小さな植物などは根っこごと飛ばされてしまうこともあります。
逆に風が吹かない状態が続くと、いつまでも用土が乾かない状況へとつながりやすく、用土が乾かないと用土の中に菌が繁殖してしまいます。
これは、冬やじめじめした環境の中で、いつまでも洗濯物が乾かないと菌が繁殖し、生乾きの臭いが出るのと同じ原理です。

また植物も生きていくために、酸素を取り入れ二酸化炭素を体外に出す「呼吸」をしていますが、全く空気の流れが無い環境では呼吸もうまくいかず、根腐れの原因となったり生育に支障が出たりすることにつながります。

風通しへの対策

風が強すぎる場合には、物陰や建物の壁沿いに置くだけでも風の当たりが弱くなりますが、それでも風が強く当たりすぎる場合には、室内に取り込む必要があります。

逆に、空気の流れが無い室内で植物を育てている場合は、扇風機やサーキュレーターを使用をすることで対策ができます。
扇風機やサーキュレーターを使用する場合には、植物に風を直接あてると植物がカラカラに乾燥してしまうので、植物には直接風をあてずに、室内の空気を循環させるぐらいが理想的な使用方法です。

下記のサーキュレーターは、わたしが自宅で実際に使用している製品です。
コンパクトとはいえないですが、金額も高くなく、音もうるさくなく風の量についても問題ないと感じています。

3:水

乾燥している環境が好きな植物や、ジメジメしていて湿度の高い環境が好きな植物など、植物によって望ましい環境は異なります。
観葉植物の多くは、本来ジャングルのような湿度の高いところで暮らしているため、「乾燥」にはそれほど強くありませんが、そうかといって、必要以上に水を与えてしまうと、根腐れなどにつながり調子を崩してしまいます。

水やりを習得するのには『いつ』『どれぐらい』『どうやって』与えるのかを、経験値から学ぶ必要がありますが、その習得には時間を要することから、“水やり3年”と言われています。
なぜ、そこまで水やりの難易度が高いかというと、天気や風の強さ、気温や湿度などの外的要因は日々変わっていきます。
その外的要因に、植物の状態を見極める力が加わってくることが理由です。

水への対策

植物の育て方は、「用土が乾いたら、鉢底から出てくるまで水やりをする。」のが基本的な水やりサイクルとなります。
用土が乾いているときと、用土が濡れているときで色が違うモノを植えている用土の表に敷くと、用土が乾いているかどうかのひとつの判断基準となります。
また、鉢の中が濡れているかを表示してくれる“水やりチェッカー”を使用することで、水やりの感覚をつかみやすくなるので、“水やり3年”から“水やり2年”または“水やり1年”ぐらいに短縮できるかもしれません!

湿度の高い環境が好きな観葉植物の乾燥対策には、葉水(霧吹き等で葉を湿らすこと)が有効な手段となります!

100均のミストシャワーでも葉水はできますが、Amazonなどでもミストスプレーは購入することができます。

以上が、「光」「風」「水」の3要素に関係する内容となりますが、植物が枯れてしまう原因は3要素以外にもあります。

つづけて、3要素以外の原因について!

4:根詰まり

あらゆるスポーツを行う際に下半身の筋肉が基礎的な役割を果たすように、植物が大きく成長していくためには、そもそもの土台(根)が成長していくことが重要になります。
鉢の中が根で詰まっている状態、いわゆる”根詰まり”の状態になっていると、植物の根がこれ以上成長していくスペースがなく、生育不良につながります。
また根詰まりの状態では、鉢の中の水はけも悪くなり、水や肥料をうまく吸いあげることもできなくなってしまいます。

根詰まりへの対策

基本的に地植えの場合には、地面の深さの分だけ根が成長できるので、必要以上に根詰まりの心配をする必要はありません。
植物を鉢に植えて育てている場合は、1~2年に1度は植え替えをして根詰まりが起きにくい状況を作る必要があります。
植え替えの際に、あまりにも根が成長しすぎている場合には、根を整理することが重要ですが、必要以上に根を整理してしまうと、逆に枯らしてしまう原因にもなります。
鉢の下側の側面に切れ目の入っている「スリット鉢」という鉢を使用することで、根詰まりが起こしにくい状況をつくり出すことができます。

5:ウイルスなどの病気

植物が病気に感染し、枯れてしまうこともあります。
ひとと同じようにウイルスによる病気は、植物同士でも感染することがあります。

ウイルスなどの病気への対策

ひともどんなに気を付けていても、病気になるときはなってしまいます。
植物も同様に100%の対策は無いですが、ひとも「主食」+「副菜」+「主菜」を意識して、栄養のあるものをバランスよく食べて、適度な運動をして、睡眠時間を確保していくことで、大きな病気になりにくいように、植物も元気に成育できる環境をキープできると、ウイルスなどの病気に感染しづらくなります!
植物にとって望ましい環境が作れるように、前述した“3要素”(光・風・水)を整えることが重要です。

それでも、病気に感染してしまった場合には、ガーデニンググッズに頼ることも必要です。
アース製薬から、「花いとし」というスプレータイプのモノがでていて、ウイルスだけではなく殺虫の効果もあります。

6:害虫・動物

ガーデニングの世界ではメジャー害虫とされている「カイガラムシ」や「ハダニ」に、植物が付いてしまうと、なかなか根絶させるのに苦戦し、植物をダメにしてしまう場合があります。
また、「ナメクジ」も植物を食べてしまい、枯れ葉を食べて土に還してくれる「ダンゴムシ」も、大量に発生してしまうと植物の根などを食べてしまうので、ガーデニング的には害虫とされることがあります。
また、植物への成育とは関係なさそうな「コバエ」も、幼虫のうちに用土の中にある有機肥料分を食べてしまいます。

また害虫による被害だけではなく、住んでいる地域によっては草食動物が植物の葉や茎、根などを食べてしまうこともあります。

害虫・動物への対策

害虫は外で発生し、いつの間にか植物に付いているケースがほとんどです。
日々、育てている植物を観察し、害虫にやられている状況が確認された場合には、早期に対策することで被害を最小限におさえることができます。

ガーデニング用品として、植物の根から成分を吸わせて、その成分を吸った植物を食べた害虫に効果を発揮する「オルトラン」という殺虫剤は、ガーデニング用の殺虫剤として定番ですし、前述の「花いとし」であれば、すぐに害虫に効果を発揮できるでしょう。

もし、殺虫スプレーや農薬などに抵抗がある場合は、違う種類の植物を付近に植えることで防虫の効果が期待できる「コンパニオンプランツ」という対策もあります!

7:環境の変化

「ガーデニングショップで購入して、自宅にお迎えしてから2週間程しか経っていないのに葉が萎れてしまった。」ということは、実はよくあることです。
歩くための足が生えている動物と違い、植物は根を地面の奥深くに張り、歩いて移動することができない分、環境への適用能力は動物よりも高い生き物です。
そんな植物でも、エアコンの効いた室内の環境から急に外気にさらされる環境に変化したり、雨のあたらない室内から、屋外の雨が直接当たる場所に移動したりすると、急激な環境の変化に耐えきれず体調を崩してしまうことがあります。

環境の変化への対策

ガーデニングショップと自宅の成育環境では、どうしても環境の変化が出てしまうモノです。
植物をお迎えするにあたって、ガーデニングショップではどのような環境で育てられていたのかを詳細に把握し、徐々に自宅の育成環境に慣らしていくことで、環境の変化を最小限に抑えることができます。
たとえば、本来は直射日光などの強い光が好きな植物でも、購入してきてからいきなり屋外の直射日光の光を当てて育てるのではなく、もともとガーデニングショップの売り場では日陰などの暗い場所に置かれていたのであれば、下記のような対応が望まれます。

  • 最初の1週間
    • →室内のレース越しの光に慣れてもらう
  • その後の1週間
    • →屋外の日陰に移動する
  • さらにその後の1週間
    • →午前中1時間だけ直射日光があたる場所に移動する
  • 最終的に
    • 直射日光のよく当たる場所で育てる

といった具体に、ガーデニングショップの売り場を踏まえて、徐々にベストな環境へ慣らしていくことが必要となります。

水やりなどの頻度など、ガーデニングショップの店員さんに聞かないと分からない情報もあるので、店員さんに育成環境を聞いてみることで、無難に植物をお迎えしやすくなります。

8:気温

日本では、世界中から植物が輸入され、生産され、そして販売されています。
植物によっては、本来育っている地域が日本よりも寒く、氷点下になっても枯れない品種もある一方で、最低気温が10℃以下になると調子を崩してしまう植物もあり、どれぐらいの寒さに耐えられるかは植物によってさまざまです。
これは、暑さや湿度などにも同じことがいえます。

日本でタネから育てている“実生(みしょう)”の植物であれば、ある程度、日本の環境への慣らすことも可能ですが、植物がその環境にどれだけ耐えることができるのかは、根本的に遺伝的によって決まっているモノなので、植物の環境への適応する力だけではどうにもならないこともあります。

気温への対策

ベストな対策としてはエアコンの効いた室内で育てることですが、屋外で育てる場合もあると思います。

寒さへの対策としては、植物に風があたらない環境をつくることや、枯れてしまわない程度に水やりを少なめにすることなどの対策があります。
一方の暑さへの対策には、直射日光のあたらない環境や風通しの良い環境に置くことなどで、対策が可能となります。
直射日光があたってしまう場合には、ガーデニンググッズで強い光を遮ることのできる「遮光ネット」が100円ショップでも売られているので、ガーデニンググッズに頼る対策もあります。

9:栄養

植物の成長期には定期的に適量の肥料を与えることで、成長速度を加速させることができますが、肥料を与え過ぎると“肥料焼け”を起こしてしまい、植物の体調不良の原因となります。
経験上、肥料分が不足するよりも、過剰に与えてしまうことの方が、むしろ枯れるリスクは高いと感じてます。

栄養への対策

肥料焼けのリスクを回避するためには、液体肥料や固形肥料の濃度を、肥料メーカーの定める用法用量を守って使用することが重要です。
植物を早く成長させたいひともいると思いますが、焦ってしまうとかえって悪いことにつながってしまうこともあります。
植物の成長は“急がば回れ”という言葉がマッチすると感じています!

また、肥料焼けがそもそも起きづらい遅効性肥料である「マグァンプ」を使用するという方法もあります。
2022年の春には、肥料分だけでなく防虫機能も兼ね備えている『マグァンプD』が発売され、いま注目されている肥料です。

10:その他

ポピュラーな観葉植物のひとつ「ガジュマル」は、かわいらしい見た目をしていますが“締め殺しの木”という別名を持っている植物です。
自然界ではほかの植物に巻き付いて、ほかの植物に当たる日光を奪い取り、最終的に枯らしてしまうことがあることが「締め殺しの木」の名前の由来となっています。
動物界には“弱肉強食”の世界がありますが、より良い日照環境を求めた熾烈な争いが、植物界にも存在しているということですね。
最後にその他として、ほかの植物に枯らされてしまうことを挙げました。

個性をもっているひとや動物と同じく、植物も生き物なので同じ品種の植物でも個体差があります。
植物にとって、いくら望ましい環境を提供できたとしても、枯れるときには枯れてしまいます。
植物も生き物であることを認識し、大切に育てる気持ちを持って接することは必要不可欠だと思いますが、最初から植物をうまく育てることができるひとが少ないのも、事実です。

以上、今回は植物が枯れてしまう原因についての記事でした!

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