多肉植物を増やす方法
ハオルチア属の多肉植物は、世界中に500品種以上いるといわれ、代表的な品種に「オブツーサ」がいます。
「オブツーサ」の特徴は、以下の通りです。
- 葉先に透き通った「窓」をもつ。
- 「雫石(しずくいし)」、「砂漠の宝石」、「クリスタルプラント」という別名をもつ。
さらに「オブツーサ」にも、いくつかの品種が存在し、個体差もあります。
たくさんの子を吹き、どんどん増える株がいれば、あまり多くの子株をつけない個体もいるでしょう。
自宅で育てている「オブツーサ」はどんどん子株を吹き、子株が増えすぎて、鉢内の環境が窮屈な状態に…。
そのため、植え替えと株分け(かぶわけ)を行い、それぞれの株に開放的な環境を提供することにしました!
本記事では、ハオルチア「オブツーサ」の植え替えと株分けを行うために用意するものや、手順をご紹介します!
多肉植物の株分けをしようとしている方や、多肉植物の増やし方を知りたい方にとって、本記事の内容が少しでも参考になれば幸いです!
植物の「株分け(かぶわけ)」とは
株分け(かぶわけ)とは
植物における「株分け(かぶわけ)」は、大きく成長した株をいくつかの個体に分けて、植物を増やすことです。
株分け(かぶわけ)をする目的
植物を増やす
「株分け」した分だけ、お気に入りの植物を増やすことができます
成育スペースの確保
成育スペースを確保し、植物を取りまく環境を改善する目的もあります。
植物を地面に植えている「地植え」では、子株を吹き群生し大きく成長しても、周囲にスペースがあるので、そのまま育てていても問題ありません。
しかし、鉢内のスペースは限られているもの。
鉢内の植物を密集したまま放置していると、成育場所をなくした植物は、やがて調子を崩すことになるでしょう。
密集した状態を改善し、多湿を防ぐ
株同士が密集し過ぎた状態では、周囲の風通しが悪くなり、多湿につながります。
蒸れによって、株が調子を崩してしまうことにもなりかねません。
密集した植物を「株分け」することで、植物が健康的に育てる環境を確保し、向上できることにもつながります。
雨が多く、寒暖差が大きい日本の環境では、ハオルチアは「地植え」に向いていません。
限られた鉢内のスペースで、ハオルチアと長く付き合っていくために、「株分け」の作業は必須となるでしょう!
用意するもの
植え替えと株分けをするために用意するものは、下記の通りです!
- 鉢
- 個体の数だけ必要
- 多肉植物用の培養土
- 土入れ
その他、必要に応じて園芸用手袋や根かき棒を、用意してもよいでしょう!
ハオルチア「オブツーサ」の植え替え&株分け(かぶわけ)の手順
「オブツーサ」の様子
まずは、植え替えと株分けをするハオルチア「オブツーサ」の様子です。
この「オブツーサ」は、神奈川県川崎市にある多肉植物専門店「タナベフラワー」からお迎えしてきました!
お迎えしてからの成長記録や自宅での育成方法は、下記の記事でご紹介しています。
調子が悪そうな「オブツーサ」
自宅にお迎えしてきてから、すでに2~3年ほど経過していますが、まだ植え替えたことはありません。
もともとひと株の「オブツーサ」でしたが、徐々に子株の数を増やし、もはや子株が鉢からこぼれ落ちそうな状態に…。
どの個体が親株なのか、分からないぐらい群生株に成長しました。
以前は青々とした葉を展開していましたが、今は葉の色が紫色に変色しています。
植わっている鉢は、土の中が蒸れやすいビニールポットに植えられていましたが、よくここまで成育してくれたものです!
秋の成長期を迎え、植え替え&株分け(かぶわけ)を実施
「オブツーサ」の成長期は春と秋で、適温は15~20℃ほど。
「オブツーサ」の植え替えや株分けをするのであれば、このタイミングで行うと、株へのダメージを最小限に抑えられます。
秋に突入し気温が下がってきたので、「お世話をするならこの時期だ」と判断し、植え替えと株分けを行うことにしました!
鉢(ビニールポット)から抜く
「オブツーサ」を、鉢(ビニールポット)から抜いていきます!
ビニールポットの長所には、やわらかいので、植えられている植物を取り出しやすい点があります。
プラスチック鉢であれば、鉢の側面から押すことはできますが、鉢底から押し出すことはむずかしいです。
その点、ビニールポットに植えている株は、鉢底から押し出せる分、鉢から簡単に抜けます
植えている鉢によって、この作業に手こずることがありますが、今回はビニールポットを使用している分、スムーズに鉢から抜くことができました!
土の中から、「オブツーサ」の立派な根があらわれました!
葉の状態はよくなかったものの、根は白っぽいものが多くて、調子がよさそう!
そして、「オブツーサ」を鉢から抜いて気づいたのは、使用されている土の質が高いこと。
数年間植え替えていない状態でも、土の粒がそこまで崩れていなかったので、生産農家さんが上質な土を使用していたのだと思います。
多肉植物用の培養土は、園芸用ふるいにかけるなどのリサイクル作業を行えば、再利用することができるので、今回も再利用しました!
園芸用土のリサイクルについては、下記の記事で詳しくご紹介しているので、ご興味があればお読みください。
根鉢を崩し、株ごとに分ける
ビニールポットから「オブツーサ」を抜いたら、根鉢(ねばち)を崩しながら、株ごとに分けていきます!
株分けの作業では、この作業が、もっとも気をつかう工程といえます。
株分けをした後の数は、全部で9株!
まだ株分けを行うには小さ過ぎる株もいますが、根鉢を崩す作業中に、親株から外れてしまいました…。
根がない子株には、発根を促す「発根管理」を行う必要がありますが、それぞれの株が自分の根を生やしているので、このまま植えられるでしょう!
ずっと植え替えをしないでいると、根鉢が固まってしまい、ほぐす作業に時間がかかることもあります。
慎重に根鉢を崩したつもりですが、根っこ同士がかなり絡まっていたので、多くの根が切れてしまいました。
このような状態にならないためにも、植え替えや株分けの作業は、サボらずに定期的に行っていくことが必要ということでしょう…。
自然界では、切れてしまった根は微生物によって分解されますが、鉢内の環境では根を残しておいても、プラスに働くことはないので、取り除くようにしましょう。
多肉植物用の培養土に植える
「オブツーサ」を株ごとに分けたら、株を鉢に入れて、多肉植物用の培養土を入れていきます!
小さ過ぎる2株は1つの鉢に一緒に植えたので、株数は9株ですが、鉢数は全部で8個になりました!
ある程度の大きさに成長した「オブツーサ」は、問題なく成育してくれそうですが、小さな2株がうまく根付いてくれるのか心配なところ…。
全体的に葉の色が悪いですが、あたらしい鉢に植えて、それぞれの株に開放的なスペースを提供したので、立ち直ってくれることを期待しています!
自宅で育てている多肉植物には、排水性や通気性に優れた、オリジナル培養土を使用しています。
配合割合などについては、下記の記事で詳しくご紹介しているので、ご興味があれば参考にしてみてください!
アガベを題材にして書いていますが、多肉植物全般的に使用できる培養土です。
最後に、水やりをする
それぞれの株を鉢に植え付けたら、最後に水やりをして、植え替えと株分けの作業は完了です!
ハオルチア属の植物は、植え替えによって根が傷付いているため、1週間ほど水やりをしないことが理想的です。
ただし自宅では、これまでハオルチアの植え替え直後に水やりをしたことで、株が調子を崩したことはありません。
植え替えをしたあとに水やりをすることで、微塵を、鉢底から洗い流せます。
植物への水やりについては、下記の記事で詳しくご紹介しています。
植え替え&株分け(かぶわけ)の3か月後の様子
株分けから3か月が経過しました。
最低気温が1~2℃まで下がる屋外で育てているので、絶好調という様子には見えませんが、株分け直後と比べると、葉の色が緑色になってきました!
小さかった2株も葉色がよくなり葉数を増やしているので、もう少し暖かくなったら、もっと調子を上げてくれそうな予感がしています
まとめ
ハオルチア属の多肉植物を増やす方法は、ほかにもたね蒔きや、葉挿しなどの方法もありますが、もっとも確率の高い方法、「株分け」について、ご紹介してきました!
「株分け」は、植物を増やすだけでなく、成育環境を整え、植物が健康的に育つためにも重要な作業です。
特に、鉢内のスペースが限られる多肉植物では、定期的な株分けが欠かせません!
キレイな“窓”をもつ「オブツーサ」のすがたを維持し、ハオルチアの魅力を楽しむために、ぜひ、この記事を参考にしてみてください!
ハオルチアをはじめとした、多肉植物の成長記録は下記の記事でまとめています
よろしければ、あわせてお読みください。
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