多肉植物「アガベ」にオススメの配合土:「サボテン」や「塊根植物」にも!

多肉植物がよく育つ土

「アガベ」は、葉をロゼット状に展開させていくる多肉植物の仲間で、とても高い人気を誇っています!

多肉植物はゆっくりと成長する品種が多いですが、アガベも例に漏れず、成長速度は遅め。
それでも、環境が合えばワンシーズンでも、ひと回りかふた回りほど成長してくれます!

アガベの中にはデリケートな品種もいますが、基本的にとても強い植物なので、ある程度成長したアガベは、多少相性の悪い用土に植えてもすぐには枯れないでしょう。

ただ、相性の悪い用土に植えると、ほとんど動きがなくなってしまうことになります。
多少動きがあったとしても、それは本来の成育ではなく、苦し紛れになんとか成長しているだけのもの。

アガベの育成にあたり、これまで市販の培養土を使用したり、自分で配合したオリジナル培養土を使用し、分かってきたこともあるのでご紹介します!

本記事では、アガベにとって相性のよい用土、相性の悪い用土についてご紹介していきます!
自生地の環境も記載しているので、あわせて参考にしてください!

また、アガベをメインに挙げていますが、サボテンや塊根植物の仲間も、メキシコに暮らしている品種は多いモノ。
あわせて、参考にしていただける内容となっています!

目次

アガベに相性の良い用土

本題ですが、アガベにとって相性の良い用土とは、どういった用土なのでしょうか!?

もっとも相性の良い用土の条件

結論から述べると、アガベともっとも相性が良い用土は“水はけ、通気性の良い用土”です!
この「水はけ」と「通気性」は、アガベの成長にとって、なくてはならない条件といえるでしょう!

もちろん、ほかにも相性の良い用土の条件はあるので、そちらは後述しています。

ちなみに「水はけ」とは、水やりをしたときにどれぐらいの速さで水が流れ出ていくのか、「用土の排水能力」のことを指しています。
アガベは、乾燥気味に育てることで、健康的な成長を見せる植物。
この「水はけ」が悪いと、乾燥気味に育てることがむずかしくなるので、「水はけ」の程度はアガベとの相性に大きく影響を与える条件といえるでしょう!

一方の「通気性」は、「水はけ」とも良く似た意味合いになりますが、土の中にどれぐらいの空気が出入りできるのか、「用土の給排気能力」のことを指しています。
アガベは、根からも酸素を取り入れている植物。
用土の中に空気の流れがあることで、アガベが根でスムーズに呼吸をすることができることになるので、より良い条件となるでしょう!

あれば望ましい用土の条件

その他、アガベにとって相性の良い用土の条件は、下記の4つです。

あれば望ましい条件
  • 硬い品質で粒が崩れにくい用土
  • 用土の粒の大きさが均一
  • 弱酸性の用土

ひとつずつ、望ましい条件を深堀りしていきます!

硬い品質で粒が崩れにくい用土

水はけと通気性を、長いあいだ持続させるために必要なのが、粒が崩れにくいこと!
用土の粒が崩れてしまうと、“微塵(みじん)”と呼ばれる、泥のようなモノになってしまいます。
アガベを用土に植える前は、この微塵を抜くために、あらかじめ用土をふるいにかけることが望まれますが、せっかくふるいを使用して微塵を抜いても、粒が崩れてしまうと鉢の中で多くの微塵が発生してしまうことにも・・・。

アガベを植える用土によく使われる「赤玉土」と「鹿沼土」は、粒が崩れやすい特徴があり、水はけや通気性にも悪い影響を及ぼします。
すこしだけ値が張りますが、「硬質(こうしつ)」や「焼成(しょうせい)」と書かれているタイプの用土は、粒が崩れにくい性質をもっているため、水はけと通気性を、長持ちさせることができるでしょう!

特に「赤玉土」は、アガベに限らず、ほかの植物でも使用されることが多く、用土の品質を“二本線”や“三本線”という表現で示すことがあります。
二本線でも普通の「赤玉土」に比べると、品質は充分高いですが、二本線よりもさらに高い品質で崩れづらいのが、三本線の「赤玉土」。
二本線か三本線なのかを見分ける方法は、パッケージに入っている横線の数で判別可能です。
横に二本の線が入っていれば“二本線”、横に三本の線が入っていれば“三本線”ということになります!

「アガベ」は根張りがよく、根をどんどん成長させる植物で、多少大きめな鉢に植えても1~2年後には鉢の中が根でパンパンになってしまい、根が鉢を突き破ってしまうことも・・・。

アガベの根張り対策として、定期的な植え替えは必須となります。
何年も同じ鉢で育てていくのであれば、三本線を使用することも望まれますが、1~2年ごとに植え替えをしていくことを前提に考えていくと、二本線のモノでも充分だと感じています。
お金に余裕がある場合のみ、三本線の「赤玉土」の使用を検討しても良いでしょう。

硬質などの用土を使用しない場合には、半年ごとの植え替え、最低でも1年に1回は植え替えをするようにし、定期的に新しい用土に取り換えることが望まれます!

用土の粒の大きさが均一

「赤玉土」をはじめとして、用土には粒の大きさがあります。

粒が大きい順に並べると、以下の通りとなります。

粒の大きさ(大きい順)
  • 大粒(おおつぶ)
  • 中粒(ちゅうつぶ)
  • 小粒(こつぶ)
  • 細粒(さいりゅう)

「赤玉土+鹿沼土+ひゅうが土」など、複数の用土を配合する場合には、小粒なら小粒同士で、細粒なら細粒同士で揃えた方が良いでしょう!

大きさを揃えた方が良い理由は、たとえば「中粒の赤玉土」と「中粒の鹿沼土」を配合した用土は、粒の大きさが同じため、適度に用土同士の間に隙間が生じることになります。
ところが、そこに「小粒の日向土」を配合すると、赤玉土と鹿沼土の間に生じた隙間に小粒の日向土が入り込み、適度に保たれていた隙間が埋まってしまうので、結果的に水はけや通気性に悪い影響を及ぼしてしまうことになるからです。

「くん炭」や「パーライト」などは、「大粒」、「中粒」といったタイプはないので、粒の大きさに分類されている用土のみ、粒の大きさを統一するようにしましょう!

また、株の大きさによって、粒の大きさを上げていくことも望まれます。
たとえば、子株のうちは細粒または小粒を基本とし、株が大きくなってきたら中粒に切り替えていくことで、アガベの成長がより促されます。
粒が大きいほど、用土同士の間隔は広くなるので、水はけや通気性が向上しやすくなるモノ!
大きな株になればなるほど、必要な用土も多くなり、用土が多いことで水はけや通気性が阻害されやすくなるので、大きい粒のものに切り替えることが望まれるのです。

弱酸性の用土

主にアガベが自生しているのはメキシコですが、メキシコの用土は、「アルカリ性」を示しています!
そのため、メキシコに自生しているサボテン科の植物も、昔は「アルカリ性」の用土に植えた方が健康的に育つと考えられてきました。
しかし最近では、メキシコに自生する植物でも「アルカリ性」ではなく、「弱酸性」の用土に植えた方がよく育つことが分かってきています!
実際に、現在市販されているサボテン用の培養土は、「弱酸性」を示しています。

この理由は、後述しているアガベの育っている、現地の環境が影響しているモノ。

エケベリアなどの多肉植物を、「鹿沼土」のみで育てているひともいますが、「鹿沼土」は酸性が強い性質を持った用土です。
アガベにとっては「鹿沼土」の酸性は少し強すぎるので、「鹿沼土」を使用する場合にはアルカリ性の「木炭」や「くん炭」をあわせて配合するなど、酸度を調整する工夫が必要となるでしょう!

アガベに相性が悪い土

前述のようにアガベは、すぐに枯れてしまうことが少なく強い植物のひとつですが、それでも生き物なので、相性が悪い用土に植えてしまうと体調を崩しやすくなります。

それでは、アガベにとって相性が悪いのはどういう用土か、それは水持ちが良く、通気性の悪い用土です!

比較的乾燥した環境を好む植物なので、ずっと湿っている環境を苦手としています!
また、通気性が悪いと、根の呼吸の面から悪影響を及ぼすことにも・・・。

市販されている「多肉植物・サボテン用の培養土」の中にも、水持ちが良いように配合されている商品もあります。
育成環境や育成する多肉植物によっては、水持ちの良い用土との相性が良いこともあるでしょう。
ただ、水持ちの良い用土はアガベとは相性があまり良くない培養土なので、市販されている培養土を購入する場合でも注意が必要です!
「水持ち」ではなく「水はけ」と書かれた培養土がオススメです!

以前、水もちの良い用土にアガベを植えたところ、結果的にアガベの成育が遅くなり、葉同士の間隔がギュッと締まったカッコイイ株に成長したこともありますが、それは結果的に偶然そのように成長しただけのこと。
水持ちの良い用土では、根腐れのリスクも高まってしまうので、オススメはできません。

アガベの自生地の環境

アガベに限ったことではありませんが、植物を育てるときは、その植物が自生している地域の環境を参考にすることが重要になります!

植物が本来、暮らしている環境を再現できれば、枯れるリスクは低減させるだけではなく、健康的な成長にもつなげることができるのがその理由です。

日本で育つ植物は、日本の降水量や日照時間、気温などに適応しているから自然の中で生きていけるもの。
アガベを育てる場合には、アガベの本来育っているメキシコの環境に少しでも近づけることで、健康的に育てることができるでしょう!

温度・湿度

アガベは、メキシコを中心に自生している品種が多く、メキシコは日本と比較すると温暖で湿度は低めです。
日本のように凍てつくような寒さが到来する真冬の季節や、湿度も温度も高い梅雨や真夏などの気候は、ほとんど訪れることがありません。

また、雨が降ることは少なく、降水量は日本の3分の1程度しかありません。

一部のアガベは、氷点下に達する地域で暮らしている品種もいますが、それはごく一部の品種に限ったことです。

土壌(pH)・栄養分

メキシコの土壌は「アルカリ性」ですが、前述のようにアガベには「弱酸性」の土壌の方が望ましいモノ。

なぜ「弱酸性」の土壌が望ましいのかというと、メキシコで降る酸度の強い「雨」が理由となっています。

日本でも酸性雨が降りますが、メキシコでは日本よりも酸度が強く、まるでお酢のような“強酸性の雨”が降るので、結局自生している植物が吸いあげる水は、「アルカリ性(もともとの用土)」+「強酸性(雨)」=「弱酸性」になります!

また「アガベ」は砂漠や崖のようなところで暮らしていますが、根を張っている用土の中には栄養分もそれほど含まれていません。

以上のことをまとめると、日本との違いは下記の点になるでしょう!

メキシコの環境の特徴
  • 厳しい寒さや、高温多湿の環境は訪れない
  • 降水量は少ない
  • 土壌は「アルカリ性」だが、雨は日本より強い「酸性雨」
  • 土壌には、あまり多くの肥料分が含まれていない

アガベも含めた多肉植物の自生地の環境、それぞれの環境から考察する育て方については、下記の記事でご紹介しています。
あわせてチェックしてみてください。

配合土・配合割合

用土の配合割合についてはひとそれぞれで、アガベを育成している生産農家さんでもまったく同じ用土を使用しているひとはほとんどいないモノ。

アガベ愛好家の中には、そのときどきで配合する用土や、配合割合を探求している方もいます!
わたしもこれまで、試行錯誤をしている中のひとり。

結局、育成環境はひとそれぞれで異なるので、実際にアガベを育成している環境にあわせて配合を調整していくことが望まれますが、最近自宅で採用しているオリジナル培養土は下記のように配合しています!

自宅の配合割合
  • 硬質赤玉土:3.5
  • 日 向 土:3.5
  • 硬質鹿沼土:2
  • 木   炭:1
  • パーライト:1

※数字は、配合割合を示しています。

ちなみに、「パーライト」には黒曜石(こくようせき)と真珠岩(しんじゅがん)があり、同じ「パーライト」でもまったく違った性質を持っているモノ。

「パーライト」黒曜石と真珠岩の違い
  • 黒曜石
    • “水はけ”(排水性)を向上または改善させる役割
  • 真珠岩
    • “水持ち”(保水性)を向上または改善させる役割

わたしが使用しているのは、「水はけ重視型」の黒曜石を使用しています。

夏の間に乾きすぎることを防止したいのであれば、水持ち(保水性)を高めるために、赤玉土を増やしてもいいでしょう!
また、コケが生えてくるのが気になるのであれば、鹿沼土を少なめにすると、コケが生えづらくなると感じています!

もちろんAmazonなどでも、日向土などは購入できるので、下記にリンクを載せておきます。

【日向土(ひゅうが土)】

【パーライト】

【くん炭】

以上です!
本記事では、多肉植物「アガベ」にオススメの配合土をご紹介しました!
冒頭にも触れましたが、「サボテン」や「塊根植物」にも代用できる用土となっています!

アガベは、成長の遅い植物ですが、ずっと育てていると愛着がどんどん増していき、ほかにも魅力の詰まっている植物です。
下記の記事で、アガベの魅力について書いているので、よろしければあわせてお読みください。

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