アガベにとって相性のよい用土・相性の悪い用土は!?~自生地の環境を参考に~

Soil suitable for agave

多肉植物のひとつ「アガベ」の中にはデリケートな品種もありますが、基本的には強靭な植物なので、ある程度成長した「アガベ」は多少相性の悪い用土に植えても枯れにくい植物です。

ただ、相性の悪い用土に植えると、ほとんど動きがなくなってしまうこともあります。

「アガベ」の育成にあたり、これまで市販の培養土を使用したり自分で配合した土を使用してきて分かったこともあるので、これまでの経験をもとに記事を書きます。

目次

アガベに相性の良い用土

それでは、「アガベ」にとって相性の良い用土とは、どういった用土なのでしょうか。

もっとも相性の良い用土の条件

結論から入ると、「アガベ」と相性が良い用土は“水はけ、通気性の良い用土”です!
この条件は必須で、ほかの条件はプラスアルファで、あれば望ましい条件だと考えています。

ちなみに“水はけ”とは、水やりをしたときにどれぐらいの速さで水が流れ出ていくのかという、「用土の排水能力」のことを指します。

一方の“通気性”は、ひとが着る洋服にも違いがありますが、「アガベ」は根からも酸素を取り入れています。
用土の中に空気の流れがあることは、多くの植物にとって良いことで、それは「アガベ」にも当てはまることです。

その他、相性の良い用土の条件は下記の3つです。

あれば望ましい条件
  • 硬い品質で粒が崩れにくい用土
  • 用土の粒の大きさが均一
  • 弱酸性の用土

ひとつずつ、もう少し具体的に触れていきます。

硬い品質で粒が崩れにくい用土

「アガベ」を植える用土によく使われる“赤玉土”と“鹿沼土”は、粒が崩れやすい特徴があり、一度崩れてしまうと泥のようになってしまい、水はけや通気性にも悪い影響を及ぼします。
すこし高額だとしても、“硬質(こうしつ)”や“焼成(しょうせい)”と記載されているタイプは、比較的粒が崩れにくいため、特に頻繁に植え替える予定が無いのであればオススメの用土です!

中でも、赤玉土は用土の品質を“二本線”や“三本線”という表現で示すことがありますが、二本線よりもさらに良い品質で崩れづらいのが三本線ということになり、パッケージに何本横線が入っているかで、二本線なのか三本線なのかを見分けることができます。

「アガベ」は根がどんどん成長する植物で、多少大きめな鉢に植えても1~2年後には鉢が根でパンパンになってしまい、定期的な植え替えは必須で、どのみち植え替えのときに劣化した用土は取り換えられます。
何年も同じ鉢で育てていくのであれば三本線でも良いと思いますが、「アガベ」に関しては定期的な植え替えが発生する以上、二本線のモノでも充分なので、お金に余裕がある場合のみ三本線を使用することで良いと考えています。

用土の粒の大きさが均一

赤玉土をはじめとして、用土には粒の大きさがあります。
粒が大きい順に並べると、以下の通りとなります。

粒の大きさ(大きい順)
  • 大粒(おおつぶ)
  • 中粒(ちゅうつぶ)
  • 小粒(こつぶ)
  • 細粒(さいりゅう)

「赤玉土+鹿沼土+ひゅうが土」など、複数の用土を配合する場合には、小粒なら小粒同士で、細粒なら細粒同士で揃えた方が良いです。
大きさを揃える理由は、たとえば中粒の赤玉土と中粒の鹿沼土をベースにした用土は、用土の大きさが同じため、適度に用土同士の間に隙間ができます。
ところがそこに小粒の日向土を混ぜ込むと、赤玉土と鹿沼土の間の隙間に小粒の日向土が入り込み、適度に保たれていた隙間が埋まってしまうので、結果的に水はけや通気性に悪い影響を及ぼしてしまうためです。

弱酸性の用土

「アガベ」が主に自生しているのはメキシコですが、メキシコの用土は、アルカリ性を示します。
そのため、メキシコに自生しているサボテンも、昔はアルカリ性の用土に植えた方が良いとされてきました。
しかし最近は、メキシコに自生する植物でもアルカリ性ではなく、弱酸性の用土に植えた方がよく育成することが分かっています。
実際に、現在多くのサボテン用の培養土が市販されていますが、市販のサボテン用の培養土も弱酸性を示します。

この理由は、後述する現地の環境が影響しています。
鹿沼土は酸性が強い用土なので、鹿沼土を使用する場合にはアルカリ性である木炭やくん炭をあわせて配合するなど、酸度を調整する工夫が必要です。

アガベに相性が悪い土

前述のように「アガベ」は弱い植物ではないですが、それでも生き物なので、相性が悪い用土に植えてしまうと体調を崩しやすくなります。

それでは、「アガベ」にとって相性が悪いのはどういう用土か、それは水持ちの良い用土です!

比較的乾燥した環境を好む植物なので、ずっと湿っている環境を苦手としています!

多肉植物・サボテン用の培養土の中にも、水持ちが良いように配合されている商品もあります。
育成環境や育成する多肉植物によっては、水持ちの良い用土がマッチすることもあるでしょう。
ただ、水持ちの良い用土は「アガベ」とは相性があまり良くない培養土なので、配合土を選ぶときも水はけの良さを重視することを推奨します!

以前、水もちの良い用土に「アガベ」を植えたところ、結果的にアガベの成育が遅くなり、葉同士の間隔がギュッと締まったカッコイイ株に成長したこともありますが、それはたまたまのことです。
水持ちの良い用土に植えていると、根腐れのリスクも高まり、あまり健康的に育てることはできないのでオススメすることはできません。

アガベの自生地の環境

「アガベ」に限らず、植物を育てるときは、その植物が自生している地域の環境を参考にすることが重要です。

本来、暮らしている環境を再現できれば、少なくとも枯れるリスクは低くすることができるからです。

温度・湿度

「アガベ」は、メキシコを中心に自生している品種が多く、メキシコは日本と比較すると温暖で湿度は低めです。
日本のように凍てつくような寒さを感じる真冬や、湿度も温度も高い梅雨などの天候は、あまり訪れることがありません。

また、雨が降ることは少なく、降水量は日本の3分の1程度しかありません。

土壌(pH)

メキシコの土壌はアルカリ性ですが、前述のようにアガベには弱酸性の土壌の方が望ましいです。

これは、メキシコで降る雨は、日本よりも酸性の強い雨が降ることが理由です。

日本でも酸性雨が降りますが、メキシコでは日本よりも酸度が強く、まるでお酢のような“強酸性の雨”が降るので、結局自生している植物が吸いあげる水のpHは、「もともとの用土:アルカリ性」+「強酸性」=「弱酸性」になります!

また「アガベ」は砂漠や崖のようなところで暮らしているため、根を張っている用土の中には栄養分もそれほど含まれていません。

配合土・配合割合

用土の配合割合については人それぞれで、アガベ愛好家の中には日々配合する用土や、配合割合を探求している方もいます!
わたしも日々とまではいきませんが、これまで試行錯誤をしてきた人のひとりです。

結局のところ、いろんな方が公開している配合割合などを実際に試してみて、「アガベ」を育成している環境にあわせた配合に調整していくのが望ましいですが、最近自宅で採用しているオリジナル培養土は下記のように配合しています。

自宅の配合割合
  • 硬質赤玉土:3.5
  • 日向土:3.5
  • 硬質鹿沼土:2
  • 木炭:1
  • パーライト:1

ちなみに、パーライトには黒曜石(こくようせき)と真珠岩(しんじゅがん)があり、黒曜石は水はけ重視型の土で、真珠岩は水持ち重視型の土です。
わたしが使用しているのは、黒曜石を使用しています。

次に配合をするときは、硬質鹿沼土を上の割合からすこし減らして、その分、硬質赤玉土の割合を増やしてみようと考えています。
理由は、鹿沼土を使用しているとコケが生えやすいと感じているからです。
特に冬の間、耐寒対策として室内育成に切り替えたときに、コケが増えだすように思います。
また、夏の間に乾きすぎるので保水性を高めるために、赤玉土を増やしたいと思っています。

「アガベ」は、成長の遅い植物ですが、ずっと育てていると愛着は増していき、今ではおそらく100株近く育てていると思います。

アガベLifeを楽しむために、一つの参考にしていただけると嬉しいです!

スポンサーリンク
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次